なんで、このタイミングで和葉さんや白馬さんが現れてるのかなー……いくらなんでも早すぎるでしょ。
そして何故私は和葉さんに睨まれてるんだろう?
「白馬……どっかで聞いたような……」
「新兄や服部さんと同じ高校生探偵、白馬探さんですよね?」
「おや、僕の事をご存知とは光栄ですね。それも今有名な眠りの小五郎とそのお嬢さんに知られているとは」
お父さんが何かを思い出そうとして頭を悩ませているので私が補足する事に。この事はそれなりに有名な事なので私が知っていても不自然ではない。
白馬さんはニコリと笑みを浮かべる。イケメンスマイルが眩しいぜ、ちくせう。
「ほーう、アンタも俺や工藤と同じ高校生探偵っちゅー訳かいな」
「ええ、僕の活動は主にロンドンですが時折帰国して日本でも活動しています。今回もその一環でしたがロンドンに戻る前に羽休めと思ってこのホームズツアーに参加しました。僕にとってホームズは探偵としての師同然ですので」
負けん気の強い服部さんが白馬さんを品定めするかの様な態度を取るが白馬さんは大人の余裕とばかりの態度である。
白馬さんも新兄と同じくらいホームズ好きだもんね。なんたって事件現場に行く時はホームズのコスプレしていくくらいだし。
「自己紹介は済んだようですのでツアーの説明をさせて頂きます。これから翌日まで皆さんにはホームズ問題集1000問を解いて頂きます。その問題で990点以上取った方に超難問クイズに挑戦して頂き、見事正解された方には……このホームズが初めてこの世に生まれた『緋色の研究』の初版本を進呈いたします!」
「「「おおおぉぉぉぉぉぉっ!」」」
オーナーの発言にいろめき立つホームズフリークの皆さん。貴重だもんね。
「おい、そんなに凄いもんなのか?」
「少なくとも初版本ならプレミア価格。因みに手書きの原本なら億単位の額が付く筈だよ」
お父さんがコソッと私に話し掛けてきたから覚えてる限りのことを伝えた。その事にお父さんの目が¥になったのを見逃さなかった。
「ねぇ、僕も990点以上取ったら難問クイズに挑戦出来るの?」
「あ、ああ……でもキミじゃ全問正解は難しいと思うぞ」
「私じゃ全問正解する自信は無いし、コナンに任せるよ。ホームズに関してはコナンの方が知識があるんだから」
「へぇ、凄いんだね」
コナンの疑問にオーナーは戸惑い気味。そりゃ小学生が難問集を解けるなんて思わないよね。私の発言に白馬さんはコナンに興味津々って感じ。
「工藤が来るかと思って応募したけど退屈なツアーになりそうやで」
「服部君、新一に会いに来たの?」
「確かに新兄ならこのツアー好きそうだから参加しそうですよね」
「新一にーちゃんにこの話をしたら悔しそうにしてたよ」
「あの探偵坊主なら食いつくか」
「新一?新兄?新一にーちゃん?探偵坊主?え、もしかして工藤て……」
平次さんの発言にお姉ちゃん、私、コナン、お父さんの順にコメントして和葉さんが驚いたような呟きを溢す。あ、そうか和葉さんは平次さんの聞いた話で『工藤』としか聞いてなかったから新兄の事を女と思って焦ってたんだっけ。今回はこの会話で真実に辿り着いたらしい。
あれ?だとしたらなんで私が睨まれてたんだろう?
「アホやな。工藤ちゅーのは男や。俺と同じ高校生探偵で有名やろ。ほんでこっちの姉ちゃんが工藤の女でそっちのちっこいのが妹や」
「うぅ〜……」
「新一の女……」
「ちっこくて悪かったですね」
平次さんの発言に勘違いをしていた事に顔を赤くする和葉さん。お姉ちゃんも堂々と『工藤の女』と言われて顔を赤くしている。どっちも可愛いなぁ。でも、その割に私の評価は小さいしかないのが悲しい。
「おや、そんな事はありませんよ。背の低さも魅力の一つです。千紗さんは可愛いですよ」
「そうやで。俺もちっこいのが悪いとは言うてへんやん。この嬢ちゃんはこんなちっこくても俺の事を圧倒する様な胆力の持主で大したもんや」
「そやな……工藤君やその話で耳タコやで」
白馬さんが即フォローしてくれた、イケメンは行動が早い。そして平次さんは新兄や私の事を和葉さんにも良く話してるみたいだけど……成る程成る程。
耳タコになるまで、その話題をしてたから和葉さんが私を睨んでたと……お前が原因か!
そりゃ気になる男の子が他の女を褒め称えてれば不機嫌にもなるわな!
原作でも和葉さんは『工藤』って名前を女の名前と勘違いしてお姉ちゃんに絡みに行ったくらいだし。
それが私になったって事ね。事件を食い止めるのもだけど和葉さんの誤解を解くのも大変そう……