お父さんの所に有名マジシャン『九十九元康』さんの奥さんである『九十九七恵』さんからの依頼が舞い込んだ。元康さんが自殺したとニュースになったのだが七恵さんは納得出来なかった。警察にも捜査を再三頼んだが結果は同じ。そこで名探偵であるお父さんに調査を依頼しに来たという事だ。
屋敷に到着して捜査が開始されたけど……案の定お父さんよりもコナンの方が様々な証拠や疑問点を見つけていく。
当然お姉ちゃんはコナンを背後から睨み続けてる。うん、めっちゃ怪しんでるね。コナンの寝顔から新兄の姿を見たんだね……でも、露骨すぎ。
その後もお姉ちゃんはコナンの正体を怪しみまくっていたが事件は無事に解決。帰り道にお姉ちゃんはコナンを連れて夕飯の買い出しに行くと連れて行ったけど……あれってコナンの正体を確信して暴きに新兄の家に行ったんだよね。それでとある事情で帰国した有希子さんがフォローを入れて難を逃れる事が出来る。
とまあ、そんなやり取りが行われてる筈なんだけど……
「ったく……蘭も小僧も遅せぇぞ!」
「遠くまで行ってるのか、沢山買ってるのか、何かあったのか……探しに行こっか」
「ただいまー!ごめん、遅くなった!」
お父さんが空腹からイライラしてる。それと言うのも帰りが遅すぎるから。私もお腹空いちゃったよ。そろそろ迎えに行こうと思ったら買い物袋を持ったお姉ちゃんが帰ってきた。
「何かあったの?それにコナンは?」
「え、えっと……買い物の途中で新一のお母さんに会っちゃって話し込んでたら遅くなっちゃったのよ。それでコナン君は新一のお母さんと一緒に行っちゃって……」
「なんで小僧と有希ちゃんが……?」
私が疑問を口にするとお姉ちゃんは目が泳ぎながら微妙な嘘を口にした。うん、「コナン君の正体が新一に違いないから暴きに行ってた」なんて言えないもんね。お父さんはお父さんで疑問が出たみたい。そう言えばお父さんとお母さんと有希子さんって同級生だったっけ。
「それがコナン君って阿笠博士の親戚の子だったでしょ?それが新一の従兄弟でもあるらしいの。それで新一のお母さんがコナン君と話したいからって連れて行っちゃったのよ」
「そう言えば新兄もそんな事を言ってたかも。親戚だったなら納得かも。コナンの鋭い指摘って新兄の影響だったんだね」
お姉ちゃんはエプロンを着ながら私とお父さんの疑問に答えてくれた。
阿笠博士とコナンと工藤家が親戚だという中々ミラクルな関係を話し合う私達。コナンの推理力は新兄の影響なのだと話しておけばフォローにもなるだろうし。
「だとしたら悪い影響よ。コナン君まで推理オタクになっちゃうじゃない」
「かっかっかっ、英才教育って奴だな」
「英才教育って要は奇異な大人による奇異な視点の植え付けだと思うよ」
お姉ちゃんは少し怒りながらコナンへの悪影響を語る。お父さんはビールを飲みながら笑っていたが私は「まあ、同一人物だし」と心の中で呟いた。
それはそうとコナンを有希子さんが連れて行ったなら向こうでも事件が起きるかな。そんであのへっぽこ刑事が初登場の辺りか……あんなのが最終的に警部にまで昇進するんだから、この世界の警察は大丈夫なのかと疑いたくなる。
あのへっぽこ刑事を見ていると某推理ドラマの部下に必要以上に厳しく接するのに権力に弱い警部補がマトモな警部補に見えてしまう。
そして翌日になっても帰って来ないコナン。お姉ちゃんが心配していたので阿笠博士に電話したら、やはり有希子さんに連れられて泊まり掛けで旅行に出ているらしい。
「まったくもう!泊まり掛けで旅行に行くなら連絡くらいくれればいいのに!」
「ご、ごめんなさい……」
「心配なのはわかるけど有希子さんの性格を考えると無理矢理連れて行かれたのが正解だと思うよ」
そして帰ってきたコナンをお姉ちゃんが心配して怒ってた。私としてはあのフリーダムな母親に争うのは無理だったんだろうと思ってた。取り敢えずお姉ちゃんのコナンへの疑いが少しだけ晴れたのは良かったとは思う。まだ疑ってはいるんだろうけど。
これで穏やかな日々が……とはならずに雪山でお姉ちゃんの小学校時代の恩師の事件が起きたり、アーティスト誘拐事件が発生して、麻雀好きな人達の事件が巻き起こり、何処ぞの人間関係がギスギスした名家の事件が起きたりした。この世界に救いはないのか……
コナンが夜中に帝丹小学校の七不思議を解いた。まあ、教師と教頭の仕掛けた事だったんだけど。犯罪が関わってない事件に安堵を感じるのって私も大分毒されてるなぁ……なんて思っていたけど数日後に私はとある事件にガッツリと関わる事となる。
◇◆◇
「これはこれは……こんな夜更けにお嬢さんと坊主が出歩くなんて感心しないですね」
「怪盗1412号……」
「通称……怪盗キッド」
深夜のビルの屋上で私とコナンは白いタキシード姿の怪盗と遭遇していた。