毛利家の次女   作:残月

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コナンVS怪盗キッド②

 

 

 

 

 

 

◇◆sideコナン◇◆

 

 

怪盗キッドを捕まえるべく俺と千紗は杯戸シティホテルの屋上に行って怪盗キッドと対峙した。

奴にはまんまと逃げられて千紗の胸に奴からのメッセージカードが残されていた。よりにもよって最悪な位置に残していきやがった。

 

 

「私の胸が平たいからメッセージカードを貼り付けてメッセージボード扱いをするなんて許せません。私自らの手で奴を殺……いえ監獄に叩き込んでやりましょう」

「いや、キッドもその意図があってやったとは思えないけど……」

 

 

千紗の胸に残されたメッセージカード。多分、キッドは軽い悪戯のつもりだったんだろうけど……

普段は冷静だし温厚な千紗が許せないものが三つある。犯罪を犯した犯人。家族を害する者。そして……自身の身長や貧乳の事を馬鹿にされた時だ。

 

怪盗キッドの意図しない千紗の貧乳を馬鹿にした行為。

怒りのオーラで犯罪者を取り押さえたりする周囲の警察官ですら引いている。ああ、キッドは地雷を踏んだと言うか踏み抜いちまった。

 

 

「さ、帰ろうかコナン。中森警部も警察の方々も失礼しました」

「あ、ああ……」

「お疲れ様です!」

 

 

この後、スウッといつもの調子に戻ったのが逆に怖い。そして俺の手を引きながら中森警部や警察の方々に頭を下げていく。

中森警部も顔が引き攣ってるし、周囲の警察官に至っては帰ろうとする千紗に敬礼すらしている。

その後、家に帰って朝になってから事の顛末をおっちゃんや蘭に話した。おっちゃんは激怒して「俺が捕まえてやる!」蘭は「怪盗キッドって紳士って園子が言ってたけど違うのね」と同様に怒っていた。

俺はおっちゃんや蘭よりも物静かに怒りを蓄積している千紗の方が怖かった。

 

それから数日後の鈴木財閥の船上パーティーに招かれた俺と蘭と千紗とおっちゃん。怪盗キッドはそのパーティーでブラックスターを盗み出す算段らしいが……正直来ない方が身の為だと思うぜ。

だが怪盗キッドは現れた。鈴木会長に変装して船に潜り込み、更には船内で迷子になった蘭に変装してブラックスターをまんまと盗みやがった。

これで千紗の怒りに触れる要因が全部揃っちまったな……

 

だが、そのまま盗ませる訳にもいかなかったので俺は蘭に変装した怪盗キッドを機関室に連れ出して、俺の推理を聞かせて正体を暴いた。

怪盗キッドは素直に負けを認めて俺にブラックスターを投げ渡すと「鈴木婦人には謝っておいてくれ。パーティーを台無しにして悪かったって」と言っていたが俺としては千紗に土下座した方が良いと思っていた。

 

 

「千紗って子には後で別に謝る予定だ。まさかあんなに怒るなんて思わなくてよ」

「だったら安心しろ。今から千紗の所へ連れて行ってやるからよ」

 

 

怪盗キッドは意外にも千紗にもちゃんと謝るつもりだったらしい。警官に変装して、あの場に居たなら千紗の怒りっぷりを見ていたんだろうから無理もないか。

だが、このまま逃す気は無い俺はキック力増強シューズでサッカーボールを叩き込もうと思ったがそれは叶わなかった。

 

怪盗キッドは「ああ、この服を借りた子だけどよ。救命ボートで寝かせてるから早く迎えに行ってやった方が良いぜ。俺は完璧主義者なんでな」と服の中から女性物の下着をスルッと見せつけた。まさか今の蘭は裸……なんて思考が俺の頭をよぎった隙を突いて怪盗キッドは閃光弾を放ち、服を脱ぎ捨てて逃げて行ってしまった。

追い掛けたかったが蘭の方が先だ!

俺は服を拾い上げてから救命ボートの設置場所に急いだ。だが俺の焦りは杞憂で蘭は既に警察に保護されていた。聞けば千紗が先に蘭の居場所を突き止めていたらしく保護を頼んだそうだ。蘭は服をちゃんと着ていて蘭のドレスには『先日、お預け頂いた真紅ドレス。よくお似合いですよ ある時はクリーニング屋の怪盗キッド』とメッセージカードが残されていた。

そういや前にクリーニング屋が直接事務所に受け取りに来てたけどアイツが怪盗キッドだったのか!それで蘭のドレスと同じ物を用意して逃げる隙を作る為に……チクショウ、まんまと引っ掛かっちまった。

 

 

「逃げられちゃったみたいだね」

「あ、千紗……ねーちゃん」

 

 

俺が悔しがってるとデッキの方から千紗が歩いてきた。心なしか怒りは治っている様だけど……

 

 

「キッドがね……ちゃんと謝ってきたよ。私の事もお姉ちゃんの事も。まあ今回は許してあげる事にしたよ。次は無いけどね」

「そ、そうかい……」

 

 

この口ぶりは千紗も怪盗キッドに会ったみたいだな……

千紗と怪盗キッドの間でどんなやり取りがあったかは知らないけど怒りが収まったなら良かった……いや、マジで。

 

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