◆◇side鈴木園子◇◆
親友の妹で私にとっても妹みたいな千紗がイケメンを捕まえてデートに誘われた事で私や蘭、大阪の友達の和葉ちゃんも大はしゃぎになった。
デート日まで数日の猶予があったので私達や千紗の友達だという柴田澪や早川葵と一緒に髪型やファッションを千紗に教えたり着せ替え人形にしたりと楽しかった。
そして迎えたデート当日。デート日の事を話していたから大阪から和葉ちゃんも服部君を連れて来ていた。私と蘭もガキンチョを連れてデートの待ち合わせ場所に張り込みをした。澪と葵とも合流して恋する乙女達は盛り上がっていた。
話題に上がるのは千紗の服装チェック。普段からファッションに無頓着なあの子がどんなデートコーデをするのか皆、楽しみにしていた。
「千紗ってばどんなコーデで来るかな?チョー楽しみ!」
「最近、雑誌読ませたり放課後に服見たりと知識は増えてるでしょうけど……」
「まさかジャージとかスウェットで来たりしないわよね?」
「いくら千紗でも……無いわよ」
「蘭ちゃん、ちょっと疑ってるやん」
澪、葵が千紗の服の事を話題に上げる。私は少し嫌な予感がして思った事を口にする。「オシャレ?興味ないです」なんて言ってジャージで来そうな可能性がゼロではないから。蘭もちょっと疑ってるし。
「動きやすいからカジュアルなの気に入ってたみたいだけど」
「ならスポーティな感じやないの?」
「意外とモードとか」
「意外性ならガーリーっしょ」
「あの子ならどれも似合いそうなのよね。」
蘭、和葉ちゃん、葵、澪の順で千紗のデートコーデを予想していく。以前から思っていたけど千紗は可愛いのに何故か地味な服装を好む傾向にある。白馬君があんな感じだからいつもの感じでは流石にマズいとは思うんだけど。
ふとガキンチョと服部君を見てみればガキンチョは呆れ顔で服部君はまだ面白そうにしていた。ガキンチョの方は飽きてきてるわね。
「それにしても白馬さん、待ち合わせ時間よりも早く来てるのはポイント高いね」
「しかも絵になってるわ」
「確かに嫌味なくらいに絵になってるわね。そろそろ千紗も来る頃よね」
澪と葵の言う通り、白馬君は待ち合わせ時間よりも早くデートの待ち合わせ場所に来ていた。白馬君はベンチに足を組んで座りながら本を読んでいた。私に彼氏が出来ないのに千紗ってばこんなイケメンにデートに誘われるなんて羨ましいわ。
「あ、あれちゃう?千紗ちゃん来たで」
「家を出る前にどんな服着るか悩んでたみたいだけど、どんなコーデにしたのかしら?」
そんな事を思っていたら千紗が来たらしい。さてさて、どんな服装で来たのかしら?
「お待たせして、すみません白馬さん」
「いえ、今来た所ですし……それに千紗さんを待つ時間なら僕は苦になりませんよ」
千紗のデート服。
それは白のワンピースにデニムジャケット。デートとしては鉄板コーデだった。手堅く攻めたわね。髪もいつもストレートだけど小さく後ろで結ってある(ハーフアップ)
待ち合わせ時間にはまだ早いし千紗も早めに待ち合わせ場所に来たのに白馬君が先に来ていた事に驚きながらも謝っていた。白馬君は読んでいた本を閉じて立ち上がると千紗に微笑んだ。イケメンスマイルね。しかも待っていた事を悪いと感じさせないトークも凄いわ。
「千紗さん、本日の服装とても似合ってますよ。千紗さんらしい清楚な雰囲気です」
「あ、ありがとうございます……」
白馬君のストレートな褒め方に千紗もたじたじね。思えば新一君以外に男の子に褒められた事が無いんじゃない千紗って?
「さ、行きましょうか?お手をどうぞ」
「え、あ、は、はい……」
白馬君のキザながらも紳士な手の差し伸べ方にどうしていいかわからない風の千紗。私が言うのもアレだけど初々しいわね。白馬君と千紗はどんなデートプランになってるかは知らないけど並んで歩き出した。
千紗は白馬君の差し出された手を……微妙に握ってないわね。恥ずかしがってるのか並んで歩いてるけど千紗は白馬君の袖をチョコンと掴んでる。
あー、もう!羨ましいわね!私も早く彼氏が欲しいわぁ……キッド様とか出会いが欲しいわよ。