毛利家の次女   作:残月

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初デートの思惑

 

 

 

 

◆◇side白馬探◇◆

 

 

待ち望んだ千紗さんとのデート。案の定、千紗さんは強張ってると言うか緊張していた。以前会った時もクールな印象を受けたけど本質的に彼女は感情豊かな子だ。

 

今も僕の差し出した手を繋がずに僕の袖を掴んで申し訳なさそうな表情になっているのが良い証拠だ。

しかし、以前の服装と印象が違って今日の彼女は以前会った時よりも魅力的だ。さっきも褒めたけど千紗さんの服装は素敵だった。清楚な雰囲気が彼女に凄いマッチしている。

 

 

「あの……白馬さん。今日はこれから……」

「ええ、散策も兼ねて街をぶらつこうと思ってます」

 

 

本当ならちゃんとデートプランを立ててディナーまで持ち込みたいけど、それをすれば彼女は逃げ出してしまう気がする。

千紗さんは何故か自己評価が非常に低い。今も恐らくだが自分が何故デートしているのか自問自答している気がする。

その状況下でマトモなデートプランを立てたらキャパオーバーを起こして逃げてしまうだろう。とすればノープランでのんびりと話しながら彼女の心を解すとしよう。本格的なデートはその後で良い。焦りは禁物だ。

 

それにマトモなデートプランを立てれば先程から跡をつけている毛利探偵が怒鳴ってくるだろう。優秀な探偵の毛利小五郎があの様にバレバレな尾行をしているのは「デートは許すが、展開が早いのは許さない」と言うメッセージなのだろう。心配せずともディナーまで拘束するつもりはありませんよ。今はね。

 

そんな事を思いながらも千紗さんに散策を提案してから街を歩く。雑談を交えながら僕の事を知ってもらう為に様々な話題を出す。

 

 

「じゃあ白馬さんは怪盗キッドを捕まえる為に留学をしたんですか?」

「ええ、彼を捕まえる為に日本に長く滞在を予定しています。勿論、他の事件も解決していくつもりです」

 

 

話題は僕の留学の理由になっていた。僕はライバルであるキッドを捕まえる為に留学をしたが他にも気になる事があるからだ。千紗さんが兄と慕う工藤新一の事も気になるし、最近の日本は事件発生率が高過ぎる。まるで何かの因果が渦巻いているかの様に感じる程だ。

 

 

「っと……少し歩き疲れてしまいましたね。少し休みましょうか」

「いえ、私は大丈夫です」

 

 

千紗さんと話をしながら考え事をしていたが千紗さんの事を少し疎かにしてしまった様だ。僕と千紗さんでは歩幅も違うのだから気を遣わねばならないのに僕のペースで歩いてしまった。

大丈夫と申告する千紗さんだけど少々疲れている様に感じた。

僕は喫茶店に千紗さんと一緒に入り休憩する事にした。

 

おや、奇遇ですね黒羽君。青子君とデートかい?

 

 

 

 

 

◆◇side黒羽快斗◇◆

 

 

怪盗キッドとしての下調べをして青子と喫茶店に入ってコーヒーを飲んでいたら休みの日だってのに白馬の奴に会っちまった。だが、それ以上に驚かされたのは白馬のデートしていた相手が過去一番、怪盗キッドの俺を追い詰めた毛利千紗だった事だ。思わず飲んでたコーヒーを溢しちまった。

 

 

「マーライオンかい、キミは?飲み掛けのコーヒーを口から溢さないでくれないか」

「そうだよバ快斗。汚いなぁ」

「う、うるせーよ」

 

 

白馬と青子の指摘に俺は自分がコーヒーを口から溢していた事に気付く。我ながら動揺し過ぎだろ。あの嬢ちゃんは俺に気付かないままトイレに行ったみたいだから良かったけど、あの勘の良い嬢ちゃんが俺を見たら最悪、怪盗キッドの正体に気付きかねない。

 

 

「え!白馬君、さっきの子とデート中なの!?良かったねぇ、最近白馬君が時計見ながらソワソワしてたの気になってたんだー」

「ええ。街の道案内も含めてデートを僕から申し入れました。時計を見れば早くなる訳じゃないのに待ち遠しかったものでして。彼女も初デートと言う事で緊張していた様ですので少し休憩に喫茶店に入る事にしたんです」

 

 

白馬から話を聞けばあの毛利千紗とデート中なのだと言う……最近、白馬が妙にテンションが高いと言うかソワソワしてる様に見えたのはそうだったからなのか。青子もそれに気付いていたらしくテンションが上がっているが俺はそれどころじゃなかった。

もしも……もしもだぞ。白馬と嬢ちゃんが付き合ったとしたら怪盗キッドとしては最悪な状況になる。

中森警部は兎も角、あの生意気ガキンチョと姉弟の関係の嬢ちゃんが白馬と常にタッグを組むと言う事になる。そうなったら今までみたいな楽な仕事じゃなくなってくるだろう。

 

そういや、あのガキンチョの事ももっと調べなきゃだな。どうにも俺の直感に引っ掛かる物を感じる。そうと決まれば……

 

 

「そーかよ。んじゃ初デートなら頑張れよ。ほら、行くぞ青子」

「えー、何よ快斗。もっと話聞きたかったのに」

 

 

俺は足早に店を後にしようと青子の手を引いて店を出ようとしたが青子は白馬から嬢ちゃんの話をもっと聞きたいのか留まろうとした。

 

 

「白馬の話通りなら初デートなんだろ?だったら邪魔は野暮ってもんだろ」

「あ、そっか。ごめんね白馬君」

「いえ。黒羽君、キミの心遣いに感謝するよ」

 

 

あの嬢ちゃんに今見つかるのはマズい気がするので早々に退散したいから適当な理由でこの場を離れようとする。青子も納得してくれた。白馬からは素直に礼を言われたがキザっぽい言い方に少しイラッとしたが邪魔は野暮ってのも俺の本音だ。サッサッとズラかろう。

 

 

なんて思って店を出たらバレバレの尾行をしている毛利小五郎や他にも巧妙に隠れてデートを見ている毛利蘭とその友達と疲れた様子のガキンチョと男子高校生が居た。野暮にも程があんだろコイツ等。

 

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