AI作成によるファンアートの様ですのでイメージが違う可能性がありますので閲覧の際にはご注意下さい
毛利千紗のイメージイラストです。
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怪盗キッド逮捕の為に大阪まで来て、園子さんにリムジンで迎えに来て貰って、平次さんと和葉さんとも合流してキッドの予告状の謎解き……って思ってたんだけど。
私はコナンやお父さん達とは別行動をしていた。それというのも白馬さんに誘われて夕食を食べに高級ホテルのレストランに来ていたからである。
「ほう、では探と仲良くして頂いていると。あの名探偵の毛利小五郎の御息女と交流があるとは嬉しい限りだよ」
「白馬さんとはイベントであってから交流させて貰っています。私の方が良くしてもらっていまして」
私と白馬さんの二人きりの食事ではなく、何故か私は白馬さんのお父さん。つまりは警視総監に食事会に招かれていた。いや、なんでやねんとツッコミたい。と言うかお偉いさんと会食するなら、お父さんじゃないの?なんで娘の私だけを呼んだんですか?
「眠りの小五郎や高校生探偵の白馬君。最近は話題は耳にはしないが高校生探偵の工藤新一君と交流のある毛利千紗さんとお会い出来るとは光栄ですな」
「私なんかまだまだですよ。ほんの少しお手伝いさせて頂いてるだけなので」
この発言をしたのは警視副総監の諸星さん。いや、マジでなんでこの会食に私を呼んだの?お姉ちゃんや園子さん、和葉さんは「まさか白馬君の両親へご挨拶?」とか言われたけど全然そんなんじゃないです。
寧ろキッドからの予告状の謎解きも出来ずに困惑してます。白馬さんは会話に参加しながらも予告状を見て謎解きを進めてる。この謎解きって結構難解だった気がする。ちゃんと覚えてないから私はほぼノータッチだけど。
『黄昏の獅子から暁の乙女へ 秒針の無い時計が、12番目の文字を刻む時、光天の楼閣から、メモリーズエッグを頂きに参上する。怪盗キッド』なんて内容だけど全然覚えてない。と言うかうろ覚えなだけに口を挟めないって感じなだけだ。
だからこそ白馬さんのお食事の誘いに乗るしかなかった。因みにこの場には警視総監と警視副総監、白馬さんと私。そしてもう一人。
「ふーん。眠りの小五郎の娘ね。噂には聞いてるよ。眠ってる間に奥さんに逃げられた情けない探偵」
「こら、秀樹!」
今生意気で失礼な発言をしたのは副総監のお孫さんの諸星秀樹君。さっき会って挨拶した時も鼻を鳴らして笑ったりこっちを見下した様な態度だったけど何様のつもりなんだか……
「本当の事でしょう?毛利探偵の別居は有名な噂ですし。ちょっと失礼」
「こら!……毛利さん。本当に申し訳ない」
「いえ……いつも、あの感じなんですか?」
叱られても「本当の事を言って何が悪い?」みたいな態度で秀樹君は席を立つとトイレなのか行ってしまう。私の疑問に副総監は深い溜息を溢した。
「ああ。私が警視副総監である事を自慢してくれているみたいなんだが、注意しても中々直らなくてね」
「失礼とは思いますが親や祖父が偉い方だから自分も偉いという幼児的万能感のわかりやすいケースですね。それに上辺だけの知識で賢そうに見せようとするのも子供らしいと言いますか……」
副総監の悩みも理解できてしまう。この場において私は言わば招かれたゲストの立場。その立場の人間に先程の様な態度を取れば最悪の場合は縁が切れてしまう事になる。
そもそも他人の家族の状況をニヤニヤ笑いながら弄るなっての。
「本来なら眠りの小五郎を招いて怪盗キッドの逮捕や今後の事も話したかったが……会食の場に秀樹が居るとそんな話も出来んな」
「寧ろ、今のうちに矯正しないともっと大変な事になりますよ?」
成る程……私だけを呼んだのは白馬さんとの繋がりもそうだけど、お父さんとの会食のリハーサル的なものだったのかも。さっきの秀樹君の態度を見れば本人の前でもドヤ顔で言いそうだし……あれ?なんかこんな話があった気がする……
「本当の事でしょう?言い返せもしない情けなさそうな……なんだよ?」
「秀樹君。学校でもアナタに言い返せない友達も居ると思いますけど、それは違いますよ。悪口や軽口を言えば誰かが傷付くんです。言い返せないから自分が強いとか偉いとかじゃないんです。それは独りよがりの間違った考え方なんです」
トイレから戻ってきた秀樹君に私も席を立ち、秀樹君の前に立って嗜める。
多分だけど、この子はチヤホヤされて育って虎の威を借る狐みたいに増長した考え方を持ってしまったんだろう。祖父が警視副総監なら部下の人も気を使うだろうし、勘違いはしてしまう。
「……っでも俺の仲間達は俺と同じ考えしてるぜ!言わばエリートなんだ!そこらの下の奴らと一緒にすんな!」
「つまり同じ考え方をしている人だけのコミュニティで形成された友達しか居ないんですね。それにアナタが偉いんじゃないです。アナタのお祖父様が偉いんです。それを間違えちゃダメですよ。でもアナタがお祖父様の事を誇りに思い行動したいなら今の態度は間違ってますよ。ちゃんと周りを見てしっかりしなさい。アナタの失礼な態度を謝るのはお祖父様なんですよ?」
私の言葉に悔しそうにする秀樹君。これは……多分だけど、この話題で他人に今まで反論された事が無いんだろうなぁ。反論する余地が無くて言葉を失ってるし。多分、本当の意味での友達が居ないんだと思う。
視線が泳いでる辺り、もう反論の言葉が……おや?なんかニヤッと笑った?
「へっ……だったらお前のペチャパイこそ、しっかりしろよ」
「今なんつった?」
おっと、思わず口調が乱れてしまった。落ち着こう、クールクール。相手は子供なんだ。冷静に……なろう。
この子は今、私に怒られた話題に反論できないから私の容姿弄りにシフトしたんだ。ここで怒ったら負けだ。
「アップルパイにはアップルが入ってるけどペチャパイには何が入ってんだろうなぁ?」
「何も入ってないんですよ」
このガキャ……ブッコロしちゃろうかしら?
ギリギリ笑顔を保ててるけど、そろそろ温厚な私もプッツンしちゃいますよ?
「うわっ!?なんだ!?」
「秀樹君、ここですか?」
なんて思ったと同時に部屋の明かりがバツンと切れて暗闇になる。何事!?
目の前に居る筈の秀樹君すら見えなくなっちゃったけど目の前にいたから抱き締めて落ち着かせる。暗闇で怖がっていたのかビクッと震えていたけど背中に手を回してポンポンと叩けば震えが止まった。逆に抱き返してきてるし、強がっていても子供ですね。流石に怖かったと見える。
「大丈夫ですよ。恐らく只の停電ですから……ん、停電……まさか!?白馬さん、カーテンを開けてください!」
「はい!……アレはキッド!」
私はストーリーを思い出して携帯のライトを照らしながら白馬さんにカーテンを開けてもらった。そこには闇夜に映る白いハングライダーが優々と空を飛んでいた。今更だったけど怪盗キッドはインペリアル・イースター・エッグを盗む為に大阪の街を一時的に停電にしてしまうんだった!
「警視総監!私は大阪の街を停電させた馬鹿を捕まえに行きます!お食事ご馳走様でした!」
「僕も行きます!」
警視総監の部下の人達がライトを片手にバタバタと部屋に入ってきたのは分かったので秀樹君を任せて私と白馬さんは怪盗キッドを捕まえる為にホテルを飛び出した。
あの野郎、覚悟しやがれ!テロと変わらない事しやがって!
◆◇side諸星秀樹◆◇
お祖父様に誘われて偉い人との会食ってのは慣れたもんだった。警視副総監のお祖父様にペコペコするしかない大人や馬鹿みたいな同級生ばかりで嫌になる毎日。誰もが同じ事しかしない。
今回の会食も同じだと思った。怪盗キッド逮捕の為に大阪に来た警視総監の息子の白馬探や毛利小五郎の娘の毛利千紗を交えての会食。
公的な食事会じゃなくて白馬探の友人の毛利千紗を誘った食事会だって言うから俺のお祖父様、警視総監の白馬さん、息子の白馬探、毛利千紗だけでホテルでの食事になった。その名探偵毛利小五郎はこの場には来なかったから、いつもの様に俺は知っていた毛利小五郎の話をする。どうせコイツも何も言い返して来ない……俺はツマらないと感じながらトイレに行った。俺がトイレから戻ると俺の先程の態度を話し合っていたみたいだけど俺は頭が良くて当然の事を言っただけだ。
「本当の事でしょう?言い返せもしない情けなさそうな……なんだよ?」
「秀樹君。学校でもアナタに言い返せない友達も居ると思いますけど、それは違いますよ。悪口や軽口を言えば誰かが傷付くんです。言い返せないから自分が強いとか偉いとかじゃないんです。それは独りよがりの間違った考え方なんです」
戻ってくればどうせ御機嫌伺いの態度をしてくるだろう。そう思っていたのに……毛利千紗は真っ直ぐに俺を見ながら反撃してきやがった。なんなんだコイツは!
「……っでも俺の仲間達は俺と同じ考えしてるぜ!言わばエリートなんだ!そこらの下の奴らと一緒にすんな!」
「つまり同じ考え方をしている人だけのコミュニティで形成された友達しか居ないんですね。それにアナタが偉いんじゃないです。アナタのお祖父様が偉いんです。それを間違えちゃダメですよ。でもアナタがお祖父様の事を誇りに思い行動したいなら今の態度は間違ってますよ。ちゃんと周りを見てしっかりしなさい。アナタの失礼な態度を謝るのはお祖父様なんですよ?」
今までの奴は俺が何を言ってもニコニコと御機嫌取りに来るか、無様に怒るだけだったのに……なんなんだ。まるで俺が憐れみたいな目をしやがって!
悔しいけど言葉が出ない。俺が視線をお祖父様やSPに向けようとした所でデザートに出されていたアップルパイが目に入った。
コイツは年上みたいだけどチビだし、色気も無いのを馬鹿にしてやろう。
「へっ……だったらお前のペチャパイこそ、しっかりしろよ」
「今なんつった?」
お、少し効いたみたいだ。俺に散々楯突いた罰だ。もっと言ってやろう。そうすればコイツも俺に謝る筈だ。
「アップルパイにはアップルが入ってるけどペチャパイには何が入ってんだろうなぁ?」
「何も入ってないんですよ」
ここで俺は何処か恐怖を感じた。ニコリと笑みを浮かべた筈なのにコイツの笑みから笑いが消えた気がする。まるで空気がズシっと重みが増したかの様な圧を感じる。
「うわっ!?なんだ!?」
「秀樹君、ここですか?」
コイツが怖いと思ったと同時に部屋の明かりが消えて暗闇になった。突然の事に俺がビビっていると急に抱き締められた。毛利千紗が俺に抱きついたのか。
どうせ怖くて俺に守って欲しくて抱きついたんだろ。え、なんか凄く柔らかい。それになんか良い匂いがする。色気が無いと思ってたのに華奢で柔らかくて気が付けば俺は毛利千紗を抱き返していた。ペチャパイとさっきは思ったけど柔らけぇ……
「大丈夫ですよ。恐らく只の停電ですから……ん、停電……まさか!?白馬さん、カーテンを開けてください!」
「はい!……アレはキッド!」
『大丈夫ですよ』と言われて俺は自分自身の勘違いに気付かされた。毛利千紗は怖くて俺にしがみ付いたんじゃない。俺を守る為に、安全を確保する為に抱き締めたんだと。
なんて思っていたら毛利千紗は俺から離れてしまう。部屋に入って来た、お祖父様の部下に俺を引き渡して警視総監やお祖父様に頭を下げた。
「警視総監!私は大阪の街を停電させた馬鹿を捕まえに行きます!お食事ご馳走様でした!」
「僕も行きます!」
すれ違い様に見たその横顔は先程までの困った笑みを浮かべたり俺に説教をした時と違って何処か覚悟を決めたかの様なヒーローの顔だった。毛利千紗と一緒に出て行った白馬探も同じ顔をしていた。
なんか悔しかった。毛利千紗にドキドキさせられたのも、口論で勝てなかったのも、馬鹿にした奴に守られて安心してしまった事にも、白馬探みたいに一緒に行けなかった事にも。
「秀樹……大丈夫か?」
「え、あ……はい」
お祖父様に心配されたけど、俺の頭の中は毛利千紗の事でいっぱいだった。アイツは俺が今まで会った事のある奴等とは何処か違う……そんな風に思わせる奴だった。
俺はさっきまで感じていた毛利千紗の柔らかさと良い匂いを思い出して……またちょっとドキドキした感じが止まらなかった。