私達が城から脱出した直後、コナンも脱出していた事がわかって一安心。
スコーピオンこと青蘭さんも捕まって白鳥警部に連行されたそうで。
お父さんは膝をついて「あのセクシーな太ももの青蘭さんがスコーピオンだったなんて……」とショックを受けていた。
城は焼けてしまったけど地下室は無事と思われる為、地下の遺骨や残された遺品や美術品は後日回収となり、夏美さんは喜んでいた。
因みにだが乾さんは地下室で右目を撃たれて亡くなっていたらしい。原作通りの結末だったみたいだ。犯罪者だし、赦されるべき人間じゃなかったけど居たたまれない。
その後、私達は丸男さんと竜二さんに連れられて帰る事となった。お父さんは事件に多く関わっていた為、後日事情聴取で警視庁に呼ばれるらしい。でも、本日はお疲れなので家に帰るなりバタンキューでした。
因みに白馬さんは警視総監のお父さんに呼ばれて早々に帰る事になってしまった。なんでも急ぎの用事って事だけどなんだったんだろう?
そんな風に思っていたら外は雨が降り始め、窓から入ってくる風が少し肌寒くなってきた。コナンはお父さんが寝たのを確認しに部屋に行ったけど、お姉ちゃんの表情は曇ってる。これは疑ってるね。コナン=工藤新一って事を。
「お父さん、どうだった?」
「うん、流石に疲れて寝てるみたいだよ」
さり気無い会話。でもお姉ちゃんの目尻にはもう涙が浮かんでいた。
「凄かったねコナン君……まるで新一みたいに事件を解決……しちゃって……」
「蘭姉ちゃ……」
まあ、小学一年生が出来る推理や行動の範疇超えてるよね。私が言えたもんじゃないけど。
それと推理してる時の顔や雰囲気は新兄そのものだから色々と察しちゃったんだと思う。それと誕生日の件。
「新一……なんでしょ……何か言ってよ……」
「蘭……俺は……」
お姉ちゃんが確信を持っていると感じたコナンはゆっくりとメガネを外して正体を明かそうと
「なーにやってんだよ。結構元気そうじゃねーか」
「え……新一!?」
「なっ……!?」
「新兄……来たんだね」
した所で口を開いた状態で固まるコナン。そして事務所の扉に寄りかかる様に現れたのは新兄……ではなく勿論、怪盗キッド。
お姉ちゃんはコナンと新兄(キッド)を何度も交互に見返し、コナンは驚きのあまり口をパクパクさせる事しか出来なかった。
私はキッドの芝居に乗る事にした。
「し、新一……?」
「千紗とガキから話聞いて事件の途中で帰って来てみれば何泣いてんだよ。ったく……」
「……あ」
動揺するお姉ちゃんに畳み掛ける様に話す新兄(キッド)コナンも目の前の人物に思い当たった様だ。
「〜〜バカっ!こんな時ばっかり帰って来るんだから!もう雨の中、傘も差さないで来たの?タオル持って来るから待ってて!」
「……ああ」
お姉ちゃんは涙目のまま目の前の新兄に怒鳴るとバタバタとタオルを取りに洗面所へと走って行く。
さてと、キッドがサラッと逃げるだろうから……
◆◇sideコナン◇◆
蘭に俺の正体がバレてしまった……もう誤魔化せないと俺は蘭に正体を明かそうとした所で俺が事務所の玄関に……って!まさかキッドか!?千紗も速攻で芝居に乗ってるし!
蘭がタオルを取りに洗面所に行った後、俺に変装したキッドは雨が降る中、外へと出る。俺は後を追った。
「まさか白鳥警部に化けて船や城に来るとは思わなかったぜ……キッド」
「あの後、どうにか入り込もうと思ってたんでね。ま、船の中は盗聴させて貰ってたけどな」
キッドが口笛を吹くと俺が保護していたハトが窓から飛び立ち、キッドの手の甲に飛び移る。
「それと名探偵……一つ忠告しておくぜ。謎を解き明かすのが探偵の本質であり、性なんだろうが世の中には謎は謎のままにしておいた方が良い事もある」
「ああ……この謎は特にそうかもな」
さっきは観念して蘭に全部話してしまうつもりだったけど……やっぱ話しちゃマズいよな……ったくキッドに諭される様じゃ俺もまだまだだな。
「そんなキミにもう一つ謎かけだ。なんで厄介な敵であるキミを助け、俺にとっての天敵にも等しいお嬢さんが居る事務所に顔を出したと思う?」
「それは……」
「新一、タオル……え」
キッドが次々にハトを出して行き最後にはハトがキッドの姿を覆い隠すと同時に飛び立つ。その後に姿は残っておらずハトの羽ばたきだけが残され、俺の所へ鳩の羽が一枚舞い降りた。
バーロー、こんなの謎でもなんでもねーよ。俺がハトを保護して手当てしたのと……千紗の怒りを少しでも軽減する為だろーよ……
◆◇sideコナン・end◇◆
◆◇side怪盗キッド◇◆
事件も解決したし、夏美さんにエッグは無事に届ける事も出来た。これで世紀末の魔術師の肩書きも守れただろう。
今回は絶対に失敗できないから、かなり強硬手段に出ちまったがこれで良かったんだよな……多分。
なんせ中森警部や毛利小五郎だけならまだしも、あのガキンチョや白馬の野郎……それにあの嬢ちゃんが相手となれば生半可な事じゃ見破られる可能性が高かった。
それにあのガキンチョが小さくなった原因の組織も相当闇深そうで厄介な案件みてーだからな……ビッグジュエルを狙ってる組織とどっこいの危うさを感じた。
気を抜いたわけじゃなかったけど、まさか殺し屋のスコーピオンまで出て来るなんて予想外だった。本当ならスマートに終わらせたかったがそうもいかなくなっちまったな。
しかも確実に盗む為に大阪の街に停電を引き起こした事もあの子の怒りに触れちまったらしい。
一応、大きい病院や施設は緊急時の非常用電源がある事を確認してから停電を引き起こしたけど、やっぱ派手にやり過ぎたかな……
ま、ガキンチョを助けてやったんだし少しは大目に見てもらいたいもんだ。
さて、毛利探偵事務所から結構離れた所まで来たし、路地裏に入ってそろそろ変装を解いて……ん、なんだこの音?何かを引きずる様な音が……
「待ってましたよ……この時を……」
振り返ると俺の天敵とも言える女の子が路地裏から鉄パイプを地面に擦りながら歩いて来た。
俺の逃走経路を予想した上で待ち伏せしてたのかよ!?
つうか、超怖ぇ!!