沖縄旅行の当日となり、私、お姉ちゃん、お父さんと空港に来ていた。そしてコナンwith少年探偵団。
「でも、残念だったね博士」
「まさか当日に風邪引くなんてなぁ」
「仕方ないですよ」
歩美ちゃん達が話してるのは阿笠博士の事である。まさか沖縄旅行を抽選で当てた本人が来れないとか不運過ぎる。いや、当選した所で運を使い果たしたが正しいのかも。
それに伴い哀ちゃんは博士の看病として残る事を決めた。
そして保護者代わりとして、お父さんに白羽の矢が当たり、私とお姉ちゃんも同伴する事になった。
代わりに沖縄旅行に行けると喜んでいたお父さんだったけど子供のお守りでは楽々とはいかないよね。明らかに聞いた時よりもテンション下がってたし。
「ったく博士も運がねーな」
「お土産沢山頼まれてるから大した事は無いみたいだけどね」
「うん、それに灰原さんが看病してるから大丈夫だよ」
「灰原さん?」
お父さんやお姉ちゃんにも阿笠博士の事を話していると話題は哀ちゃんの事へ。私は阿笠博士ともよく会うから哀ちゃんの事を知ってるけど、お姉ちゃんはこの段階だとまだ知らなかったんだっけ。
「うん、博士の親戚の子で、とーっても可愛い子!」
「ふーん、そうなんだ?コナン君、家じゃ学校の事は中々話してくれないから知らなかったなー」
「あ、いや……その……」
その哀ちゃんが新兄を小さくする薬を作った張本人だから説明しづらいって言うのもあるとは思うけどね。
そんな会話をしつつ機内へ。中に入ると少年探偵団はハイテンションだったけどコナンは昨夜遅くまで本を読んでいたから早々に寝てしまった。お姉ちゃんはコナンのメガネを外してクスッと思い出し笑い。
「何がおかしいんだ?」
「あ、うん……新一と去年旅行に行った時の事を思い出しちゃって」
「新兄のお母さんからチケット貰った時の話だね」
お父さんはお姉ちゃんが笑みを浮かべた事を不審に思った様だけど思い出したのは新兄との旅行の事。
「ああ、俺が町内会の旅行に行ってた時に駆け落ち旅行に行った時の事か。千紗は気を使って英理の所に泊まったって聞いたぞ」
「駆け落ちって……仕方ないじゃない。新一のお母さんから私の分のチケットが送られて来たんだから」
「私は事前に話を聞いてたからね。まあ、お母さんの所に泊まりたかったのもあるし良いかなって」
お父さんはお姉ちゃんが黙ってロスへ旅行に行った事を思い出して若干不機嫌に。お姉ちゃんは仕方ないと言ってるけどかなり乗り気だったよね。
因みに私が事前に聞いた話は多少語弊があり、新兄に『蘭と二人で旅行がしたい』と頼まれたからである。
まだ私が前世を思い出す前の話だったけど私は快く承諾して、お母さんの所へ泊まりに行った。
そして新兄とお姉ちゃんの旅行だが案の定事件発生。この時、機内に居合わせた新兄が事件を解決し、後に『工藤新一、最初の事件』と名を馳せる事となる。まあ、ロスでも色々と大変だったみたいだけど。
この後、お姉ちゃんも部活の朝練で疲れていた事もあり、寝る事に。
私は昨日はちゃんと寝たけど読みたかった本もあるし、沖縄に着くまで読書を堪能しよう。
なんて思っていたら沖縄到着寸前である意味事件発生。
「でもねぇ新一……『オメーのブラジャー見せてくれ。ワイヤーっての入ってるんだろ?』なんて普通、女の子に聞くぅ?」
お姉ちゃんの寝言は割とハッキリと聞き取れるレベルの寝言だった。あー、新兄から聞いたけど確か行きの飛行機の中で事件があって謎を解くヒントがブラのワイヤーだったなんて聞いた事あったわ。
コナンはお姉ちゃんの隣で焦っていて、お父さんはお姉ちゃんに詰め寄った。
「おい、蘭!やっぱりアイツに何かされたのか!?」
「ムニャムニャ……」
「お姉ちゃん、疲れからか完全に寝入ってるね。しかし、ここまでハッキリと寝言言うなんて余程、印象に残った事だったのかな」
お父さんは問い詰めるべく、お姉ちゃんを必死に起こそうとしてるけど眠りが深いのか中々起きないお姉ちゃん。
「お、お客様……当機はもうすぐ着陸態勢に入りますのでご着席を……」
「バカやろう!娘の一大事に黙ってられっか!」
いや、そっちの一大事であるなら私は歓迎したい所なんだけど。でも、そろそろ着陸なら席に着かないとダメだよね。私がお父さんを宥めようとするとお父さんの視線は私に向いた。
「娘が傷物にされたかも知れないんだぞ!千紗もなんか言ってやれ!」
お父さんが私を見ながら叫ぶので、何か言おうかな……ふむ。
「沖縄旅行から帰ったらお赤飯炊こうか?」
「祝福の言葉を送れって意味じゃねーよ!」
そうは言うけど、もう少し後でロンドンで新兄の告白があるから、あながち間違いじゃないんだよね。
あ、沖縄旅行は無事に行けました。何も事件が起きないって素晴らしい。