北海道から帰った翌週。私とお姉ちゃんとコナンは園子さんに誘われて伊豆ビーチに二泊三日の旅行に来ていた。ナンパ目的なのが目に見えていたけど私とお姉ちゃんからしてみればいつもの事だった。
あ、北海道土産は白馬さんに渡しましたよ。北海道銘菓の白い◯人を。白馬さんだけにってね。
そっちは兎も角、私とお姉ちゃんとコナンは園子さんの付き添いで伊豆に来ていた。園子さんはよくナンパされに、または逆ナンをしに旅行や遊びに誘うパターンが結構多かったりする。
まあ、最近は事件に巻き込まれるパターンが多発していた訳だけど……今回ばかりはマジでヤバいんだよね。なんせ本当に殺される一歩手前までいっちゃう訳だから。
なんて思いながら私はコナンと一緒に浮輪でプカプカと海に漂っていた。
ユラユラと揺れていたら園子さんがお姉ちゃんのお尻をアップで写真に収めていた。しかも、食い込んだ水着を直す瞬間。
「ちょっと園子、どこ撮ってんのよ!?」
「水着を直す蘭のお尻のアップよ。正に決定的な瞬間じゃない。新一君が帰って来たら見せてあげるのよー」
恥ずかしがるお姉ちゃんに園子さんは楽しそうにカメラを持っていた。
「そんなの見せてどうするのよ?。バカね、新一がそんなの見てヘラヘラ喜ぶ訳ないじゃない。ねえ、コナン君、千紗」
「え?あ……うん……」
「どうだろう?試しに見せてみたら?」
「もうこれだからお子ちゃまは。男ってのは単純だから喜ぶもんなのよ。千紗も凄いの撮ってあげるから白馬君に見せてみたら?」
いやぁ、泣いて喜ぶと思うなぁ。実際、コナンも「あー、早く元に戻りてぇ」って思ってるんだし。
園子さんのお姉ちゃんの写真に喜ぶ新兄の予想は合ってるとは思うけど、白馬さんの方は外れてると思う。私の写真で喜びはしないでしょう。
有希子さんにもブラしてるとか思われない絶壁のちっぱいなんか需要ないでしょ。
そんな私は白のフレアトップのビキニの水着を着てます。スレンダーな体型には良いらしいのでオススメされました。
あ、因みに白馬さんは誘ってません。この旅行は園子さんの男漁りが目的。その旅行に男連れで行くとか絶対に反感買うからね。
「私の写真こそ需要が無いですよ」
「ない!そんな事が逆に無いのよ!」
「ちょっと、園子どうしたの?さっきから妙に意地悪して」
否定したら園子さんにがっつり詰め寄られた。お姉ちゃんは園子さんが先程から妙に絡んでくる事を気にしていた。
「ただのやっかみ……って言いたいけど、八つ当たりよ。来る途中の電車の中でも……昨夜、旅館の近くであった花火大会の会場でも……そして、このビーチでも、言い寄る男共の目当てはみーんな蘭。アナタじゃない!」
「そ、そんな事ないと思うけど……」
そう言ってお姉ちゃんに詰め寄る園子さん。お姉ちゃんがその事を否定したら今度は私の方を見てキッと視線を鋭くした。
「七割が蘭で残りの三割は千紗よね……蘭へのナンパの後の視線は大抵、千紗に向いてたわよ」
「それこそ勘違いなのでは……むきゅ」
反論したら園子さんに両頬を引っ張られる。いつもの事だけど痛いです。
「アンタは自分が美少女な事を自覚しなさい!いっつもいっつも蘭か千紗ばかりじゃない!私の恋のロマンスは何処にあるのよ!?」
「ほれは、ほのりょほうへ……」
「ねえ、ちょっと良いかな?キミ達、暇?良かったらお昼でもどうかな?勿論、奢るからさ」
園子さんの叫びに答えたら、そのタイミングで後ろから声をかけられた。其処には爽やかイケメン風の男性が。それを見るなり園子さんは私の両頬から手を離してイケメンに夢中に……
「ええ、是非……って言いたいけど、どーせアナタもこの娘が目当てなんでしょ?ほら、持っていきなさいよ。今が見頃よ。ただし、変なマネしちゃダメよ。その娘は売約済みなんだからね」
「ちょっと、園子……」
「売約済みと言うなら売り出ししないで下さい」
なっていたけど呆れた顔でお姉ちゃんを差し出す園子さん。いつものパターンだと諦めたみたいだけどヤケクソで他人の姉を差し出さないで下さい。
「いや……僕が誘いたかったのはキミなんだけど」
「……え」
「やったじゃない園子!」
イケメンさんがナンパしたかったのは、お姉ちゃんじゃなくて園子さんだったらしい。それを知ったお姉ちゃんは喜び、園子さんは逆に困惑していた。まあ、いつものパターンならナンパされるのは、お姉ちゃんだからね。
「バカな……園子に限ってそんな筈がない。きっとこれには何か……裏に何か隠されてる筈だ……って思ってる?流石に失礼だからね」
「な、なんの事かなー、千紗ねーちゃん……」
シリアス顔のコナンの耳元でコナンにだけ聞こえる様に呟いた。真顔で思案するコナンにツッコミは入れたものの本当に裏に隠された殺意があるから厄介なんだよね。