毛利家の次女   作:残月

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映画館騒動の後の学校

 

 

◆◇side早川葵◇◆

 

 

毛利さんも最近は交流が増えて以前よりもクラスに馴染んでいると思う。

放課後に時間が取れないのは相変わらずだけど昼休みや休日には私や他のクラスメイトとも仲良く話をする事が多くなった。心なしか表情も以前よりも柔らかく見える。

 

 

「それにしても、この間の映画館のシブおじカッコ良かったねぇ。あっという間にめーわくなお客さんをボッコボコにしてたよ」

「映画館のマナーを守れない人を追い出してましたね」

「そんな人いたんだ」

「あの映画館、最近評判悪かったもんね」

 

 

話題はあの日、私と毛利さんと柴田さんで行った映画館の話になっていた。

最近評判が悪かった映画館だったけど割引チケットを貰った私たちは映画を見に行った。するとその評判を落としていたであろうガラの悪いお客さんが暴れていたのを取り押さえたのが話題に上がっている、おじさんだった。

あの人は迷惑客を排除した上で何事も無かった様に去って行った。ハードボイルドって言葉がピッタリな感じの渋い人だとは私も思う。

でも、それよりもその後、警察を呼んで後処理をして背後にいた黒幕の不動産屋の人を捕まえるまで話に関わっていた毛利さんも余程な事だとは思うけど。

 

そんな私の思いとは裏腹にハードボイルドなおじさんの話で盛り上がっていた。

毛利さんと柴田さん以外のクラスメイトは「私も見たかった」「カッコ良さそう」と囃し立てている。

 

 

「そうですね。クールなハードボイルドって感じでカッコ良かったです」

「う、うん……そだね」

「そ、そうなんだ……」

 

 

毛利さんはあの日の事を思い出しているのか嬉しそうに話している。それは恋する乙女の様にも見えてしまう様な可愛い笑顔で。

その笑顔に柴田さんやクラスメイトの女子達も少し当てられてるわね。男子達も聞き耳立ててるし。

事前に話を聞いていない状態で白馬さんの事を知らなければ毛利さんがあの人に恋をしていると言われても間違いないと確信してしまう程に。

 

 

「毛利さん……今のは白馬さんの前では言わないでね。あの人の説明するならもう少し言葉を選んでね」

「?わかりました」

 

 

私の一言にキョトンとした顔をする毛利さん。絶対に分かってない顔してる。早めに釘を刺して正解だったかも。

さっきの表情であの人の事を話せば絶対に白馬さんも誤解しちゃうわよ……

毛利さんの場合、完全に無自覚だから困るのよね……

 

 

 

 

 

◆◇side毛利千紗◇◆

 

 

学校で先日の映画館の事が話題に上がっていた。柴田さんや早川さんと話に盛り上がっていると他のクラスメイトも話に加わって来た。

 

柴田さんと早川さんは知る由もないんだけどアレは間違いなく次元大介だった。

前世の時からあのハードボイルド感が凄まじいガンマンがカッコ良いと思ってたし憧れだったんですよねぇ。

憧れの人に会えるってのは嬉しい。コナンや白馬さんに当て嵌めるなら本当のホームズに会える様なものだ。そりゃテンションも上がるでしょ。

 

でも早川さんは何で白馬さんに話す時は気を付ける様に言ったんだろ?

 

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