木月千穂子は魔女   作:ベーコンエピ

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筆が乗ったら続きます
ちーちゃんの設定ちゃんとあったらごめん


エンドロールの始まり

朝目が覚めて初めにすることがコルクボードを確認することだった

二枚の写真が大切に飾られている

一枚目は三人の写真

下に父、母、私とメモ書きされている

どの人も知らない人だった

二枚目は仲よく二人で撮った写真

下にめぐる(親友)、自分とメモ書きされている

「結局、今日も誰も分からないか」

ため息を吐きながら朝の走り込みをするために身支度を始める

これは身の程を知らない人間が、大きすぎるほどの願いをしてしまったエピローグの始まり

 

 

魔女と呼ばれる人がいる

冗談のような話だけれども本当のことだ

アルプと呼ばれる動物から変化した存在と契約して、人々から感情の欠片を集め、魔法を完成させる存在

ひょんなことに私もこれに該当する

もっとも、どんなアルプと契約したのかさえ分からないのだけれど

魔法とはこの世界の法則から逸脱した結果をもたらす最終手段だ

世界に歯向かうも同然の行為だ、当然代償もある

あるものは発情症状が出るようになり、あるものは女物の服装が着れなくなる

私の場合は重度の症状で、人の記憶が無くなっていく、といったものだ

親も親友もアルプも、果てには自分さえも分からなくなってしまった

だから忘れないように、忘れても思い出せるように写真に名前を書いた

けれどすべてなくなってしまった

 

それでも、それでも私は魔法を完成させないといけない

これはきっと大事なことだから

 

願った内容が分からなくても、こんなに代償が大きくてもそれだけは分かってたから

 

あともう少し、もう少しだから待ってて

 

 

めも16:毎日建実神社まで走ること

めも35:建実神社で朝掃除をすること

 

 

めも39:神社にいるのは朝武 安晴様、朝武 芳乃様と常陸 茉子さん

めも40:神社の人たちはみんな優しい

めも46:ムラサメ様はみんなには見えていない

めも47:神様は存在する

 

 

魔法に近いのか、魔法が近いのか、とりあえず魔女以外にもこの世界には神様が実装されているみたい

叢雨丸に関しては人判定に入らないみたいで忘れにくく、穴だらけのムラサメ様の知識が残ってる

 

神社の皆様は優しくて、こんな体質の私でも忌憚なく受け入れてくれている、らしい

 

「おはようございます、ムラサメ様」

「おお!おはようじゃ、チホコ」

 

めも1:私の名前は木月 千穂子

 

ムラサメ様は神社の御神体の叢雨丸の管理者、らしい

魂だけの存在で周りの人に見えていない

けれども忘れにくい存在というのはとても安心できる心のよりどころになっている

そんなご神体を両手で握って力任せに抜こうとする観光シーズンのイベントに思うところがない訳じゃない

けれどよそ者の私が言っても聴いてはくれないし、何よりムラサメ様が喜んでいるなら仕方がないと言うしかない

 

「桜が咲いちょるの~もう春じゃ」

「そうですね、お団子とか欲しくなりません?」

「食べれる身体があればよかったがのぉ」

「やっぱり物理的に干渉するのは無理なんですねぇ」

 

軽い雑談をこなしながら木の葉や桜の花びらを一か所に集め、雑草を取り除く

 

めも2098:○○年3月24日観光シーズン開始

 

もうすぐ人が増えてくる頃合い

人と人が繋がる春

人との関係が切れる私にとって運命がやってきた

 

 

 




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