九十九と仲違いした人   作:覚め

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ジャッケン戦
氷凝呪法の練度は薄皮一枚が凍る程度です。


第3話

全く持って暇。まあ、何もしないのは癪だから羂索が来るまで脹相と遊んでる。九十九と天元は難しい話してるからね。脹相もあんま分かってないっぽいし。脹相自身も弟達を虎杖悠仁に任せたっぽいし、心置きなく戦えるらしい。羂索がいつ来るかもわからんのだから、あんま体力使うなよとも言われているんだな。

 

「…今日で15日だが…」

 

「まさか、天元の護衛を警戒して術式持ちが死ぬ二十日までこのままか?」

 

「いや、それはない。羂索も二十日で死ぬ。ルール変更で結界から出ることもないだろう」

 

「なるほど…つまり自分が生きて結界に行ける日か。じゃあそろそろじゃね?」

 

「本当に総士が常に戦うということで良いのか?」

 

「構わないさ。総士は私たちが思っているよりも戦いに向いているからね。氷の術式も、奪って直ぐに使っていたのもそうだけど」

 

「生きて帰れたら、宿儺の術式でももらいたいけどな。飛ぶ斬撃、しかも見えないなら使い勝手が良すぎるし」

 

「それは出来ないだろうな。宿儺は悠仁から出てこれないからな」

 

「はー、兄バカ」

 

とにかく何をどうするかだが…なんて考えていたら。結界が破れた。いやこれは崩壊したって言った方がいいのかな?どっちでも良いか。脹相が待ち受けて、俺が途中参戦することになっている。分身の術式に栞を挟んで、とりあえず氷の術式を開いとくか。

 

「…あ?なんであいつら映画なんか見てんの?」

 

「好きにさせているだけだ。この空間の主導権を羂索が持っていると認識させるために。」

 

「これが終わったら出るからな」

 

「構わないよ。私が行く時に生きてさえいれば。」

 

「お、崩れたな…霜凪っ!」フーッ

 

一瞬の場の混乱、さらに穿血…掠ったか。一瞬で練度を確認しやがったな。動いても問題ない程度にしか凍らされない練度。急いで術式を変える。呪霊操術は数が有利、その数の利をこちらの利点として使わせてもらう。それを見れば羂索も呪霊を引っ込めて別の術式を使う選択肢が出来るはず。

 

「脹相!」

 

「っ!」パァンッ

 

「(私の呪霊が移動した!?)」

 

「位置を変えたんだよ」バギィッ

 

「がふっ!?」

 

「不義遊戯、東堂葵の術式だ」

 

「超新星」ボンッ

 

「この術式は栞を挟める条件を満たしていない。相手がいないと成立しない術式なんだ」

 

嘘だ。栞を挟む条件自体は達成している。ただ生存第一にすると分身の術式に挟むしかないだけだ。

 

「今の術式、私が呪霊操術以外を出すことに期待しているね?」

 

「なんで無傷なんだか」

 

「チッ」

 

「君たちが斥候なのは理解している。九十九由基に術式を開示させようとしているな?」

 

「次の術式には少し時間が要る。頼むぞ」

 

「分かった」ダッ

 

ページを辿り、今度は禅院甚一の術式を辿る。あまり使う気はないが、こいつで巨大な拳を降らせる。それにより羂索自身ではなく呪霊を潰す。

 

「ふんっ」ドンッ

 

「っ」

 

「穿血」ブォッ

 

「おっと」ズォッ

 

呪霊で巨大な手を支えて逃げられたか。だがこっちからはその速度でも追いついて追撃はできる。

 

「本当に使う気ないんだな、術式」ドゴッ

 

「その本、殴れるんだね」

 

「術式を意識するからだ」

 

「私だけに意識を割くべきでもない」ズォッ

 

「呪霊が」

 

呪霊に掴まれてしまった。さてどうしようか。本も閉じたので分身するか。

 

「じゃあな」ドロォッ

 

「!?」

 

抜け出してすぐに構築術式のページを辿る。即席で刀を作り出し、どうにか呪力を通す。ただ、隙を作るためだけに。

 

「シン・陰流」

 

「な━」

 

「抜刀!」ブンッ

 

「なんてね」パシッ

 

「脹相!」

 

「あぁ!」バッ

 

「無駄だよ。脹相の毒は親である私には通用しない。」

 

「くっ」

 

無駄だったか。こうなりゃ上手い行動とか思いつかねえぞ、どーすんだよ。どうしようもねえか。やっぱ十種影法術欲しかったな。伏黒め…ま、そんなこと言っても意味はない。俺は今を頑張らなきゃダメだし…

 

「脹相、弟達を預けて安心しきってないか?」

 

「何?」

 

「お前の実力はそんなもんじゃないはずだ。思い出せ。こいつにお前の弟たちは何をされた?」

 

「っ…!言われなくても!!」

 

発破をかけて援護に徹する。呪力を矢にして飛ばす術式にページを合わせ、羂索の背後から狙い撃つ。それだけじゃない。分身して、3人分の呪力の矢を放つ。

 

「分身ね…」

 

「九相図兄弟ぃぃぃ!!ファイヤー!!!」

 

「おっと予想外」ビュンッ

 

「任せろ!!」パシッ

 

「あいつには何が見えてんの!?」

 

穿血、それをさらに羂索へと追尾させる。穿血の使い方としてはナンセンス。だが脹相としては良い選択だ。それに超新星を混ぜて運んでいる。ナイス判断、ナイスセンスだ脹相!

 

「っ」ドッ

 

「がっ!?」ズンッ

 

「!!」

 

「…チッ」

 

「使ったな!!呪霊操術以外の何かを!!」

 

「なるほどね…この術式効果は…!」

 

起き上がる。あの一瞬であんなに地面に引っ張られた感覚、そして今の体が軽いとも感じ取れる感覚…重力だな。しかも発動が速い。さらにあの威力…順転でこの威力?一瞬で骨が潰れる威力が?…あり得ないな。だからこれは反転だ。便利な術式、持ってんなお前。

 

「私は一人っ子だけどさあ」パリッ

 

「!」

 

「最高だぜ!お兄ちゃん!」

 

「まだ早いぞ」

 

「九十九…」

 

「下がって良い。私と総士が出る」

 

「あぁ…」

 

「てんげーん!」

 

結界が剥がれ、脹相が回収されて行く。その間に九十九に報告。羂索が反転術式を持っていること、夏油傑の体になったのを考えると、十年近くは夏油傑の前の身体を使っていたであろうこと。そんでもって、今使った術式の出力から反転であるかもしれないこと。

 

「あり得なくもない話だ。が、今のが順転の方が厄介だと俺は思う。さっきの倍近い出力で浮かせられたらきついからな」

 

「なるほどね…」

 

「あとは任せる」バンッ

 

「本で叩くな。」

 

「今回、生存は諦めたことにもする」

 

「へえ?」

 

「全力だ」




九十九「そう言えば、高専の時は私のこと由基って呼んでなかった?」
総士「元カノの名前が字は違うけど読みはユキでな…」
九十九「結果は?」
総士「『総士くんって、私の名前聞くたびに九十九さんが頭にチラつくんでしょ!私と付き合ったのも、九十九って人と同じ名前だったからじゃないの!?』とか言われて破局」
九十九「お前性癖歪んでんな…」
総士「(東堂の性癖を歪めた)お前ほどじゃない」
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