九十九と仲違いした人   作:覚め

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再会後、投射呪法で脹相と九十九を連れて逃げたので呪力切れです。


第5話

「術式の弱点だ。というよりも、練度を無理やり保ったからだな」

 

「どういうことだい?」

 

「分身出来る数の限界は五体。数自体は練度によって変わるがな。本体はその5体の中からいつでも自由に選べる。生存特化の術式が欲しくてな」

 

「その分呪力も分散するということか?」

 

「そうだ。投射呪法でブラックホールと同時に逃げた。呪力切れだ」

 

しかし、脹相が言うには羂索は生きているらしかった。どうやって生き残ったか。重力の術式…反転か順転か。そのどちらかだろう、というのは予想出来る。となれば、重力は順転だったと言うわけだ。反転でなければブラックホールに耐えることなどはあり得ないはずだし。

 

「…チッ」

 

「獄門疆裏は手に入った。でも天元が取られた…か。」

 

「あんまし良い状況ではないな。その分、死滅回遊の終わりで否応なしに呪術師の職が消えることとなったわけだ」

 

「羂索を殺しても天元がどうするかわからない。死滅回遊が終われば全人類と天元の同化…悔しいが、同じ気持ちだ」

 

つまりは五条悟の復活を待つことだな。まずは結界の中に入って虎杖悠仁達と再会したい。獄門疆裏を使って五条の封印を解除する。そのために天使と出会っていてくれれば良いんだが、どうか天使がすでに死んでたとかになってないことを祈る。つーか、祈りたい。

 

「おら、到着だ」

 

「っ…すまない、悠仁。」

 

「すまない。私たちは仕留め損なった。」

 

「おまけに言えば俺は呪力切れだ。だが、二つの収穫がある。喜べ」

 

あの時、分身は二体いた。投射呪法で逃げる分身、結界の下に隠れていた分身。戦闘中の逃げ道として利用していたが、ブラックホールの後、瓦礫で上手く隠れたようだった。その分身からの情報。羂索の術式に関して。なるほど反重力機構…領域を利用してブラックホールから逃れたか。

 

「一つ。羂索の術式の模倣」

 

「!!」

 

「出来たの!?」

 

「マジすか」

 

「すげえな」

 

「?」

 

『羂索から術式を取ったのか』

 

「かなりギリギリ。さ、脹相と九十九は家入のとこ行ってこい」

 

「君もだよ」ガシッ

 

「呪力が切れてるだけだ。怪我はない」

 

「前線に立つなって言ってんの!」バシンッ

 

連行された。一応同じ結界の中に家入がいるので、ちゃんと死にかけてもなんとかなるようにはなっている。が、俺に関してはほんとに意味ないんだって、なあ聞いてんのおーい?…まあ、そんなわけでかなり強引に家入の元に来ました。ケッ、こいつら人の言うこと一切聞かないんだよ。

 

「…呪力の回復、里香みたいなのがいれば楽だったんだがな。」

 

「あれはイレギュラーだ、期待はしないほうがいい」

 

「そりゃ、そうだけどさ…」

 

「久しぶりの君と私だけだ。休み時間みたいに話すかい?」

 

「悪いが、その時のことは忘れた。覚えてんのはお前が消えた後の雰囲気だけだ。全部の授業が楽だったことしか覚えてない」

 

「薄情だね」

 

「そうか?」

 

なんて言っていたら、何か重苦しい気配。一体何が起こった?何があった?虎杖悠仁の檻としての機能が崩れたか?これが両面宿儺ならあり得なくもないが、それ以上にこれが宿儺でないことが嫌すぎる。これほどの奴が死滅回遊でうじゃうじゃいてみろ、俺なんか瞬殺だな。

 

「大変なことになったな、世の中」

 

「同感、まあ私たちのせいでもあるけど」

 

「そもそも、日本の呪術界自体に嫌悪感はあるけど、お前らほどじゃないんだ。羂索や九十九ほどじゃない。」

 

「そりゃあね。その嫌悪感を向ける先が消えたわけだけど」

 

「良いことだ。んじゃ、俺寝るから」

 

「じゃあ寝る前に。私を生かしてくれて助かる。ありがとう。」

 

…なんか変な感謝をもらったが、あんま受け取らんことにしよう。九十九の感謝はなんか怖いからな。さて、宿儺のものと思っていた気配が増えた。さらに言えば、元からいたかのように、三つになっている。一つはすぐに消え、あとの二つが一気に出てきたようなもの。

 

「…更に、このルール追加」

 

「やられたね。完全に。で、寝たんじゃないの?」

 

「コガネが何回もうるさいからな。寝れない」

 

「お、お兄ちゃん!」

 

「九十九、総士」

 

「脹相。お前も寝るか?」

 

「…いや、良い。」

 

「そうか」

 

「今の俺では、宿儺との戦いに参加しても足手纏いだと言われた」

 

「今のお前に出来ることは穿血くらいだ。その穿血もアテに出来んからな。」

 

「そうだな…」シュン

 

「そう落ち込むなよ、お兄ちゃん。私と話さない?」

 

「繁華街でも見ないナンパだぞそれ」

 

そんなことを口にして、今度こそ寝た。俺と九十九が教室でテキトーに遊んでいる夢を見た。横を見たら脹相がいた。夢の中だからとは言え、え、脹相???なんで脹相?は?意味わかんね、は?

 

「っ!」ガバッ

 

「お、起きたね」

 

「今何時?」

 

「2時。夜中のね」

 

「あぁ、そうか…」

 

「…」

 

「うお脹相…で、なんで川の字で寝てんの?俺を中心にして」

 

「束の間の休息。どう?呪力はどれくらいだい?」

 

「…ま、まだ一割程度だな。思ったより速い」

 

「人肌に包まれてリラックスできたんじゃないのかな」

 

「リラックスすると回復は早くなるのか?」

 

「呪力は負の感情から出る。よく休んで、ちゃんとした感情を出せるようになれば回復が速くなるさ」

 

「あっそ。言っとくけど暑いと俺は眠れんのよ」

 

「チッ」

 

「なんだ今の舌打ち」




九十九と恋愛だぁ?この野郎…九十九さんは絶対既婚者だろ
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