九十九と仲違いした人 作:覚め
時間稼ぎ。それだけなら俺は一番得意だ。模倣のストック、組み合わせ、etc…相手が慣れた術式でも慣れた後でもう一回変える、それが出来る。まずは宿儺の術式を貰う。五条を殺した斬撃のタネはわからん、が。術式対象の拡張か何かだろう。つまりタメがいるはず。現に俺の隣にあるクソでかい斬撃がその証拠とも言える。
「言っておくが宿儺。俺は弱いぞ」
「ならば殺すだけだ」キンッ
宿儺が呪物ではなく自分の術式で殺しに来た。有難い。簡易領域で中和しつつ受け切ること、本をすぐに開いて術式確認。うむ、ある。術式は取った、あとはどうやって隙をつくか。投射呪法をメインに考えてもあまり良い手は浮かばない。仕方ない、栞は投射のままに、ページを星の怒りに当てる。
「っ!」バギィッ
「効くだろ、結構」
「なるほどな」
宿儺の上から投射の加速、そして質量で強化された蹴りだって言うのに全く聞いてる素振りがない。どうなってんだこの化け物は。ただし、投射呪法は現時点の宿儺には対応できない速度と見た。本で殴る。
「フンッ」ドンッ
「ケヒッ」ブンッ
雷撃を受けた。あのままやられすぎるのは嫌だな。あの呪物からどうにかするか。手から離させるか。なら…分身で身体を構築、そして怪我した身体を消す。呪力のコスパは反転よりも良い。生存特化だろこれやっぱ。栞は星の怒り、ページを反重力機構に合わせる。
「術式反転」ズイッ
「むっ」ズンッ
超重力の影響を術者は受けない。つまり宿儺はこの範囲5メートル程の超重力のリングで戦うことになる。ここまで近ければ印も消せる。それらのメリットを全て消し、術式対象を宿儺の呪物に限る。圧倒的な重さで手から放してくれると助かるんだが…
「少し重いな」パッ
「!」ゲシィッ
「狙いが丸見えだ」バギィッ
ただの拳がなんて重さ!死ねるねこれ。ビル突き破ってもまだ飛べるよ。だが俺だってそうただで飛ぶわけには行かない。術式を十割呪法に合わせる。縛りによって7:3の地点でなければ威力はほぼゼロにしてある。代わりに7:3が成功すれば威力は跳ね上がる。さらに相手も俺の身体の7:3に当てなければ威力は三割減、当てれば4割増。
「ぬっ…」
よって、拙い出力でも宿儺に大ダメージを与えることが出来る。栞を御厨子に当て、ページは十割のまま。そのまま突進。解で宿儺の7:3ポイントを狙いつつ牽制する。
「使えるのか」
「乙骨みてーな条件してねえからな」キンッ
「?(出力が一つだけ異常に違う?)」
腕を切った。反転を使うことになる上、治してる最中に印を結ぼうとは考えまい!攻めるならこういう時!ページはそのまま、栞を投射呪法に変え、速攻で7:3のポイントにジャブを打ち込みまくる!
「っ!」ズガガガガ
「その術式の組み合わせなら速度で上回れる思ったか?」キンッ
「っ!」ダッ
重ね合わせろ、死にたくないなら。栞を東堂に、ページは星の怒りへ。慌てるな、やり方は幾らでもある。その上、武器もまだ大量にある。今慌てるのは死が近いのを自覚するだけだ、落ち着いて行け。
「龍鱗 反発 番の龍星」
「!」
呪詞!?これが狙いだったのか!?タイミングを間違えるな!死ぬぞ!
「解」
「っ!」パァンッ
「!?」
「らぁ!」バゴォッ
星の怒り、呪力、解を利用した瞬間移動。質量の圧倒的なパワーでなんとか殴り飛ばす。まだ乙骨は来ないのか?今のままでもかなりキツイのに。ほんと、マジで。すぐにページを十割、栞を分身に合わせて反撃に備えろ。
「解」キンッ
「(ずらす!)」ズバッ
「捌」トンッ
「っ!」スパンッ
「弱すぎるな」
「偽モンだからな」
「!?」
「グラニテ━」
呪力を集中させろ。至近距離、更に言えばほぼ無防備。分身を使って最大まで貯めていた。撃つならここしかない。ここでダメでも術式を捨てる縛りを結べばまだ手はある!
「ブラストぉ!!」ドウッ
「━!」
構築術式に栞を当て、術式反転。呪物に限り呪力に変える術式への反転。投射呪法で走りまくって呪物を拾う。そのままその呪物を呪力に変え、俺のものにする。その分縛りとかすごいけどまあそこはしゃーなし、切り替えてこ、の精神よ。
『…は?』
「!?」
「解」キンッ
「ぁっぶね!」
なんだ今の?頭の中で変な声が…女の声か?よく分からんぞ…何だ?なんだった!?今のはなんだ!?『こっちのセリフよ!』誰だお前!?『私は万!宿儺と殺し合って!宿儺に私をプレゼントして!目が覚めたと思ったら何!?男!?しかも宿儺の器ですらない男!?冗談じゃない!』今吸収した呪物お前だったの!?
「…呪力に変えなきゃよかった」
「万か」
『その声は宿儺ね!?』
「あぁそうだよ!黙っててくれ!」ダッ
逃げる。あまりのイレギュラーに対応しきれん。投射呪法で追いかけっこしか出来んとは情け無い。しかし、まあ。この状態でもやり方はある。『貴方、構築術式持ってるの?』そうだよ頼むから静かにしててくれ。『それで私が作った呪物を術式反転で解体、自分の呪力にした…』黙れ!そうだから!
「チッ!」
「フッ」バギィッ
「ごぁっ!?」
「ケヒッ。魂の込められた呪物を回収すればその魂も入る…当然だ」
「っ…領域展開ぃ!」
「ほう」スッ
をすると見せかけて!構築術式で刀を作り!『無駄だらけね』そのまま宿儺の腕を切り落とす!『貴方じゃ無理よ。私に変われば絶対切り落とせるもの』うるせえ!
「ぁあ!」ブンッ
「万に言われただろう?無駄だと」キンッ
「ぶっ…ぁ…くそっ…」ドロォッ
「また分身か」
「いいえ、違がぁう!」
「!?」
「わ俺は…よろ総士だ!」
どう考えても呪力尽きるやん…と思って呪物から取ればいいや!→でもそこら辺にある呪物でまともな呪力回復出来るやつある?→あ、万…って感じにこうなりました。構築術式で作られたのなら、構築術式の術式反転で解体できないわけがない。
ちなみに万の死を代償にした呪物作りによって呪物の中に万の魂が入ってると思ってます