愚問なり、無知蒙昧、知らぬならば答えよう 作:まいねーむいずあしたか
お久しぶりです(小声)
仕事がくっそ忙しい。
あとロマサガ2とかやってました。
申し訳ないです…。
「こにょおしゃけおぃしーですねおーしゃまー」
「こりゃ見事に酔っぱらっとるの」
「おい、キャスターどうにかしろ」
「飲む許可を与えたのは貴様だろうアーチャー」
「……………」
だいぶ、いやすこぶる愉快な場になってしまっているが仕方ない。
神代の酒なめてたわ、この酒くっそ美味い。
まだ9歳なので今世では酒を飲んだことはなかったが、前世では普通に合法的に酒を飲めていた年齢だったし、原作ファンとしてAUOが出した酒の味が気になっていたので……ダメ元で頼んでみたら飲ませてくれた。
まぁ、ここまで酔うとは思ってなかったけど。
さて、なんでこんな事態になっているかというと……簡単に言ってしまえばキャスターもライダーからこの酒宴、原作で言う所の聖杯問答に誘われたからである。
より正確にいうならアインツベルンの森から帰っている途中に商店街でライダーとアーチャーが話している所を目撃してしまい、逃げようとしたがアーチャーに見つかって逃げれなかったのだ。
何で英雄王と征服王が朝っぱらから商店街を徘徊してんだよ。暇人か?どっちかと言えば暇人だったなこの人たち。
「ほぉ……なるほど。その小僧が参加するのであれば、我もその下らぬ酒宴に付き合ってやろうではないか」
もちろん、参加するよな?と金ぴか暴君の紅い眼が語っていた。
一体、俺の何を見たんですかねぇ?もしくは言峰に何か聞いたのかは知らないけど、巻き込むの止めて下さいませんかねぇ。
というか、原作の聖杯問答が何日目に行われたかまでは流石に覚えてないけど、こんな序盤だっけ?まぁ、COOLな人達がいないからズレる可能性もあるか。
そんな訳で、訝しげにこっちを見ていたライダーとウェイバーくんに「キャスターとそのマスターだよ、よろしくねー」と挨拶。
ウェイバーくんは顎が外れそうなくらい口をあんぐり開けて絶句してた。まぁ、子供がマスターやってる姿を見ればそうなるか。魔術師としては素直過ぎて心配になるけどね。
魔術師と死徒は見た目で判断しちゃいけないんだけどなぁ。俺はたまたま見た目通りだけど、見た目を弄ってる奴はそれなりにいるからさ。
原作知識で英雄王印の美味い酒が飲めることを知っていたキャスターが割と乗り気だったので断れるはずもなく、参加を承知して一応尾行に気を付けながら家に帰宅。
キャスターにルーンを使ってもらって誤魔化しながら帰って来たから大丈夫だと思う。
桜の様子を確認して、かなり疲れていたのでシャワーも浴びずにそのまま爆睡。
起きたら夕方だったので、色々と準備して一件だけ知り合いに電話して……昨日来たばかりのアインツベルンの森にまた来てしまった。
ちなみに、街から此処まではライダーの戦車に乗せてもらった。2日連続でタクシーを使うのはちょっと面倒だったし、キャスターに霊体化してもらえば子供の俺を含めて3人でも十分乗れそうだったので丁度良かった。
森に入ってから城までは遠いからね。子供の足には厳しいんだ。
ウェイバーくんから「無防備に敵対するサーヴァントの宝具に乗り込むとか正気かよ。殺されるとか考えない訳?」とか嫌味を言われたけど、「偉大なる征服王が自分から誘ったのにそんな姑息な手段を許すわけないだろ?こちらからマスターである貴方に手を出したりしない限り、酒宴が終わるまでは敵対してはこないよ」と言い返したらライダーに大声で笑われた。
史実のイスカンダルには詳しくないけど、Fateのイスカンダルはそういうのをやらないと思ったので素直に言っただけなんだがなぁ。
何故か「小童、お前も我が軍勢に下らぬか?」って勧誘されたけど、もちろん断った。
死んだ後も軍勢の一部になって働かされるかも知れないとかNGですわ。
社畜ダメ、絶対。
「うへへぇ、しょれじゃあーおーしゃまたちがにゃんでせーはいがほしぃーにょかーきいていきましょー」
キャスターの膝に乗せられたままではあるが、サーヴァントたちが呆れたような雰囲気だったので、仕切り直す意味を含めて俺が音頭を取る。
呂律が回っていないのはご愛敬ということにして貰おう。
「しょれじゃー、あーちゃーからどうぞぉー」
さて、ここからは大体原作通りの流れではあった。
アーチャーは自身が敷いた法を、ライダーは征服する為の肉体を求めた。
ウェイバーくんが「お前!世界征服が目的じゃなかったのか!?」ってライダーに突っかかってデコピンされていたけど、体格差もあるからあんなデコピンを額に喰らったら一発で脳震盪を起こしそうなものだけど、ウェイバーくんって意外に頑丈では?
次はセイバー、ではなくキャスターの番だ。
だって、セイバーに話を振ると雰囲気がお通夜になるから仕方ないね。
という訳で、キャスターに振ってみる。
「きゃすたー、ちゅぎよろしくー」
「あぁ、私は聖杯に掛ける望みなどない」
キャスターの言葉で場が静まる。
ライダーとセイバーは口を茫然と開け、アーチャーは何故かニヤニヤしていた。
「望みがない、だと。ではキャスター、貴公は何故聖杯の呼びかけに応えたのだ?」
睨みつけるかのようにキャスターに顔を向け、口火を切ったのはセイバー。
キャスターは心底どうでもよさそうに酒を呷り言葉を続けた。
「より正確に言うなら、私が呼び出された時点で私の願いは叶っているのだよセイバー」
「私が聖杯に望みがあるとすれば、それは私の死だ。だが、私がサーヴァントとして召喚されたということは、既にその願いが叶っているということだ」
まぁ、正確にいうなら自身を殺せる存在を寄越すことらしいけど……単純に死を求めるのではなく、戦いの果てに死にたいというのは流石頭ケルトだなぁ。
「それは、どういう………」
キャスターの言葉に困惑顔のセイバーにライダー、アーチャーは何かずっとニヤニヤしてるからキャスターの真名に気付いてる感じかな?AUOが何を考えてニヤニヤしてるのか本当にわからんけど。
「マスター」
「いーよ、きゃすたー。どーせあーちゃーはきじゅいてるし、ばれてもきゃすたーにゃららぃじょーぶでしょ?」
「その通りだ、感謝するぞマスター」
俺の許可が下りたことか、それとも俺が信頼しているという言葉が嬉しかったのかほんの少しだけ口角を上げたキャスターはそれを隠すように酒を呷り、話し出した。
「マスターの許可も下りたので改めて名乗ろうか。サーヴァント、キャスター。我が真名はスカサハ。影の国の門番にして女王。数多の戦いの果てに、死に嫌われた我の逸話は聖杯より知識を与えられている貴様らも知っているだろう?」
至極どうでもよさそうに真名を明かし、酒を呷るキャスター。
「私は私を殺せる存在を切に望んでいた。だが、私がこうして召喚されているということは、私を殺せる勇士が存在し、私を殺すことが出来たということに他ならない」
「故に、私に聖杯など不要だ。まぁ、過去や未来の英傑と覇を競い合うというのは心躍る物があるからな。座に帰るまではソレを楽しむだけだ」
終始どうでもよさそうに語ったキャスターの話が終わったが、周囲の反応は割と謎だった。
セイバーとライダーはしかめっ面をしていて、アーチャーは相変わらずニヤニヤしていた。
本当に、アーチャーは何を考えてるんだ?
そして、始まるセイバーの聖杯に掛ける願い。
ここも原作通り……バーサーカーであるランスロットと相対したはずなんだけど変わらなかった。
故国の救済。
それが、セイバーが聖杯に望むもの。
ブチ切れたライダーによる「無欲な王など!(以下略)」からのセイバーの心にダイレクトアタック。
キャスターは俺から事前に聞いていたこともあって「こいつ、本当に言ったよ」という目でセイバーを眺めながら酒を飲んでいた。
アーチャーは……なんか俺の方を見てないか?
「小僧、我が許す。セイバーに言葉をくれてやれ」
くつくつと笑いながらギル様が俺に言葉を投げる。
「
この王様!マジかよ、千里眼で視やがったのか!?
ざぁと血の気が引く、先程までの酒の酔いが一気に醒めた。
「…………何処まで、ご存知で?」
「さてな。だが、酒の余興だ。我を楽しませる話をしてみろ」
杯を傾け、酒を呷って言葉を続けるAUO。
「そうすれば、褒美に我の蔵に小僧の魂を収めるのは諦めてやる」
この金ぴか暴君!絶対に俺が異世界転生者って気付いてますね!本当にふざけんなよ!?
しかも「諦めてやる」だ!?嘘つけ!金ぴか暴君なギル様の言葉を信じられる訳ないだろ!!
はー、もう面倒くさいこと押し付けやがって。
魔術刻印を動かし、残っていた酔いを適度に抜く。
こんな無茶ぶり素面なんかでやってられん。
頭と言葉が回る程度に酔いを残したら、魔術刻印を止めセイバーに向き合う。
さて、仕方がない……ぶっこむか。
ある意味俺の命が懸かっているんだ、すまないセイバー。
恨むなら、そこにいる金ぴか暴君を恨んでくれ。
「セイバー、貴女は結末を変え国を救いたいと言ったがそれは
「何処から、だと?」
俺の問いに不思議そうな怪訝そうな顔をするセイバー。
前にキャスターに聞いた時も思ったけど、大聖杯さんちょっと事前説明が雑過ぎません?せめて、もう少し勝利後の聖杯の扱いについては説明しとくべきでしょう。
まぁ、元々は第三法に至る為の儀式で七騎全てのサーヴァントを聖杯にくべる必要があるから……主催者側としてはサーヴァントに余計な説明をする必要はなかったのかも知れないけどさ。
「そんなに不思議かな。だって国が滅ぶ事態ともなれば、その滅びるに至った因果があるはずでしょ?」
ある日突然自然災害で国土がまるまる吹き飛んで国民が死滅しました、とかなら別だけど。
セイバーの隣で顎髭を撫でながら話を聞いてる偉丈夫の国が王の死をきっかけに後継者争いで分裂したように、国が亡くなるに値する因果というものは必ず存在する。
「じゃあ、貴女の国……ブリテンが終わりに向かった因果は何になるのさ?」
だからセイバーの願いはどうあがいても叶わない。
聖杯で一つの因果を是正しても、他の滅びの因果が立ちふさがるだけだから。
あの時代のブリテンには、滅びに向かう為の因果が多すぎる。
「貴女の
「モードレット卿を
「はたまた貴女の妻を奪い、円卓を裏切ったランスロット卿か」
「盾の騎士が聖杯探索に成功していれば変わったのか」
他にも「ポロロロロン」って弓を弾く、起きてるんだか寝てるんだかわからん騎士が捨て台詞吐いて円卓を去ったこととかもあるしね。
「もしくは、貴女が王にならなければよかった、とか考えるかい?」
選定の剣を抜くのが自分ではなければってのはFate編のセイバーの望みだったっけ。まぁ、無理なんだけどね。
「それは無理だ。なんせ、貴女は父親と花の魔術師によって王になる以外の道が用意されてなかった」
「生まれる前からブリテンの最後の王としての責務を背負わされたのが貴女だ。アーサー・ペンドラゴン、いや女性なら……アルトリア・ペンドラゴンかな?」
「だから、仮に選定の剣が抜かれる前に戻って選定をやり直したとしても……あれは貴女以外には抜けないようになっている物だから意味がないんだ」
酔いを残したお陰でいい具合に口が回るな。
余計なことまで言ってる気がするけど、まぁいいか。
どうせ、子供の戯言って片付けられるでしょ。
「もっと言ってしまえば、当時のブリテンは神秘と人理の転換期だったとされている」
「なら、世界が人理ではなく神秘に傾いていたままであればよかったのかも知れない」
「となると、貴女の産まれる前に世界が人理に傾くようになった全ての事象を失くすしかなくなる訳だ」
まぁ、そうなったら人類史がまるっと変わるからそもそもブリテンすら存在してないと思うけど。
「現状、人類史が神秘から人理へ傾き出したのは
あの、気を使って名前出してないのにドヤ顔するの止めていただけますか?セイバーは気付いてないけど、ライダーは貴方の方をみて「やっぱりか」みたいな顔してるんで。
「まぁ、俺としては一万四千年前のアレを倒したのが神々ではなくヒトだったから人々の潜在意識が人理側に傾き出し、後に
当時の人々からしたらくっそ迷惑だったと思うけど、アレが神々を大量に間引いたおかげで人理が敷かれる基盤が出来たんだと思うのよね。
んで、最終的にアレを倒したのがヒトだったから、生き残った人々の潜在意識に神に対する不信が宿ってしまった。
その不信が徐々に育ち始めてしまい、神々が長い時間を掛けても不信を取り除けなかったから、仕方なく神と人の混血であるギル様を作って神の時代に戻そうとしたんじゃないかって、俺は考えてる。
まぁ、カルデアが組織されるか月に行って確かめない限り検証出来ない類の妄言だけどね。
「うん……色々と言ったけどさ、セイバー。貴女の願いは、国を救いたいという願いは、聖杯で何時何処を是正すれば叶うのかな?」
セイバーは、能面のように無表情で何も言わない。
ライダーは先程よりさらに痛ましい物を見たという視線をセイバーに向け。
キャスターは退屈そうに俺の言葉を聞きながら酒を呷る。
そして、アーチャーは心底楽しそうな笑みを浮かべた。
そんな四騎四様の表情を眺めた後、俺は言葉を続ける。
これまでの話はセイバー向けで、ここからは
「まさか、聖杯は万能の釜だから願えば何でも叶うとか思ってる?」
「そんな訳ないよ」
「
強調するように、あえて
「七騎のサーヴァントの魂を聖杯に入れた場合はまた違う結果になるらしいけど、まぁこれはいいや」
どうせ隠れてるアサシンを通じて聞いているであろうトッキーに対する嫌がらせだ。
俺が救ったとはいえ、大して下調べもせずに桜を蟲ジジイの養子に出したことを後悔するといい。
「冬木の聖杯は
イリヤスフィールは特化した魔術回路を持っているから、魔力と本人が耐えられる範囲であれば過程をすっとばして結果を持って来れていたけど、あれもイリヤスフィールが過程を知っていたからだし。
「莫大な魔力で無理矢理過程を飛ばして結果を持ってくるような感じになるらしいけど、それでも使用者がキチンと結果に至る過程を知っていなけばならない」
「だから、貴女が聖杯に願うなら
おっと、後ろで聞いてるアイリスフィールさんの顔が曇りましたね。
というか、サーヴァントならともかく何で主催で元凶のアインツベルンが知らないのさ?
勝ったことがないから?それは、そうやね。
じゃあ、なんでそんな重要な事を俺が知ってるかって言われたら割と詰むんだが。
前世で聖杯ちゃんが貴女の旦那に教えてたのを本で読んで習いましたとは言えないし。
まぁ、突っ込まれたら適当にそういう雰囲気を出して流そう。
「極端な例を出そう」
どうせ聞いてるんだろう、衛宮切嗣。
存分に聞かせてやるから、聖杯諦めて娘を確保しにドイツに帰ってくれ。
嫁さんは……最悪、たぶんキャスターがどうにかしてくれるから。
「仮に、仮にだけど俺が聖杯に
俺の言葉を聞いたアイリスフィールの顔色がさらに悪くなる。
世界の平和、それは彼女の夫が聖杯に懸ける願いでもあるから。
「そしたら、聖杯は
「ちなみに、この場合は
「だって、一切合切全ての知的生物が絶滅しちゃえば、平和という物を定義し、それを乱す者がいなくなるんだから……結果的に平和になるでしょ?」
「俺は、それ以外で『世界が平和になる方法』なんて知らないんだから、そんな風に聖杯が願いを叶えるのは仕方ないよね」
そして、俺はアイリスフィール・フォン・アインツベルンと衛宮切嗣の願いを壊す言葉を刺しきる。
「だから、聖杯に願うならきちんと過程と結果が想像できる物じゃなきゃダメなんだ」
「そうじゃないと、大変なことになるだけだよ」
具体的には抑止力とかが現れて、全てを台無しにされる可能性がかなり高い。
まぁ、それ以前に冬木の聖杯は
※未成年者の飲酒喫煙は法律で禁止されていますので、絶対に真似しないで下さい。
アンチ・ヘイトのタグはこのためにある。
玲依くんが黒幕ムーブ染みたことばっかしてるのは、玲依くんの目的は聖杯戦争を生き残ることで……別に勝とうとしてないからだったりします。
「原作キャラじゃん!やっべ、煽るの楽しぃ!!」ってなってる部分はかなりありますが。
やり過ぎてヘイト集めてない?それは、そう。
お酒って怖いね。
王の軍勢からのアイリスフィール救済RTAはっじまるよー(嘘)