愚問なり、無知蒙昧、知らぬならば答えよう 作:まいねーむいずあしたか
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前話の感想で「師匠って自分で霊基弄ってクラス変更出来そうなのに令呪使う必要あるの?」という内容を多く頂きました。
作者の考えを諸々語ると長くなるので「この作品の世界では必要である」くらいで考えていただけると。
夜の闇を切り裂くように光の線が走り、互いの槍がぶつかり合う激しく音が響いていく。
うん、流石は最速のサーヴァントであるランサー同士の戦闘だ。魔力で強化しても人間の視力ではギリギリ視えるくらいだわ。
「すごい」
桜は純粋に目の前の戦闘に感動してる。表情はあんまり変わってないけど雰囲気がちょっと楽しそう。
ケイネスとソラウの方は……特に変わらず?何か若干茫然としてる感はあるけど、そういえば目の前でサーヴァント同士の戦いを見るのはあっちは初なのか。
港での初戦はケイネス隠れてたし、アインツベルンに乗り込んだ時もランサーと別行動で基本的にソラウはお留守番だもんね。
何もしないと思うけど、一応警戒の為にこっそり魔眼を発動する。
魅了や燃焼、石化に直死。その他諸々と魔眼には数多くの種類はあるが、俺のはただ魔力が色として視えるだけという『魔色視の魔眼』。
ちなみに他にこの効果の魔眼を持っている人を知らないので、名前は自分で付けた。
ライネス・エルメロイ・アーチゾルテが持つ魔眼と似ていると言われたら似ているかも知れないけど、魔力の精密解析が出来たり魔眼の魔術回路に自身の魔術回路を上乗せ出来るあちらと違い、俺のは本当にただ魔力が色として視えるだけ。
まぁ、魔眼の副作用もなければ勝手に発動したこともないので、ランクの高い魔眼保持者と違って魔眼に縛られた人生を送る事はなさそうだから低ランクの魔眼でよかったよ。
もしかしたら霊体とか呪いとかも視えるかも知れないけど、そういうのに遭遇したことがないから不明。
この魔眼は正直そんなに普段から使えるような便利な物ではないのだけど、魔術師が魔術を使わないか警戒しなきゃならない時には役に立つ。
魔術師が魔術回路を動かしてたら身体をオーラ的なのが覆っているように視えるし……すごく見つけたくなかったのだけど、魔術を使って隠れている奴とか一発でわかる。
「……動かないうちは、とりあえずは放っておくか」
多分、大丈夫でしょ。動く気があるならとっくに動いてるだろうし。
念の為に魔眼を起動したまま戦闘の方へ意識を戻す。
ランサーの紅と黄の魔槍のコンビネーションをキャスターが捌き、カウンターを仕掛けるがそれをランサーが即座にそれを察知し上手く躱すと再び攻撃を仕掛ける。
技量は当たり前だけどキャスターのが上っぽい。令呪ブースト付きで霊基を一時的にランサーにしているので近接戦闘に必要なパラメーターもキャスターのが上なのに、それでも攻めきれてない。
「せいっっ!!!!」
「はっっっ!!!!」
これが人類史に刻まれた英雄の実力。これがフィオナ騎士団の一番槍の姿。
正直、間男だの聖杯に呪いあれーだのランサーが死んだ、この人でなしだのとランサーを侮っていた部分は大いにあった。
キャスターは聖杯から与えられた知識や俺が話した原作知識から
事実、ランサーの宝具である紅と黄の魔槍はキャスターを捉えられてはいない。だが、キャスターもランサーをまだ完全には捉えられていない。
このまま戦闘が続けばいずれ令呪の効果が切れ霊基が元に戻されるキャスターが不利になる……その場合、もう一画令呪を切ることまで想定しなければならないだろう。
そんな俺の思考を余所に戦闘はさらに速度を上げ激化していく。ランサーとキャスターに踏み抜かれた地面が割れ砕け、周囲に弾けボロボロになっていく箇所が増えていく。
槍が槍で弾かれ、合間に繰り出される手足を捌かれ、一瞬たりとも止まることはない。
「絶技、発動!!」
そんな拮抗した状況を崩すべく、
大きく槍を振りランサーを力ずくで弾き飛ばすと、すぐさま距離を取り手に持つ魔槍から背筋が凍りつきそうになる程の禍々しい魔力があふれ出した。
弾き飛ばされたランサーはキャスターが宝具を発動しようとしてる姿を認めると、輝く貌と称される美しい顔に獰猛な笑みを刻む。
「刺し穿ち、突き穿つ!!」
本来であれば1本目の魔槍で相手の動きを止め2本目の魔槍で仕留めるという宝具であり、1本目の魔槍を所持していない現在の状態では完全な絶技とは言い難い……が、そんな程度で弱体化するようなら絶技とも宝具とも呼ばれない。
自身の絶技を真っ向から迎え撃とうとするランサーの姿を見たキャスターは本当に嬉しそうに「ならば、受け切ってみせよ」という表情を一瞬浮かべ、魔槍を解き放った。
音を置き去りにする速度でランサーへと迫る魔槍を前に、ランサーは黄の魔槍をその場に突き刺すと紅の魔槍を握り構える。
「影の国の女王の絶技!我が魔槍と絶技にて破らせていただく!!」
握られた紅の魔槍が込められていく魔力で輝き、キャスターの必殺とランサーの必殺が相対する。
貫き穿とうとする紅の奔流と、それを押し返すどころか逆に穿ち破ろうとする紅の奔流のぶつかり合い。
「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
全霊の気迫が込められた咆哮に、魔槍にさらに魔力を注がれその輝きを増していく。
「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
限界まで魔力が注がれ高まり合った宝具同士の衝突の果てに爆発が起こり、舞い上がった土煙でランサーの姿が隠される。
キャスターは険しい目付きで土煙の先を見ている。あの感じだと確実に仕留めたという感覚がなかったのだろう。
爆発から庇った桜の様子を見て特に怪我などないと判断し、俺はいつでも追加で令呪を切れるよう右手を構える。
「…………見事だ、ランサー」
舞い上がった土煙が晴れ、ランサーを称賛するキャスターの声が響いた。
ランサーは生きていた。まだ、生きてはいた。
右腕は肩辺りから抉られたように失われ、輝く貌と評される美しい顔も血と埃にまみれているし、身体についた大小幾つも傷から流れ出た血が魔力と共に地へと流れている。
失われる魔力の流れから霊核にも致命的な傷が入っているだろう。最早満身創痍といっていい。遠からず送還される、そんな姿であった。
だが、ランサーの瞳はまだ死んでいなければ諦めてもいない。
何度か咳き込み血を吐き出すと、残った左腕で地に突き刺した黄の魔槍を引き抜き構える。
そんなランサーの姿に何かを感じるように一度だけ目を閉じると、キャスターも魔槍を呼び戻しランサーへと向ける。
「ラン「ランサーっっっ!!」」
凄惨な姿に変わり果て、それでも尚戦おうとするランサーの姿に悲鳴のような声を漏らすソラウを遮り、ケイネスが叫んだ。
「貴様はこの私とソラウに勝利を捧げると誓った!!」
そのままケイネスはソラウの右手を掴み………って、マジかっ!?
「ならば、騎士としてその誓いを果たしてみせよ!!」
ソラウの手に刻まれた令呪が輝き、消えた。
俺が雁夜にやったように令呪の強制使用とか、何てことをしてくれやがる。
ケイネスはまともに魔術も使えない身体のはずだろうに。
実際、無理矢理ソラウの令呪を使用したせいで鼻や目から血を流している。
だが、ランサーはもう手遅れだ。それがわからないケイネスではないだろうに。
「感謝します。我が主……ケイネス・エルメロイ・アーチボルト」
「よい、ランサー。ディルムッド・オディナ、大儀であった」
あぁ、理解しているからこそか。
婚約者の事がなければ、そういった色眼鏡がなしに向き合えばケイネスはやはり優秀である。
土壇場で男を魅せるとか……本当、最高にカッコいいよロード・エルメロイ。
「最期まで付き合って貰うぞ、影の国の女王」
「当然だ、来い。影の国の女王が認めし、フィオナ騎士団の騎士よ」
その後のことは、特に語る必要はないだろう。
ただ、原作とは違い。
フィオナ騎士団の騎士、ディルムッド・オディナは心底満足そうな顔で光へと散った。
レイドバトル、楽しみですわー
ダイレクトアタックをブチかまされたメンタルを回復させる為にも、人類を解析し理解した気でいる■■■■に、本当の
存分に困惑するといい、素材とQPを求めるマスターは醜悪で、純粋で、度し難いという事を。
本当に、楽しみですわー
死なないように殺してやるから覚悟しとけよ、クソが。
そういえば、結局のところ藤丸立香ってどういう存在なんだろうね?
たまたまよくわからない検査に引っかかって南極まで拉致されたとかって設定だったはずだけど、普通に考えれば魔術師の家系からレイシフト適性が高い奴を採用すればいいはずなのに。
表の世界も関わるから色々と手続きも面倒だったと思うのだけどな……その辺も回収されるんかな?まぁ、抑止力な気がするけど。
型月の物語は途中はともかく、最終的にはある程度は救いのある話になるはずだから……第二魔法辺りが頑張ってくれないかなーとか考えてたり。
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