愚問なり、無知蒙昧、知らぬならば答えよう 作:まいねーむいずあしたか
本編最新話で書いたお詫びの番外編2話目になります。
なんで、こう番外編とかだと割とスラスラ文章出てくるんだろうか……。
あれかな?試験勉強しなきゃいけない時に部屋の掃除が捗るような感じだろうか。
独自設定のオンパレードなんで、「この物語ではこういう設定なのか」ぐらいで考えてもらえると。
駆ける。
翔ける。
欠けていく。
草原の王は、首なしの騎士を背に乗せ眼前の獲物へと
此度の獲物は3人。
1人は大きな盾を構え、1人は背に翼を持ち、1人は…………ちがう。
関係ない。
あぁ、関係ないとも。
「―――――
気付けばこの躰に与えられ、植え付けられていた異能を起こす。
誰かに愛されたい。抱きしめて欲しい。
けれど、誰にも触れられたくないという渇望。
愛した者を奪われ。二度と触れることが出来ないという憎悪。
積もった憎悪は燻り熱を吐き出し、発火する。
種火より踊り出た火は回り、高まり、広がり堕ちる。
疾走する炎は、脆く儚く燃え尽きるまで最速を刻む。
この躰に触れることを許さない
愛する白狼にもう一度触れたい
例え、削れて崩れ落ちようとも
どれほど憎悪が記憶を燃やそうとも
喰らい切り裂く爪牙であり続ける
わたしのこの愛だけは消させない
敵であるのなら、牙で喰らい、爪で引き裂き、刃で屠るのみ。
死、それ以外はいらない。
いらないはずなのだから。
「―――――
だから、死ね。
死んでくれ。
憎き、人間よ
心優しき我らの契約者よ
「―――――⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎」
天高く、どこまでも響く遠吠えを上げ、誇り高き狼王と首なしの騎士は粒子となって消えていった。
「…………マスター」
「大丈夫だよ、マシュ。これで、ヘシアン・ロボもカルデアに戻れたはずだから」
この異聞帯に入って7日。これで4度目となる
エリザベート・バートリー、ヴラド三世、両儀式、そして……先程戦ったヘシアン・ロボ。
2日前から連絡が取れなくなっているダヴィンチちゃんの説明では、私たちの手で退去させれば
式は戦ってる途中で「……ふざけているな」とか吐き捨てて何処かに行ってしまったから今はどうしているかわからないけど、無事だといいな。
「マスター、周囲に敵影はありませんでした」
「うん、ありがとう。
「問題ありません。オルトリンデとヒルドはいませんが性能に支障はありません」
そして、不思議なのがワルキューレたち。
彼女達は本来3騎1体とでもいえばいいのか、3騎なのに1騎としてカルデアに登録されている英霊のはずなのに……何故か此処ではスルーズだけで活動している。
本人に聞いてもわからないとのことだったが、本当に何でなんだろう?
「マスター、そろそろ日も暮れますので休める所を探しましょう」
マシュの提案に賛成し、3人で移動を始める。
ダヴィンチちゃん達がシミュレーションした結果、この異聞帯攻略のリミットはあと3日。
この異聞帯には現地の住人がいないから、此処がどういう場所なのか情報収集も難しいけど……。
それでも、頑張らなきゃ。
「―――ここか」
両儀式が辿り着いたのは異聞帯の最奥、かつては異聞帯の王の居城であった場所であり、現在は半壊し荘厳な城であった残骸だけが寂しく佇んでいる。
式はそんな瓦礫の中を進んでいく、人やサーヴァントの気配すらない静かな場所に式のブーツが立てる足音だけが響く。
そして、辿り着いたのは瓦礫の玉座。
乱雑に、瓦礫を適当に取り集めて造られたハリボテにも劣る玉座には、気怠そうな雰囲気を一切隠しもしない若い男が座っていた。
「お前が元凶か?」
「そうだよ、両儀式」
男はこちらを一瞥すると興味なさげに頬杖をつく。
「―――――視えない、だと」
どれだけ眼を凝らしてみても、目の前にいる男の線が視えない。
カルデアでの生活で線が薄い奴らなら視たことがあったが、完全に線が視えない存在など初めてだ。
「ん?あぁ、直死の魔眼か。そりゃ視えないよ、ソレで視えるのはあくまでソッチの世界の死なんだから」
僅かに首を傾げたあと、当たり前のようにこちらの
他のサーヴァント達と違い、自分はそれなりに特殊な成り立ちだというのに、何故この男は知っている。
「人形師がどれだけ説明をし、それを君がどれだけ覚えているかは知らないけど」
「ざっくりと言ってしまえば、両儀家の歴代最高傑作である君の身体は【根源】と繋がっていて、過去に遭った事故の影響で死というモノを理解してしまったから、終わりである死が線として視えてしまう」
―――浄眼を持つ一族だった彼が、死に触れてしまった故に発現した直死の魔眼とは視えてるモノが同じでも成り立ちが少し違うんだよねー。と独り言のように呟く元凶の姿に少し、苛立ちが湧く。
「何が言いたい?」
「君は、君と繋がってる【根源】から広がったモノの死しか視えないんだよ。だから、君が戦ったかは知らないけど、南米にいたORTの死は視えなかったはずだよ?」
―――同様にオリュンポス十二機神のアバターはともかく、真体の死が視えたのかどうかも気になるけどね。
「此処は空想樹を改造して作った異聞帯ですらない、まさしく異世界と呼ばれる場所だから【根源】すら異なるんだ。というか、現状だと俺自身が【根源】に
気怠そうに、足を組み椅子にもたれかかって男は言葉を続ける。
「まぁ、唯一の例外は君にくっついた異能かな。それはある意味で初代山の翁の宝具にも似ているから……それなら
「………………なぜ、それをわざわざ教える」
「教えなくても君、ソレの本質を理解してるでしょ?だからこそ、君は使わないし使えない。両儀式である君は、その異能と最悪に相性が良くて、最良に相性が悪いはずだからね」
やれやれといった雰囲気で語られる言葉に恐らく虚偽はない。
だからこそ、腹が立つ。
「コレは、お前が植え付けたんじゃないのか?」
「違うよ。世界側が素養のあるサーヴァントに勝手に押し付けてるだけだから、俺の意思は関係ないかな」
こいつは諦めている。
余命僅かな重病人の方がまだ生きている。
「せっかくだから此処でカルデアのマスターが来るまで待つかい?どうせ、カルデアのマスターの為に1人で先走ったんでしょ?」
だが、こいつは自分じゃ救えない。
死を与えるだけの自分では、こいつは救われない。
自分がマスターと呼ぶあの少女でも、今回ばかりは厳しいな。
「そういえばさ、昔から純粋に聞きたかったんだけど。君らってどうやって鮮花嬢を説得したのさ?未那さんの存在で押し通したとか??」
……………こいつ、実は救う必要ないんじゃないか?
『すまない。ゴッフ新所長は拗ねてしまって見送りには来ないけど、
「何、気にすることはないよレオナルド・ダ・ヴィンチ。虜囚の身である私たちに頼まなくてはならない状況なのだ、新所長の不満もわかるつもりだよ」
「きちんと
『立香くんたちと通信が出来なくなって2日。つい先程、ヘシアン・ロボの霊基がカルデアに帰還した事が確認されたけど、状況はあまりよくはない』
「異聞帯攻略のリミットは?」
『3日あるかないかって感じかな。正直、いつ時間切れになっても驚かないくらいさ』
「彼が…………玲依が抑えてるという訳か」
『おそらくね。帰還させられたサーヴァントたちが話した情報を信じるなら、だけどね』
「そこは信じよう。たしかに玲依の今までの行動を考えると……結果的に最初から最後までカルデアの味方をしているからね」
『元クリプターのリーダーとしては複雑かい?』
「多少ね。さて、準備も出来たみたいだ。そろそろ出発するが大丈夫かい?」
『うん、こちらも出来る限りバックアップはするけど、ストームボーダーの調子がまだ良くないし、立香くんたちみたいに何時通信が出来なくなる状況になるかわからないけど……頼んだよ』
「あぁ…………では、行こうかオフェリア、カドック」
「シグルド、アナスタシア、カイニスもまたよろしく頼むよ」
「全く、私たちを救っておきながら自分は救わなくていいなど、そんな事を認められる訳がないだろうに」
「逢いに行くよ、友よ。今度は、私たちが君を救う番だ」
※以下、本編にもまだ書いてなかったりする番外編用マテリアル※
なお、本編で含めるかどうかは現状不明だったりするざっくりした設定。
【六雛玲依と異聞帯について】
『六雛』は本編で明かした通り『六道』と『流し雛』から
『玲依』は某熊本先輩から『玲』と『あ』の次は『い』だし、『初代』の名前の頭の文字でもあるから……漢字は『依り代』の『依』にしとこってことで『玲依』になったとか。
FGO編を書くにあたっては、この設定を悪用して作者の1番の推し鯖を『自滅因子』持ちにして主人公特効に出来んじゃね?って心の中の水銀ソウルがアップを始めたり。
『テレジア』『1793年』
『フランス』『ギロチン』
あぁ、うん……いけるし、出来るわ。
『Dies irae』の設定を空想樹にぶち込んだんだから、世界がそれに引きずられる部分が出てくるよね?ダメかな?まぁええか、ええよね。
闇の賜物、血の伯爵夫人は本人おるし、他は……狼、戦乙女(姉)(妹's)、直死マッキーパンチとかかな?装甲悪路屑兄さんとかはどうしようかなぁ。
みたいなノリで設定されたFGO編。
推しには傅きたくなるのは当然だよねと、作者の心の中にある水銀ソウルもそうだそうだと言ってるから仕方ないね。