次の日、陵星中はサッカー部二度目の地区大会決勝進出に大盛り上がりを見せていた。
サッカー部の面々が登校すれば、生徒ならず教師からも拍手喝采で迎えられ、一部の生徒は鼻高々であった。
畑中「やっぱ、俺達凄い事したっすね。もしこれで、優勝出来たら・・・。」
牛宮「これ以上注目されて、まさにスーパースターですね!」
~~~部室~~~
西山「よし!決勝に向けて、今日も張り切って練習頑張ろう!」
西山がそう言って部室から出ようとすると、登別が止めた。
登別「やる気を削いで悪いが、今日の練習に2年は参加しない方が良い。」
登別の発言に部室が少しざわめいた。
杉成「いきなり何言ってるんですか!」
花美詩「そうだぞ。理由はわからないが、流石にそれは酷くないか。」
畑中「そうっすよ!いくら先輩だとしても、今回は俺達も頑張ったっすから。たった1試合出ただけで、何なんすか偉そうに!」
口々に言う面々を見渡し、登別はため息をついた。
登別「はぁ、わかったよ。勝手にしろ。だが、どうなっても知らないからな。」
そう言って登別は部室から出ていった。
速水「どう思う岸田。」
岸田「何の考えも無しにあんな事を言うとは考えにくい。まぁ、練習を初めてみればわかるかも知れん。」
そうして部員達は、グラウンドへと向かっていった。
~~~グラウンド~~~
グラウンドについた部員達の前に、新聞部が待っていた。
真木「皆さんお待ちしてました!新聞部部長の真木です。取材をしても良いですか?」
西山「取材って言われても、今から練習なんだが・・・。」
真木「大丈夫です。そんなにお時間は取りません。」
速水「だが、そんな俺達に聞くような事はあるのか?」
真木「そりゃあ、ありまくりですよ!2年連続の決勝進出、初めての女子部員、毎試合得点にして県内No.1の呼び声の高い速水くん!これ程のネタはありません!」
眼を輝かせている真木の横を、登別は黙って通り過ぎて行った。
真木「ちょっと登別くん!君の話も聞きたいんだけど。」
登別「話も何も、俺は1試合しか出てねぇ。西山、先に行ってるぜ。」
こうして10分程、真木からの取材に対応し満足した真木は帰って行った。
そしていよいよ、練習を初める事になった。
だが、単純なパスミスやトラップミス、いつもよりも動きがぎこちない状態だった。
岸田「どうした佐々木、動きが鈍いぞ。」
佐々木「す、すみません。」
牛宮「なんだろう、昨日の疲れがまだ取れて無いせいかな?」
登別(やっぱりな。もしかしてと思ったがまさか、まだこの段階にいるなんてな。)
登別「すまん西山、ちょっと河原の方まで走り込みしてくるわ。」
西山「お、おい登別。」
登別「こんな状態じゃ練習にならないし、それに俺がいたら、雰囲気も悪くなるだろ。」
そう言って登別はランニングへと出ていってしまった。
~~~河原~~~
河原に到着した登別は休憩も兼ねて、座り込んだ。
登別「あんな調子で、決勝戦大丈夫なんだろうかね。」
「まさか、偵察に来てみれば予想外の遭遇だな。」
登別「ん?誰かと思えば道永じゃねぇか。」
登別が振り返ってみると、そこには次の相手である秀栄中学サッカー部のキャプテン、葛城道永(かつらぎ みちなが)が立っていた。