登別「天才ゲームメーカーと呼ばれたお前が、昨年倒した学校に偵察とは。なにか心配事でもあるのか?」
登別が少し茶化してそう言うと、葛城は微笑み登別の隣に座った。
葛城「正直に言おう。本当なら、偵察なんてする気は無かった。守野浜との前半を見ていた限り、どちらが勝っても問題ない。それが俺の感想だった。」
登別「前半までか・・・。なるほどな。流石の天才でも俺の存在は予想出来なかったか。」
そう言って登別は、その場に寝転がった。
葛城「どんな特訓をしたかわからないが、実力が格段に上がっている・・・。いやあの頃に戻って来ているってとこかな。」
登別「昔の事は言うな。身体を壊して、皆の期待に応えられなかった間抜けだ。」
葛城「そうか。それは悪かった。それはそうと、今ユニフォームって事は練習だったんじゃ無いか?」
葛城がそう聞くと、登別は少しばつが悪そうな表情になった。
登別「まぁ、それはそうなんだが・・・。」
言おうかいわまいか、どうしようかと悩んでいたが、深くため息を吐いた。
登別「去年と続いて連続の決勝進出、それで学校中から盛大に祝福されて、全員とか言わないが2年共が浮足立ってな。とてもじゃないが、マトモな練習にならないんでな。」
葛城「それならそうと、はっきり言ってやれば良いんじゃないか?」
登別「こればかりは、自分で気付けないと来年も同じ状況になっちまう。それに俺は、後輩達に好かれて無いからな。」
葛城「フッ、俺達の世代じゃ絶対的スーパースターだったお前がそうなるとはな。なんなら、昔の映像でも見せたらどうだ・・・ってそう言うのが嫌だったな。」
葛城「だが、後輩にわざわざ気付かせるだなんて、がたいに似合わず後輩想いなんだな。」
登別「アホか。そんなんじゃねぇよ。」
と口では言っているが、照れ臭いのか少し赤くなっていた。
速水(河原に走りに行くと言ってたが、恐らくこの当たりだと思うが・・・。)
突然出ていった登別を心配して、速水は河原まで探しに来ていた。
そして目星通りに登別の後ろ姿を見つけた。
隣に葛城がいるのが気になったが速水は声をかけようとした。
葛城「聞きたい事があるんだが、なぜあの試合の2点目を速水にきめさせたんだ?あれのせいで、勝利点をとったあいつに話題が持ってかれてるだろ?」
葛城の質問が聞こえてしまった速水は、思わず隠れてしまった。
登別「なぜって、そりゃ決まってるだろ?あのまま俺じゃ・・・。」
葛城「止められてたとか嘘を言うのは無しだぞ。」
葛城に釘を刺され、どうしようか考えた登別は寝そべるのを止めた。
登別「あいつの為だ。あいつがエースストライカーで有るためには、試合を決定付けるシュートを決めて貰う必要があるんだよ。」
葛城「エースストライカーで有るため?なんじ・・・。」
速水「それってどういう事なんだよ登別!」