新たな伝説の始まり   作:なめらかプリン丸

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第27話

速水は登別の口から出た言葉に衝撃が止まらなかった。

深い理由はわからないが、まるでエースの座を譲られている様な言い種に我慢が出来なかった。

 

登別「聞かれちまってたか・・・。」

 

速水「お前は俺からエースの座を奪い取るって、あんなに言ってたのに!なぜなんだ!」

 

葛城「そうだぜ。敵の俺が言うのもなんだが、お前達2人は全国でも通用するストライカーだ。それなのにそんな諦めた様な感じで。」

 

そして速水は登別にかけより、胸ぐらを掴んだ。

 

止めるべきか葛城が立ち上がろうとしたが、それを登別が制止した。

 

速水「教えてくれ!この前の試合、俺1人では守野浜中から点を取れなかった。正直に言うと、凄く悔しくて・・・。お前にチームを任せられていたのに、情けなかった。

なのに・・・なのになぜなんだ!!」

 

登別「なぜか、理由は簡単だ。俺にはエースとしての器も凄みも無かったんだよ。」

 

登別「1人チームを離れて練習してる時、最初こそお前を越えるって想いが強かった。だが、時間がたつにつれてひしひしとわかった事がある。」

 

速水「わかった事だって?」

 

登別「あぁ。それはお前の存在の大きさだ。弱小だった俺達を県大会準優勝に導いたその実力、他校にも響き渡るその名前。そしてなにより部員達からの信頼。

それが俺には無かった。そしてこれからも手に入れる事が出来ない。それを離れて見ていたら実感しちまった。」

 

速水「そんなことわからないだろ!」

 

登別「わかってないのはお前の方だ!」

 

そう言って登別は速水の手を振り払った。

そしてその瞳には涙が流れていた。

 

登別「西山ならどんなシュートも止めてくれる。速水ならどんなキーパーも突破してくれる。お前達がいてくれるから、陵星は戦える。陵星はここまで勝ってこれた。

それは他の部員や他校の選手達も思われてる事だ。」

 

登別「お前達2人が柱となって作り上げたのが今の陵星中なんだ。そんなお前達の為にMFはボールを繋ぐし、DFはブロックをする。そんなチームの流れを俺が壊せる訳無いだろ!」

 

速水「なんだよその理由。良く分かんないけど、そんな事で諦められるのかよ!」

 

登別「そんな訳無いだろ!俺だって・・・俺だって一端のサッカー選手なんだ!」

 

そこまで言った登別は、自分が涙を流している事に気が付いた。

そして涙を拭うと河川敷から離れて行った。

 

登別「なんだか恥ずかしい所を見せちまったな。こんな感じだがな葛城、試合は本気でぶつかって来てくれよ。」

 

葛城「あ、あぁ。初めからそのつもりだが。」

 

速水「おい!まだ話は終わって無いぞ。」

 

登別「すまん速水。お前の気持ちもわかる。でもよ・・・。」

 

登別「俺のここまでの3年間、無駄にはさせないでくれよな。」

 

そう言って無理に笑う登別を見て速水は、それ以上何も言えなかった。

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