~~~陵星中グラウンド~~~
西山「それにしても遅いな登別達。なにしてるんだか。」
畑中「登別さんなんか、どうでもいいっすよ。どうせ、いても大した練習にならないっすから。」
西山「そんな言い方は駄目だろ!あいつは、俺達の大切な仲間だぞ。」
牛宮「でもキャプテン。畑中の言う通りですよ。あの人は試合でいつもシュートを外す。」
畑中「練習中は普通に撃つのにっすよ?随分手抜きっすよ。昔は凄い選手らしいっすが、あれじゃあ、過去の栄光も無駄っすね。」
~~~公園のグラウンド~~~
近くの公園に移動した四人。その公園は、大きなグラウンドが横に出来ており、そこではサッカー等のスポーツを楽しむ事が出来る。
登別「ここでどうするんです監督?」
奥野「簡単にルールを説明する。登別と速水、お前達は1vs1でボールを取り合い、このゴールにシュートするんだ。」
奥野「そして先に1点差を着けた方の勝ちになる。そうすれば、お互いの言い分に決着をつけれるはずだろ。」
速水「そうですね。登別、どっちが先行にするか?」
登別「お前で良いぞ。」
そうして速水は、ゴールから離れていき準備を始めた。
奥野「キーパーは俺がやろう。後登別、これは練習じゃない。真剣な戦いだと言うのを忘れるなよ。本気でぶつかって行け。」
こうして、二人のFWによる戦いが始まった。
速水はドリブルで果敢に攻めるが、それを登別が見事に止めていた。
登別「どうした?この程度も抜けないなんて。まだ身体が暖まってないのか?」
速水「ふっ、言ってくれるな。」
だが、登別のブロックによりボールが取られてしまった。
登別「よし、次は俺の番だな。」
こうして登別の攻撃が始まった。
登別も速水も、見事なプレイであった。
だが、一瞬の隙をつき、登別が速水を抜き去りシュートチャンスになった。
登別「これで決め・・・、くっ!」
登別のシュートは、明後日の方向に飛んで行ってしまった。
登別「ちっ、足元が狂っちまったな。」
奥野(やはりな。思ってたとおりだ。だが、まさか此処までだったのは・・・。)
その後も一進一退の攻防が続き、速水のシュートは止められ、登別のシュートは全て、ゴールにすら向かわないシュートばかりだった。
こうして2時間ほどがたった。二人とも疲れが来たのか、休憩タイムを取ることになった。
速水「登別、さっきからなぜ、ちゃんとシュートを撃たない!これは本気の勝負の筈だぞ!」
登別「なんだよ!俺が手を抜いてるって言いたいのかよ!」
花美詩「やめろ二人とも。少しは落ち着け。」
二人が険悪なムードになりかけていた時、奥野が近づいてきた。
奥野「この試合は、ここで終わりだ。勝者は速水だ。」
登別「な、なんだと!俺の方がシュート回数は多いだろ!」
速水「そうです監督!こんな終わりじゃ、認められません!」
二人が納得していないので、奥野は首を掻いた。
奥野「このまま続けても、結果は変わらん。いずれ、速水のシュートが決まっていくだけだ。」
奥野「それに登別、お前は自分がシュートをマトモに撃てない理由に気づいていない。」
登別「マトモに撃てない理由ですか・・・。」
奥野「そう。お前は“イップス”にかかっているんだ。」