たぶん、ヴィランが親らしいが。それはそれとしてヒーローの子どもの方が気苦労が多い。   作:幽 

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感想、評価ありがとうございます。感想いただけましたら嬉しいです。

ホラーSS好評で嬉しいです。いくつかあるので、後書きまた置いておきます。冷さんの話、また書きたい。


氷が理解したこと 下

 

 

たとえ、最初は利己的でも、それでもいいと思った。

愛したいと願ったのは事実だった。

 

 

 

「・・・・お父さん、転夜ちゃん、どんな様子ですか?」

 

轟冷の言葉に、夫である轟炎司はきょとりとした顔をした。

それに、冷は、この人は咄嗟にする表情は微妙に幼いなあと考える。

 

「どんな?どんな、どんな?」

 

それは、お前も知っているだろうと言外に言われて、冷はため息を吐いた。

 

「あの子の主治医に言われたこと、覚えているでしょう?」

「夜泣きが収まれば、という話か。」

 

丁度、子どもたちは何かの付録で付いてきたらしい双六をすると、燈矢の自室に引っ込み、居間には炎司と冷しかいなかった。珍しく、早めに帰ってきた夫に言えば、ああと頷いた。

 

「十分、甘えていると思うが。」

「あれは、あなたへの怒りで、甘えではないでしょう?」

 

たしなめるようにそう言えば、炎司は少しだけ不満そうに下唇を突き出した。けれど、すぐに冷の方を見た。

 

「そうは言っても、あれは、なんだかんだでプライドが高いぞ?」

 

それについては冷も頷いた。

少女は基本的に己の弱みを見せることはない。褒めることも、怒りもあれど、悲しみや苦しみを表に出すことはない。

 

「あなたのぬいぐるみと一緒に寝るようになって夜泣きはなくなりましたけど。でも、だからといってこのままでいいのかわかりませんよ。」

 

正直言えば、事前にそう言った話を子どもたちにはしていたのだ。といっても、燈矢と冬美にだけだが。

 

転夜ちゃんが、夜に泣いてたの、知ってるでしょう?

うん、転夜姉、大丈夫?

でも、この頃、泣かなくなったじゃん。

・・・うん、そのことをお医者さんに相談したんだけどね。もしかしたら、大人に甘えたくなるときがあるかもしれないの。で、もしかしたら、転夜ちゃんのこと、優先を・・・・

ずるーい!!

ずるい?

私も、転夜姉に甘えて貰いたい!

・・・転夜ちゃんに?

私も、転夜姉にしてもらったみたいにしてあげる!

 

 

冬美の中での転夜の立ち位置がわからなくなってしまった。

が、そんなことは杞憂だと、転夜は変わらず、つんとしたままだった。

 

「・・・・俺に纏わり付いてきているのは、甘え、といっていいだろう?」

「言っていいかもしれませんけど。」

 

どこか歯がゆい顔をした冷に、炎司は顔をしかめた。

 

「不安か?」

「・・・・そう、ですね。不安です。あの子は、肝心な部分で、本当のことをいいませんから。」

「それなら、もう一度、主治医に相談してみるか?」

 

炎司のそれに、冷はそれが一番かと頷いた。

 

 

 

「そうですか、変わらない様子ですか。」

「はい、やはり、このままで様子を見た方がいいでしょうか?」

 

冷はその日、転夜に付き添って病院に来ていた。本来なら炎司も来るはずだったが、急な要請が入り、欠席となった。

 

「・・・・ぬいぐるみが安心毛布のようになっているんですね。ですが、そうですね。」

 

主治医は少しだけ考え込むような仕草をした後に口を開いた。

 

「これは、あくまで予想、とまではいきませんが。転夜君自体、もしかすれば、他のお子さん達への遠慮があるのかもしれませんね。」

「ああ、それは、そうですね。」

 

冷はそこまで思い至らなかったことを恥じた。

 

 

 

「どうしました、冷さん?」

 

一緒に洗濯物を畳んでいた転夜は自分をじっと見つめる冷に照れ照れとはにかんだ。

 

「ううん、転夜ちゃん、何か不便なことってない?」

「不便、ですか?さあ?ああ、でも、うちの棚とかってやっぱり高くて使いにくいんですよねえ。踏み台買わないと・・・・・」

「・・・・ねえ、転夜ちゃん。この頃、うちに泊まることも多いから。もう、うちに住んじゃえば?」

 

冷は何とはなしにそう言った。

それは純粋な善意だ。大人びているとは言え、子どもが一人で暮らしているというのは大変だろうと。

彼女が、燈矢と難関高校に行くために勉強を頑張る中、家事までしているのだ。今更子ども一人分の食事や洗濯が増えてもさほど支障は無い。

 

冷は、確かに、少女は感謝していたのだ。

だからこそ、そう言ったのだ。

 

それを、冷はひどく後悔した。ちらりと見た、少女の顔。

 

引きつった口元、そうして、恐怖するような目。

 

「・・・・あの家、片付けるのも大変なので。」

居候はキツいんです。

 

ささやかな、いつも通りの声だったのに。

その子どもは、まるで恐れるようにそう言った。

 

(・・・この子は、何をそんなに恐れているのだろうか?)

 

その疑問が晴れたのは、二男の夏雄と話をしたときのことだ。

 

 

 

「お母さん?」

「ん、どうしたの、夏雄?」

 

その日も、冷はいつも通り家事をしていて、そんなときに夏雄が話しかけてきた。冷は、嬉しくなって夏雄に微笑んだ。

以前は、焦凍にかかりきりで、冬美や夏雄に構えていなかったが、この頃は二人に時間が割けることが嬉しかった。

 

洗濯物を畳む手を止めて、冷は夏雄に微笑んだ。夏雄はどこか、そわそわとしていた。

遠くで、どうやら訓練中に何かしたらしい転夜のごめーん!!という声と、怒り狂う炎司の声が聞こえる。

それが、今は怖いとは思わない。どこか、微笑ましいと思えてしまう自分がいる。

ああ、変わったなあと安堵する。

夏雄は座っていた冷の膝に縋って、見上げた。

 

「転夜姉って、うちに住まないの?」

「うーん、オールマイトさんたちがせっかく用意してくれたおうちがあるからって言ってたけど。」

 

冷は、夏雄も転夜にそんなことを願ったのかと淡く笑った。

すっかり、少女はこの家の、ある意味で中心になっている。

そこで気づいた。夏雄は、どこか、恐れるような顔をしていた。

 

「・・・どうかしたの?転夜ちゃん、何か言ってたの?」

 

それに、夏雄は、そわそわと、戦くように、どうすれば良いのかわからないというように、視線をうろうろをさせた。

それに冷は、ゆっくりと夏雄の背中を撫でた。

 

「もしね、言いたくないなら、言わなくてもいいの。でも、夏雄が今、不安だったり、話したいことがあるのなら、聞かせて欲しいな。」

 

それに夏雄はそわそわとして、そうして、冷を見た。

 

「転夜姉、いなくならない?」

「・・・・どうして?」

「転夜姉、言ってたんだ。」

私は、野良猫みたいなものだから。いつか、ここから出て行くよ。ここは、君達の家だから。君達から、何一つ、盗りはしないから。

 

「安心、してって。いわ、れて・・・・」

 

それと同時に夏雄はわんわんと泣き始めた。年にしては体格の良い体を丸めて、冷に縋って泣き始める。

 

「どうしよう、お母さん!転夜姉、いなくなって、それで・・・・」

お父さんも、燈矢兄も、前みたいになったら、どうしよう?

 

わんわんと、わんわんと泣いた己の子。それに、冷は、慰めることさえも忘れて、ああと思った。

その面立ちから、ずっと、父親に似ていると思っていた。

ああ、違ったなあと、ふと、思う。

 

(あの人になんて、全然似てなかった・・・・)

 

 

 

少女のことをじっと見る。

また、せっせと少女は冷の手伝いをして、にこにこと笑いながら、学校での燈矢の話をする。

思春期男子の息子は、元々の性格もあって学校のことを話してくれないので、良い情報源だ。

 

「で、ですねえ。この頃、学校で鍛えた手腕で、勉強を教えて貰ってるんです。」

 

にこにこと笑う少女を見て、冷は、ああと思う。

 

この子は、ずっと、恐怖しているのだ。

自分が、燈矢たちから、父母の愛をかすめ取るような存在になることを。

 

 

 

少女はずっと、恐れていたし、距離を保っていた。

図々しいように見えて、どこか、線引きをしている子だった。けれど、冷だって知っている。

少女は、何よりも、嬉しそうに笑うのは、夫が子どもたちと戯れている瞬間で。

 

冷は、それは、彼女の怒りそのままに、炎司がいい父親であることが嬉しいのだと思っていた。

きっと、それもそうなのだ。

けれど、きっと、それと同時に。

 

(この子は、きっと、夢が見たいんだ。)

 

何故か、そう思った。

 

捨てられたと、いいや、もっと酷い扱いを受けたと、少女が本格的にヒーローになると決めてから、改めて教えられた。

 

(・・・・私たちと、そう、変わらない。)

 

強い個性を求め、そうして、そうでなかった子どもたちを放置して。

少女には、自分たちがどう映ったのだろうか?

 

子は、かすがいなんて言う。

 

燈矢が生まれたとき、夫はあまり赤ん坊に関心を示さなかった。長男の名は、冷がつけた。

怖い人だと思っていた。けれど、燈矢と関わる内に、どこか、鋭い目をした男が少しだけ柔らかくなっていて。

 

ああ、子が、どうか、その人の安らぎになればと。

 

そんなことは、いいや。そうであったのかもしれない。ただ、何かが狂っていただけで。

その狂いを、必死にほぐし、正した少女は、きっと。

 

(・・・・歪な在り方の親子でも、なんとか、なんて。)

 

夢を見るような目をした少女のことを思い出す。

その、彼女にとって夢そのもののような光景を見て、必死に、縋るように、欠片のような愛を食らって生きる少女。

この家を、いつか出ていくと、まるで野良猫のように、一時だけだと隅で丸くなるような少女。

 

だから、だろうか。

冷は、ずっと、ためらって、できるだけ触れないようにしてきたのに。

己の近くに座る、少女のことを引き寄せて、そうして、抱きしめた。

 

「あ、え、その、うわあ!どうしたんですか!?冷さん!?今日は、やけに積極的で!?」

 

慌てたような少女の声がした。慌てて、暴れようとするが、自分よりも非力だと思っている冷を傷つけるのが不安なのか手をばたつかせる程度で済んでいる。

 

ああ、と思う。

成長期で、燈矢よりも背丈のある少女は、それでもなお、冷の腕の中に収まる程度しかない。

 

ああ、と、思う。

 

なんて、幼いのだろうかと。

 

「・・・そうね、ちょっと、寂しくて。」

「寂しい、ですか?」

 

そんなの嘘だ。

そんなこと、思っていない。けれど、きっと、と。その少女には言い訳が必要なのだ。

 

「みーんな、この頃、他に夢中なことが多いから。ちょっと寂しくて。転夜ちゃん、ちょっとだけだめかしら?燈矢なんて、お父さんにべったりだもん。」

 

そう言った、冷に、転夜は黙り込んで、そうして、控えめに背中に手を回した。

 

「・・・・ええっと、す、少しだけ。す、こしだけなら。」

 

恐る恐る、手を回して、かすかにへへと、笑った声がした。

 

感謝している。ただ、感謝している。

少女の背景は、とても複雑で、下手をすれば扱いがとても難しい子どもで。

それでも、冷が少女を受入れると決めたのは、偏に、感謝していたのだ。家の中が、どうにかなるのなら、その少女の在り方に本当の意味で興味なんてなかったのだ。

なかったけれど、それでも、その、横顔を見てしまった。

 

ただ、本当に、欠片のような愛を、口にして満足そうに笑う少女を。

臆病で、与えられることに怯えて、誰かの幸せに微笑む少女。

ああ、ねえ、こんな子どもならば、この子ぐらいは。

 

どうか、報われて欲しいと、そう願ってもいいはずだ。

己の地獄に、少女は、どんな理由でもやってきてくれて。全てを変えてくれたから。

 

子は、かすがいというらしい。

 

(・・・・あなたは、私たち家族の、かすがいなの。)

 

それは利己的だろうか?

それは、とてもひどいだろうか。

 

そうかもしれない。そうなのだとしても。

 

己の作る食事をおいしいと、笑う子ども。

己の手伝いをして、自分に笑う少女。

 

(ねえ、それでもね。)

 

抱きしめた少女はどんな顔をしているのか、わからないけれど。

 

(私、あなたのこと、愛してあげたいと思ってるのは本当だから。)

それだけは、確かに、本当だった。

 

 

 

 

「・・・・はあ。」

 

その日、転夜はため息を吐きながら、一人でとぼとぼと学校から帰っていた。

彼女は、とても憂鬱だった。

一人で帰っているのは偏に、日直だったためだ。燈矢は燈矢で、今日は炎司が早く帰るからと先に行ってしまった。

そんな中、久方ぶりの、一人での帰宅になったのだが、転夜はとぼとぼと道を歩いていた。

転夜の手には、数学のノートが握られていた。

 

「・・・・だめだあ、わっかんない。」

 

転夜の憂鬱の理由は、偏になかなか数学の成績が上がらないせいだ。微々たる物だが、上がってはいるのだが、やはり、目に見えた結果ではないために落ち込みはしている。

 

「はあ、だめだなあ。」

 

転夜の脳裏には、自分のために時間を割いてくれている炎司と、そうして燈矢の顔を思い出す。

 

(色々と手間をかけてくれてるのに・・・・)

 

それでも結果を出せない自分に失望していた。とぼとぼと歩いていて、そうして、気もそぞろだったせいだろうか。

丁度、目の前に人がいることに気づかなかった。

 

「うえ!?」

 

どんとぶつかった相手は、なかなかに大柄だったせいで、転ぶことはないが転夜自体は尻餅をついた。

 

「ああ、すまないね。よそ見をしていて。」

「あ、すみません!こちらこそ、ぶつかってしまって!」

 

転夜はまじまじを相手を見た。

個性なんてものが跋扈する世界で、体格なんてそれこそ千差万別である。が、それは置いておいても、なかなかに大柄だ。

 

(おお、オールマイトのおっちゃんぐらい大きい人、久しぶりに見たな。)

 

黒いコートを着たその人は、黒いハットを目深に被っており、顔はよく見えない。ただ、聞き心地の良い声だった。

 

「ああ、落としているよ。」

「うわ、申し訳ないです!」

 

その男は、転夜の落としたノートを拾って転夜に渡してくれた。転夜は、赤ペケだらけのノートをはずかしがりながら受け取る。それに恥じ入りながらはにかんだ。

転夜はそのまま、帰り道を行こうかと思っていた。

 

「・・・・何か、悩み事でもあるのかい?」

 

その時、男はそう、転夜に声をかけてきた。思わず、転夜は立ち止まった。

 

「えっと・・・・」

「ああ、すまないね。丁度、同い年ぐらいの娘がいてね。今は、別々に住んでいるんだけど。どうして、そんな顔をしているのかと気になって。」

 

その言葉に、普段の転夜ならば適当に流していたはずだった。けれど、何か、その男に惹かれるように、転夜はぽろっと口を開いた。

 

「・・・お恥ずかしい話、その、成績が悪くて。今、お世話になってる人たちに、色々と期待して貰ってるのに、なかなか上手く行かないんです。このままだと、また。」

捨てられるんじゃって。

 

ぼそりと呟いたそれに、転夜は慌てた。

 

「い、いや!なんて、急にすみませんね!?こんなこと、話されても、困りますよね!?」

 

大慌てでそう言った転夜に、男は軽く首を振った。

 

「・・・・いや、そんなことはない。捨てられるなんて、悲しいことを言うね?まるで、一度、そんなことがあったみたいに。」

「あ、えっと・・・」

 

何か、妙に口が軽くなるような感覚だった。

 

「おやに、すてられて。だから、こんどは、こんどこそ、すてられないように・・・・」

 

ああ、なんだか、安心してしまうような感覚で、するすると言葉を吐いて。そうして、はっと我に返る。

 

「あ、あはははははははははははは!!お気になさらず!!すみません、本当に、変なことを言って!」

 

転夜はその場から立ち去ろうとした。けれど、頭の上に置かれた、大きな手に固まった。

それには、その大きな手に、転夜はサー・ナイトアイや炎司の手を思い出す。

 

「そんなことはないよ。」

 

大きな手は、するりと、転夜の頭を撫でた。

 

「・・・・きっと、迎えに来るよ。」

 

それは、不躾な慰めの言葉に聞こえた。それに、転夜は、何か、妙に燈矢達のことが恋しくなった。

 

「そう、なら、いいなあ。」

ああ、誰か、迎えに来ないかな?誰でも良い、遅いと燈矢でも、駆けてきてくれないだろうか?

妙に、あの家が恋しいと思った。

 

ぼんやりと考える転夜に、また、声がかかる。

 

「私も、娘を迎えに行きたいんだが。まだ、色々と準備が出来ていなくてね。まあ、大丈夫そうだから。のんびりとするよ。お兄ちゃんも、用意してあげたいしね。」

「はあ?それは、いい、こと、ですね?」

 

不思議そうな転夜に、男は笑った気がした。

結局、男がどんな顔をしているのか、転夜にはわからなかった。

 

 







怖い話、まあ、あるにはあるけどさ。
というか、焦凍も知ってるだろ?

夏休みの話。

あの日、友達の一人が彼女に振られたって泣きついてきてさ。何でも良いから気分転換がしたいって言い出して。
それで、友達の一人が、免許取ったから、肝試しに行こうって言いだしたんだよ。
まあ、断る理由もないからって着いて言ったんだけどさ。

確か、有名な、トンネルだったっけ?もう、通る人もいないような山奥のところ。まあ、夜中に行ったから雰囲気はあったかな?
なんか、お供えしてある地蔵があったりもしたっけ?
まあ、特に何かあるわけじゃなかったんだよ。そのまま、帰って、夜中までやってるファミレスで残念会して。
それで、家に帰って。別に、何かあったわけじゃない。
そのまま自宅で寝てさ。

・・・・・朝、着信がああったんだよ。まあ、普通に出たんだ。相手が誰かなんて見てなかった。

「今、○○にいるの。」

はあ?って思ったんだけどさ。まあ、間違い電話で、待ち合わせの話とか、そんな感じかなあって思ったんだよ。
だから、電話先間違えてますよって言おうとしたんだけどさ。そのまま、電話着れちゃったんだよ。
まあ、もう、電話はないだろうって、二度寝を決めたんだけどさ。

また、来たんだよ。

「今、○○にいるの。」
「今、△△にいるの。」

非通知でさ。○○とか、△△とか、考えてて気づいたんだよ。段々、近づいてきてるって。
・・・・いたずらって思ったんだけどさ。
なら、俺の電話番号知ってる理由もわかんねえし。周りにも、こんなことする奴が思い浮かばなかったし。

・・・・スマホもさ、電源切っては置いたんだよ。そしたら、家電がなり始めて。
その日、俺が家に一人だったからさ。俺が出るしかなかったんだよ。

「今、■■にいるの。」

だってさ、もう、俺もたまらなくなって。家電の、コード引っこ抜いたんだぞ?
まだ、鳴ってる来るんだよ。

・・・・もう、耐えきれなくなってさ、咄嗟に、燈矢兄に電話したんだよ。
現状を話したら、ともかく、事務所まで来いって言われたから、慌てて着替えてエンデヴァー事務所まで向かったわけ。


「誰だ!?」

まあ、話を聞いた親父がキレてたのは覚えてるんだけど。でも、俺だってそれで安心してたんだよ。
№2のヒーロー事務所だぞ?ちょっかいかけるバカなんて、って思ってたら。

親父の、部屋の、電話がなったんだよ。

「今、○×にいるの。」

誰だよって、もう、俺ソファに座り込んだんだ。意味がわかんねえじゃん?
電話番号を知る方法とか、もう、何もかもわかんなかったし。
そう思ってたら、転夜姉と燈矢兄が言い出したんだよ。

「・・・これってさ、物理的には進んでるんだよな?」
「だね。少なくとも移動自体には時間がかかってるわけだけど。」
「でも、電話番号で知らせてはくれるのか。」

なんて話してたら、燈矢兄が、よしって頷いて、なんて言ったと思う?

「よし、日本全国、引きずり回してやろう。」


・・・・それから?
いや、親父のカードと、付き添いのSKとか、兄貴とか、転夜姉とか、親父とか、本気で日本全国駆けずり回ったんだよ。
確か、三日ぐらい?

都内から北海道まで飛行機で飛んで。相手が青森まで来たら南下して、近づいてきたら静岡に行って、都内に戻り、相手が近づいてきたら、九州に行ったり。
まあ、結構相手も早いんだけど、そこそこ時間がかかるから、行く先々で飯食ったり、簡単に観光したり楽しかったかな?

・・・なんで親父と二人でラーメン食ったりもしたっけ?
それで?
三日目に、なんか、たき火?の音と一緒に、いけないって電話だけが来て、それっきり。
まあ、よかったけどさ。
にしても、あのまま家で待ってたら、俺、どうなってたんだろうな?


「って、感じだな、二番目の兄貴が体験したのは。」
「あまりにも力業過ぎる怪異退治。」
「新幹線と飛行機を乗り回しまくってるけど、総額いくらかかったんだ?」
「いや、この人の親、№2なんだから気にしてないでしょ。」

「で、爆豪、どうだった?怖かったか?」
「ああ゛!?くだんねえこと言ってんじゃネエよ!?大体、夏だからって怪談なんざ、くだらねえこと話しやがって!?」
「そうか?残念だな。」
「ねえ、轟君、それってやっぱり、後日談みたいなのって?」
「そうだな、ああ、そうだ。転夜姉と燈矢兄がさ、夏兄の言った心霊スポットに言ったらしいんだけどさ。トンネル近くの地蔵に供えもんがあったんだが、燃えてたんだって。」
人形と、電話のおもちゃだったらしい。

その時、ぶーと、机の上の誰かの、スマホがなった。それに、皆が、びくりと肩をふるわせた。それに、焦凍は、スマホを手に取った。

「・・・・だから、そういう所には行かねえ方がいいんだ。ただ、行くだけで、寂しいってついてきちまったり、あと、連絡来たりな。」

焦凍はスマホを持ち主に差し出した。

「気をつけねえとな?」

そう言って、少年は非通知の画面が出る電話を、相手に示して見せた。

以前、後書きにあった転夜の異母兄、本編に出そうか、それとも番外編に置いておこうか悩んでおりまして。参考程度に知りたいです。

  • 二次創作だし、いいんじゃない!
  • 一周回って見たい!
  • 番外編で留めておけば?
  • いっそ、兄弟増やそう!
  • どっちでも
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