たぶん、ヴィランが親らしいが。それはそれとしてヒーローの子どもの方が気苦労が多い。   作:幽 

27 / 103
評価、感想ありがとうございます。感想いただけましたら嬉しいです。

上下で終わらなかった、申し訳ない。

ここのエンデヴァーは、燈矢と転夜のグッズが出ると手に入れて、どこかしらに飾ってたりする。


徒花の恋 中

 

女の人だという。女の人で、自分と同じ、柔らかな体、長い手足、豊かな胸。

それは、自分の知っている、女の、体で。

 

けれど。

 

「ミミちゃん?」

 

自分を呼ぶ、甘い声。微笑みかける、キレイな顔。

それは、きっと、男の人だろうと、女の人だろうか、関係はない。

その人は、変わること無く、自分の好きな人のままだった。

 

 

 

 

「・・・・ああ!」

 

固まってしまった茶野ミミと、友人達を前にして、先輩、いいや、夢意転夜は合点がいったかのように声を上げた。

そうして、女であったとしても高身長のため、ミミと視線を合わせるように屈んだ。

 

「ごめんな。びっくりしたよね。私、個性の関係で性別が変えられるんだ。」

「え、あ、はい・・・・」

 

ミミはもちろん、友人達も目を白黒させた。

 

「いや、ヒーロー活動の関係で、性別を変えての活動も考えてるんだけどねえ。でも、逐一変えて、体にどれぐらい負担がかかるのかとか調べるために、定期的に、ある程度の時間、性別を変えてたんだ。まあ、その間は激しい運動は禁止されるから、図書室に入り浸っていたんだけど。」

 

困ったような顔をして、口元に淡く笑みを浮かべて小首を傾げた様は、確かにミミの記憶通りの先輩のままだった。

 

「・・・・・ごめんね。男の子だと思っていたのに、女だったんだから。気持ち悪いかな?」

 

それに、転夜は悲しそうにミミの顔をのぞき込んだ。

黒い、髪がさらりと揺れている。儚げな顔立ちのそれが、困ったように、物悲しげな表情を浮かべれば、見とれてしまいそうなほどに似合っていた。

そうして、金と銀の、オッドアイを細めて自分を見つめて来てしまえば、もうダメだった。

寂しそうに目が細められているのを見て、クラクラする気がした。

 

「私のこと、嫌いになったかな?」

「い、いえ!そんなことはない、です!えっと、先輩は、男の人でも、女の人でも、優しくて、キレイで・・・・」

 

ミミは、ああやってしまったと目を見開いた。

わたわたと手を振ってそれを否定する。

 

「あ、あの、えっと!違うんです!その、どっちでも、私は、先輩のこと、えっと、だから。」

「ふ、あははははははははははははは!うん、わかってる、わかってる。」

でも、嬉しいよ、ありがとうね。

 

にっこりと、やっぱり、朗らかに笑ってそういう様は、やはり、太陽のように輝かしく見えた。

ミミがそれを見つめていると、横に立っていた金髪の女生徒が無言で転夜の頭をはたいた。

 

ばしり、といい音がした。

 

「いっだ!?何さ、優ちゃん!?」

「あんた、まじでいい加減にしなさいよ!?いたいけな一年、たぶらかして!」

「え!?いや、いや、そんなことないよ!?今回だってさ、図書室で仲良くなっただけだし・・・・」

 

立ち上がった転夜はそう、ぼやきつつ、優と呼ばれた女生徒を見つめた。

 

「ともかく、やばくなったら庇ってはあげるから・・・」

「・・・ねえ。」

 

女生徒は、げっという顔をして、転夜の背後に視線を向けた。そこで、ミミは、転夜の背後から誰かが歩いてきているのがわかった。

 

(あ・・・・・)

 

ミミは目を見開いた。

男子生徒が、転夜の背後に立っていた。

女性にしては高身長な転夜の背後に立ってなお、十分に顔が見えているため相当背が高いのだろう。

 

(もしかして!)

(そうだよ!)

 

美しい白銀の髪に、澄んだ青い瞳。そうして、人目を惹きつけて放さない整った顔立ち。

それは、ミミが図書室で一度だけ見た、あの少年だった。

 

「あれ、燈矢。どうした?」

「別に、転夜の客だって聞いたから。」

 

そう言った、燈矢と呼ばれたそれは、気だるそうに、当たり前のように転夜の腰を抱いて、その肩に顎を乗せてミミを見下ろした。

 

「この子が、噂の一年生?」

「そうそう、話したでしょ?個性のことでさ、色々アイデアくれてさ。頭のいい子だ。」

「ふうん?」

 

燈矢はそう言って、ミミのことを見下ろした。それに、ミミは何か、嫌な感覚を覚える。頭のてっぺんから、つま先まで視線が向けられているのがわかる。そこで、ミミの後ろにいた友人達が声を上げた。

 

「あ。あの!」

「もしかして、轟、燈矢先輩ですか!?」

「そーだけど?」

「うっわ!一年の体育祭の時、テレビで見てたんです!」

「応援してますから!」

 

それに燈矢はむすりと顔をしかめたが、一度だけ転夜の方を見た後に、ぼそりと返事をする。

 

「どーも。」

 

それに周りで、それらの見ていた同級生達はうわあという声を上げる。

 

(猫被ってやがる。)

(いつもなら無視一択なのに。)

(かわいこぶってやがる・・・・)

 

「うわ、燈矢、珍しいね!ちゃんと、返事してる!」

「・・・・べっつにぃ。」

 

燈矢はそう言いつつ、肩に乗せた頭をぐりぐりと転夜の額にこすりつける。転夜はにこにこと笑って、どったの?といいながら、燈矢の頭を撫でる。

それにミミの顔が引きつった。

 

(うわああああああ。噂は、本当だったんだ。)

(というか、ミミ、燈矢先輩の相手に片思いしてたの!?)

(・・・あれに、ミミが?)

(か、勝てるの!?)

 

後ろから聞こえてくるそれを聞いて、ミミはどうしようもなく、口元が引きつる気がした。そんな中、燈矢はミミを見て、淡く笑った。

 

「なんか、思った以上に、小さい、子が来たなとは思ってさ。」

 

ぴくりと、ミミの眉間が震えた。小さいことはわかっているし、よく言われることだ。

けれど、その声には明らかに棘があるのはわかった。

わざわざ、単語を区切って、強調されたことを理解した。

 

「そう?まあ、確かに私ら大柄だもんな。」

「そうそう、転夜はさ、大人っぽい感じの人とよく一緒にいるからさ。」

「うん?まあ、そうか。そうだね。確かに、年下の人とかはあんまり縁が無い物ね。」

 

夏君とぐらいだね、確かに。

転夜はそう、にこにこと微笑んでいた。それに、燈矢はにやりと笑った。

 

「そうだろ?まあ、転夜は俺みたいな感じが一番好きだもんね?」

 

にっこりと、その麗しい顔に、これ以上無いほどの笑みを浮かべて、合意を示すようにミミに微笑んだ。

 

「え、まあ、えへへへへへ。それは、まあねえ。」

 

転夜は転夜でこれ以上ないほどに、にっこりと微笑んだ燈矢のそれにデレデレと口元を崩した。

 

それに、少なくとも転夜以外の、皆の頭の中でゴングが鳴った。

 

(牽制してやがる!)

(全力でマウント取ってやがる!)

(お前とか、お呼びじゃないって全力で牽制しやがった!)

(一年に大人げな!)

 

なんて大人げないんだと、皆で呆れる。

それにミミはぐっと喉の奥で声を潰した。

 

(み、ミミ!)

(ごめんね、こんなことになって!)

(こんなことになると思わなくて!)

 

後ろから聞こえてくる友人達は、撤退を覚悟していた。当たり前だ。

ミミは、改めて、当たり前のように転夜の腰を抱き、そうして、懐くように額をこすりつけて甘えてる様を見れば、圧倒的に、勝てないと理解できる。

 

何よりも、明らかに、目の前のそれは示している。

勝てると思ってるの、と示している。

 

(・・・・・・女性、だったんだ。)

 

ちらりと、ミミは転夜を見た。転夜はミミが黙り込んでいるのが気になったのか、どうしたの、というようにミミを見つめている。

 

その時、目が合った。それに、転夜は、燈矢から離れてミミに一歩近づいた。にっこりと、あの、太陽のように輝かしい笑みを浮かべて、ミミを見つめる。

 

「ミミちゃん、大丈夫?気分でも悪い?」

 

黙り込んでしまったミミのことを心配してか、転夜はまた、屈み込み、ミミの頬に手を添えて顔をのぞき込む。

ミミの知る、大きくて、少しだけ節くれだっていた手ではない。細くて、滑らかで、けれど、自分よりも大きくて温かな手が、ミミの頬に添えられる。

 

「どうしようか?用があったのなら、聞くけど。先輩ばっかりで、緊張してる?なら、他のとこに行こうか?」

ミミちゃんが選んでいいからね?

 

にっこりと、微笑むその人は、変わらず優しい。目の前のその人。

男で会ったときよりも、華奢であるし、スカートから覗く細い足に、白い肌。たゆんと揺れる胸は豊かで、ミミよりも大きいだろう。

女性的な体つきで、未だに混乱する頭の中で、それでも微笑むその人。

 

「そんな不安そうな顔しなくていいから。この頃会えてなかったからなあ。ごめんね、会いに来てくれるぐらいの用があったのに。どうかした?」

 

柔らかな声に、ミミは、ああと思う。

変わらない、やっぱり、変わらない。

その人は、やっぱり、ミミの知る、優しい先輩のままで。

 

「えっと、すみません。あの、燈矢先輩に驚いてしまって。」

「うん?あ、言ってなかったね!こっちは、轟燈矢!有名人だから知ってるかな?すごいんだよ?成績優秀、実技も一番!自慢の相棒なんだ!」

 

転夜は立ち上がり、燈矢の肩を掴み、にこにこと、それこそ、これ以上に誇らしい事なんて無いようにそう言った。

それに、燈矢はまんざらでもないかのような顔して、ふんと息を吐いた。転夜は、これ以上、大事なものなどないように燈矢に微笑む。

 

それに友人達はもちろん、周りの同級生達もミミのことを哀れんだ。

二人は、もう、それこそ切っても切れない間柄であることは自明の理と言っていい。

まるで、互い以外がいないと言うように、二人は寄り添っていた。

 

Mt.レディは、ミミが泣いてどこかに行きでもするだろうかと考えていた。

 

(前からねえ、あったのよ。)

 

何と言っても、転夜というそれは、そこそこ軽い。入学してから、好みの容姿、銀髪か白髪系統で、儚げな、気弱そうな雰囲気の美形に滅法弱く、しょっちゅう声をかけていた。

 

やあ、こんにちは!こんなところで何してるの?もしかして、迷った?そうだ、暇なら、少し話でも。

 

なんて、ひどく軽く話をするのだ。

まあ、といっても、同じ学校の生徒でも、急にそんな風に話しかけてくるのは少々不審だ。断られるだとか、途中で燈矢に見つかるだなんてことも多い。

 

が、あくまで、その確率が高い、というだけだ。

 

例えば、燈矢が現れないだとか、声をかけられた人間が純粋に困っていただとか。

そんなとき、顔立ちもよく、子犬のように愛想のいいそれに悪意もなく話しかけられれば、悪い気はしないのだ。

 

そうして、たとえ、それに応じたとしても、本当に雑談をして終わる。時間になれば、楽しかったよ、また話そうねと言って去るし、二度目に会えば、これ以上無いほどに嬉しそうに近寄ってくるのだ。

 

(嵌まる奴は、嵌まるのよね。)

 

おまけに、性別を換えるようになってからは、余計に、何というか立ち回りが厄介で。

同性の姿で仲良くなって、友人として振る舞っていたというのに、唐突に異性の姿で前に現れるのだ。

当人は、同性だからという延長戦でスキンシップが多めのまま振る舞うのだから始末が悪い。

数度、勇気を振り絞った人間が、ヒーロー科にやってきたこともあるが、大抵は燈矢に追い払われて終わる。

転夜は転夜で、相手の真意を知る前に、燈矢への敗北感で消えて仕舞うため、何が何だかわかっていない。

 

仲良くなった人がいたのに、この頃、会えないんだよなあ、なんてしょぼくれた顔で言ってくるのだが、真実を言って事態が余計こじれることが察せられるので、皆、黙っているのだ。

 

(一年の時は、被害に遭った奴らが注意喚起してくれて、転夜の奴も有名になったから、少なくなったけど。新入生の存在を忘れていた!)

 

Mt.レディは、もう、後輩達に注意喚起をする必要があるのかと考える。ヒーロー科の生徒への対応として間違っていないだろうか?

 

「・・・・そうなんですか。」

「ああ!」

「一番に大事な、相棒なんですね?」

「そうだね!」

「恋人、とかではないんですね?」

 

ミミの言葉に、辺りは一瞬静まりかえった。

 

(こ、この子・・・・・)

 

「うん?まあ、そうだね。恋人はいないねえ。」

 

のんびりとした転夜のそれに、ミミはきゅっと口元を引き締めた。

 

「なら、今は、フリー、なん、です、よね?」

 

皆の脳裏が、一つになった。

 

((((燈矢とやり合う気だああああああああ!?))))

 

かーんと、どこかでゴングの鳴る音を幻聴した。

 

「…は?」

 

燈矢の低い声がしたが、それに被せるようにミミが叫んだ。

 

「先輩!」

「お、おう!」

 

転夜が言うと同時に、ミミはしゅばりと転夜の懐に飛び込んだ。まふりと、ちょうど、転夜の胸元にミミの顔が埋まった。

 

「は?」

 

もう一度、燈矢のド低音が響き渡る。転夜は不思議そうな顔をしていたが、はっとした顔をした。

 

「そうだね!怖かったよね!美形って黙ってると威圧感あるし。」

 

うんうんといいながら、ミミが怯えていると思ったのか、彼女の背中を撫でた。

クラスメイト達は見ていた。転夜の隣で、静かにこめかみがぴくりと震え、ハイライトが消える燈矢の姿を。

 

(どうなる!?)

(止めるべきか!?)

(いや、下手に突かない方が良い奴か!?)

 

ざわざわとするクラスメイトは互いにばっばとアイコンタクトをする。

 

(・・・・いい匂い。)

 

ミミは改めて、自分もある意味で勝手知ったるふかふかというか、もちもちというか、まあ複雑な感触のそれにそっと上を見上げた。

そこには、変わること無く、にっこりと笑う人がいた。

それに、やっぱり、思うのだ。

 

ああ、好きだなあ、と。

 

「え、おま、お、俺だって・・・・・」

 

ぷるぷると手を震わせて戦く燈矢が見えた。けれど、ミミは気にしない。いや、ここで気にしていたら、これからのことに立ち向かっていけない。

 

「・・・・先輩。」

「うん?なんだい?」

「先輩は、その、結局、性別ってどっちですか?」

「え?」

「お、女の子と、男の子、どっちが好きですか!?」

 

叫んだそれに、うおおおおおおおおとクラスメイトたちから歓声じみたそれがそれぞれの内心で響いた。

 

(おいいいいいいい!言ったぞ!?)

(言いやがった!ついに、言いやがった!?)

(ここまで言った奴が、今までいたか!?)

(というか、轟、あれだけの距離感で、胸さえ揉んだことないのか!?)

(あそこまで近しいなら、胸ぐらいもませてやれよ、夢意!!)

 

ミミのそれに、転夜はきょとんとした顔をした。

 

「え?性別で、好きだとかはあんまりないなあ。なんか、昔からそこら辺は考えたことがないというか。あ、でも、確かに気になる人は女の人が多いかもなあ。」

 

まったりとしたそれの後に、ようやく燈矢が正気に戻る。

 

「一年!お前、いつまで転夜のむ、胸に顔埋めてるんだよ!?」

 

燈矢がミミに手を伸ばそうとするが、それを転夜が避ける。

 

「て、転夜!?」

「燈矢、乱暴するなよ。この子、普通科で、こんなにか弱いんだぞ?」

 

その言葉に、ミミは、もう、本能のように転夜の服をぎゅっと握った。それに転夜は怯えているのかと思ったのか、気遣うようにミミを見た。ミミは己の小柄さを理解して、少し潤んだ目で転夜を見上げた。

 

「・・・・先輩。」

 

くーんと、兎で有りながら、そんな音声が聞こえてきそうな雰囲気だった。

それに、友人達は戦く。

 

(ミミ、この短時間で、そこまでの技を!)

(本気なのね!?本気で、“取り”にいくのね!?)

(あの、燈矢先輩を相手に!?)

(わかったわ。そこまでの覚悟があるのなら。)

(私ら、応援するから!!)

 

そんなエールを知ってか、知らずか、転夜はミミを庇うように廊下に連れて行く。

 

「もう、燈矢、真顔だと怖いって言ってるだろう?ミミちゃんも、そろそろ教室に帰りなよ。授業、始まるよ?」

 

転夜はそのままミミを廊下に促した。それに、ミミは覚悟を決めて、転夜を見上げた。

 

「せ、先輩!」

「うん?あ、そうだ。わざわざ来てくれたけど、用って何かな?」

 

ミミはそれに、覚悟を決める。

本来ならば、借りていたペンを返すためのものだった。が、予定を変更する。

 

(・・・・二人の関係は親密そう。それも、かなり。でも、恋人ではない、様子。)

 

ミミは今までの様子を頭に並べていく。

明らかに、距離は近い。そうして、燈矢からは圧倒的な、自分と同じものを感じる。だが、関係性については曖昧に濁しているし、転夜自身は、あまりそういった関係を意識していないようだった。

おまけに、恋人がいないというのも、燈矢への催促だとかではなく、事実を言っているに過ぎない、あっけらかんとした様子。

 

(ということは、先輩からはそういった感情は希薄。あくまで、相棒として、一番に大事にしているだけ。燈矢さんからの一方的な、それこそ、告白さえもせずに、意識もされていない可能性が大きい!)

 

ならば、とミミは、それこそ恋する乙女の勢いのままに、転夜に言った。

 

「ほ、放課後、に!校舎裏に、来てください!」

 

しーんと、教室に、沈黙が広がる。

そうして、それに、その場にいた大抵の人間が理解する。

 

(((告白だああああああああああああ!?)))

 

「うん?わかったよ。」

「はい!お願いします!それでは!!」

 

ミミは顔を真っ赤にして、ばたばたと友人を連れて、教室から去って行く。

それを転夜は不思議そうに眺め、ひらひらと手を振った。

 

「どうしたんだろう。何か、相談でもあるのかな?」

「て、転夜!?」

「どったの?燈矢?」

「お、おま!だって!!??」

 

きょとんとした顔をした転夜に、燈矢はわなわなと体を震わせた。

 

「意味、わかってんの?」

「え、意味って?」

「だって、茶髪だし!顔だって、可愛いけど、お前の好みの顔は、俺みたいのだし!」

「え、う、うん?急に、何故、私の性癖の暴露を?そうだけど。」

「だ、だよな!?」

「でも、可愛い子でしょ?ちっちゃくて、健気でさあ。」

 

にこにことしたそれに、燈矢はがちんと固まった。

 

「やっぱ、女の子って、可愛いよなあ。」

 

クラスメイト、特に、男子達はずがんと何かが燈矢に突き刺さるのを理解した。

 

「おい、轟!?」

「とどろきい!!」

「安心しろって!?あいつ、お前の顔が一番好きだって!?」

「というか、お前、あの距離感で、乳も揉んだことないのか!?」

「もしかして、ファーストキスもまだなのか!?」

「あれだけモテといて!?」

「うるせえよ!?」

「はーい、あんたたち、授業するわよ。座って!」

 

なんて騒いでいるとき、彼らの担任である、ミッドナイトが入ってきた。それに、皆は正気に戻り、席に着こうとした。

そこで、燈矢がミッドナイトに近づき、そうして教卓に手を叩きつけた。

 

「先生!!」

「なに、どうしたの?席に・・・・」

「学校に、確か、予備の制服、置いてたよな?」

「ああ、展示用の奴があるけど。サイズも、色々。」

「貸してくれ!」

女子生徒用の、制服を!!

 

 






・・・・それでは、会議を始める。
はい!
なんだ、転夜。
いや、会議はいいんですが、なんで、他事務所のホークスがいるんですか?というか、会議内容言われてないんで、それから教えて欲しいんですが。
・・・・まず、これを見るんだ、転夜。
はいはい、キドウさん。なんですかねっと。えっと、フリマアプリ?なんで、これ?
見ればわかるよ。
燈矢もなんでそんなに疲れた顔を。えっと、どれどれ。うっわ、私のアクスタじゃないか!?
そうやね、エンデヴァーさんと燈矢のアクスタに限定的に入ってた奴ね。
そうそう、うち、ブラインドなんてしないからさあ。試しに、私のグッズ入れてみたんだっけ?でも、なんて、こ、れが・・・・・
いや、本当に。もちろん、エンデヴァーさんのアクスタも、燈矢のアクスタも嬉しいんだけど、転夜は本当にでんかったからね。
・・・・・あの、この、アクスタ、数百円の、やつですよね?
・・・そうだな。
あの、おっちゃん、私の、やつ、桁、おかしくない?
安心しろ、俺も思っている。
い、いやいやいや!!なんで私のこんなに高騰してるの!?
あのね、転夜。
は、はい、なんですかオニマーの兄さん。
お前のグッズの要望があったの知ってるな?
そりゃあ、まあ、はい。
うちはな、元々あんまグッズ出すとこじゃないしな。若君が来てから、頻度が多くなったけど、それでも少ないんだよ。
はあ。
そこでな、お前の、初めてのグッズでな、おまけに、男女それぞれの姿でな、ブラインドなんて出しちゃったのね?反響が知りたくて。
はあ。
希少価値がバカ高くなってるのよ。
というか、SNSでも、この魔王って奴が、アクスタとか買いあさってるんだよな。いつのまに、こんなファンが付いたんだ?
じゅ、受容と供給が、釣り合っていないと?
まあ、そういうことだね。理屈はわかったな?
・・・・私も、おっちゃんのグッズをファンと争ったことがあるので、理解は。

・・・・それで、だ。転夜。
へい、おっちゃん。
この頃、ヒーローのグッズを高価で売りつけることで、ヴィラン側の資金源になっているという話もある。
あー、確かに、聞くねえ。本末転倒って話もあるし。
それで、だ。うちのヒーローがそんなことになるのは、あまりにも恥。と、いうわけだ。

転夜のグッズの企画会議、初めて行くから!!
おっちゃんと、燈矢を差し引いて!?
差し引いて!!

あ、また魔王が落札した。
金有るねえ。というか、燈矢はこういうの欲しくなかと?
家に実寸大がいるからな。
誰も勝てないタイプのマウント取るのやめん?
安心しろ、ホークス。前からだから。

以前、後書きにあった転夜の異母兄、本編に出そうか、それとも番外編に置いておこうか悩んでおりまして。参考程度に知りたいです。

  • 二次創作だし、いいんじゃない!
  • 一周回って見たい!
  • 番外編で留めておけば?
  • いっそ、兄弟増やそう!
  • どっちでも
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。