たぶん、ヴィランが親らしいが。それはそれとしてヒーローの子どもの方が気苦労が多い。 作:幽
オールマイトの重傷時の話。転夜とかは出てこないかもなあ。
何か、こういったの読みたいとかありましたら、ここにくだされば。何か、アンケートというか、興味です。
https://odaibako.net/u/kasuka_770
いかなければ、いかなければ、自分が、自分が倒れたと知られれば、どうなるか。
また、地獄が始まるのではと、そう思っていたのに。
「・・・・あれが心配していた。」
その言葉に、少しだけ、立ち止まってしまって。
けれど、やはり、それでも止まれなくて、足を進めようとした。
けれど、いつかに、自分が言った言葉が、返ってきた。
「・・・・・貴様が言ったんだろうが。」
「何をしている?」
オールマイトは、病院着のまま、病院の廊下を歩いていた。後ろからサー・ナイトアイの声が聞こえてくる。
それでも、廊下を、自分を探す声を背に、必死に歩く。
けれど、体中が痛んだ。まるで、軋むように、崩れ落ちそうになりながら。そこで、ふらりと、体が傾いだ。
そこに、驚くほどの安定感のある何かが受け止めた。
「え?」
「来てくれたんですか!?」
自分を受け止めた存在にオールマイトはのろのろと顔を上げた。そこには、烈火のごとき赤い髪に、澄んだブルーアイが自分を見下ろしていた。
「え、えんでう゛ぁーくん?」
「・・・サー・ナイトアイの電話に来てみれば、何をしている?」
「サー・ナイトアイ!何故、彼に連絡を!」
「私では、あなたは止まらないからでしょう!?それに、今後のことを考えれば、現在の№2であるエンデヴァーに連絡するのは道理でしょう!?」
「だからといって!」
エンデヴァーは、これ以上無いほどに不機嫌な顔をして、サー・ナイトアイと、オールマイトのやりとりを見つめる。そうして、おもむろに、オールマイトの腰に両手を回し、そうして、ぐいっと担ぎ上げた。
「え、エンデヴァー君!?」
「・・・・おい、このバカの病室はどこだ?」
珍しく、私服のエンデヴァーはそう、吐き捨てた。
それにサー・ナイトアイは顔を輝かせた。
「こちらです!!」
「え、あ、待って!降ろしてくれないかな!?」
「下りたいなら、自力で下りればいいだろう。」
「いや、それは、ちょっと・・・・」
「この程度にも抵抗が出来ない病人が舐めたことを言うな!!」
喝と聞こえてきそうな怒号に、オールマイトは黙り込んだ。
『エンデヴァー!少しでいい、来ていただけないか!?』
そんな電話がかかってきたのは、とある日のことだった。それは、エンデヴァーの個人的な番号で、サー・ナイトアイからの電話に戸惑いもなく出た。
聞きたいこともあったため、出たエンデヴァーにサー・ナイトアイは焦った声を出した。
「なんだ、いったい?」
エンデヴァーは特別、焦りなどもなかった。本当に焦るべきヒーロー関係のことならば、そちらの番号にかけてくるためだった。
『・・・・今から伝える病院に、来ていただけませんか?』
「病院?転夜の関係か?」
『いいえ、その、オールマイトのことで。』
それに、エンデヴァーは目を見開いた。
オールマイトの行方がわからないというのは、テレビでも騒がれていた。
「・・・・おっちゃんも、知らないよね?」
「個人的な連絡なら、お前の方が取っているだろう?」
「・・・・サー・ナイトアイから、連絡あるけど。でも、オールマイトのおっちゃんからはないんだ。」
そう言って、居間の机にだらりともたれかかった。頭だけを机の上に置いて、軋むような声を出した。
「・・・・何かあったのかな?」
それにエンデヴァーは黙り込んだ。事実、オールマイトの活躍情報が出なくなったためか、ヴィランの活動が活発になっている。事実、エンデヴァーもしばらく家に帰って来れず、久方ぶりに帰宅が叶っている。
「恋しいのか?」
「・・・・うん。」
「珍しく、素直に言ったな。」
転夜は、何か、オールマイトに対してやたらとツンツンしている。
時折いる、人も、犬も大好きで、見つければ寄っていく大型犬を人間にしたような転夜であるが、オールマイトに対してはひどく塩い。
「・・・・そりゃさ、生理的に無理とか、なんか、苦手でも。オールマイトのおっちゃんは、私の恩人だ。あの日、あの人は、私の救いじゃないけれど、地獄から連れ出してくれたのは、事実だ。恩返しは、したいし。心配だよ。」
くーんと、泣きそうな少女の頭を乱雑に撫でた。少女は、そのまま、心細さのためか、誰かしらいるだろう、子どもたちの私室に向かっていくのが見えた。
「あのバカはどうしている?もしや、秘密裏に、アメリカなんかの他国に出張か?」
エンデヴァーとして、その程度だと考えていた。長い間、国を留守にするなんて公にするのは難しいと思って。
けれど、その全てを凌駕する事実がサー・ナイトアイによって告げられた。
『・・・・オールマイトは、とあるヴィランと抗戦し、現在、重傷を負っています。』
それにエンデヴァーは目を見開いた。事務所の、所長室にて、仕事をしていた彼は立ち上がった。
「おい、それは・・・・・!?」
『頼みます!それでも、オールマイトは、重傷のままでもヒーロー活動を続けようとしているんです!彼を、止めてください!』
どさりと、エンデヴァーは個室のベッドにオールマイトを放り投げるように置いた。さすがと言うべきか、オールマイトほどの巨体をベッドは受け止めてみせた。
「ちょ、何するんだい、エンデヴァー!」
「何をするだと!?今の自分の状況を見ても、同じ事が言えるのか!?」
ぴしゃりとそう言われ、オールマイトは思わず黙り込んだ。そうして、エンデヴァーはオールマイトの顔面を掴み、そうして、ベッドに沈めた。
「エンデヴァー!あまり、乱雑に扱わないでくれ!」
「こうでもしなければ、起き上がってくるぞ、このバカは!!」
慌てて追ってきたサー・ナイトアイの後に、雄英高校の校長である根津と、リカバリーガール、そうして、グラントリノが病室に入ってくる。
「・・・・轟君。」
「お久しぶりですね、校長。」
「いや、ここで会うとは思わなかったよ。」
そう言いつつ、根津はちらりと、サー・ナイトアイを見た。それに、サー・ナイトアイは軽く首を振った。それに、エンデヴァーは全てを察して、口を開く。
「言っておきますが、私は今回のことは何も知りません。今回は、サー・ナイトアイにとにかく来て、ベッドのバカを説得して欲しいと頼まれただけのことです。」
「それでも、オールマイトのために、来るなんて意外ね。」
「・・・・色々と、あるんです。」
リカバリーガールのそれに、エンデヴァーはため息を吐いた。そうして、ちらりと、グラントリノを伺う。それに、グラントリノは手を振った。それに、サー・ナイトアイは、グラントリノを指し示した。
「・・・・オールマイトの、関係者です。」
それにエンデヴァーは軽く、頭を下げた。そうして、サー・ナイトアイに視線を向けた。
「・・・こいつが、ここまでになるヴィランが現れたと?」
「それは・・・・」
「サー・ナイトアイ!彼には言わないでくれ!エンデヴァー君、君も、知らなくていい!」
「それはどういう意味だ!?俺には、勝てないと!」
「あの子を、巻き込みたくない!!」
叩きつけるような、その声に、病室がしんと静まりかえる。それと同時に、オールマイトは咳き込んだ。それにサー・ナイトアイと、そうして、リカバリーガールがオールマイトに駆け寄る。
「オールマイト!だから、言ったというのに!」
それをオールマイトは気にもせずに、エンデヴァーを見上げた。
「君は、知らなくていい。倒した、けれど、あいつの手足がいなくなったわけじゃない。君が、関われば、あの子にまで、もしかしたら・・・・・!」
それに、サー・ナイトアイは黙り込み、オールマイトの背中をさすった。それに、根津が隣にいたグラントリノに耳打ちをした。
(グラントリノ、オールマイトの言う、あの子とは?)
(トシの奴が保護した少女のことだな、おそらく。後見人まで背負って、世話を焼いてるはずだ。)
(・・・オールマイトが、そこまで?まさか、後継者、とかでもなくかい?)
(いや、違う。ただ、何かご執心でな。定期的に連絡までしてるんだ。今は、エンデヴァーのところで、ほぼ半同居だ。確か、雄英のヒーロー科だ。)
(・・・轟少年の近くにいる、夢意転夜君かな?)
(ああ、それだ。執心ぶりに、サー・ナイトアイも警戒してたが。ただ、AFOの関係の施設の出身らしくてな。監視の意味合いもあるんだろうが。今のところ、特別なことはない。)
エンデヴァーは、オールマイトの言葉に怒りが沸き立った。
エンデヴァーは、オールマイトに何があったのか、殆ど知らない。ただ、重傷を負ったという事実に、急いで言われた病院にまで赴いたのだ。
あの、オールマイトが重傷を負ったという事実。それに、何があったのか、気にならないわけがない。いいや、一周回って、サー・ナイトアイが大げさに言っているだけだとも思った。
そんなこと、ありはしないのに。
今でさえも、そうだ。
怒鳴り、呆れた風を装ってさえも、心の奥で、動揺ががたがたと揺れている。
届かない星、断絶された頂点、あがき続ける理由。
きっと、きっと、自分には届かない、そう、無意識のうちに、思っていた。けれど、今は、どうだ?
最強たる男が、今にも、崩れて、粉々に砕けてしまいそうで。それに、エンデヴァーの脳裏に、フラッシュバックのように浮んだ。
担架から伸びた、父の腕。
それが、何か、ちらついて。
けれど、オールマイトの、叫びに少しだけエンデヴァーは正気に戻った。
本当は、怒鳴りたい、胸ぐらを掴んで、無理矢理にでも立ち上がらせたい。
何故、お前が、そんな、情けない姿をしているのだ?
お前は、いつだって、一人で先頭を、隔絶された先にいて。
けれど、オールマイトのそれに、少しだけ正気に戻る。少女が、悲しそうに、男を心配している声を思い出した。
ヒーローになりたいと言って、けれど、ヒーローに憧れている少女。
オールマイトというヒーローよりも、その中身、ただの男を慕っている少女。
「・・・・あれが心配していた。」
それに、オールマイトの肩が揺れた。その、以前見た時と変わらないというのに、どこか、小さくなったような気がするそれを見た。
情けない、違うだろう、がたがたと己の内で何かが揺れている。
けれど、エンデヴァーは、それを今は、押し殺した。
泣きそうな、不安そうな、まるで置いてきぼりの子どものような顔をした、生意気で、自分を慕う少女の顔が浮んだ。
サー・ナイトアイの要望に、詳しい話も聞かずに来て、それでも、理解したことはある。
「この頃、お前の活動が聞かれず、個人的な連絡も無いとな。俺にまで、知らないかと聞いてきた。」
「だから!行かないと!元気な姿を見せなければいけない!だから、私は!」
「その状態で、現場に出ても迷惑なだけだ。貴様とてわかっているだろう!?」
「でも、私を待っている人がいる!あの子が、私の元気な姿を望んでいるなら、私は!」
サー・ナイトアイとリカバリーガールの手を振り払うように起き上がろうとしたオールマイトの頭をエンデヴァーは掴んだ。そうして、エンデヴァーは無言でベッドに沈めた。
「どっわ!?」
「エンデヴァー!だから、乱雑に扱わないでくれ!」
「・・・・一ヶ月だ。」
「は?」
「少なくとも、一ヶ月は入院しろ。その間に、ある程度、体を治せ。」
「私の存在を、そんなにも隠せると思うのかい!?」
そんなオールマイトのことなど無視して、エンデヴァーはサー・ナイトアイに視線を向ける。
「情報を流すことは可能か?」
「ど、どんな、ですか?」
「・・・・そうだな。今までの不在は、定期的な健康診断で、体に異常が見つかり、精密検査をしていたことにしろ。実際は、なにもなかったということでな。」
「エンデヴァー君、勝手にそんなことを!」
「その後は?」
「今回のことを機に、一度、体を徹底的に調べることにした、ということにすればいい。復帰の時に、健康診断の啓発キャンペーンをすれば世間はある程度誤魔化せるはずだ。」
「なるほど、それなら、自然かもね。」
「校長!」
「だがな、さすがに、ヴィランも活性化するんじゃないか?」
「それについては、少し先で、大々的な捕獲劇がある。その時に、派手に暴れれば、一旦は抑止力になるだろう。」
「エンデヴァー!」
勝手に進んでいく話に、オールマイトが叫んだ。そうして、エンデヴァーの服の裾を掴んだ。
「勝手に話を進めないでくれ!」
「怪我人に、発言権はない。」
「っ!君は、私の事なんて嫌いだろう!?なら、私の事なんて放っておけばいい!君や、サー・ナイトアイが何を考えようと、私は止まる気はない!ベッドで休んでいる気はない!次の、次の、象徴が、見つかるまで、私は!」
それに、エンデヴァーは起き上がろうとするオールマイトの頭を掴み、そうして、また、ベッドに沈めた。
「うっ!」
「・・・この程度にも抵抗が出来ない貴様が、何を言っているんだ?」
「・・・・エンデヴァー君、君にだってわかるだろう!?事実、ヴィランたちの活動は、確実に活発になっている!なら、私が出なければ!」
サー・ナイトアイや根津は二人の間にわけ入ろうか悩んだ。エンデヴァーの性格を考えれば、確実に、怒髪天を突いて、怒り狂う様が思い浮かんだ。
けれど、意外なことに、エンデヴァーは、ひどく、静かな声で言った。
「・・・・・貴様が言ったんだろうが。」
「何を!」
「自分だけでは、救えないものが、あるのだと。」
それに、オールマイトの動きは止まった。
クレープの話
焦凍の友達がさ、恋人同士は、クレープを半分こするって言ってたらしいんだけどさ。
なに、それ・・・
引かないでよ、燈矢さん。いや、それでさ、半分って、どうやってするのかなって。
どういうこと?
クレープってさ、あの、手持ちのやつじゃん?半分って、どうするの?切るの?あれを?食いにくくない?こう、真っ二つに?
・・・いや、交互に食べるってことじゃない?
そんな、そんな曖昧で、半分こ?
・・・転夜は、そういうの嫌なの?
嫌というか、クレープ食べるなら、丸々食べたい。
ただの食いしん坊、いや、わかってた。二個、食べたいときとかなら、ありえるんじゃない?
それなら、二個とも食べれば?
このカロリー消費の化け物みたいな生活してる奴は・・・・普通の子は、あんなの二個も食べられないんだよ。
・・・・お腹減った。
なんか、食うか?
後悔の話
・・・・なあ、おっちゃん、私さ、時々、燈矢とか、みんなと出会わなかった方がいいのかなって思うときがあるんだ。
・・・・何故か、聞いてもいいか?
うん、正直、おっちゃんにも申し訳ないと思っててさ。さすがに、高校生からおっぱい枕を覚えさせてしまったことについては、色々と、教育上よろしくなかったと思って。
それは、お前の胸に顔を埋めて爆睡してる燈矢のことを指してるのか?
まあ、居間で堂々とこんなことしてたら目立つよな。なんか、こう、よかったのかなって。おっちゃんはどう思う?
見てるこっちも複雑なのは察しろ・・・・・!もう、燈矢のことは、まあ、お前が責任と取る前提で諦めている。下の二人に関して、気をつければ。
・・・・おっちゃん。
おい、まさか。
夏君の部屋で、巨乳のおねえさんのご本を見たし、焦凍は、胸に顔は埋めないけど、膝枕がお気に入りだから手遅れかも?
・・・・・こっちが色々と複雑になる話は止めろ!!
以前、後書きにあった転夜の異母兄、本編に出そうか、それとも番外編に置いておこうか悩んでおりまして。参考程度に知りたいです。
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二次創作だし、いいんじゃない!
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一周回って見たい!
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番外編で留めておけば?
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いっそ、兄弟増やそう!
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どっちでも