たぶん、ヴィランが親らしいが。それはそれとしてヒーローの子どもの方が気苦労が多い。   作:幽 

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評価、感想ありがとうございます。感想いただけましたら嬉しいです。

本誌読んでゲロ吐きました。逃避でまだまだ続きます。


何か、こういったの読みたいとかありましたら、ここにくだされば。何か、アンケートというか、興味です。
https://odaibako.net/u/kasuka_770


宝物

 

 

「なんだ、お前?」

「見たことない子だね。」

 

少年達二人は、不思議そうに轟焦凍と轟夏雄を見つめた。それに夏雄は気まずくなり、兄たちの元に帰ろうとしたが、それよりも先に焦凍がとてとてと二人に近づいていく。

 

「・・・・なに、それ?」

「え、お前知らねえの?ザッコ!」

「これね、お菓子に、ヒーローのカードがおまけで付いてるんだよ。」

「ヒーロー?オールマイトとか?」

「そう!今回はね、キラカードの新弾が出てね!それのキラカードもすっごいよくてさ!前のやつも良かったんだけどね!」

「おい、お前、無視すんな!!」

「無視?してないよ?」

 

金髪の少年が焦凍に怒り狂うが、弟自身は不思議そうな顔をして小首を傾げた。金髪の少年は不機嫌そうに顔をしかめるが、それよりも優先したいのか、ヒーローチップスに視線を向けた。

 

「ふん、どうでもいいや。」

「ごめんねえ。」

「勝手にあやまんな!」

「でも・・・・」

 

そう言っている少年の隣に、焦凍も屈み込み、ヒーローチップスを見つめる。

 

「なんだよ、お前!来んなよ!」

「二人とも、これのカード、持ってるの?」

「はっ!あったりまえだろ!オールマイトのキラカードだって持ってるしな!」

「かっこいいんだよ!今はね、汚れたりするの嫌だから、おうちにあるンだけど。」

 

それに焦凍はじっとヒーローチップスを見つめる。二人の少年は、どれを買うかと悩んでいる。

 

(・・・・欲しいのかな?)

 

夏雄はそう考えながらどうしようかと考える。おそらく、会計はもう終わってしまっている。おまけに、時間はすでに夕方近く、お菓子をねだるのもなかなか戸惑いがある。

どうしたものかと考えていると、後ろから声がした。

 

「なーつ君、しょーと、いく、ありゃ?」

 

振り返った先には、お茶を持った夢意転夜がいた。そうして、ヒーローチップスの棚の前にいる焦凍に視線を向けた。

 

「どったの?」

「・・・焦凍が、その。」

 

転夜の存在に気づいた焦凍、そうして二人の少年が顔を上げた。

 

「焦凍、どったの?」

「・・・・これ。」

「うん、ヒーローチップス。ああ、野球チップスみたいなやつか。欲しいの?」

 

それに焦凍はちらちらと転夜を見て、こくりと頷いた。それに転夜はそっかあと言いながら、焦凍の隣にいた二人の子どもに気づいた。

 

「こんにちは!」

 

にっこりと、いつも通りの笑みを浮かべて、二人に挨拶をした。それに二人は、おおと転夜を見つつ、金髪の少年はぺこりと会釈をして、緑髪の少年はか細くこんにちわと挨拶をした。

 

「あははははあははは、ここら辺の子かな?にしても、珍しいね、焦凍がお菓子欲しがるなんて。」

「オールマイトの、カードが出るって!」

「あーなるほど、それは。」

 

そこでまた後ろから声がかけられた。

 

「何してるの?」

「ああ、燈矢。」

 

やってきた燈矢に、転夜が簡潔に現状を説明する。それに、少年二人は、二連続で来た美形に驚いた顔をした。

 

「・・・あのな、焦凍。こういうのは、望み通りのもんがでるもんでもねえんだぞ?」

「・・・・でも。」

 

しょんもりとした焦凍に、転夜は苦笑した。

 

「まあ、いいじゃん。たまにはさ。焦凍もオールマイトが出ないことも分かってたね?」

「・・・・お前さあ。」

「いいじゃん。夏君もだけど、焦凍もそんなにこれしたいとか言わないんだし。」

「はあ。」

 

燈矢はため息を吐いて、適当なヒーローチップスを三つと、そうして少年二人が持っていた二つも手に取った。

 

「何すんだよ!」

「もののついでに買ったる。」

「なんだよ!お前、気前いいな!」

「あ、ありがとうございます!」

「やった!」

 

そう言って、燈矢にじゃれつきながら、少年三人がその場を去る。そこで、取り残された夏雄に転夜が話しかける。

 

「夏君はどうする?」

「え?」

「夏君も、ヒーローチップスいる?それとも、同じぐらいの他のお菓子がいい?」

 

夏雄はそれに、また胸がドキドキとして、そうして、同じようにヒーローチップスを指さした。

 

「ようし!誰が出たらいいと思う?」

 

ヒーローチップスを一つ、掴み、そうして夏雄の片手を握った。夏雄はそれに淡く笑い、もう片手でぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた。

 

 

 

「というか、私らの分まで買ったのか。」

「まあ、運試しみたいなもんだろ。」

「誰か欲しいの?」

「誰も。欲しいのは家にいるし。」

「全てのことを一言で蹂躙していくのやめない?」

 

そんなことを話しているのを聞きながら、夏雄はヒーローチップスからヒーローカードが入った銀袋を取り出した。

 

「君もオールマイト好きなの?」

「うん、かっこいいから!」

「ふん、なんだよ、見る目あるな!」

 

焦凍は何やらオールマイトのことで盛り上がり、二人の少年と仲良くなっている。

 

(かっこいいか・・・・)

 

夏雄の脳裏に浮かぶのは、時折家にやってきたオールマイトのことだ。

 

あんたら、いくつだ!?長机粉砕して!?つーか、焦凍とか近くにいるんだから破片で怪我したらどうするんだよ!?

いや、そのお・・・・

ここまで、脆いとは。

トラック生身で止めたり、パンチ一発で巨体吹っ飛ばすパワー系に耐えられる一般参加家具があってたまるか!!

お前が、腕相撲をしろと・・・

年と!立場と!経歴と!経験を!!考えれば、それぐらいのコントロールはすると思うだろうが!!もう、焦凍にどっちが強いって聞かれてムキになったな!?

 

真っ二つに割れた長机の横で、ずっと年下の少女に叱られて、大柄な体を縮めて正座をしている光景を思い出した。

 

かっこいいという単語を考えながら、夏雄は少しだけ黄昏れたくなった。

 

「やった!!」

 

そこで緑髪の少年が声をあげた。それに、視線を向けると、緑髪の少年が目をキラキラさせて当たったらしいカードを見つめていた。それは、キラキラとしていないが、オールマイトのカードだった。

 

「やったあ!新弾のオールマイトだ!」

 

そうして、次に、焦凍が声を上げた。

 

「僕も!」

 

それに夏雄が焦凍の手元に視線を向けた。そこには、キラキラと光るオールマイトのカードがあった。

 

「ほんとに当ててる!」

「おお、すごいじゃん!」

「マジで当てやがった・・・」

「は!何だよ、旧弾の奴じゃん!俺も持ってるし!」

「すごい、当たったんだ!」

 

焦凍はこれ以上無いほどに、嬉しそうな顔をしてそのカードを見つめて目をキラキラさせた。

 

「すげえな。転夜は?」

「・・・・オールマイト。」

「・・・・お前、オールマイトに呪われてるの?」

「そういう燈矢は?」

「エン、デ、ヴァアー。」

「く!」

 

そこで緑髪の少年が、金髪の少年の手元を覗きこんだ。

 

「わあ、キラカードだ!」

「・・・・エンデヴァーだけどな。」

 

それに、転夜の目が輝いた。そうして、少年に向けて屈み込んだ。

 

「ねえ、君。」

「・・・・なんだよ。」

 

金髪の少年は落ち着かないというように転夜のことをにらみ付けた。それに、転夜はいつも通りにっこりと微笑んだ。

さらりと流れた横髪を耳にかけながら、金髪の少年に声をかける。

 

「もし、良ければなんだけど。その、私のオールマイトカードと、エンデヴァーカード、交換してくれないかなって。」

「あ、これ、新弾のやつだよ!」

「ノーマルと、キラあ?」

「・・・・だめかな?」

「・・・・いいけどよ。」

 

金髪の少年はそう言って、転夜にエンデヴァーカードを差し出した。それに転夜は顔を輝かせて受け取った。そうして、オールマイトカードを渡す。

 

「ありがとう、君!」

 

ぱああああと、転夜が懐いた人間に向ける、輝かんばかりの笑みを浮かべた。それに、金髪の少年は別に!と拗ねたように顔をそらした。

 

「夏兄は?」

 

それに夏雄は我に返り、視線を感じる中、恐る恐る銀袋を破った。

 

「わあ・・・・・」

 

夏雄はギャングオルカのカードを見て、目を輝かせた。

別に、好きなヒーローというわけではない。けれど、胸には転夜との約束を思い出した。

それに、何か、夏雄は手の中のカードがとびっきりに素敵なもののように思えて仕方が無かった。

そんな中、周りの空気があからさまに、がっかり、というか、残念そうなものになる。それに、夏雄の弾んだ空気がしぼんでいく気がした。

そこで、誰よりも先に転夜が口を開いた。

 

「よかったね!」

水族館行く時、持っていこうか?

 

それに夏雄はまた、胸をドキドキさせた。

 

「うん!」

 

何か、転夜との約束が叶うような気がした。

夏雄は帰ってくる間、ずっと、カードとぬいぐるみを抱えて帰った。

 

「あ!」

「どうしたの、焦凍。」

「・・・さっきの、子たち、名前聞いていない。」

「ありゃりゃ、やっちゃったね。でも、縁があれば、また会えるよ。同じカードだって持ってるし。」

「・・・・うん。」

「・・・・・なあ、燈矢。」

「何?」

「私ら、何歳だっけ?」

「高校生だが?」

「・・・・花の高校生として、あまりにも所帯じみてない?というか、私、そんなに貫禄出てる?」

「急にどうしたんだよ?」

「前にさ、おっちゃんと、焦凍と一緒に公園に行ったんだけどさ。そこで会った初老の人が、焦凍に。あらあ、僕、いいわね。お母さんとおじいちゃんとお出かけって言われて。」

「ん、ふふふふふふふふふふふふふふ、あはははははははははははは!!待って、もしかして、お父さんがいつかにへこんでたのって!」

「そうだよ、へこんで大変だったんだよ?まあ、おっちゃん老け顔だし、貫禄有るしね。君と焦凍といるときだって親子に間違われてるんだから。」

「まあ、ね。」

「なんで嬉しそうなの、君?」

 

 

 

「・・・・夏雄?」

 

それに夏雄は顔を上に上げた。そこには、疲れ切ったような顔の父がいた。

 

「お父さん?」

「・・・・こんな時間に、なんで起きているんだ?」

 

不機嫌そうな父のそれに、夏雄は顔を下に向けた。確かに、時間は深夜だ。小学生の起きている時間ではない。ただ、家に帰ってすぐ、疲れから少しだけ寝てしまったせいで夜に目が覚めてしまったのだ。

そのまま、トイレに起き、そうして帰ってきたらしい父に遭遇した。

 

「えっと。」

「・・・・いや、すまない。怒っているわけじゃない。どうしたんだ?」

「夕方に、寝て。起きて、トイレに。」

「・・・ああ。それでか。」

 

父である轟炎司は夏雄をひょいっと抱き上げた。夏雄は、それに驚いた体を強ばらせるが、さすがはエンデヴァーである。圧倒的な安定感を誇る腕の中だ。

 

炎司は、この頃、転夜を担ぎ上げることになれてしまったせいか、自分に近づく身内の子どもはそうしてほしいと思っている節がある。そのため、よく焦凍を抱き上げて猫のように拒否されているのを見る。

それに、夏雄は自分のことも抱き上げてくれることになんだか、胸がドキドキした。

ぎゅっと、首に手を回した。

 

「今日、水族館にいって。」

「ああ、そうだな。イルカ、見れたか?」

 

夏雄は、やはり、胸をドキドキさせて必死に水族館の話をした。

イルカに触れたこと、ご飯を食べたこと、ぬいぐるみを買って貰ったこと、いつかにギャングオルカの水族館に行きたいこと。

 

それに炎司は言葉少ななだが、返事をしながら、そうかと頷いてくれる。高い体温が熱いぐらいだが、不愉快ではなかった。

 

そうして、あっという間に、夏雄は自分の部屋に連れてこられる。夏雄は、せっかくの時間が終わってしまったと悲しい思いがした。

炎司は夏雄を降ろしながら、そうして、口を開く。

 

「・・・・明日は午前はいるから、話したいことは明日にしなさい。」

「話、聞いてくれるの!?」

 

それに、炎司は少しだけ傷ついたような顔をして、そうして頷いた。

 

「ああ、聞くから。今日は寝なさい。」

「うん!」

 

夏雄はそこで、ふと、思い出したかのような顔をした。そうして、こっそりと炎司に聞いた。

 

「あとね、お父さん。お願いがあるんだけど。」

「なんだ?」

「あのさ、自分の部屋が欲しいんだ。」

「・・・・部屋?」

「クラスの奴が、兄貴と寝てるの恥ずかしいって。一人で寝られるし、だめ?」

「・・・・・そうだな。考えておく。」

「うん!」

 

夏雄はそれに、部屋に入った。そうして、そっと布団に潜り込み、寝床の近くに置いておいたイルカのぬいぐるみを抱きしめた。

 

ああ、今日は、なんていい日なんだろうかと。

 

 

 

 

「・・・・・冷。」

「どうしたんですか?」

 

轟冷は、夫が食べた夕飯、ではなく、夜食の片付けをしながら返事をした。それに、夫である炎司は深刻そうな顔をした。

 

「・・・・さっき、夏雄に会ったんだが。」

「起きてたんですか?」

「いいや、トイレに起きたと言っていたから、そのまま部屋まで連れて行った。それで、な。夏雄が自分の部屋が欲しいと言ってな。」

「ああ、それは。もう、あの子も中学生になるし。一人部屋が欲しいのかも。余ってる部屋は・・・」

「いや、それでな。」

 

炎司は不機嫌そうに顔をしかめ、実際の所は困っているが、冷を見つめた。

 

「・・・・夏雄が一人部屋になるのはいい。だがな。その場合、転夜と燈矢の部屋は、どうする?」

 

それに冷は顔を強ばらせた。

 

現在、転夜の私物は客間のタンスの中に入れられているが、それとは別に、教科書だとかは燈矢の机の辺りに保管されている。そうして、燈矢の体質の反転状態の持続のために彼らは寝ているときでさえも手を繋いでいるのだ。

 

今までは、夏雄も込みでのことで、おまけに中学一年生という幼いといえる範囲だった。まあ、燈矢の精神面での関係もあって、転夜と燈矢は同じ部屋で寝ていたわけだ。

 

けれど、改めて考えて、炎司と冷は思う。

 

高校生で、血のつながりもない男女が同室で寝るのはやばくねえか?

 

「・・・・どうする?」

「どう、しましょうか?」

 

いや、その前に、あの二人はどういう関係なんだ?

炎司は思わず口を開いた。

 

「あいつら、交際、してるのか?」

「・・・・聞いてないですけど。でも、あの距離感は。」

 

そこまで考えて、転夜の普段の距離感なんてあんなものかと理解する。だからこそ、あの二人は付き合ってるのか、ということも疑問に思う。

いや、あの距離感で、いいや付き合いだしたら燈矢のことなら大々的に言ってくるだろう。

 

轟夫妻は、流れる微妙な空気に顔を見合わせた。

 

「・・・・確かめるか。」

「それしか、ないですね。」

 




メタメタしい話。

よくさ、敵対組織との共闘!みたいな話、あるじゃん?
ああ、某海賊映画でもあったね。
今回の映画、ダークマイトいるやん?
あの、パチモンおじさん?
ろくでもないなあ、言い方!まあ、それでさ。もしも、映画軸での時期に、私の親の血縁ばれてた場合、あの人、私のこと真っ先に消しに来そうだなあって。
・・・・・・・
新しい時代に、負の遺産はいらない!貴様の死が、新しい時代ののろしになる!って感じで、大々的に公開処刑されそうじゃない?
・・・・・おま、おま!お前!なんてこと言うんだよ!!
いや、だって実際、良い感じに売名行為できそうじゃない?まあ、それだと映画の趣旨が変わりそうだけど。
お前さ、それだとどうなるかわかる?
どうなるの?
オールマイト×エンデヴァー×俺×焦凍×お前に好感持ってるヒーロー(ナガンとかホークスとか)と一緒に、お前の父親も殴り込みに来るんだぞ?
・・・・・いや、ヒーローなら、助けに。いや、私の血族知っても助けに来てくれるとしたら。そっかあ・・・・消し炭になりそう、ダークマイト。
安心しろ、骨も残さないから。
消し炭じゃすまないかあ。でも、夢の共闘だぞい★
いらねえと、そんな共闘。一方的に蛸殴りされるだけだろ。

以前、後書きにあった転夜の異母兄、本編に出そうか、それとも番外編に置いておこうか悩んでおりまして。参考程度に知りたいです。

  • 二次創作だし、いいんじゃない!
  • 一周回って見たい!
  • 番外編で留めておけば?
  • いっそ、兄弟増やそう!
  • どっちでも
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