たぶん、ヴィランが親らしいが。それはそれとしてヒーローの子どもの方が気苦労が多い。   作:幽 

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評価、感想ありがとうございます。感想いただけましたら嬉しいです。

ちょっとした魔王の推し活の話。それに付随するもの。

以前言ってた、尖ったエッチなの、読みたい方がおられたので、投稿してみました。
https://syosetu.org/novel/349282/1.html

何か、こういったの読みたいとかありましたら、ここにくだされば。何か、アンケートというか、興味です。
https://odaibako.net/u/kasuka_770


魔王の息子

 

「・・・・・弔。」

 

その声に、バーのカウンター席に座っていた死柄木弔は顔を上げた。そこにいたのは、手提げ鞄を持った男だ。

真っ白な髪をしたそれは、なかなかの長身だ。けれど、特殊、というかのか不思議なのは仮面を被っているせいで顔はわからないこと。どこか、ピエロを思わせる仮面だ。それと同時に、全身は全て衣服に包まれており、唯一露出した首元には痛々しいやけどの跡が見えた。

 

「私は所用で出かける。何かあれば連絡してきなさい。」

「・・・わあってる。」

「あれえ?どこか行くんですか?」

 

そこにトガヒミコが話しかけてくる。それに男はこくりと頷いた。

 

「ああ。少し。いい子にしていてくれ。」

「いってらっしゃい、荼毘君!」

 

そのまま出て行く彼を見つめて、トガは死柄木に視線を向けた。

 

「お兄ちゃんがいなくて寂しいですかあ?」

「・・・・殺されたいのか?」

「違いますけど。でも、兄弟でこんなことって珍しいなって。」

「・・・・さあな。そこまで長い付き合いでもねえよ。」

 

死柄木の脳裏には、少しだけ昔のことが浮かんだ。

 

君の兄だ。

 

そう言って、彼の先生が連れてきたのは、自分よりも少しだけ年が上の少年だった。

兄、といっても特別な関係ではない。

ただ、強いて言うのならば同じゲームの相手をしてくれる相手がいるぐらいの話だ。

ただ、側にいるだけの存在だ。

 

(・・・・あの、アシスト狂いさえなければなあ。)

 

何故か、ヒーローアシストのグッズを見ると買いあさってくる兄の姿に死柄木は忌々しいとため息を吐いた。

 

 

 

 

こつこつと、荼毘は道を行く。

彼の目的地は、色々と特殊で、入るのには一苦労なのだ。おまけに、やけどだらけの姿では不審者一択だ。

けれど、荼毘は慣れた調子で道順を行き、そうして扉を開けた。

 

 

「・・・・・来ました。」

 

部屋の中は暗い。当たり前で、その部屋の主人は目も見えず、個性を頼りに周辺を認識しているのだ。別に、明るい必要は無いのだろう。

 

「ああ、よく来たね。荼毘。」

 

部屋の中は、病院のような器具がいくつか置かれている。そうして、部屋の中心には非常に大柄な人影が見えた。

 

変わらないなあと考える。

 

「調子はどうだい?」

「まあまあですね。私の体調の事なんて知っているでしょう?あと、頼まれていたものです。」

「おお、ありがとう!通販以外はどうしてもね。」

 

荼毘は持っていた鞄からごそごそととあるものを出した。それは、可愛らしいぬいぐるみだった。

それを手に取った人影、その男は己が娘が愛らしく形作られたそれを手に取った。

 

「ヒーローアシスト、おすわりもちっとぬいぐるみ!先行発売だったが、手に入って良かった!!」

(・・・・・ほんとうに、相も変わらず。)

 

荼毘の目は少し死んでいた。

 

 

 

「すまないね。通販で自分の分は確保したんだけどね。いや、先行販売なんて。そんなの、早く欲しいに決まっているじゃないか。にしても、やはり、この会社は出来がいいな。ふむ、座っている様なんて本当に可愛いな。」

 

うきうきとしている声音に荼毘はため息を吐きながら、鞄からまたファイルを取り出した。

 

「あと、これも持ってきました。」

「ああ、お前は仕事が早いな。」

 

うきうきしているなあと思う。

荼毘が男に手渡したのは、言ってしまえば、転売屋のリストである。

 

「・・・・まったく、忌々しい。あの子を慕う存在たちならば目こぼしをやれるというのに。それを阻む愚か者がいるというのだから。」

「手を回しておきますか?」

「いいや、こちらでなんとかする。そうだ、お前はこれを部屋に置いておいてくれ。」

 

男はリストを確認したいのか、今まで愛でていたぬいぐるみを荼毘に渡した。それに荼毘はうなずき、隣の部屋に向かう。

 

扉を開けた先、そこは、いくつもの棚で埋め尽くされていた。

荼毘はその中の棚の一つに、ぬいぐるみを置く。

 

「・・・・種類はないが、数はあるな。」

 

その棚には数多くのアシストのグッズが飾られていた。

今まで発売された、彼女の数少ないグッズ、それこそ、アクスタや缶バッジ、ぬいぐるみ。

 

(・・・・エンデヴァーやブルーフレイムと一緒のグッズは、丁寧にそこだけ切り取られてる。)

 

その執念に驚きつつ、それと同時に、グッズに混ざっていくつか写真が飾られていた。

 

それは、アシストの学生時代の写真である。それこそ、中学校の写真なども混ざっている。明らかに学校の行事で販売されているような写真から、目線が向いていないことから盗撮であることがわかるものまで様々だ。

そうして、死んだ目の、病院着のようなものを着た108であったときの写真まであった。

その中には、まるで、夢から抜け出したかのように美しい少女めいた女の写真も混ざっていた。

 

 

 

「・・・・荼毘、楽しみじゃないかい?」

「何がですか?」

 

部屋から帰ってきた荼毘に男は問うた。

それに荼毘はすっとぼけるように答えた。それを気にすることもなく、男はどうやら先に持っていたらしいアシストのぬいぐるみを可愛がるように撫でた。

 

「ひどく、ひどく、待たせてしまった。きっと、寂しいだろうに。迎えにも行けなかった。だが、ようやくだ。ようやく、あの子を迎えに行ける。君だって、楽しみだろう?」

 

そういって、ぬいぐるみを愛でる、のっぺらぼうのような様相は狂気的なストーカーのように見えた。

けれど、事実、男の妄想のようなものではなく血のつながりのある親子なのだ。

それはひどく、不幸な事実であるのだけれど。

 

荼毘は、男の、AFOの本当に私的なことの使いっ走りをしている。

主に、アシストに関係した部分のことだ。

 

例えば、アシストのグッズなどで通販が無い物などは彼が赴き、調達している。その他に、通販の住所に設定しているマンションについても荼毘が向かい受け取っているのだ。

まあ、それに関しては不満はない。

楽な仕事だ。

 

正直な話をすればなかなかにきしょい。

何せ、男の居住区には所々アシストに関係したグッズがあふれている。

男の協力者の医者も時折訪れる部屋であるが、あの老人はどんな気分でこの部屋に来ているのか甚だ謎である。

 

「私は、私の願いを叶えてくださればそれで構いません。」

「ふふふふ、お前のそういう所が気に入っているんだよ。」

 

AFOはそう言って手招きをした。それに、荼毘は無言で男に近寄った。AFOは不審者にならないようにと外した仮面の下の顔を撫でた。

 

「固くならなくていい。君は、あの子の兄なんだ。君がそうあるのなら、私は君の父なんだよ。」

「・・・・弔の兄として俺をあてがったのは、何故ですか?」

「兄には、弟が必要だろう?」

 

久方ぶりの問いかけに、何でも無いというような答えに荼毘はため息を吐いた。やはり、己の義父は意味がわからない。

けれど、感謝はしている。

自分を地獄から連れ出したのはその男で、ある程度の教養や戦闘力を叩き込んでくれたのはそれだ。

たとえ、その兄という単語が、自分では出来ない範囲での監視という意味であるとしても。

 

自分には自分の目的が有り、それを叶えてくれるという確信があるからこそ彼はそこにいる。

 

そこで突然、壁に備え付けられたテレビが付いた。

 

「お、もう、こんな時間か。」

 

そう言ってAFOはうきうきしながら、テレビに目を向けた。

それは、某、教育的なテレビで放送されている幼児向け番組だ。

荼毘の頭の上にはてなが浮ぶ。

そこで、何故、男がそれを視聴し始めたのか、理由を理解した。

 

『こんにちは!今日のゲストのアシストです!楽しく体操をしましょう!』

(・・・・これか。)

 

テレビの画面の中で、アシストが元気に体操をしている。やはり、整った顔に、愛嬌のある笑みを浮かべているせいか、非常に愛らしい。

 

「……はあ、本当に可愛いと思わないか? 母親に似て美しい顔をしているが、それにまして中身がいいな。本当の意味で、見えないことが、忌々しいが。」

 

後ろに行くにつれて、憎悪の混じったその声には寒気が走るが、荼毘は気にしない。少なくとも、黙ってやることをやっていれば癇癪に巻き込まれることはなかったためだ。

 

AFOは手元のぬいぐるみを撫でながら、不満そうにぶつぶつと言っている。

 

「ああ、忌々しい。特に、エンデヴァー。所詮は僕の代わりでしかないというのがわからないのか?ああ、ブルーフレイムも、だ。まだ交際はしていないからいいが。私の娘に手を出すのなら。いいや、殺すのならば、もっと苦しめなくては。」

 

そう言いつつ、AFOははあとため息を吐いた。

 

「・・・・・ふふふふふ、オールマイト。あいつもそうだが、それ以上に。やはり、エンデヴァーだな。あれと、あの子の絆を、いいや。あの子には、私の娘であることを理解して貰わなくては。」

「次はどうされるのですか?」

「ああ、適当な頭数は集まったんだろう?」

「ええ、ある程度は。」

「なら、学校に潜っている存在からの情報もある。まあ、あの子の好きにさせれば良い。自分の意思でどうするか。そろそろ、私も退場しなくてはね。」

「オールマイトと対決をすると?」

「私がいない、となれば彼らは警戒を薄くするだろうからね。それに、あちらにいけば、あの子に会えるかもしれない。再会は、遅くとも、早くとも、どちらでもいいんだ。」

 

あの子は、私の(所有物)なんだから。

 

心底、楽しそうな顔をしていると思った。

のっぺらぼうのようなそれでも、ある程度の年数をそれの近くで過ごしている存在にとっては喜び、そうして笑っていることを理解していた。

 

「・・・・顔は、治さないのですか?」

「そう、簡単なことではないからね。はあ、忌々しい。」

 

がん、と、AFOは座っていた椅子を叩いた。頑丈そうに見えていた椅子には見事にへこみを作っていた。

 

「せっかく!あれが気に入った顔だった!ああ、あの子にそっくりの目だった!だというのに!オールマイトのせいでな!」

 

ぎらぎらとした憎悪に荼毘は静かな目でそれを眺めていた。あまり、興味は無かった。

その癇癪自体、男にはよくあることだった。

 

「だから、こそだ。彼がもっとも嫌がることをしなくてはね。」

「弔の祖母の件ですか?」

「ふ、ふふふふふ。いいや、それだけではないさ。」

それだけでは、ないんだよ。

 

楽しそうな男のそれに荼毘は、軽くそうですかとそれだけ返事をした。

 

 

 

 

(・・・・始まるのか。)

 

荼毘は男の計画についてはある程度理解している。おそらく、誰よりも、男の計画について理解している。

けれど、それについて荼毘はあまり興味は無かった。

 

荼毘には荼毘の目的が有り、それを叶えてくれるのならば。

 

(私は、悪魔にだって協力するだけだ。)

 

そう思っていると、荼毘は己のスマホに通知音が鳴ったことに気づいた。

それにスマホを見ると、それは義父からのメッセージだった。

 

それは、満面の笑みを浮かべる、アシストの画像と、己の娘がどれだけ可愛いかについてを熱く語る文章だった。

 

(・・・・・あの人、友達いないんだよな。)

 

そう思いつつ、荼毘は返事をし、アシストのキーホルダーがついた鞄を背負い直した。

 




ギャグです。



ああああああああああ!!
どうしました、魔王殿?
型紙をいじっていないでお前も見ろ!!
ああ、赤い鷹のSSですね。
こいつは、またブルーフレイム×アシストの小説を出すんだ!!くそが!忌々しい!
(・・・・そう言いつつ、描写が良いってフォローして結局読んでるんだからなあ。)
荼毘!こっちもSS書くぞ!!


くそがああああああああ!!
ホークス、どったの?
なんでもなかね!!
(こんの魔王とかいう奴!アシストのぬいの服の出来がいいからフォローしとるけど時々出してくる、アシストの鬱SSなんとかならんとね!!??)
ハピエンかいたる!!



魔王
アシストぬいの服とか作って投稿してる。出来がいいのでフォローしていると、アシストの激鬱のSSを書いて流してくる。文章も妙に上手いのでそちらにもコアなファンがいる。
赤い鷹が嫌い。アシスタントがいるらしい。フォローワーも多い。

赤い鷹
ブルーフレイム×アシストの文字書き。筆が速く、同人誌も通販だけしているがすぐに完売している。
魔王の文字は嫌いだが、ぬいが可愛いのでブロックできない。


燈矢
赤い鷹だけフォローしてる。


エンデヴァーと転夜
またしても何も知らない。

以前、後書きにあった転夜の異母兄、本編に出そうか、それとも番外編に置いておこうか悩んでおりまして。参考程度に知りたいです。

  • 二次創作だし、いいんじゃない!
  • 一周回って見たい!
  • 番外編で留めておけば?
  • いっそ、兄弟増やそう!
  • どっちでも
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