たぶん、ヴィランが親らしいが。それはそれとしてヒーローの子どもの方が気苦労が多い。   作:幽 

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評価、感想ありがとうございます。感想いただけましたら嬉しいです。

お題箱であった、ステインとの話です。原作より前の話です。下だけで終わらせたい。

何か、こういったの読みたいとかありましたら、ここにくだされば。何か、アンケートというか、興味です。
https://odaibako.net/u/kasuka_770



血染めの貴様へ、憎しみを 上

 

「すていん?」

 

きょとりとした顔に、エンデヴァーは呆れたような顔をした。

 

「転夜、知らないか?」

「ニュースで見ましたけど、よくは。」

「ヒーロー殺しだ。数年前から活動してるが。過激な思想犯だよ。」

 

バーニンの言葉に夢意転夜ことアシストは目を白黒させた。

丁度、轟炎司ことエンデヴァーの所長室の執務机からひょっこりと顔を出してアシストは目の前の養い親を見つめていた。そんな彼女の頭をキドウがぐりぐりと撫でる。

そうすれば、転夜は目をとろとろとさせてそれを受け入れる。

 

「それがこの頃また現れだしたんだよ!」

「うえ!」

 

そう言って転夜の脇に手を入れ、思いっきり持ち上げる存在があった。

 

「若、あんまし乱暴に扱ってやるなよ。」

「うちの事務所の人間は転夜の頭を簡単に撫ですぎなんだよ!こいつ、マスコットじゃないんだからな!あと、俺のこと若って呼ばないでくれますかね?」

 

オニマーのそれに燈矢はぼやく。

それに思わず、バーニンやキドウ、オニマーの視線はぶらーんと間抜けな犬のようにぶら下がった転夜のことを見つめる。

 

「おい!話を聞かんか!」

 

その声に皆の視線がエンデヴァーに集まる。それにエンデヴァーは呆れた顔をした。

 

「仕事中だ。真面目に聞け。それで、だ。ステインの被害者が現れた。今までのことを考えて被害者はまだ出るだろう。俺たちもそちらに向かう。」

 

それに皆が返事をする中で、エンデヴァーはじっと資料を見つめている転夜に声をかけた。

 

「特に、転夜!」

「はい?」

「お前は特に気をつけろ。この中で一番に火力がないんだ。そうして。」

 

 

 

 

(・・・トラブルほいほいだなんて失敬な、とは言えないか。)

 

転夜はとたとたと、やってきた市内を走っていた。そうして、焦っていた。

何と言っても、あれだけ一人になるなと言われていたのに、見事に転夜は一人で走っていた。

 

走りながら、転夜はステインのことを考える。

なんでも、ヒーローを殺してばかりの存在らしく、被害者は全員路地裏などで見つかっているらしい。

 

おそらく、一対一であることを好んでいるんだろう。

それがエンデヴァーの言葉だった。

 

(ステイン、なあ。)

 

何か、原作にいたかなあとちょっと悩んでいた。見た目がわからないと、さすがに記憶も引っ張り出せない。

 

(生き残った人の話、だとなんかヒーローという概念に妙なこだわりがあるみたいだけど。まあ、生き残った人が少ないから相手の情報も殆ど無いんだよなあ。)

 

転夜はステインというそれに特別な質感は感じていなかった。

ヒーローを憎む存在は多くいたし、そこまで殺し続けられる手際に驚いても、それ以上でも以下でもなかった。

そう思いつつ、転夜は頭の中でため息を吐く。

 

(いや、仕方ない!ペアになったSKは途中であったひったくりの処理に行っちゃって。他と合流しろって指示にステインが出るのは基本的に路地裏だからって、大通りを走ってたのに迷って変な所に迷い込んだだけだもん!)

 

どうも、まがるところを間違えたらしく、どんどん人気が無くなり、道も細くなっている。

 

「ともかく、大通りは・・・」

 

ねえ。

そこで、ふと転夜の中に、声がする。誰かの声がする。

 

ちりと、背筋に何かが走る。

転夜はそれに無意識のように腰に下げた得物を引き抜いた。そうして、己の右側を思い切りはじいた。

 

かあんと、金属音がする。かちゃんという何かが落ちる音がした。

 

「・・・・避けたか。」

 

それに転夜は持った、ショートソード、といっていいそれを構えた。がさがさとした声だった。

 

そこにいたのは、ソルジャー、いいやアサシンという単語が似合いそうな男が一人。

 

「・・・・アシスト、だったか。」

「うえええええええ。おっちゃんに叱られる。」

「正しき社会のために。」

 

そう言って、男は持っていたナイフを持って飛びかかってきた。

 

 

 

 

右。

 

誰かの言葉に転夜は右に避ける。そうすれば、すれすれで振り下ろされたナイフを避ける。

 

振り下ろされたのと、あと、もう一つの手が刀を振るよ。あと、足にも注意。

 

頭の中で響くそれに転夜は両手に持った得物で刃物を受け止め、ステインの足が動く前にそれの腹に一発入れた。

 

(うーん、逃げないとだけど。逃げながらおっちゃんたちに連絡は無理だなあ。でも、よかった。)

「・・・・何故、笑う?」

 

蹴り飛ばされたステインはそのまま受け身を取りながら着地をした。そうして、また襲ってくるかと思ったが、一度だけそう問いかける。

それに転夜は自分が笑っていることに気づいた。

 

「うーん、懐かしいなって。」

「・・・・いかれているのか。」

「は、犯罪者にそんなことを言われるとは!」

 

けれど、転夜の言葉は事実だった。彼女は、心底懐かしいなと思ってしまっていたのだ。

 

(あー、施設にいたとき思い出す。ヒーロー活動してると、どうしても個性頼りだからなあ。こういう、肉弾戦は。)

純粋な殺し合いなんて懐かしい。

それは、なんというか、悪意というか悲哀があるわけではない。

誰だってあるだろう。何気なくやった仕草が、思った以上に手に馴染んでしまっていた感覚が。

 

ほら、ぼさっとしない。逃げよう。

 

誰かの声に、転夜は久しぶりのそれに頷いた。が、それをステインが許してくれるはずがない。

 

かあんと金属音が響く。転夜はそれを受け止め、そうして受け流す。

 

(つーか、つっよ!!)

 

どこでここまで鍛え上げたのか、わからない。

両手から繰り出される斬撃はもちろん、足にも刃物が仕込まれ、それと同時に何本持っているのか得物を投げてくる。

 

けれど、転夜はなにか、淡く笑っていた。

あまりにも懐かしいのだ。

遠い昔、施設で散々に叩き込まれることになった純粋な殺し合いといっていいそれ。

 

それが悲しいことなのかわからない。

ただ、純粋に己に地続きの事実だけが転がっている。

 

(でも、腕力とか、動体視力とかもろもろ二倍にして付いてけるぐらいか。)

 

男になるか?

いいや、狭いこの道、それこそ追い詰められているのか、路地裏と言っていいほどの場所では大柄な男の状態では不利になる。

今だって、そこまでリーチはない転夜の得物を振るう今でさえ、動きに気をつけねばならない。

 

(・・・殺し合いはなれてっけど、やっぱブランクがあるなあ。)

 

体に染みついた感覚のおかげで、今、ついて行ける。

何よりも、昔から無駄にいい勘といえる危機察知能力のおかげで動けているというものがある。

 

(練度、という点ではおっちゃんよりか身体の使い方、殺し合いが上手い!!)

 

がっと、持っていた刀でつばぜり合いのようになる。そうして、転夜は身体能力を二倍にした状態で、そのまま思いっきり吹っ飛ばした。

 

「はあ!まっじで強いね!犯罪やるよりも他にすることあるでしょう!」

「・・・・なかなかに動けるな。」

「当たり前でしょうが!こちとらヒーローなんだかんな?」

「・・・ただ、本物の英雄ではない。」

「えーん!またオールマイトのおっちゃんの狂信者か!おっちゃんとおんなじように変な人に好かれてばっか!」

 

それにステインから、明らかに殺気が漏れ出る。それも転夜は特別、動揺はなかった。慣れたものだ。

 

「アシスト!やはり、貴様は死なねばならん!」

「急だな!?」

「貴様は、オールマイトにとって害悪になる!」

「・・・・はいはい、また、私のアンチかよ。」

 

転夜の脳裏には、サー・ナイトアイやエンデヴァーに詰められる金髪の大男の姿が思い浮かんだ。

アシストというヒーローがオールマイトと仲が良いのは有名だ。

その原因というのも、一度組まれたランキング上位者、つまりはオールマイトとエンデヴァーの対談があったのだが。

内容は、まあ、ひどいものだった。

 

それも二人の資質として微妙に天然が入っているのがある。

見事に、というのは違うかも知れないが微妙に話がかみ合わない。おまけに仲もお世辞にだって良くない。

企画側としてはもう少し、ヒーロー同士の意外な関係、みたいなものを期待していたが無理であることを察してこの頃の犯罪傾向のような堅めの話題を出そうとした。

 

そこで、出たのが、オールマイトのあの子はどうしているという話である。

その後は、スムーズに話が進んだ。

 

・・・・この前、家に帰ったら異臭がしてな。

え、どうしたの?

あのバカ、家の近くの肉屋で豚骨売ってたといって小遣いで買ってきて、家で一番デカい鍋で煮込んでたんだぞ!?

あー、豚骨かあ。

すごいぞ、庭先でしてたからまだいいが。しばらく、かすかに豚骨の匂いがしていたんだぞ!?

でも、ああいうのって結構な火力いるんじゃない?どうしたの?

俺の個性を知ってるか?

察したよ。

トウヤのやつに鍋を支えさせながらずっと煮込んでたからな!?

結局それどうしたの?

その日の晩飯が豚骨ラーメンだった。

食べたんだ!?え、大丈夫なの!?

褒めたら今度は鶏ガラを煮ていた。

私も、ラーメンは鶏ガラ派だよ。

 

そこから、ちょこちょこと、どうやらエンデヴァーの子どもの一人の話になる。二人ともメディアの前であることは意識しつつ雑談の類いになっているのか、名前などの個人名は伏せられても進む。

 

もちろん、ずっと話していたわけではない。

けれど、その日、オールマイト界隈はもちろんエンデヴァー界隈もざわついた。

 

エンデヴァーの所に、エンデヴァーを困惑させる奇行種がおるらしい。

おまけに、その子とオールマイトが仲がいい!?

つーか、あんたら子どものことでそんな話が出来るぐらい仲よかったの!?

 

それに続いて、エンデヴァー自身の子を育てる親の苦労感が出たせいか、そのギャップに落ちるものが数多くいた。

 

いや、丁度、三十代ほどと言えば、子が難しい年になる世代だ。そのせいか、そういった親世代から親しみがわいたのだ。

わかる、大変だよなあと。

 

 

(おかげで、私の行動が何故かデビュー前からダダ漏れになってるの、まーじで赦せねえからな。)

 

転夜はそう思いつつ、手の辺りの器具をいじった。

 

(・・・・こっから出る弾をいじって、発射して、この場から一旦退避。おっちゃんに連絡してっと。)

 

「・・・・以前から、貴様のことを見ていた。」

 

転夜を見つめていたステインはぼそりと呟いた。

アンチは嫌いではない。嫌いという感情が、心にひっかき傷を付けるような感覚は、悪い気はしない。

忘れられることの方がずっと悲しい。もう、誰も覚えていない、数字でしか認識されない同胞のことを思い出す。

 

(でも、オールマイトのおっちゃんとか、仲良くなってるから嫌いって人はやだなあ。だって、結局私の事なんて見ていない。)

 

けれど、嫌がるのも違うから無視することに徹していた。

 

「貴様は、オールマイトにとってこれ以上無いほどに近しい。オールマイトは、基本的に他から一定の距離を取る、孤高の象徴。だというのに!」

 

ぐわりとステインは転夜を睨み、そうして、斬りかかる。それを転夜は受け止める。

 

(・・・・前に腹を刺されたから、耐刃製のおかげで怪我はしないけどさあ!)

「貴様の存在が邪魔だ!」

「はあ!?」

「ヒーローの在り方に私心が混ざれば、いつか濁る!オールマイトは真の英雄だ!だが、貴様のせいでそれが濁る可能性があるのなら!貴様は排除されるべきだ!ヒーローを、とりもどさんがために!」

「すげえ、身勝手!!」

 

おまけに、転夜は露出が少ないのだ。肌が出ているのなんて顔だとか、それぐらいだろう。

転夜はそれが顔の辺りを執拗に傷つけようとしていることに気づいた。

 

(何を狙ってるんだ?)

 

刃を弾き、重力の有無を切り替え、狭い道の中で壁を蹴りあい、切りつけ合う。

 

「今回、エンデヴァーが動いたことを知って、貴様が必ず来ると踏んでいた!張ったかいがあったというものだ!」

「あのな!私程度でゆらぐと思うのか、あの人が!」

 

転夜はそう言いつつ、手首の器具に弾を装着し、本格的にその場から逃げることを決意する。

 

「エンデヴァーもだ!あのような半端物もいつか消さねばならん!!」

 

それに転夜の目がゆっくりと見開かれた。

 

「アシスト、貴様だけではない!ブルーフレイムも、エンデヴァーも、所詮は名誉欲に踊らされているだけの存在だ!私心に踊らされ、他者をないがしろにする!」

 

ゆっくりと、転夜から表情が消えていく。

 

「己のためにしか力を振るわない!他者を安堵させるべきだというのに、ただ、いたずらに力を振るうのみ!あれがヒーローだと!?笑わせるな!偽物だ!」

偽物たちが、ヒーローをかたるなどあってはならん!!

 

それに転夜は一瞬だけ、無防備になった。ステインは己の言葉に動揺したのだろうと、持っていたナイフを転夜の顔に向けて投げる。

血を、流させることが何よりも第一だったのだ。

それと同時に、アシストは腕を上げ、何かを打ち出しながらそのナイフを避ける。

ステインは自分に向かってきたその弾を切り裂いた。柔らかいらしいそれは、少し弾むだけでそのまま二つに割れて転がった。

 

また避けられたことに苛立ちながら、ステインは再度斬りかかろうとした。けれど、ステインが向かった先、そこにはアシストはいなかった。

 

(消え・・・・!?)

 

そこで、気づく。己の真横にいつの間にかアシストが立っていることに。

ステインは、それに反応できなかった。

アシストは、無言でステインの頬に拳を叩き込んだ。

ステインは、そのまま拳を叩きつけられ、後方に吹っ飛んだ。口の中に混じる血を吐き捨てて、ステインは立ち上がる。

 

「・・・・取り消せよ。」

「何を・・・」

「私のヒーローを、ブルーフレイムを!エンデヴァーを!偽物のヒーローだっていったこと!取り消せよ!」

 

それにステインは憎々しげに、呆れたように吐き捨てた。

 

「己の憎しみに囚われるか。貴様も、所詮は偽物だ・・・・・」

 





ギャグ時空

真夜!どうしてお父さんを選んでくれないんだ!あんな!筋骨隆々の!動物になった時はゴリラになるような男を選ぶんだ!?

全然グッズ化されず、動物化もされてない男の悲しい反撃にしか聞こえないけど。あんたを選ぶよりかは趣味はいいと思うぞ?あと、私は転夜だ。

ふん、AFO無駄なあがきをするね!
黙れ、オールマイト!貴様も、エンデヴァーと比べれば振られているだろうが!!
はっ!貴様と違って、私はこの子の授業参観も、修学旅行のお土産だって貰ったんでね!

で、一番に選ばれたお父さん、感想は?
あの喧嘩、むなしくならんのか?
負け犬の遠吠えだからね。

・・・お前ら。
ふん、何のようだエンデヴァー?そうやって余裕ぶっていろ、今に。
確かに、俺はこいつに対して色々とやって今まで育ててきた。今までそう、関わってこなかった、特にAFO、お前よりかは父親として慕われるのは道理だろう。
・・・・すげえ、魔王が凹んでる。
だがな、お前達はこいつがそれだけで俺のことを一番に慕っていると思っているのか?
どういう、意味だ?

転夜、お前、俺のことを一番好きな理由は何だ?
だってさ!おっちゃん、目からビーム出るじゃん!!

・・・・びー、む。

ビームだよ!?目からビーム!!!!

目が、これ以上無いほどにキラキラさせて。

・・・・・お前らは、これのことをそれ相応の年の女、というか年頃のそれのように考えているんだろうが。こいつはお前らが思っている以上に小学生男子の精神で生きてるからな?


・・・・・目からビームが出る個性か。
奪おうとしてんじゃねえよ!

以前、後書きにあった転夜の異母兄、本編に出そうか、それとも番外編に置いておこうか悩んでおりまして。参考程度に知りたいです。

  • 二次創作だし、いいんじゃない!
  • 一周回って見たい!
  • 番外編で留めておけば?
  • いっそ、兄弟増やそう!
  • どっちでも
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