たぶん、ヴィランが親らしいが。それはそれとしてヒーローの子どもの方が気苦労が多い。 作:幽
キリの良いところで切りました。
何か、こういったの読みたいとかありましたら、ここにくだされば。何か、アンケートというか、興味です。
https://odaibako.net/u/kasuka_770
「和室!」
「まず、作りからして違う!」
その日、丁度、寮生活のために運び込んだ荷物をほどき、落ち着いた後の事だ。
A組女子の要望で互いの部屋を見せ合うことになったのだが。
轟焦凍の部屋を見たA組の面々はそう叫んだ。
「どうやったんだよ!?」
「そういうキットがあるんだよ。まあ、今日中に出来てよかった。」
「あるんだ!?」
驚きの声を上げながら、皆で視線を部屋に向ける。
和室という異質さにどう反応して良いのかわからない。
「まあ、面白いとこなんてねえけどな。俺としては、緑谷の部屋は親しみが持てたけど。」
「あの部屋に!?」
「転夜姉の部屋そっくりだった。」
アシストの!?
アシストの部屋、あんな感じなのか!?
それを理解したのか、焦凍はゆるゆると幼い、愛らしい笑みを浮かべた。
「オールマイトを親父にして、密度を深めたらそうなる。」
「さすがはヒーロー界で一、二を争うエンデヴァーファン!」
「あんな感じなのか、あの人の部屋。」
「ああ、おかげで燈矢兄に、グッズ整理しろって叱られててな。まあ、親父はグッズが少なくて良かったらしいんだけど。燈矢兄は結構グッズが出てるから収納に困ってるぞ?」
トランクルームを借りるか悩んでたなあと焦凍は言った。
緑谷出久はぐるりと部屋を見回し、そうしてタンスらしき物の上に飾られた物に気づく。
「こ、これはあああああああ!!??」
叫んだ緑谷のそれに、皆がびくりと体を震わせた。そうして、声のする方を見ると、出久がキラキラとした目でタンスの上のぬいぐるみを見つめる姿があった。
「どうかしたのか?」
「と、轟君!?このぬいぐるみ、どこで手に入れたの!?」
A組の面々はなんだなんだとそれに近づいていく。そうして、確かにタンスの上にちょこんとオールマイトらしきぬいぐるみがあることに気づいた。
ただ、有名なオールマイトのものにしては珍しく、見覚えのない色合いのスーツを纏っていた。
「何そんなに騒いでるんだ!?」
上鳴電気の言葉に出久は目をキラキラさせた。
「これ、ものすごく珍しい、超限定もののぬいなんだよ!?以前、復刻版で、オールマイトの歴代衣装をもしたぬいぐるみが全種類発売されたんだけど、このぬいぐるみはアメリカの超初期!オールマイトが実質一番はじめに着てたスーツのバージョンなんだよ!でも、ぬいぐるみを買った人限定の抽選で、数も少なくてさ!確か、シリアルナンバーも刻まれてるんだ!僕が小さい頃のことで、買えなかったんだ!」
出久の目をキラキラさせたそれにA組の皆は、オタクだなあと生暖かい目を向ける。
出久はそんなこと忘れて、キラキラとした目をぬいぐるみに向ける。
「・・・・・・シリアルナンバー?いや、たぶん、ないぞ?」
「え、そんなはずないよ、確か。」
出久のそれに焦凍は無言でぬいぐるみを手に取り、そうしてオールマイトのぬいぐるみの背中を見せた。
そこには確かに、シリアルナンバーが刻まれていると言えば刻まれていたし、ないといえばなかった。
「な、ナンバーゼロ!?」
「・・・・いや、あるにはあったか。」
「え、え、え!?なに、これ、どういうこと?」
「シリアルナンバーで、ゼロってあるのか?」
「大抵、ああいうのって一始まりじゃないの?」
皆の不思議そうなそれに、焦凍はああと納得したように頷いた。
「これ、元々オールマイトのおじさんから貰ったもんだからだろ。たぶん、こういう商品が出るって試作品をくれたんだな、あの人。」
その言葉に、皆は思い出す。
(そうだった。)
(あんまりそういうのないけど。)
(轟君って。)
めちゃくちゃ有名なヒーロー一家の末っ子だった!!
轟の言葉にその場に緑谷が崩れ落ちた。
「直輸入!?」
意味がわからない単語ではあるが、あそこまでのグッズを集まる存在の非売品のグッズというと、確かに何かしらの思いがこもったものであるとはわかった。
「まあ、しゃーねーって。」
「うん、これはねえ。」
「気持ちはわからなくはないけどな。」
三者三様にその場に崩れ落ちた緑谷へ慰めの言葉をかける。それに、出久は手を振って、わかっている、大丈夫と意思表示をする。
そんな中、焦凍は自分にとって好意を持っている緑谷のそれにあわあわした後、そっと出久にぬいぐるみを差し出した。
「・・・・欲しいなら。」
「だ、ダメだよ!轟君!それは、それはさ!君の大事なもののはずだ!そんな簡単に手放すようなこと、しちゃだめだよ!」
それに焦凍は感動したように顔をほころばせて、そうしてぎゅっと出久に抱きつく。そうして、喉を鳴らす猫のようにすりすりと出久にすり寄った。
「はぁーい!そういうのは、ダメだからね!」
それに固まっている出久をずるりと焦凍から引き離す麗日のことをいつものことかとスルーし、他の面々は改めてタンスの上を見た。
タンスの上にヒーローチップスのカードや、アシストやブルーフレイムなどのグッズが飾られていた。
「うわあ、すごい、このぬいはフード着せて貰ってる!」
言葉の通り、そのぬいぐるみは可愛らしい猫耳付きのフードが着せられていた。
「エンデヴァーが猫耳付き付けてるのは、かなり攻めてるけど!」
「ああ、それは転夜姉の手作りだ。あの人、趣味が裁縫でよく親父とか燈矢兄のぬいぐるみとか、それ用の服とか作ってるから。」
「アシスト、SNSでよく上げてるもんねえ。」
「なあ、轟、これは?」
その中で何か、異質なものが紛れ込んでいた。それは、くすんだ黄色い花の花冠だった。ドライフラワーにされているのか、水気はないが器用な作り手だったのか綺麗な形をしていた。
「それは、転夜姉が作ってくれた花冠だ。ほら、その時の写真もある。」
そういって指さした先にあったのは、隣にあるタンスだ。その上には、これまた多くの写真立てが飾られていた。
「全部、家族写真か。」
写真立ての多くは、焦凍の家族のものだ。幼い頃から、おそらく中学生ぐらいだろう焦凍の姿が映っている。
その中には、アシストはもちろん、一枚だけだがホークスの姿もあった。
写真の中心にはたいていアシストがおり、こぼれんばかりの笑みをカメラに向けている。そうして、それにつられるように周りの人間が笑っている。
(うわああああ、すごい、みんな見事に美形。)
(エンデヴァーが笑ってる写真って貴重。)
(轟のお母さんって美人だなあ。)
「もしかして、これ?」
そんな中、指さした先にあったのは一枚の写真だ。
それは縁側に、エンデヴァーとおそらく妻だろう女性が隣り合って座っている写真だ。しかめっ面のエンデヴァーの頭の上には可愛らしいたんぽぽの花冠が乗っかっている。そうして、その隣で、微笑ましいというように淡く笑う女性が写っている。
そのほかに、同じように花冠を被った子どもの写真もある。
「それだ。一時期、俺がたんぽぽの綿毛を飛ばすのに嵌まってな。転夜姉と燈矢兄がありとあらゆる所から綿毛をむしってくれてな。」
「弟の願いを叶えるためとはいえ、なかなかのストロングスタイル!」
「おかげで、うちの庭、たんぽぽの群生地みたくなっちまってな。そのたんぽぽで花冠を作ってくれたんだ。」
そう言って焦凍は、甘く、甘ったれた猫のように目を細めた。
その場にいた全員が、ちょっとまばゆさに目を細める。
「・・・・・轟って、アシストのこと好きなんだなあ。」
思わず漏れ出たクラスメイトのそれに焦凍は目をぱちくりさせた後、ふふふふと可憐な笑みを浮かべた。
「そりゃあなあ。ずっと俺に優しくしてくれたし。それに。」
あの人はうちのかすがいだから。
ヒーローアシスト、夢意転夜は、AFOの娘である。
それを出久が知らされたのは、爆豪奪還後にようやくオールマイトと話が出来たときだ。
これを君に伝えることが、正しいのかはわからない。けれど、君がOFAの継承者であるとしたら無関係でいられない。
出久は己の握った拳を見つめた。
(・・・・・OFAの力が活性化したのも、アシストの血縁のせいだったのか。)
黒い鞭はそれっきり出ることはない。
けれど、段々と、確かに夢を見るようになった。それは、最初は断片的で、黒い髪をした精悍な顔立ちの女性だとか、白い髪をした優しげな男性の姿を見るものだった。
(OFAの歴代の継承者。)
その黒い髪をした女性が、オールマイトの師匠であり、先代であり、そうして、アシストの祖母に当たるらしい。
出久は、オールマイトを苦しめるためだけに子どもを作ったという悍ましさに怒りを覚え、そうして、アシストに苦い、言いようのない感覚を覚えた。
転夜君の個性は、元々人に対しても、物に対しても、そうして、個性に対しても干渉が可能な個性だ。ただ、AFOのことを考えてOFAの個性に過剰な反応を見せたのかも知れない。
オールマイトの言葉を思い出し、出久は一つだけ思い至ったことを思い出す。
自分に発現した個性、黒鞭は歴代の継承者の個性の一つらしい。
そうであるのならば、今後、歴代の継承者の個性を使えるようになる可能性も存在する。
そうだというのならば。
(アシストの個性を使えば、安定してあの力を使えるんじゃあ。)
もちろん、そんな考えをしているとオールマイトにすぐに見抜かれてしまい、アシストにはできるだけ接触をしないことを命じられた。
君の体はもちろん、アシスト自身の体への負担は想像できないんだ。無茶はしないように!
そんな釘を刺されてしまっている。
といっても、アシストと自分の関係なんて殆ど無い。ならば、そうそうその言いつけを破ることはないと考えてはいたのだ。
「こんばんは!ちょっといいかな!?」
なんてアシストが寮を訪ねてくるまでは。
「アシスト!?」
「うわああああ広いね!?綺麗だね!さすがは雄英の寮だね!」
ふらりと夜にやってきたアシストは何やら一抱えもあるダンボールを持っていた。
「轟君に会いに来られたんですか!?」
飯田のそれにアシストは苦笑交じりにうーんと悩むような仕草をした。
「まあ、それもあるんだけど。あ、いたいた!」
たったっとアシストは何だろうとアシストを伺っていた出久に向かってきたのだ。
「やあ、緑谷君!君に用があって今日は来たんだ。」
にっこりと笑ったそれに出久はさっそくオールマイトとの約束を違えそうで冷や汗をたらりと流した。
「転夜姉、それで、どうしてわざわざ寮に来たんだ?何か、忘れ物したんなら一旦電話してくれれば良いのに。」
「ごめんなあ。いやあ、まじで思い立ってすぐに来ちゃったからさあ。」
いつも通りの儀式というか、まるで恋人同士のように抱き合い、ほっぺたをぐりぐりとした後にアシストは一階の机の上にダンボールを置いた。
峰田が血の涙を流しているのが視界に見えた気がしたが、A組はそれからそっと意識をそらした。
「いやあ、これだよ。これ!緑谷君と、あれ、爆豪君は?」
「爆豪なら先に寝ましたよ。」
「そっか。じゃあ、仕方が無いか。それで緑谷君って、オールマイトのおっちゃんのファンなんだよね?」
「ええ、それは。」
「いや、そんな君にどうしても渡したい物があってね。」
そういってアシストはダンボールを開けた。
「う、うわあああああああ!!」
ダンボールの中を見た出久は顔をほころばせて、目をキラキラと輝かせた。
「オールマイトのグッズだああああああ!!」
「あれ、おじさんから貰った奴だろ、いいのか?」
「うーん、まあねえ。つっても、飾ってるわけでもないし、押し入れとかに押し込んでた分だからさあ。緑谷君、オールマイトのファンって聞いて。これを機に上げようかなって。」
「全部、オールマイトから貰ったんですか?」
「うん、誕生日に何が欲しいかって聞かれて。正味、特に何か欲しい物も浮ばなくてねえ。まあ、本人だから手軽かなあってオールマイトのグッズを頼んだんだけど。」
アシストは困ったような顔をした。
「それはそれとして、私は本質的にエンデヴァーのファンだし。全部を飾ることもなくてねえ。ずっと、押し入れの肥やしにするのも忍びないからどうにかしたいとは思ってたんだあ。」
「でも、いいんすか?もらい物なのに。」
「まあ、学生の時までのもんだから。時効だと思うし、さすがに押し入れにいれっぱのほうが申し訳ない。さすがに、卒業したら、ちょっといい財布とか、鞄とか、年齢考えてくれたし。」
アシストの言葉に、皆は思わず。
(・・・・オールマイトとか、エンデヴァーのいうちょっといいってどれぐらいなんだ?)
なんとなく、貰った物をよく調べずに使ってそうな存在に聞きたくなったがあえて黙っておくことにした。
「と、いうわけで。緑谷君に貰って欲しくてさ。」
「い、いいんですか!?」
「いいよお。他にもファンの子がいるならどうぞ。大事にしてくれれば、それで十分だし。」
「それなら、遠慮無く!」
そのまま出久はダンボールからグッズを次々に出して行く。
「うわあああああ!これ、十周年のタペストリー!そうしてこれは限定のフィギュア!」
出久は次々と取り出すグッズに目をキラキラとさせる。他のクラスメイトも、珍しいらしいグッズになんだなんだと群がるように集まった。
それを麗日はじっと見つめる。
憧れに目をキラキラとさせる出久に淡く微笑みを浮かべた。
「・・・・・・・え?」
そこでふと、自分の隣に誰かが立ち、そうして視線が向けられていることに気づいた。
それに思わず視線を向けると、そこには淡く微笑んだアシストがいた。
「え、え、あ!?な、なんですか?」
思った以上に近くにいたアシストに驚き、そう言えば、彼女はじっと麗日を見た。そうして、すっと手を麗日に延ばす。
するりと、顎に細い指先が滑るのが分かった。
それは、金と銀の目をゆっくりと細めた。
「君、可愛いね。」
甘い匂いと、見下げるように目を細めたそれはくすくすと笑った。
「楽しそうで、とっても素敵だね。」
ゆるゆるとしたそれに、麗日は顔がどんどん熱くなっていく感覚を覚える。そうして、まるで脱兎のごとくその場から逃げ出した。
「ありゃ?」
「なにしてんだよ。」
「いや、焦凍。恋する女の子は可愛いなあと思ったんだけど。振られた。」
「あんまし身内でない奴たらし込むなよ。あとで親父と燈矢兄に迷惑かけんのやだろ?」
「・・・焦凍、この頃、お兄ちゃんに似てきたね。まあ、いいか。寮生活、楽しい?」
「始まったばっかでわかんねえ。でも、友達とわいわいやんの楽しい。」
「そっか。仲良くなりたいって言ってた子の、爆豪君と緑谷君とは部屋、離れちゃった?」
「・・・・うん、でも、一階違いだし。五階だから、平屋当地と違ってちょっと新鮮なんだ。爆豪は、一つ下だし。」
「そっか、仲良く出来ると良いね。」
「そうだな。そう言えば、今日は・・・・」
「あ、アシスト!!」
そこで焦凍の言葉を遮るように出久が声を上げた。それに二人ははいはいと机の方に向かった。そこには、青い顔をした出久がいた。
「どうかしたの?」
「あ、あの、お聞きしたいんですけど!」
そう言って出久は一つのフィギュアを指さした。
「こ、これって、十数年前の大雨における震災に対して行ったチャリティーで作られた、百体限定のフィギュアですよね!?」
その言葉にアシストは少しだけすんとした顔をした後、にっこりと微笑んだ。
それに出久は顔を青くし、そうして、次にとあるパーカーを手に取った。
「こ、これも、以前の抽選のパーカー!一番人気のやつですよね!?」
それにアシストはにっこりと微笑んだ。
出久はそれに顔を青くして、次には触るのも恐ろしいというようにぷるぷると指先を震わせてとあるポスターを指さした。
「こ、これは!あの!オールマイトが、アメリカで活躍してたときの、超初期のポスターですよね!?」
それにアシストはにっこりと笑みを深くする。それに出久は恐れ多いというように叫んだ。
「貰えるわけないじゃないですか!」
「いやいや、貰ってよ!」
「緑谷君!どうして、そんなに拒否するんだ?」
飯田のそれに緑谷は頭を抱えるようにして吐息のような声を出した。
「あのね、飯田君、ここにあるグッズを手に入れようとしたら。それこそ、高価な物なら一つとっても六桁ぐらい必要なんだよ?」
それに皆の視線がグッズに向かう。さすがに、六桁、たとえ十万だとしても高校生にはなかなかに高額だ。
「全部初期の物で、ここまでの完品残ってるだけですごいのに!パーカーとか届いたら着ちゃう人が殆どだし。まだ、チャリティーのは希少性で値段が高めだけど。でも、でも、このポスター!!」
出久が恐る恐る、指さしたのはアメリカ時代のポスターだ。
「これは、これは、本当にだめですからね!?」
「そんなに、か?」
「いい!?確かに、オールマイトはアメリカでも著名だけど!でも、さすがに初期の初期は日本からの、みたいな扱いだったんだ!おまけにそれだって二十数年前!ポスターを大事にしている人もいないし、時代も時代だから!ここまでの完品、アメリカで探してもあるかどうか!」
値段なんて恐ろしくて考えたくない!!
出久のそれに、A組はごくりと喉をならした。そんな中で、アシストはまるで仏のように穏やかな顔をした。
「・・・・あのな。緑谷君。」
「な、なんですか?」
「その、オールマイトのおっちゃん。引退したでしょ?」
「そ、それは、まあ。」
「・・・・・その、あの、おかげなのかあ。」
オールマイトのおっちゃんのグッズ、さらに高騰してっから、多分君の思ってる値段よりも高いと思う。
その言葉に出久の顔はムンクの叫びのようになった。
「よ、余計に貰えませんよ!?」
「頼むよ!押し入れの肥やしにも忍びないからネットでグッズの情報見てたら値段がえらいことになってて!持っとくの怖いの!お願い!貰って!」
「む、無理です!無理無理!」
出久はそう言ってダンボールにグッズを詰めようとするが、さすがに物が物だけに、ゆっくり、且つ、丁寧に収めようとする。
そこで今度は焦凍の声が部屋に響く。
「転夜姉!」
「うん!?何!?」
「今日のこと、親父や燈矢兄に黙ってきただろ!?連絡返ってこねえって俺のとこにまでメッセージ来てるぞ!?」
「やべ、ばれた!あ、ははははははは、ごめんね!私、そろそろ帰らないと!爆豪君にも、欲しいグッズないか聞いたげてね!」」
と、いうわけで。
ばーいと、アシストはそのままその場にいる生徒たちに手を振って走って出入り口から飛び出した。
それに出久は叫んだ。
「あ、アシスト!!!こんな重いもの、どうすればいいんですかあああああああ!!」
空しく響くそれに、クラスメイトは思わず合掌した。
(・・・・早く帰らないといけないけど。)
アシストはちらりと、出てきたばかりの寮を見上げた。そうして、建物の周りをぐるりと回り、ベランダに視線を向けた。
(・・・・A組の人数的に、さっきの共同スペースにはクラスの殆どがいたはず。だから、たぶん。)
アシストはよしとうなずき、個性を使い、そのまま飛び上がった。
その日、爆豪勝己はさっさと寝入っていた。
疲れていたというのもある。ぐっすりと眠ってはいたものの、それはそれとして本来警戒心というか、気を張っている彼は何かを気配を感じて眼を覚ました。
「あ、やべ・・・・・」
そこには、爆豪のベッドサイドに手を伸ばすアシストの姿があった。
「て・・・・・・」
ものの数秒で覚醒した爆豪は叫ぼうとしたが、それよりも先にアシストの手で口元を覆われた。
(ごめん!ごめん!頼むから騒がないでください!色々アウトなのはわかってるからさあ!!)
「・・・んで、不法侵入の理由はなんだ?」
「それについては、申し訳ございません。」
ベッドに座る爆豪にアシストはそれは綺麗な土下座をかました。さすがに起き抜けに余り知らない女がいたことに関しては心臓がバクバクしたが、早速示された服従の姿勢に少しだけ落ち着いた。
電気の下で囚人のごとく小さくなったアシストにそう聞けば、彼女はいやあと気まずそうな顔をした。
「そのお、今日来たのは、まあ、君に用があって。でも、もう寝たって言うし。でも、それはそれとして早く話したかったのと、後、君の場合、二人きりで話をしてって言ってもけんもほろろだろうし。でも、それはそれとして話したくて、ワンチャン起きてないかなあってベランダは鍵が開いてて。でも、寝てるのは寝てるから、起こそうかと迷って。」
「結論言えや!軟派女!!」
緑谷を思い出す多言に爆豪が叫べば、それにアシストは視線を下に向けて、まるで蚊の鳴くような、そんなささやかな声音で言った。
「・・・・・君が、今、辛いんじゃないかってって思って。」
それに、爆豪は目を見開いた。
「・・・・・オールマイトの、おっちゃんのことで。ううん、もしかしたら、緑谷君のことで。」
君が今、苦しいんじゃないかって思ったんだ。
「だから、君に、会いたかったんだ。」
大丈夫かと思って。
静かな声が部屋に響いた。
あんたさあ、露出の高い服って着ないわよね。
突然だね、優ちゃん。
だってさ、こうやって時々遊びに誘ったときもかっちりっていうか、清楚な感じでしょ?まあ、轟の野郎の趣味なんだろうけどさ。
まあ、服にあんまり好みとかはないけどねえ。動きやすい方がいいかなってぐらいで。私も、かっこいいと思う服があるけど、それ着てきた怒るでしょ?
当たり前よ、プライベートでエンデヴァーなりきりパーカー着てきたら殺すわよ。
わあ、にっこり笑みで怖いこと言うね!まあ、それ以上に、理由としては簡単でさあ。私、結構体中に傷だらけなんだよね。
そうなの?
(まあ、学校時代もそんなにじっくりと体を見たことないけど。)
ヒーローやってるときも、そんなに怪我してる?あんた、サポートでそこまで前線に出てるイメージないけど。
あー違う、違う。腕とか、出すことの多いのはおっちゃんたちが気にして治療を受けさせてくれるから綺麗だし。元々、耐性の付与が出来るから傷跡は残んないんだけど。これがね。
何、急に腹の辺り捲っって!?
いやね、昔、中学の時に燈矢の修行に付き合ってたときなんだけど。氷への耐性と、炎の耐性の切り替えに失敗してさ。おかげで腰に燈矢の手形が残っちゃてるんだよね。腕とかはまあ、ギリなんだけど。他にもあるし。あと、凍傷の後も少し。
・・・・・あんたさ、これ、見る奴が見たら。
うん、さすがにこんな汚い体さらせないし、そういう仕事はおっちゃんに燈矢が嫌がるからさ。やんないようにしてるってだけなんだよね。どったの、優ちゃん?
・・・・いや、所有印とか、そういうの意識してないならいいんだけど、あのクソ重男。
その後、なんやかんやあって雑談枠でやけど後がばれてトレンドをかっ攫っていった。
以前、後書きにあった転夜の異母兄、本編に出そうか、それとも番外編に置いておこうか悩んでおりまして。参考程度に知りたいです。
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二次創作だし、いいんじゃない!
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一周回って見たい!
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番外編で留めておけば?
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いっそ、兄弟増やそう!
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どっちでも