たぶん、ヴィランが親らしいが。それはそれとしてヒーローの子どもの方が気苦労が多い。   作:幽 

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評価、感想ありがとうございます。感想いただけましたら嬉しいです。

ホークスとの再会話、じっくり考えたいので一旦違うの投稿していきます。

リクエストにあった、エンデヴァー+オールマイトのわちゃわちゃ、転夜の扱いに悩むオールマイトの話です。

お題箱にあった質問で、たぶん本編には出ないだろうことなのでお答えしますが、転夜と燈矢に子どもができる場合、上に男の双子、下も女の双子で、計四人になります。

何か、こういったの読みたいとかありましたら、ここにくだされば。何か、アンケートというか、興味です。
https://odaibako.net/u/kasuka_770


プレゼントを探せ!

 

 

その日、とある喫茶店には緊張が走っていた。

と、いうのもだ。

 

「それで、エンデヴァー君、そうして燈矢君。」

 

爽やかに笑う己を訪ねてきたオールマイトに、エンデヴァーはこれ以上無いほどに顔をしかめた。

 

 

 

オールマイトとエンデヴァーは、仲が悪い、というのはまあ有名な話だ。

 

(まあ、元々、互いに妙に天然っつーのか。話がかみ合ってないときがあるしなあ。)

 

そんなことを考えて、当事者のエンデヴァーこと轟炎司の息子の燈矢はちらりと目の前の光景を見る。何故か、話があるからと燈矢とエンデヴァーが呼ばれたわけだが。

 

(・・・・転夜の奴、大丈夫かな?)

 

彼の片割れである夢意転夜は今日は、同じクラスの女子生徒と出かけている。本当ならば、あまり転夜を単独で出かけさせたくないのが本音だ。

 

あんた、まじで器が小せえわよね。

 

なんて同級生の呆れた台詞が聞こえてきそうだが、燈矢としても言い分はある。

もちろん、女好きのそれ、本人曰く女好きではなく好みの容姿に該当するのが女が多いだけで男の子も好き、なおも悪い言い分のそれのことが心配である。

 

銀髪、また白髪の髪の儚げで美人という条件はそうそう転がっているわけではないが、いはするそれに該当する人間に会えばふらふらと寄っていくのだ。

が、それが心配なわけではなくて、何か妙なカリスマというか、人に好かれやすいその女は一人で出かけさせるとストーカーやら、つきまとってくるのが増えるのが心配なのだ。

 

(普段は俺か、お父さんがいるから下手なのは寄っては来ないけど。)

 

今日は、一応、クラスメイトと一緒に出かけているので相当のことはないと信じているが。

 

向かい合わせに座ったオールマイトとエンデヴァーは、非常に威圧感がある。今にも重要な話し合いが行われそうな雰囲気ではある。

燈矢は、なんでもオールマイトの行きつけで、人払いをどうやらして貰ったらしい喫茶店を見渡す。

少しだけレトロで、雰囲気は良い。

 

(転夜の奴も連れてきてやろうかな。)

 

「・・・・それで、だ。エンデヴァー君、燈矢君。」

 

手を顔の目の前で組んだオールマイトは、物々しい声音でエンデヴァーを見た。エンデヴァーはこれ以上無いほどのしかめっ面で向かい合う。

 

「もうすぐ、転夜君の誕生日なんだけど。プレゼント、何が良いと思う?」

「燈矢、帰るぞ。」

「ひどい!!!」

 

実は、案外仲いいんじゃないのか?

燈矢はそんなことを考えつつ、メニュー表を見た。

 

 

「だあまれ!何か、神妙そうな声で電話してきたからなんだとわざわざこうやってきてやったんだろうが!!だというのに、そんなくだらんことで呼び出しやがって!」

「くだらないって、ひどくない!?そりゃあ、君は良いよね!自分のグッズ上げればいいだろうけど!私はそうじゃないんだよ!」

「なら、潔く俺のグッズでも贈れば良いだろうが!」

「やだ!!」

「子どもか!」

「じゃあ、君だって焦凍君が私のグッズ欲しがるの、複雑じゃないの!?」

「・・・・・・」

「ほら!黙ったじゃないかあ!!」

(おお、結構メニューあるな。甘い、気分じゃないな。カツサンド、旨そう。)

 

燈矢はメニューに視線を向けたまま父親に問いかける。すでにそれぞれコーヒーは頼んでいたが、小腹が空いていた。

高校生は、いつだって腹がすくものだ。

 

 

「ねえ、お父さん、なんか頼んでいい?」

「好きにしろぉ!」

 

それに燈矢はカウンターにて大丈夫なのかと不安そうにしている店主らしき存在に手を上げた。それに店主がやってくる。

 

「カツサンドを一つ。」

「ああ、わかりました。」

「お父さんとおじさんはいいの?」

「いらん!」

「ここ、パンケーキおすすめだよ!」

「・・・それじゃあ、パンケーキも。」

 

口喧嘩というよりも、炎司の一方的な怒鳴り声の仲に律儀に聞こえてきたそれに燈矢は追加をする。

それを承知した店主は、ちらりとまたエンデヴァーとオールマイトを見た。それに、燈矢は呆れたような顔をした。

 

「気になさらず、いつものことなので。」

 

 

 

「ったく、ならば、あの年頃の女子が好きそうな物を贈れば良いだろうが。」

 

その後、頼んでやってきたカツサンドと頬張っていたが、なかなか終わらないそれに辟易した燈矢が適当に切ったパンケーキを炎司の口に突っ込んで強制的に喧嘩を終わらせた。

気性は荒いが行儀はいいほうの男は口に何かが入っている間は何も喋らないのだ。

 

「まあ、相談には乗っても良いけどさ。その代わり、条件があるんだけど?」

「・・・・なにかな?」

 

オールマイトが物々しい口調で燈矢に視線を向けた。それに燈矢は無言でスマホをオールマイトに向けた。

 

「今度発売の限定バージョンの、オールマイトのなりきりパーカーのSサイズを用意して欲しい。」

 

それにオールマイトはこれまた爽やかに笑い、燈矢と握手をした。

 

「OK!」

「燈矢、なんだ、その頼みは!?」

 

パンケーキを咀嚼して飲み込んだエンデヴァーに、燈矢は目的が達成できたと機嫌よさそうにスマホをタップした。

 

「焦凍が欲しがってたんだよ。でも、予約するにも難しそうだし。当人に交渉するのが一番早いしさ。」

「いや、だからって、お前!」

「お父さんからの贈り物だっていっとくから。この頃、ばたばたしてて焦凍はもちろん、冬ちゃんとか夏君にもあんまり構えてないだろ。二人のことも、考えといてくれよ。」

 

それにエンデヴァーはうっと少しだけ息をのむ。何せ、そこら辺を、しっかりと妻である冷にも釘を刺されているのだ。

 

「・・・・わかってる。今度、買い物に付き合うことになっている。」

「ん、それならいいけど。」

 

そうして、諦めた炎司は、渋々オールマイトに視線を向けて先ほどの言葉を言ったのだ。

まあ、確かに、同い年の同性が欲しがるものを贈るというのは無難ではあるのだろう。けれど、オールマイトはなんとも言えない顔をした。

 

「…………私、この前、あの子からカブトムシの幼虫がさなぎになったって写真が送られてきたばっかなんだけど。」

「焦凍の自由研究のやつだな。」

「安心しろ、この前は、犬を拾ったと狸拾ってきたから。」

「あと、この前はザリガニ釣りで小学生の師匠になってるって話も聞いたけど。」

「ちなみに、焦凍と一緒に、つやつやのどんぐり集めに嵌まってたぞ。」

「あ、私もそれ貰ったよ。」

 

三人は考えた。

こんな話題しか上がってこない少女に、同い年の同性が欲しがるような、例えば衣服だとかを贈って喜ばれるのだろうか?

 

皆はいぶかしんだ。

 

 

「あいつなら、お前がくれるというならなんだって喜ぶだろうが。」

「そりゃあさあ・・・・・」

 

オールマイトは濁すような仕草をした後に、自分の人差し指同士を付き合わせてもじもじとした。

 

「でも、喜んでくれる物を上げたくって。それに、サプライズって素敵じゃないか?」

「俺のグッズをやれ。」

「無慈悲!!!!」

 

隣でまた同じような話をする二人に呆れたように燈矢はため息を吐き、相談に乗るといった手前、何もしないわけにはいかない。

だが、元より物欲の薄い、それこそエンデヴァーのグッズ以外に何かを欲しがるということがない転夜への贈り物だ。

 

(あとは、身の回りの物を猫グッズでまとめてるけど、必要な物だけだしなあ。)

 

ちらりと燈矢は二人を見た。

いや、本当は燈矢自身、転夜が欲しい物が何かはわかっている。

 

(二人が誕生日に来てくれれば嬉しがるんだろうけど。)

 

あまり誕生日が好きではない転夜であるが、元々、寂しがりの構って欲しがりの少女は、忙しい二人と食事をするほうが嬉しがる気がするのだが。

 

(それが、難しいのは俺にもわかる。)

 

オールマイトも、本音を言うのならば誕生日を祝いたいのだろうが。

それが難しいからこそ執拗にプレゼントにこだわっているのだろう。

 

「そう言えば、燈矢君は毎年何を上げてるの?」

「俺は、毎年、二人で遊園地に行ってる。あいつは、ああいうとこに連れて行ってやる方が嬉しがるし。」

 

(ねえ、これってデートだよね?ようやく交際したの?)

(いいや、そんな兆候はまったくないが。)

(えー、完全に、そういう感じなのに?)

(大体、燈矢にも、転夜にも、そういうことは早いだろう。転夜なんぞ、今日も元気に小学生を・・・・・)

「うおっほん!!」

 

咎めるように咳払いをすれば、二人はそれに黙り込む。

 

「大体、そこまで言うのなら、転夜自身に聞けば良いだろうが。」

「いやあ、聞いても。君のグッズと言われたら引くに引けないし。それに。」

 

オールマイトは言いにくそうにまた指先をいじいじした後、まるで叱られる寸前の子どものような顔をした。

 

「なんだ?」

「その、転夜君に、あんまり電話してくるなって。」

「はあ!?」

 

炎司がそう叫んだ。

 

曰くであるが、高校生になり、オールマイトとしても色々と心配していたらしい。善性ではあるが、トラブルホイホイの転夜がちゃんと学校で生活できているだろうかと。

 

「それで、そこだとか、勉強のことだとか、色々と口うるさくしちゃって。」

 

もう、おっちゃん五月蠅い!!

 

あまり怒ることのない転夜に煩わしさにはねのけられてしまったのだ。

まあ、本人も自分がトラブルホイホイの自負があったらしく後で謝罪はあったのだが。

 

「・・・・お前は、過干渉なんだ。」

「お父さんは構わなさすぎなんじゃない?」

 

あきれ果てた炎司のそれに、燈矢は腹部に来るタイプの言葉を吐いた。それに、昔のことも相まって炎司はぐっと呻く。

 

「それで、聞きにくくてねえ。」

「前は、自分のグッズをやっていただろうが。」

「そうなんだけどねえ。いや、せっかく上げるなら、良い物を、と思ってたら。転夜君に上げてた物がプレ値で高騰してる物ばっかだってばれちゃって。もう、いいって言われちゃって。」

「・・・・・なにやったんだ。」

「いや、せっかくなら、希少性が高い方が、いいかなって・・・・」

「貴様は、情の示し方をなんとかできんのか!」

「だってえ!ただでさえ、時間が取れないなら、他の物量で愛情示すしか、私にはなくって!今も、ちょっとうっとうしがられてるのに!」

 

炎司の重めのため息の後に、ねちねちと説教されてオールマイトの頭のVがへたっていくのを見ながら燈矢は考える。

 

(欲しい物ねえ、欲しい物。)

 

そこで燈矢はふと、思い出す。

 

「・・・・あいつが、欲しそうにしてたやつあったな。」

「え、何々!?」

 

オールマイトのそれに燈矢は、細い記憶の糸をたぐり寄せてスマホで何かを検索する。

そうして、何かがヒットしたのか、父親達にスマホを向けた。

 

「これ。」

「・・・・これって。」

「これは。」

 

 

 

 

 

「まさか。」

「ここまでないとは。」

「どうしたもんだろうね。」

 

転夜がほしがったというのは、某兎のフィギュアが有名な、ドールハウスだった。

それに、オールマイトとエンデヴァーは懐疑的な視線を向けた。

男子小学生の魂を持った転夜が欲しがるには、なんだかおかしな気がしたのだ。

 

「なんだよ、その目!ちゃんと欲しがってたんだよ!」

 

以前、二人でテレビを見ていたときのことだ。

それは何やらマニア集合という番組で、その時のテーマがそのドールハウスだったのだ。

そこで紹介されていた、数年前に発売されたという周年記念の豪華版だった。

燈矢もそれには覚えがあり、幼い頃に妹の轟冬美が遊んでいたシリーズだった。

けれど、それは、燈矢が記憶していた物よりも大きく、そうして装飾などが豪華な気がした。

 

「・・・・ふーん、周年記念の豪華版ねえ。値段も、へえ、通常版とはすげえ違い。」

 

そうそう子どもに買うには戸惑う程度によいお値段ではあった。ただ、値段相応に、付属された家具などはなかなかに細かく、よいものの中で育った燈矢から見ても手間をかけて作られているように見えた。

 

そうして、転夜はそれはきらきらとした目で見つめていた。

 

「欲しいの?」

 

燈矢は何とは無しに聞いた。

欲しがるならば、父や、それこそオールマイトに買って貰えば良いのにと考えたのだ。

なんだかんだ転夜に甘い二人ならば、何かしらのことで贈ってくれるだろうと思ったのだ。

値段もまあまあしたが、二人のことを考えれば屁でもないだろうと。

 

それに転夜はきょとんとした顔をした。

何か、ひどく思ってもいないことを言われたような顔をしていた。

そうして、不思議そうに首を振った。

 

「なんで?」

「欲しそうだったじゃん?」

 

それに転夜は気まずそうな顔をして、その後にああと微笑んだ。

 

「んーん。服のデザインよくない?ぬいの服、あんな感じにできないかなあ?」

「お前、あんなふりふりの服、お父さんのぬいぐるみに着せるのか?」

 

その時は、そんなものかと考えていたが、スマホを見る限り幾度かドールハウスを調べているように見えた。

 

なんでスマホの検索履歴を知っているのか?

それは想像に任せよう。

 

 

「ともかく、あいつが欲しがってたのは確かだよ!スマホで何回も検索してたし。」

「なんで、検索履歴知って・・・・」

「しっ!触れるな!」

「え、でも・・・・」

「ともかく!あいつが欲しがってるものの情報で渡せるのはこれだけど。どうするの?」

 

 

 

もちろん、オールマイトとしてはそんなものを手に入れないわけにはいかない。

うっきうきで近くのおもちゃ屋に向かった。

もちろん、燈矢とエンデヴァーを引きずって。

 

が、結果は。

 

 

「申し訳ありません。」

「そちらの商品は。」

「非常に人気でして。」

「発売日も、過ぎておりますので。」

「売り切れに・・・・・」

 

 

「どうしよう!全然ないんだけど!?」

「五月蠅いぞ、騒ぐな!」

「まあ、そりゃそうだよねえ。」

 

現在、三人はすでに数店舗目になっているおもちゃ屋にて顔をつきあわせている。

さすがに、店内にいるには邪魔すぎるがたいの良さである自負のある大人二人はそそくさと店舗を後にした。

そうして、三人で店前でこそこそと話を始めたのだ。

その間にも、オールマイトとエンデヴァーの両巨頭がそろっている絵面に野次馬の数もすごいことになっている。

燈矢も燈矢で、すでに高校にてエンデヴァーの息子であると顔が売れてしまっているので割り切ってそのままスマホをいじる。

 

三人は、善は急げと本当に足でおもちゃ屋を回って、ドールハウスを探し回ることになった。

もちろん、エンデヴァーは付き合う気はなかったのだが。

 

「そっかあ、まあ、エンデヴァー君と一緒にいても見つからないかも知れないしねえ。」

「は?」

 

含みも何もないオールマイトの煽りに切れたエンデヴァーが何くそとついて行き、燈矢も又それに付き合っている。

 

「え、どういう意味?燈矢君?」

「あの、オールマイト、握手を!」

「エンデヴァーだ!」

「どういう意味だ、燈矢?応援、礼を言う。」

「さっき、俺が言ったでしょ。周年記念のやつだからって。おまけに、発売日も大分過ぎてる。」

 

その言葉に、炎司とオールマイトは顔を見合わせた。

 

「「すでに、売ってない・・・・!?」」

「せーかーい。」

 

朗らかなその言葉に、二人はあんぐりと口元を開いた。

 

「どうりで、市内のおもちゃ屋さんに行ってもないわけだよ!」

「なら、いったいどうやって手に入れるんだ!?」

「二人とも、道中で強盗やらをちぎっては投げて、ちぎっては投げてを繰り返しながら気づかなかったの?」

「二人で処理するから速めに終わったねえ!」

「嬉しそうにしとる場合か!どうするんだ、お前!」

「・・・どうしよ。こういう場合、中古かな?でも、プレゼントに中古はなあ。」

「それについては策があるから気にしないでよ。」

「本当かい、燈矢君!どうするんだい?」

「まあ、それよりも、今はさ。」

 

燈矢は持っていたスマホから顔を上げて、周りを見回した。

 

オールマイトだ!

え、なんでエンデヴァーと!?

あの子、エンデヴァーの息子じゃない?

何かのイベント?

話しかけていいやつ?

 

「この、イベントと勘違いした人混みを一旦抜けないと。」

 

それにオールマイトとエンデヴァーは同時に頷き、そうして、足に力を込めた。

 

 

 

「あのねえ、いい?俺がわざわざ、無駄に目立つだろう二人のことを放っておいたのは訳があるんだよ?」

 

人並みを、それこそ、字のまま跳び越えて人気の無い場所までやってきた後、燈矢はそう言ってまたスマホをいじった。

 

「と、いうと?」

「これ。」

 

そう言って、炎司とオールマイトは、燈矢に見せられたスマホの画面をのぞき込んだ。

 

「・・・ハッシュタグ。」

「ドールハウスを探せ?」

 

それににやりと燈矢は笑った。

 

 

待って、エンデとオルマイが一緒にいるんだけど!?

なんか、さっきエンデヴァーとオールマイトがおもちゃ屋にいるんだけど、どしたん?

エンデヴァーとオールマイトが、なんかドールハウス買いに来たんだけど!?

さっき、強盗が起きたと思ったら、オールマイトとエンデヴァーが二人でボコったんだけど今日、日本終わるの?

なんか、エンデとオルマイがドールハウス探しまくってるみたいなんだけど?

なんであの二人がドールハウス探してんの?

オールマイト、隠し子いた?

エンデヴァー、娘いるらしいから、その子用かな?

 

「あのね、目立つ二人が、大騒ぎしながら限定版のドールハウス探してるんだ、当たり前のように目立つし。それをみた奴は大抵、SNSに投稿せずにはいられないわけ。」

「あ、エンデヴァー君、見てよ。この写真よく取れてる。」

「おい、このヴィランは俺の方が活躍していたぞ!」

「でも、騒ぎになっていいことがあるのかい?」

 

オールマイトのそれに、燈矢はにやりと笑って、投稿の一つを指した。

 

「あのさ、わかってる?企業やら、店っていうのはいつだって良い意味での注目を集めたがってるんだ。それで、自分の所の商品を、トップヒーローが欲しがってるなんてことになったらさ。」

 

そこには、おそらく、小規模とはいえ、市内のおもちゃ屋の公式アカウントからの投稿だった。

 

在庫、うちにはまだあります!

 

「自分のところで買って貰おうと躍起になるに決まってるだろ?」

 

 

 

オールマイトは、その日、そわそわしていた。

 

丁度、彼は、ヴィランの摘発を終えて一息吐いているときだった。

 

(今頃、プレゼントを開けてるのかな?)

 

オールマイトは、結局、その時の転夜の誕生日祝いに駆けつけることはできず、事前に轟家でプレゼントを保管して貰うことになった。

 

(エンデヴァー君も、今日は仕事らしいしな。)

 

互いに仕方がない身としては切ない話だ。

 

(・・・・喜んでくれたかな?)

 

それだけが気になる。いや、あの年ごとの女の子の欲しい物がわからない。

転夜自身が良くも悪くも尖った趣味なので、思っている以上に欲しい物がわからない。

オールマイトは、いっそのこと昆虫採集キットのほうが良かったかなあと考える。

そんなときだ、スマホが鳴った。

 

オールマイトは急いで、スマホをとった。

ビデオ電話らしく、画面には転夜が映っていた。その転夜は、興奮しているのか、白い肌には上気しており、ふくふくとした頬はバラ色に染まっている。

 

「て、転夜君?」

「・・・・おっちゃん、今、大丈夫?」

「う、うん、大丈夫だよ!」

 

オールマイトは落ち着かないというように、その場に正座して、画面を見つける。

 

「あのね、あのさ、えっと、あの、プレゼントなんだけどね。」

「う、うん!気に入ったかな!?えっと、可愛いし!いいかなって!」

「私も、SNS見たから、おっちゃんたちが町中走り回ってたの知ってるよ。」

「それは、うん、はい。」

 

オールマイトは、最初からばれてたかあと肩を落とした。当たり前の話なのだが。

 

「燈矢に聞いたんでしょ?私が欲しいって、言ってたって。」

「・・・・うん、まあ、聞いて。」

 

物の見事に、燈矢に相談したことがばれていたことにオールマイトは恥ずかしくなる。

なんか、若干、ダサいかなあ自分と考える。

 

「・・・・・あのね、本当はね、欲しいとかってことじゃなくてね。兄貴、がね。」

 

それにオールマイトは顔を上げて、そうして、画面の中で、頬を上気させて、目をキラキラとさせていた転夜を改めて見た。

少女は、どこか、気まずそうな顔をしていた。

オールマイトは、それに聞く体勢に入る。

 

あのね、昔ね、兄貴とね、おつかいに出されてね。そんなで、途中で、おもちゃ屋があってね。ディスプレイされたのが、あのシリーズでね。

・・・・欲しかったわけじゃなくてね。普通の子どもって、こういうのって遊ぶんだろうなあって、ただ、思って。それで、見てたらさ。

兄貴が、大人になったら買ってやるって、言ってくれてね。

おかしいよね、大人になったら、あんなもので遊ばないし。おもちゃだから、もう、私、遊ばないぐらい、お姉さんで。

兄貴は、もういないのに。それを、思い出しちゃって。

 

「なら、私と遊ぼうか?」

 

オールマイトのそれに、転夜は目をきょとりとさせた。

 

「おっちゃんが?遊ぶの?ドールハウスで?」

「おかしいかい?いや、実はね、ああいう可愛い物、けっこう好きで。」

 

嘘じゃない、ああいった細々した物は嫌いじゃない。けれど、率先して遊ぶわけではないのだけれど。

けれど。

 

「遊んで良いんだ。一人で遊ぶのが嫌なら、私と遊ぼう?」

 

転夜は、エンデヴァーと出会った後、過去のことをだいぶ話してくれた。施設や、人身売買の組織での生活。

けれど、兄貴、という存在のことだけはあまり語りが足らなかった。

 

少女が逃げてきた場所で、焼け死んだ少年、優しい兄、少女の心のよりどころ。

聞きたくないわけではない。けれど、少女の様子から、その兄貴という少年が触れられたくない何かであることは察せられて。

 

だから、殆ど初めての、兄貴というそれとの思い出に、オールマイトは思わずそう言ってしまった。

 

「でもさ・・・・」

「転夜君、君は時々、自分がとても大人みたいな顔をするけれどね。確かに、君はしっかりしてるけど。」

 

君は、まだ子どもなんだ。だから、それでいいんだよ。

 

転夜は少しだけ困ったような顔をして、その後に、画面に顔を近づけた。

 

「・・・・・遊んでくれる?」

「うん、そうだ、ヤギの人形を持っていこうか!付属の奴以外にも、色々あるから、今度買いに行こうね。」

「ヤギなんてあるんだ。」

「あるよー、ゴリラもあったよ。」

「ゴリラもあるんだ。」

 

転夜は少しだけ不思議そうに笑った後に、ほっぺたを赤くして、はにかむような顔をした。

 

「おっちゃん、あのね。」

「うん?」

「プレゼント、ありがとね。あのね、すっごく嬉しかったよ。」

 

真っ赤な頬に、あどけない笑みを浮かべた転夜は、とても幼くて。それが、彼女にはとっくに過ぎ去ったいつかのように思えて。

オールマイトは、安堵するように、けれど、ひどく苦々しいものに思えてそれをかみ殺した。

 




はあ。
どうするんだ?
嬉しくはあるが。
限度があるだろうが!
でも、突っ返すのはな。
失礼だろうが、さすがに。


どうした、少年達!疲れ切った顔をして。

アシスト、どうしたんですか、急に。
いや、今をときめくヒーローたちが道ばたで顔をつきあわせているから気になって。どうしたんだ?
・・・・僕達、成人したじゃないですか?
そうだね、あ、デク君に、ダイナマイト、焦凍も、おっちゃんが成人祝いにおいしいご飯屋につれてってくれるって。あと、オールマイトのおっちゃんも。
うわあ、嬉しいなあ!
ん、楽しみにね。で、どったの?

その、実は。
実は、成人祝いに、それぞれ、師から成人祝いを貰ったんだが。
それが、なんというか。
お返しを考えて、値段を調べたんだけど。その。
馬鹿みてえな値段だったんだよ!

あー、まあ、腐ってもみんなプロヒーローだからね。懐的に、さもありんかなあ。何を、あー時計とかかあ。まあ、時計ならいいじゃん。おっちゃんなんてはしゃいで車とか考えたみたいだよ~ 私と、夏君とか、燈矢で止めたけど。
転夜姉、ありがとう!
いいよ~車とか、いざという時困るからねえ。時計なら、何かあっても後々処理が楽だし。貰っておいてもいいと思うよ。せっかくの一回だけのお祝いだからね。

そんなもんですかね?
大事に使うのが大前提の物だよ。あと、みんなこれから公の舞台に出るからね。一個ぐらい、ちゃんとした装飾品を持っておくのもいいことだよ~
そういうアシストは、成人祝いには何を?

家。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・家?
うん、家。オールマイトのおっちゃんに貰った。

これから、それぐらいのものを、覚悟して?
うーん、あはははははは。知ってる。あのね、下手な人気のヒーローはね、まじでとんでもないものを贈られることがあるから覚悟しておこうね?
え、何を?
・・・・・・(にっこり)
何貰ったんですか!?



その後、これを立ち聞きしていた一般市民によって、アシスト、成人祝い、家、親馬鹿、魔性の女、貢ぎ、がトレンド入りした

以前、後書きにあった転夜の異母兄、本編に出そうか、それとも番外編に置いておこうか悩んでおりまして。参考程度に知りたいです。

  • 二次創作だし、いいんじゃない!
  • 一周回って見たい!
  • 番外編で留めておけば?
  • いっそ、兄弟増やそう!
  • どっちでも
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