※5/4の12時半以前に前話を読んだ方々へ
・ヘクソンがかけるの知識を読んだのに、わざわざ同じ道を辿るのは違和感が凄かったため、該当シーンに『ヘクソンのセリフとかけるの解説』を追加しました。ヘクソンはよねさんなんかの銃に撃たれる自分を信じきれなかったということで、それを超えるために原作と同じルートを選んだ、ということにしました。
・プラスで悪役達の名前を並べたシーンは読んでいるとなんかシュールだったので表現を変えて修正しました。
読み直さなくても問題は無いですが、一応満足のいく仕上がりにはできましたので、今一度軽く目を通していただけるとより展開がわかりやすくなるかと思います。
あー……落ちてる。ものすごい勢いで、真っ逆さまに。
折れた左腕がジンジンと熱を持っていて、死ぬほど痛い。それが嫌でも現実感を突きつけてくる。
……まあ、でも、いっか。
ひまわりは、ちゃんと救えたしな。俺みたいなイレギュラーは、むしろこの世界から消えた方が、未来は原作通りに安定して進むんだろう。
それにしても……自分で言うのもなんだけど、さっきの俺、わりと最高にカッコよくヒーローしてたはずなんだけどな。
こんな情けない有様で空を切っているとは……。
でも…………あー、だめだ。
やっぱり、死ぬのは怖い。怖すぎて、目なんて絶対に開けられない。
風の音がやけにうるさい。「かける!」ここ、相当高いところだったよな。あと何秒で……いつ、地面に激突するんだろうか。怖い。
……でも、待てよ?
よくある異世界テンプレ展開みたいに、ここで死んだらパッと元の世界に戻れたりする可能性も……ある、よな?
もし戻れなかったら……その時は、まぁ……来世に期待、するか……。
はぁ……マタ、ごめん。ちゃんと『待ってる』って伝言したのに……。もう会えないのか。
こんなことなら、変にカッコつけずに告白の言葉をちゃんと伝えておけばよかった。
もし過去に戻れるのであれば、絶対に告ろう。後悔しかない。「かける!」
なんか風の音に混じって、幻聴も聞こえてきた…ん?
「かける! もう何回も呼んだのに、ずっと目を閉じたままで全然気づかないし! やめておくれよ、焦るじゃないか!」
幻聴にしては、あまりにも鮮明で、聞き馴染みのある勝気な声。
俺が恐る恐るゆっくりと目を開けると――。
そこには、俺と一緒にものすごいスピードで自由落下している、マタの姿があった。
「え、は? マタ!? え! す、好きです!」
直前までの強烈な後悔の反動からか。俺の口は脳を通す前に、目の前に現れた彼女へ向かって咄嗟に告白の言葉を叫んでいた。
「えっ!? い、いや、し、知ってます……っ! ぷ、ぷろぽーず、されてるし……」
マタが顔を真っ赤にして何かを言い返してきたが、後半はボソボソと呟いていたため、激しい落下の風切り音にかき消されてよく聞こえなかった。
(なに突然告ってんだ俺ぇぇぇ!!)
直前まで死ぬほど後悔していたせいで、本人が目の前に現れた瞬間にうっかり想いが暴発してしまった。恥ずかしさでそのまま地面にめり込みたい。いや、このままだと物理的にめり込むんだけど。
「な、なんでここにマタが!?」
激しく落下しながら、俺は大声で尋ねた。
「ギンギンが、かけるが大変なことに巻き込まれてるって言うから! 急いでダークの残党のゴタゴタをある程度片付けて、飛んできたんだよ!」
彼女は扉を強引にくぐって俺のもとへ来てくれたのだ。
「少し遅かったみたいだけど……でも……間に合った!!」
そう言って、マタは空中で両手を力強く伸ばし、俺の手を握ろうとした。
しかし、ヘクソンに折られた俺の左手は、力なく風に揺れているだけで握り返すことができない。不自然に曲がった俺の左腕を見た瞬間、マタの表情がサッと曇った。
「また、無茶しているんだね……」
マタは痛々しいものを見るような瞳で、俺の無事な右手だけを両手でそっと、けれど大切に包み込むように握った。
「もうかけるの身体は、き、君だけのモノじゃないんだから……大事にしておくれよ……」
「ん? あ、あぁごめん。ちょっと相手が容赦なくて……」
(君だけのモノじゃないってなんだ?)
と、ギンギンの『プロポーズ事件』を全く自覚していないかけるは不思議に思いながらも、素直に謝った。
マタは俺の右手を労わるように、空中で優しくスリスリと撫でてくれる。
『あのー、2人の甘い空間に入ってるとこ悪いんだけど……落ちてるよ?』
突然、マタの背後から銀色の丸い顔――というか、喋る盾がひょっこりと顔を出した。
「ギンギン! お前も来てたのか!」
「王様が急にね……『マタが今すぐ行くと言って聞かんから、ついて行って守ってくれ』って頼んできてね……一応、僕も伝説の盾なんだけどね……」
便利な盾兼お目付け役として使われている自分の扱いに、ギンギンがどこか悲しそうにボヤく。
「そうだね、このままだと地面に激突しちゃうね! よし、かける! 久々だけど、いけるかい?」
マタが力強い瞳で俺を見つめてくる。
「あぁ! いけると思う!」
不思議と、どれだけ時間が空いていても、俺とマタなら問題なく呼吸を合わせられるという絶対の確信があった。
「行くよっ!」
「「ヘンジル!!」」
俺とマタの叫び声が重なる。
直後、俺たちは温かく、淡い光に包まれた。
◇
宙を舞ったひまわりを見事にキャッチし、そのまま屋上の床へと引き上げられたしんのすけ。
「かける兄ちゃん! かける兄ちゃんが……!」
「たやー! たやー!」
しんのすけとひまわりが、ポロポロと大粒の涙をこぼしながら、吹き抜けの下を見つめて絶叫している。
「端っこは危ないわよ! こっちに来なさい!」
みさえが青ざめた顔で二人の体を抱え、引き戻そうとする。しかし、しんのすけとひまわりは力一杯反発し、その場から頑として動こうとしなかった。
「だめだゾ! かける兄ちゃんがまだ……! かける兄ちゃんがまだ戻ってないゾ……!」
泣き叫ぶしんのすけの言葉に、周囲の大人たちがハッとして顔を見合わせた。
「え、かけるくん? 嘘でしょ? かけるくんは? 落ちたの……?」
先ほど、物凄いスピードで自分たちを追い抜いていった彼の背中までは見えていた。だが、その後はひまわりを追うのに全員が無我夢中で、かけるの姿を追いきれていなかったのだ。
かけるがいない。その決定的な事実に、全員が気づく。
「うそだろ……? 下に落ちたのか……?」
ひろしが血の気の引いた顔で、声をガタガタと震わせる。
「そんな……」
「嘘よ……」
「彼のおかげで、助かったのに……」
ローズ、ラベンダー、レモンの三人が、絶望に顔を歪めてその場に崩れ落ちた。
「おい! ふざけんじゃねぇ! どっかに掴まってんじゃねぇのか! おい!!」
サタケが現実を信じたくないのか、自分自身に言い聞かせるように屋上の端ギリギリに立ち、空の底に向かって必死に叫ぶ。
「本部! こちら銀座クラブ『玉王』屋上! 高校生一名がビルの屋上から落下した可能性あり!! 大至急、救急車を手配しろ!! 早くッッ!!」
よねが警察の無線通信を握りしめ、つんざくような悲鳴にも似た声で叫喚した。
「だ、だめだ……。こんな高さから落ちて、無事なわけが……」
果てしなく遠い下層を見下ろし、ひろしが完全に絶望に打ちひしがれて声を漏らす。
「ダメじゃないゾ! とーちゃんのバカ!!」
しんのすけが、顔をくしゃくしゃにして大粒の涙を流しながら大声で叫び返した。
「かける兄ちゃんは、ひまわりを救ってくれたんだゾ! かっこいいヒーローなんだゾ! ヒーローは…死なないんだゾ!!」
「たぁぁぁーっ、あぁぁーっ!!」
しんのすけの叫びに呼応するように、ひまわりも顔を真っ赤にして大声で泣きじゃくる。
「しんちゃん……」
みさえも耐えきれずに涙を溢れさせ、泣き叫ぶしんのすけとひまわりを力強く抱きしめた。
悲痛な空気が屋上を支配した、その時だった。
――深い深い暗黒の底から、淡く、しかし力強い光が灯された。
◇
眩い光が解けると、俺は緑色と青色が混ざった、色鮮やかで巨大な大鷲の背中に乗っていた。
「落ちないようにね! かける!」
そう言って、大鷲へと『ヘンジ』たマタが、力強く巨大な翼を羽ばたかせる。ビルのかなり下層まで落ちていたはずの俺たちだが、顔に当たる風が痛いほどの物凄いスピードで上空へと上昇していく。
「とりあえず屋上まで運ぶよ! ……その腕はギンギンなら治せるでしょ? 治してくれるかい?」
背中に乗る俺の折れた左腕を気遣いながら、マタが鋭い声で尋ねる。その声には「治せないとは言わせない」という強烈な圧が込められていた。
「はいはい、治しますよ姫様」
大鷲の首元に張り付いていたギンギンが、完全に諦めたような声で応える。
「その呼び方はやめてくれって言ってるじゃないか!」
『姫様』呼びに、マタが大鷲の姿のままプンプンと怒った。
「そういえばマタ、王女になったんだってな」
ダークを倒した後、彼女が一国の王女になったと聞いた時は本当に驚いたものだ。俺が何気なくそう口にすると、巨大な大鷲の背中がビクッと震えた。
「う、うん。だから、かけるもお、王子ってことになるんだけど……も、もしかして、嫌になった……?」
風の音に負けないくらい、マタのひどく不安そうな上ずった声が聞こえてくる。
「え……? 王子……? ど、どーゆー……」
プロポーズの件を知らないかけるは、完全に思考が停止した。
(俺が王子? どういうことだ? )と聞き返そうとした瞬間
「あー! あー!! 屋上着くよそろそろ!!」
俺の声を強引に遮るように、ギンギンが誤魔化すような大声を張り上げた。
「「「「「「「「おーーーい!!」」」」」」」」
「たいたーい!」
頭上から、大勢の叫び声が降ってきた。
見上げると、屋上の端から身を乗り出すようにして、野原一家やサタケさん、オカマの三人たち、よねさんが必死に手を振っていた。みんな、泣いているのか笑っているのかわからない、ぐちゃぐちゃの表情をしている。
バサァッ!
大鷲の姿をしたマタが、屋上の床に描かれた『H』のマークのど真ん中に、律儀に美しく着陸した。
直後、ポンッと煙が上がり、ヘンジルが解けてマタが元の少女の姿に戻る。俺は無事な右手を使って、ゆっくりと床に降り立った。
「かけるくーん!!」
俺の姿を見るなり、みんなが一斉にこちらへと走ってくる。
その先頭を走っていた小さな影が、弾丸のように飛び込んできた。
「かける兄ちゃーーん!!!」
「おわっ! ちょ、い”だい”い”だい”い”だい”!!」
しんのすけが俺に思いっきり抱きついてきたのは嬉しかったが、よりによって綺麗に折れた左腕側にしがみついてきたため、えげつない激痛に襲われて俺は思わず悲鳴を上げた。
「お、おぉっ! リフトつけなきゃ! リフトつけなきゃ!」
俺の不自然に曲がった腕と悶絶する姿を見て、しんのすけが慌てふためきながらわちゃわちゃと飛び跳ねる。
「「「それをいうならギプスだろ(でしょ)!!」」」
みさえさんと、ひろしさんと、俺のツッコミが、青空の下で綺麗にハモった。
「そ、そーともゆー…」
ポカンとするしんのすけを見て、張り詰めていた空気が一気に緩み――屋上は、安堵の涙と温かい笑い声に包まれた。
「ほんとによかった…よかったよ…! かけるくん」
ひろしさんが涙ぐみながら、うんうんとうなずいている。
「無事でよかったわ…ひまわりを助けてくれて本当にありがとう…! それにそっちはマタちゃん…よね…?」
みさえさんが、俺に感謝を伝えながら、俺の横で体を支えてくれているマタの存在に気づいた。
「お久しぶりです。みさえさん、ひろしさん、しんちゃん、ひまわりちゃん。あの時はありがとうございました。別れも言わずに帰ってしまってすみません…」
マタが、ダークたちとの共闘のことに感謝を伝え、深々と頭を下げて謝る。
「いいのよ! また会えて嬉しいわ!」
みさえさんが明るく笑う。
「おー! マター! マタ会えた!」
しんのすけもお尻を振りながら駆け寄ってきた。
周りの人たちは、突然大鷲が現れて人に戻った謎の人物に目を丸くしている。野原一家の知り合いなのだろうということは見てわかるが、みんな「?」という顔だ。その疑問を、サタケさんが直接口に出した。
「かけるを助けてくれたんだよな。ありがとう! で、かける。この子は誰だ? もしかして…これか?」
サタケさんがニヤニヤしながら、俺に向かって小指を立ててみせる。
「なっ!!」
俺は一気に顔を熱くした。もう互いに好き同士であることは、さすがの俺でもわかっている。だが、まだちゃんと付き合ってはいないのだから、「まだ…! 違います…」と答えようとした。
だが、またしても俺の言葉を遮り、元凶たる盾が口を開いた。
『彼の正妻です』
あっけからんと、とんでもないことを言い放つギンギン。
「は? お、おまえっ!」
突然の爆弾発言に俺が目玉を飛び出させていると、マタの方から声がした。
「は、はいっ…」
見れば、マタが顔を林檎のように真っ赤にしながら、もじもじと頷いているではないか。
(え? は、はい? はいなの!? YES!? どゆこと!!)
俺の脳みそは完全にショートしたが、一周回って逆に恐ろしいほど冷静になった。
(……うん、ひとまず置いておこう。よくわからんっ)
周りの大人たちが「おぉ〜っ」「やるわね」「見る目あるな」「だってカッコいいものっ」と冷やかしてくるが、無視だ無視。
「とりあえず、みんな無事でよかったです」
俺が強引に話を逸らすと、「いや、こっちのセリフだよ!!」とよねさんが食い気味に突っ込んできた。
「本当に落ちちゃったかと思って通信まで入れたんだぞ! もう救急車きちゃうわよ!」
叫ぶよねさんだったが、すぐに表情を緩め、
「いや、救急車が来ようがなんでもいいか。無事でよかった」と、俺に手を差し出し握手の合図をしてきた。
「はい! ナイスショットでした! よね…いや、グロリアさん!」
俺が左腕を庇いながら右手で握手を返すと、グロリアさんは照れながら「フッ、お安い御用よっ」と、どこかズレたハードボイルドなポーズを決め、両手で髪をふぁさぁと掻き上げた。
俺とよねさんが握手しているのを見て、サタケさんが俺のダラリと垂れた左手に気づいた。
「その腕…アイツにやられたのか?」
サタケさんが見つめる先には、よねさんに殴られたであろう、後ろ手で手錠をかけられてダウンしているヘクソンの姿があった。
「ガキの腕を折るなんざ考えられねえ!同じように、アイツの両腕もへし折ってやるッ!」
サタケさんの巨体から、えげつないほどの殺気が立ち上る。
「いやいいですから! そんなことしなくていいですから! あいつはもう刑務所から出れないでしょうし! もういいですよ! てか俺は片腕なんで! 両腕じゃないですよ!」
俺が必死に叫んで止めに入り、なんとかサタケさんの暴走を食い止めた。
そこで、ふざけた盾がプカプカと俺に近づいてくる。
「じゃあ、その腕治すから、ほら握って」
俺はギンギンをジロリと睨みつけながら、その持ち手を掴んだ。折れた腕を包み込むように暖かく気持ちのいい光が溢れ出したが、俺のイライラは治らないみたいだ。
(そ、そんな睨まないでよ! あとでちゃんと説明するから!)
頭の中にギンギンの念話が響く。
(ちゃんと俺が納得する内容じゃなかったら、キンキンに『お前の裏側に錆びがあった』って言いふらすからな)
俺がドス黒い念話で脅すと、(な、なんてこと言うんだ…! 僕は伝説の盾だよ!? 錆びなんてあるわけ…!)と喚き散らしてきたが、無視する。
そこに、オカマ3人…いや4人が声をかけてきた。
「なんかえっちな光じゃない?」
「すごいわねぇ、盾が喋ってるわ」とローズさんとラベンダーさん。
「治癒する光ね、すごい力だわ」
ひまわりの中にある玉を検知できるレモンさんは、ギンギンの放つ神秘的な力にも少し反応しているようだった。
「あら、それもしかして伝説の盾かしらぁ!」
聞き慣れない声の主は、長年玉を取り上げられてすっかりオカマ化した魔人ジャークだった。
(え? だれ?なんかドウドウみたいな人達だね…)
と念話してくるギンギン。マッピルーマの住人から見ても、ドウドウみたいな濃い人種がやってきてちょっと引き気味である。
「ギンギンを知ってるんですか?」
とマタが問う。
「いや、詳しくは知らないんだけど、聞いたことはあるわ。アタシを封印してたハニワと魔ン棒みたいなもんでしょ? 居るってことは、ダークが暴れたのかしら?」
「ダ、ダークを知ってるんですか!?」
封印という物騒な単語と、ダークの名前を口にしたジャークを、マタが一気に警戒する。
「あーあー、大丈夫よ、そんな警戒しないでぇ? アタシはもう魔力もすっからかんだし、悪いことするのはもうこりごりっ! これからはローズたちのお店にお邪魔させてもらうのよーん!」
ジャークは朗らかに笑い、こう続けた。
「ダークは昔の付き合いで知ってるけど、アタシ、アイツキラーイ。汗臭いしぃ、所詮アタシの二番煎じでアタシに一度も勝てなかった癖にプライド高いし。倒されたんだったら嬉しいわぁ」
なんの気なしに答えるジャーク。
(へー…、言われてみれば確かにジャークとダークって名前似てるけど、面識あったのか。しかもダークが勝てないって、ジャークの全盛期はどんだけヤバいんだ……)
今のヒゲ面オカマ状態からは一切想像ができず、逆に怖いわ、と俺は内心震えた。
「へ、へぇ、そうなんだ……」
横を見れば、マタも俺と同じようにドン引きして少し怖がっている様子だった。
まあともあれ――。
俺はギンギンの光で徐々に痛みが引いていく左腕を感じながら、大きく深呼吸をした。
怒涛の展開で一時は死を覚悟したが、まあ、なんとかなった……のか……?
しんのすけとひまわりが笑い合い、ひろしさんとみさえさんがそれに寄り添い、サタケさんやオカマたち、よねさんが賑やかに言葉を交わしている。
その輪の中に、マタがいて、俺がいる。ついでに盾も。
どうにか救い出すことができたこの温かい未来の景色に、俺は心の底から深い安堵の息を吐き出した。
ふと、顔を上げて空を眺める。
青い空、良い天気だ。
澄み切った空気が肺を満たし、全身の疲労感すらも愛おしく思えるほどの達成感が、静かに、そして確かに胸の奥へと広がっていった。
なんか余裕を感じる。これが正妻か…
盾ヒーラー便利ぃ。
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