特派トレーラー内
「すみません、ロイドさん、セシルさん」
俺はカレン達と別れた後、セシルさんとノネットさんから携帯電話に大量の着信が来ていたため、先ほどの出来事を含めて報告したいと言われ、政庁に呼ばれた。
途中でロイドさん達にトレーラーへ拾われ、そのまま政庁へ向かった。
「本当ですよ。黒の騎士団の騒ぎで昨日のレポートを手伝わせて朝方までになったのは申し訳ないけど……でも、だからって無許可でナイトメアに乗ったのは」
「あは〜。しかも相手はブリタニア軍のサザーランドを、旧式の無頼で倒すなんて……しかもそれを正直に僕達やエニアグラム卿、さらにはコーネリア総督にまで報告するなんて。枢木君と言い、君達は正直さが売りなのかな?」
「ロイドさん! そんな言い方は」
「今回の件で、またスザクにあらぬ嫌疑を掛けられる可能性もありました。それに恩人であるノネットさんを裏切るような行為だけはしたくなかったので」
こんな事をしても、言い訳にはならない。
せめて俺は、ブリタニアの敵ではないことだけでも報告する。
その後のことは……
「政庁に着きました。とにかくロイドさん、余計な事を言って心象を悪くするような真似だけはしないでくださいね」
「あれ、僕そんな事言った事あるかな?」
「教えて差し上げましょうか?」
「いえ、遠慮します」
笑顔の圧が怖いセシルさん。
キレるカレンやノネットさんよりも怖いと思ったことは黙っておこう。
政庁へ移動し、会議室に入ると――
「よぉ、随分と派手にしたそうだな、トモヤ」
「エニアグラム卿、すみませんがエリア11を統括しているのは私です。ここからは口出ししないようお願いします」
会議室に居たのはノネットさん、そして現エリア11を統括する神聖ブリタニア帝国第2皇女――
コーネリア・リ・ブリタニア。
皇女でありながら最前線に立ち、そのあまりの強さから敵からは「ブリタニアの魔女」とまで呼ばれている。
さらに、コーネリア総督の副官であるギルバート・G・P・ギルフォードとアンドレアス・ダールトン。
事実上、この政庁のトップに囲まれて冷や汗が止まらない。
「さて、幾つか確認するが――貴様は黒の騎士団と関係はあるか?」
「ありません。しかし、あの時のブリタニア軍が明らかに上層部の命令無しにゲットーの住人へ銃撃をしていたため、こちらも乗り捨てられたナイトメアで無力化した後、敵にデータ解析させないため自爆させ、その後で上司のロイド卿、並びに私の保護者であり師でもあるノネット卿に事後報告をしました。
なお、こちらのナイトメアのキーには私の戦闘ログのデータがあります」
俺はそう言って、ナイトメアのキーをダールトン卿へ渡した。
「一つ聞くが、なぜわざわざこんなデータを持ってきたんだ?」
「前回、特派の枢木スザクにあらぬ嫌疑がかけられたこともあり、私も疑われる恐れがありました。先に証拠を提出しておけば、後から適当なログを出されても揉み消されないと思ったためです」
「ぷっははは! 確かに組織のトップに証拠を先に出せば、後から持ってくる連中に揉み消されはしない……以前エニアグラム卿から聞いた通り、大人しい見た目に反してやることが大胆だな」
「ダールトン卿……この場はあくまで尋問の場です。発言は自重してください」
「それでギルフォードよ、ゲットーでの戦闘は誰の指示だ?」
「はい、確認したところ、以前殿下に就任パーティの開催を申し出ていた者です。先ほど問い詰めたところ、皇族に対する地位向上と、密かにテロリストに偽の黒の騎士団を名乗らせて退治するのが狙いだったようです」
「アハハハハ〜。つまりトモヤは偶然にも、ブリタニア軍の暴走による被害を抑えるのに一役買ったわけだな。やるな〜我が弟子よ」
バシッ!
「痛っ〜! ノネットさん、肩痛めてるのに酷いですよ!」
「おぉ、悪かった。しかし、この程度でこんな怪我をするとは……もう一度鍛え直してやるか?」
「それは無いですよ!」
「エニアグラム卿! 静粛に!」
「すまんな、コーネリア総督」
「はぁ……本来なら軍法会議ものだが、結果として、お前の働きは不穏分子の確保に一役買った。よって――三ヶ月の減給、二週間の謹慎だ」
「まったく、黒の騎士団で忙しい時に、自分から軍規違反を報告する奴がいるとは……」
「業務報告は軍人として当然の義務では無いでしょうか?」
「アハハハハ! 相変わらずお前はバカ正直だな! だからいい〜。分かったろ、コイツは信用できるって」
「軍人としては甘い気もするが……もう良い、下がってよし」
「はっ。お忙しい中、お時間をいただき感謝いたします」
そのまま俺とロイドさん、セシルさんはその場を離れた。
一方その頃 租界の家 *カレン視点*
「二人ともありがとうございます。ここが兄が住んでいる家になります。正確には、エニアグラム家が所有している物件の一つですね」
私はサクラちゃんの案内で、租界にあるトモヤの家へ来ていた。
外観はさすがナイトオブラウンズの家だけあってセキュリティも外装も整っているが、家の中は外とは対照的に質素で、家具も最低限。
家というより軍人やテロリストのセカンドハウスのように見えた。
「やはり、兄はこんな質素な生活をしてたんですね」
「貴族様の家というより……」
「すまんな。ここは元々、私がエリア11で間借りするために購入したセカンドハウスでな。客人をもてなすような家ではないんだ」
背後から声が聞こえ、振り向く。
テレビで見たことがある――この人がトモヤのお母さんの姉妹であり、現在の保護者。
ノネット・エニアグラム。ナイトオブラウンズ。
立ち振る舞いからして分かる。
この人は、強い。
「おかえりなさい、ノネットさん」
「サクラ。本当にエリア11に来るとはね〜。まぁ、私に黙って来ないだけ良しとするか」
「えっと……その」
「そちらが紅月アキハさん。そしてその娘さん、カレンで良いんだよな。サクラからメールで大体の話は聞いている」
ノネットさんはアキハさんへ視線を向ける。
「二人は、トモヤやサクラがこの国で気を許せる数少ない人物だ。保護者である私が仕事柄家を空けることが多くてな……サクラにハウスキーパーとして紅月アキハさん、あなたを雇いたいんだが、良いか?」
「でも、奥様に説得が……」
「難しい交渉なら任せろ。少なくともアッシュフォード学園に在籍している間は、"シュタットフェルト家"として過ごしても問題ないよう手配するさ」
「ありがたいのですが、私はそこまで良くして頂くほどの者では……」
「なら、ここの働きでそうしていけば良い。サクラはこの歳まで、私や兄のトモヤにすらここまでお願いをした事はなかった。幼少期に世話になった人に力になりたいと、真剣に頼んできたんだ」
「サクラちゃん……」
「ノブレス・オブリージュ。無骨な私だが、その精神は持ち合わせている」
「ありがとうございます……」
「お母さん……」
ノネットさんは、ふと部屋の奥へ声を投げた。
「それで、いつまでそこで隠れて聞いているつもりだ、トモヤ」
「トモヤ……」
「俺が戻る時にノネットさんの車が見えたから、気になって……」
「ったく、自分の家くらい堂々と“ただいま”ぐらい言えば良いだろう」
「その……すみません」
「で、アキハさんが働く事と、サクラがこのエリア11に在住する事に文句は無いよな?」
「分かりました……この家の主であるノネットさんに言われたら、叶いませんよ」
「カレン嬢はどうする? ここから迎えの車を寄越すことも可能だし、メンツが気になるならあの家からでも構わないぞ」
「私は……」
確かに、シュタットフェルト家に居るよりも良い。
でも、ここに居たら、万が一正体がバレた時……
それでも、ここに居れば、トモヤの動向を把握して黒の騎士団や日本人を守ることも出来る。
学校も家もどうでもいい。私は――
「ここに居させてください……」
「カレン……!」
「やったー! ありがとうございます、ノネットさん、お兄ちゃん!」
「はぁ〜……口調戻ってるぞ。人前では兄上って……まぁいいか」
トモヤはこちらへ歩み寄り、私の前に立つ。
「その……色々ありますが、よろしくお願いします」
「……はい。精一杯、頑張ります」
よかった……お母さん……。
---
深夜 カレン視点
私はあの家に泊まることになり、皆が寝静まった。
ノネット・エニアグラム卿はすぐに政庁に戻って行ったあとだ。
「ゼロ、遅くなりました。報告があります」
外に出ようとも考えたが、ブリタニア軍の監視の可能性を考え、
ゼロから支給された盗聴防止用携帯で連絡する。
「報告を聞こう」
私は今朝の経緯、そして紆余曲折あってエニアグラム卿の家に居ることまでを順に説明した。
「確認だが、ナイトメアはカレンが操作したのか?」
「いえ、操縦は彼がしましたが……彼はPTSDのため、恐らく戦場には出られません。なので、新宿で見た“白兜”のパイロットではありません」
確かにトモヤの操縦技術はすごい。
でも……あの白兜ほどの脅威はなかった。
そもそも、あの時トモヤは新宿には居なかった。それはサクラちゃん達の証言で裏が取れている。
私の目的はここから……。
「だろうな。(あいつがあの場に居ないことは、俺も知っているからな)」
「それで、ゼロ。私は――」
「事情は分かった。黒の騎士団は今、日本人の信用を勝ち取るための大事な時期だ。そちらの周囲状況を把握するまでは、しばらくこちらの活動には参加するな」
「!? それじゃ私は――」
「落ち着け、カレン。お前は黒の騎士団の中でもずば抜けたナイトメアパイロットだ。来るべき時には、存分に暴れてもらう」
「……分かりました」
「それと――彼の監視をしてほしい」
「ゼロ、それは……彼を疑っているということですか?」
「早まるな。こちらが調べても、彼が日本人に危害を加える人物では無いことは百も承知だ。だが、日本人のハーフである彼がナイトオブラウンズのコネで居ると思う連中も多い。
彼をマークしていれば、我々の敵となり得るブリタニア側の情報が手に入る」
「つまり……彼を“餌”にしろというわけですか」
「好きに捉えて構わない。だが我々は弱者を虐げる者を裁く組織だ。逆に言えば、弱者を助ける者には裏からでも救済をする」
「それは……トモヤを守るため?」
「我々はブリタニアそのものの殲滅が目的では無い。
ブリタニアの権力を利用し悪行をする者を裁く。そのためには、彼のような真っ当な人間がブリタニア軍に居てもらわないと和平の道が無いからな」
そうか……ゼロはブリタニアを直接潰すために動いているわけじゃない。
あくまで“正義”のために。
「詳しいことは扇から連絡する。――それでは」
通話が切れる。
「……私、どうなるんだろ?」
最近まではレジスタンスとして活動していたのに。
ゼロが現れ、トモヤが帰ってきて――
私の世界が変わり始めた。
---
一方 政庁 ???
「折角ナイトオブラウンズがお越しになっているというのに、我々は何も出来ないのか……」
「ジェレミア卿。しかし今、我々が不用意に動けば余計に信用が失われます」
「分かっておる……しかし……」
「ほぉ〜。お前達が純血派というグループか?」
「あなた様は……ナイトオブラウンズ、ノネット・エニアグラム卿!」
純血派が占拠している一角。
かつて枢木スザクを前総督殺害犯として祭り上げた主犯――ジェレミア・ゴットバルトは、ゼロによるスザク奪還の際、“オレンジ”という単語で錯乱し、スザクとゼロを逃す失態を犯して以来、政庁内で信用を失っていた。
一日でも早く名誉を回復したいと願っている最中。
同じ純血派の女性、ヴィレッタ・ヌゥもこの場にいた。
「そう構えるな。お前達が名誉挽回の機会を伺っていると聞いてな……本気なのか、私がテストしてやろうと思ってな」
「あの……それはどういう意味でしょうか、エニアグラム卿」
「私はブリタニア内部である調査を行うため、このエリア11に来ている。だが私が動くと色々と目立つのでな……このエリアに詳しく、信頼できる者が居るか探るためだ」
「内部監査、ということですか?」
「まぁ平たく言えばな。コーネリアの直属の部下は九州や他で手一杯だ。そこで、お前達にその資質があるかどうか見極めようと思ってな」
「分かりました!
このジェレミア・ゴットバルト、必ずエニアグラム卿のご期待に添えるよう務めます!」
「ジェレミア卿! まだ詳細なことは何も……!」
「ヴィレッタ。我々には迷う選択肢がどこにある?
エニアグラム卿の信頼を得ることこそ、我々がブリタニア皇族に忠義を果たす道だろう」
「……分かりました。私もこの試験に参加します」
「良いね。即決で動ける者は嫌いじゃない。
では試験の内容だ――“こいつ”の出所、並びにブリタニア側が関与している連中を捕まえろ」
ノネットは二人に資料を手渡した。
そこに記されていたのは――
現在エリア11に蔓延している薬物「リフレイン」の情報だった。
C.C「エリア11に蔓延る薬物リフレイン…それらの出処全てを潰して黒の騎士団の評価を上げようと目論むルルーシュ」
ルルーシュ「おい、本編と既にルートが少し変わりだしたぞ」
C.C「うるさい男だ。 コレは二次創作だぞ、アニメと全て同じな訳ないだろ? それに映画版は…」
ルルーシュ「それを言うなよ!」
C.C「さて、話を戻そう。 だが、ブリタニア側も動いている」
ルルーシュ「あの、ノネット·エニアグラム…存在が」
C.C「一方、カレンも自身の歩む道を迷い始めている」
ルルーシュ「まさか、黒の騎士団を辞めるルートなのか?」
C.C「さぁ〜どうだろうな? 次回コードギアス 反逆のルルーシュ 彷徨のトモヤ 目指す先」
ルルーシュ「作者は気まぐれだから投稿頻度は遅いと思ってくれ、」