ある日、ブロリーは戦国時代に行われている鬼殺隊の柱合会議で物思いに耽っていた。しかし、そこに何度も聞いたことのある馴染み深い声が聞こえてきた。
厳勝「後継をどうするつもりだ?我らに匹敵する実力者がいない。呼吸術の継承が絶望的だ。極めた技が途絶えてしまうぞ。」
厳勝が心配していたのは呼吸の継承だった。弟の縁壱が様々な派生の呼吸を教えていたが、日の呼吸と月の呼吸の継承者が全くいなかったのだ。しかし、縁壱は楽観的に笑って答えた。
縁壱「兄上、私たちはそれ程大層なものではない。長い長い人の歴史のほんの一欠片。私たちの才覚を凌ぐものが今この瞬間にも産声を上げている。彼らがまた同じ場所まで辿り着くだろう。何の心配もいらぬ。いつでも安心して人生の幕を引けば良い。浮き立つような気持ちになりませぬか?兄上。」
厳勝「・・・・」
縁壱はそう答えるが、自分達の代が特別だと思っている厳勝にとっては全く面白くなく、むしろ楽観的な縁壱に気味の悪さで顔をしかめて黙り込んでいた。
ブロリー「はぁ?縁壱、呑気に何言っちゃってるんだお前は。」
縁壱「ブロリー殿?」
厳勝「ブロリー・・」
今まで黙って聞き耳だけ立てていたブロリーだったが、縁壱が言ったことに納得がいってないのか詰めよった。縁壱は不思議そうに首を傾げて厳勝はブロリーの姿を視界に捉えた瞬間更に顔を険しくした。
ブロリー「お前が教えた他の呼吸は次々と広がってるが、お前自身が使う日の呼吸とやらは出来る奴が他に全くいないだろう。それと俺のようなサイヤ人が今後も現れると思っているのか?」
縁壱「!それは・・」
ブロリー「はっきり言うがお前達兄弟は特別強い。いくら才能ある奴が産まれたとて、この俺達を超えることは出来ぬぅ!」
ブロリーの指摘通り、日の呼吸の派生である水や炎、風、雷、岩の呼吸は下の階級の者達は問題なくこなせていた。しかし、厳勝の月の呼吸、縁壱の日の呼吸、そしてブロリーの破壊の呼吸を使える者は本人達以外誰一人てして使いこなせていないのだ。
厳勝(ブロリー・・縁壱以上に神の求愛を一身に受けているお前が言ったところで説得力など皆無なのだが・・)
ブロリーと縁壱が会話しているのを聞きながら厳勝はその様子を遠目で見つめていた。彼はブロリーの事を毛嫌いしていたのだ。その為、心なしか物理的にも少し距離を取っていた。
厳勝(本当に何者なんだブロリーは。どれだけ鬼に突っ込もうと傷つかぬ体、空を自在に飛んだり爆発を起こす緑の球体を手から撃って消滅させたりする。明らかに人間の常識を覆している。私は縁壱、お前になりたくて日々精進しているが、流石にブロリー、お前になることは無理だ。一度鬼殺隊の鍛練の一貫で縁壱とブロリーが模擬戦をしたことがあったが、まさかあの縁壱が手も足も出ずに防衛一戦になるとは思ってもなかった。それを見た直後は私は胸元が解放されるような思いだった。縁壱が初めて負けたのを見て誇らしささえあった。だが、その後は縁壱以上の才覚を見せたお前に対して嫉妬した。何故この世に産まれてきたのだ?出来ることなら消えてほしい。お前がいるとこの世の理が狂うのだ。)
厳勝はブロリーの実力を手に入れることを諦めているが、それでもやはり強い嫉妬心と憎悪は彼の心中に渦巻いていたのだ。
そして縁壱を初め皆が痣を出現させているなか、ブロリーは唯一痣を出現させていなかった。それもまた、厳勝を苛立たせる原因になっていた。
厳勝(痣は技術力を向上させるが、それは所詮寿命の前借りに過ぎない。全盛期はすぐに終わる。私に残された時間は少ない・・だがブロリーはそんなものに頼らずとも至高の領域を優に超える技術力を持っている・・故に奴は老けるまでその技術を保持することが出来る・・何故お前達だけが特別なのだ・・)
厳勝は縁壱に追い付けない悔しさと嫉妬を隠しながら過ごしていた。しかし、その日の夜、厳勝は産屋敷邸を襲撃してから姿を消したのだった。
今回は厳勝中心になりましたが、次は縁壱中心の話にしようと思っています。