厳勝が鬼となって産屋敷邸を襲撃したことで鬼殺隊は壊滅の危機に見舞われた。任務で不在だった縁壱とブロリーを除く他の隊員たちでなんとか産屋敷邸の住人達を命からがら逃がすことは出来たものの、隊員が大勢やられてしまい大打撃を受けた。そして任務から帰ってきた縁壱を待ち受けていたのは他の柱達からの罵声と非難の嵐だった。
「おい継国、お前の兄が鬼になって襲撃して隊士達がほぼ殉職するというとんでもない大罪を犯したんだぞ!わかってんのか!」
「全くよ!鬼殺隊が殲滅するところだったのよ!?弟であるあんたが責任を取るべきなんじゃないの!」
「どの面下げて我々の前に現れたんだ!」
「自主切腹でもしたらどうだ!?」
縁壱「・・・・」(すまない・・皆・・本当にすまない・・)
縁壱は声にこそ出ていないものの、自分の身内がとんでもない罪を犯してしまったことは重々承知しているので非常に申し訳なさそうな表情で非難を甘んじて受けていた。その時、ブロリーが丁度帰ってきたが、現状を見て不機嫌そうに聞いた。
ビュオオオ ギュピ
ブロリー「・・お前達、何しているんだぁ?」
「ブロリー!帰ってきたんだな。お前からも言ってやれよ、こいつは重い処分を受けるべきだ。」
ブロリーも厳勝が起こした事件のことは知っていた。しかし、彼はそんなことなど微塵も気にしてはいなかった。そしてブロリーは鬼殺隊の中では一番縁壱を信用していたこともあって、集団で縁壱を批判している今の状況こそが、ブロリーの機嫌を損ねる原因だった。
ブロリー「どうやらお前達を塵ひとつ残らず消すときが来たようだな。」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
事の端末を聞いたブロリーは殺気を出しながら気を高め、緑がかった金髪で全身の筋肉を盛り上がらせて白眼となっている姿"伝説のスーパーサイヤ人"と覚醒した。彼から殺気の矛先を向けられた他の柱達は狼狽えていた。
「なっ何故我々なんだ?」
「そっそうよ!継国の兄は鬼になって裏切ったのよ!お館様の命を狙ったのよ!重罪を犯したのよ!なのにあんたは庇うというの!?」
ブロリー「・・だからなんだ?」
「「「「は?」」」」
ブロリー「だからなんだと言ったんだ。縁壱の兄が鬼になった?俺の餌食になる奴が増えただけだ。そんなことで縁壱を殺そうとするお前達が気に喰わない。」
「そんなことってお前・・!」
ブロリー「だいたいお前達がムシケラ共を殺せるようになったのは縁壱から呼吸を教えてもらったからじゃないのかぁ?技を貰えるだけ貰って後は身内が裏切ったから切腹だぁ?俺からしたらお前達がただ縁壱を利用しただけに見えてイライラしてんだよ!」
縁壱(ブロリー殿・・)
「そこまでだよ。」
ブロリーの怒りがさらにヒートアップしそうになったとき、鬼殺隊の頭主が姿を現した。他の柱と縁壱はすぐさま片足を地面について頭を垂れたが、ブロリーだけは堂々と対峙していた。
「皆、今日は来てくれてありがとう。なにやら対立があったみたいだけど双方の主張は聞かせてもらったよ。」
「!ではお館様、継国は・・」
「ブロリーの言うとおり、縁壱は我々に鬼と戦う術を与えてくれた。そんな彼を命をもって責任を取らせるのはやりすぎだ。だから死罪を与えるべきではないよ。」
「・・っ!」
「だけどねブロリー、皆の言うことにも一理あるんだ。誰かが罪を犯して行方を眩ませてしまったらその身内に責任が行ってしまうんだ。ここまで隊が危機に陥って何のお咎めもないとなると流石に下の階級の者に示しがつかない。本当に申し訳ないけど何かしらの罰は与えないといけないんだ。だから縁壱には鬼殺隊を抜けてもらおうと思っている。」
ブロリー「・・チッ!だったら俺もこんな最低な組織ぬける!縁壱がいないところなんぞに用はない!」
「ブロリー・・わかった。どうか君は今まで通り縁壱を支えて上げてほしい。」
ブロリー「任せろットォォォ!」
ブロリーが縁壱と共に鬼殺隊を抜けることを了承してこの場は落ち着きを見せた。そしてブロリーと縁壱はこの日を最後に二度と産屋敷邸に姿を現すことはなかった。
―――鬼殺隊を抜けてから僅か数週間、縁壱とブロリーはそれからも鬼を狩り続けていた。そんな中束の間の休息の間、縁壱はブロリーの事を考えていた。
縁壱(ブロリー殿、私が鬼殺隊に入ってからすぐに出会った宇宙人。あの時のブロリー殿は気性が荒くて暴れまわっていた。私が一目見て人間ではない何かだととっさに判断して一戦交えたことは未だに鮮明に覚えている。あらゆる技で傷一つすらまともに付けられずに焦燥したものだ。)
―――縁壱はブロリーと出会った時に辺りを破壊して暴れていたブロリーを止めるために戦ったのだが、無惨よりも遥かに強いサイヤ人相手には防衛するだけで精一杯になるほどの不利になっていた。
縁壱「今までお前が壊してきた所には人もいた。その命を踏みつけにして何が楽しい?命をなんだと思っている?」
ブロリー「襲ってきたところを返り討ちにしたら死んだ。その程度の実力で俺に敵うと思っているのか?」
縁壱「・・襲われた?どういうことだ?」
ブロリー「俺が力があるからという理由で武器を使ってまで俺と戦おうとする。だから殺しただけだ。」
縁壱はブロリーの主張を聞くと持っていた日輪刀の刃先を地面に下ろした。
縁壱(この者はつまり、実害を受けてたのか・・)
ブロリー「お前に指図される筋合いはない。俺は俺の意思で奴らを倒す。」
縁壱「・・貴殿の言いたいことは良くわかった。ならば私と共に鬼殺隊の道へ来ないか?」
ブロリー「はぁ?何言っちゃってるんだお前は?さっきまで戦っていたくせに正気か?」
縁壱「・・貴殿が実害を受けたのはおそらく恐れているからだろう。鬼殺隊は鬼を狩って人々を守る組織、故に貴殿の力を人々を守る為に鬼に向ける。そうすれば受け入れられる。少なくとも私は受け入れたい。」
ブロリー「・・わかったよ・・」
縁壱「!誘った私が言うのもなんだが、良いのか?」
ブロリー「勘違いするな、お前は今までの奴らとは違ったからな、単なる気まぐれだ。お前との戦いも骨があってやりがいがあった。それに、その鬼殺隊とやらがお前も含めて俺を裏切るならこの星ごと破壊し尽くせば良いだけだからな。殺すのはその時まで取っといてやる。」
縁壱(人を信用はしていないようだ。この者が暴走しないように私が見張らねば。)
ブロリー(コイツが言い出しっぺだからな、いつ裏切られても良いようにしっかりと監視しないとな。)
こうして最初はお互いに警戒から始まったのだが、共に過ごす時を重ねることによって徐々に信頼関係が生まれていき、やがて二人は良き友人となっていって今に至るのだ。
(ブロリー殿、私は貴殿と友人になれて良かった。共に鬼殺隊を抜けて私を支えると言ってくれたことは本当に嬉しかった。ブロリー殿、本当にありがとう。)
今となってはかけがえの無い仲になった縁壱はブロリーに内心で感謝するのだった。
―――そして二人は鬼殺隊を抜けては二人行動で鬼を狩る活動を続け、遂に鬼の始祖である鬼舞辻無惨と遭遇するのだった。
ブロリーと縁壱の出会いを自分なりに考えてみました。次は無惨との戦いです。