気がついたらブロリーは大正時代の日本にトリップしていた。記憶が確かなら地球にて悟空達と戦闘して敗れて太陽に叩きつけられて消滅したはずだった。五体満足だが、身体に残る疲労感と腹部についた傷跡からも夢でも幻でもないことは嫌でも理解できた。
ブロリー(ここはどこだ?・・考えてても仕方ない。とりあえずここを抜けるか。)
ブロリーが現在いるのは木々が覆い茂る森の中だった。周囲を見渡しても目に見える光景は木が映るだけで全く変わらない。その為ブロリーは一旦考えることを放棄して"ここを出ないことには何も始まらない"と森を出ることを決意したのだ。しかし、この場には道らしい道など無く、闇雲に動き回れば迷ってしまい無駄に体力を消耗するだけという結末を向かえることは容易に想像できる。だが、それはあくまで普通の人間だったらの話である。サイヤ人のブロリーは物心ついた時から強靭な肉体を持っていて更には空を飛ぶことも可能である。加えて緑の気弾を放って自分が邪魔だと思ったものは全て木っ端微塵に破壊できる驚異的な攻撃力をも併せ持っているのだ。つまりブロリーにとってはそこまでのリスクはなく、試してみる価値は十分にあるのだ。
ビュオオオ
ブロリー(・・ん?向こうの方に街みたいなものが見えるな。とりあえずそこに行くか。)
ブロリーは森の奥の方に見えた街のような集落を目指して飛んでいった。
ブロリー(思った以上に賑やかではないな。街ではないのか?)
人気は確かにあって人通りもあるのだが、もっと賑やかで騒がしくて発展している場所だと認識していたブロリーにとってここは街なのかどうかも疑いたくなる程想像とは異なる光景だったのだ。ブロリーが町中を見渡していると、数人の目付きの悪い男性と着物を着た一人の女性が此方を見てニヤついていた。最もブロリーにとってその人達は只の人間達に過ぎないと考えているため、特に気に止めることもなかったが。するとその複数人の男性と女性がブロリーを取り囲んだ。
「オイオイ兄ちゃんよォ。何ガンつけてんだァ?」
ブロリー「ガンつけてるって何だ?」
「腹立つんだよ。喧嘩売ってんのかァ?」
「逆らわない方が身のためよ?」
「まぁ俺達は懐が深くて優しいからなァ。今お前が着けてる高そうな首飾りと有り金全部出せば見逃してやっても良いぞ。」
どうやらこの集団は力ずくや脅しで所持品を奪う強盗だったようである。しかし、サイヤ人であるブロリーは、少し力を出すだけて数人の人間など簡単に捩じ伏せられる。その為ブロリー自身は全く脅威を感じておらず、ただウザさを感じているだけだった。
ブロリー「お前達にやる物も金も無い。目障りだからとっとと失せろ。」
心底面倒くさそうにブロリーは言うが、これが強盗達の逆鱗に触れた。
「人がせっかく穏便に済ましてやろうっつってんのによォ・・そんなに死にたいならお望み通り殺してやるよォ!」
「死ねぇ!!」
男達は一斉に拳を振り上げて殴りかかるが、それらを全て片手で弾いた。
ガキン ガキン
「なっ!?」
「なんだと!?」
ブロリー「何なんだぁ?今のはぁ?フン!」ドゴォ!ドゴォ!バキッ
「ッ!」
「ッッ!」
ブロリーは男達に人間にとってはあまりにも重く響く一撃を腹部にいれるとそのまま数人まとめて蹴り飛ばした。男達はそのまま凄い勢いで吹っ飛び、壁に叩きつけられて気絶した。
ブロリー「どうしたクズめ、もう終わりかぁ?つまらんな・・」
「う・・そ・・」
それを見ていた取り巻きの女性は男達があまりにも簡単にやられたことに顔を青ざめさせて震えていた。
ブロリー「おい。」
「ひゃい!?」
ブロリー「まだやるか?」
「す、すみませんでした!」
ブロリー「・・フン!他愛もない。」
女性は頭を下げると凄い勢いで逃げていった。それを見送ったブロリーはその場を後にして町中を見ることにした。
ブロリー(全く・・この俺に喧嘩を売ったのだからもう少し骨のある奴であってほしかったがな。とんだ期待はずれだった。)
ブロリーが先程の戦いに不満を抱いて機嫌が悪くなりながら歩いていると、曲がり角から飛び出した何かにぶつかった。
ドン!
「きゃ!?」
ブロリー「?」
ブロリーが衝撃があった方を見てみると、そこには着物を着た桃色の髪で毛先が黄緑になっている女性が尻餅をついていた。これがブロリーと"甘露寺蜜璃"の出会いだった。
なんかブロリーと蜜璃の物語を書きたかったのに出会い方を意識しすぎたら茶番っぽい内容になってしまいました。次回は本格的に関わらせます。