「こんにちわ~...」
珍しく、ユキオは夜に博麗神社を訪ねた。霊夢1人しか住んでいないはずの社殿だが、今夜はどうも騒がしい。
「おっ!みんな注目だぜー!!今日の主役のおでましだ!!」
「えっ」
「「「「「おーっ!!!!」」」」
障子を開けて入った瞬間、魔理沙が大声で叫ぶ。みんな各々にお酒と食事を楽しんでいたが、その一声で視線がユキオへ注がれた。
今日は博麗神社で宴会がひらかれているのだ。様々な人、妖怪、神様が同じ屋根の下でワイワイやっている。
「あらあら、あなたがユキオさんね~。話は聞いてるわよ~?」
「ちょ、幽々子さん!なんで冥界まで僕の話が行ってるんですか?!」
「ふふっ、それはねユキオさん。わ・た・し・が、あなたの事をいつも見てるからよ♡」
「紫さんどんだけ酔っぱらってるんですか!」
「「こっちきてお話しましょうよ~」」
「あー!ユキオが紫と幽々子に浮気してるんだぜー!」
「魔理沙この野郎...!」
「はいストーップ。ユキオさんが困ってるでしょ。ウブな人なんだから変に絡まないくれるかしら?」
「「「は~い」」」
霊夢はユキオの手を引いて、奥の部屋へと案内する。
襖を開けると、ちゃぶ台の上に1人分の夕食が用意してあった。
「ありがとう霊夢さん、助かったよ...」
「みんな酒癖悪いから気をつけてね。それと夕食つくってあるからちゃちゃっと食べちゃいなさい」
「おっありがと!今日は忙しくて昼ご飯抜きだったから助かるよ」
「いいのよ別に~」
ユキオが腰を下ろすと、霊夢もその正面に座った。
「あれ?みんなのとこに行かなくて大丈夫?」
「ちょっと休憩。それにユキオはおいしそうに食べてくれるからここで見ておくわ」
「なんか緊張するけど...まぁいっか!いただきます~」
ユキオが頬いっぱいにご飯を頬張る様子を、霊夢はとても嬉しそうに眺めていた。
「そういえば紫、霧の湖に引っ越してきた吸血鬼の件、大丈夫なの~?」
「幻想郷を乗っ取る計画を立てているみたいよ、頑張ってるわね」
「あらあら~それって近々異変が起きるってことかしら?」
「ええ、起こるわ。確実にね」
「今代巫女のお手並み拝見ってことね~」
「ふふっ...初めは上手くいかなくても、段々慣れていくものよ。そしてまた“あそこ”へ行きたいの」
「紫もしぶといわね。その点は心配していないわ~ ただ懸念があるとすれば――――」
「おっ!霊夢なにしてたんだよー!」
「なにもしてないわよ。奥で休んでただけ」
襖があいて、霊夢とユキオが中から出てきた。
「あらあら二人とも~奥でお楽しみだったのかしら~??」
「もっと楽しんできていいのよ、私たち邪魔なんてしないから♡」
「まったく年増妖怪はこれだから...ユキオ、私たちは気にせず飲むわよ」
「待ってくれ俺はまだ未成nウゴゴゴ...」
「...おかしいわね」
「どうしたの?紫」
「ほーら夕食つくってあげたんだからちゃんと飲みなさいよー」
「ちょ、ちょっと休憩させてくrウゴゴゴ...」
「...気のせいかしらね」
今夜は満月である。昔から満月の夜は、気分が高揚しやすいと言われている。そのせいか普段はサバサバしている霊夢も、少し積極的になっていた。
「う~...まっすぐ歩けねぇ...」
「どぉこ行くのよユキオ~もっと飲むわよぉ」
「明良~かまってくれだじぇ~!」
「ま、魔理沙、俺は明良じゃなくてユキオだよ~...」
「ユキオさぁん♡いまから冥界でいいことしましょうよ~」
「だめよ~ユキオさんは私とスキマれ一緒に寝るの~♡」
「ちょっとぉ!わらしのユキオに手をださないれよ~!」
「「「よく言っらぁ~!!」」」
「れ、霊夢さぁん~」
「よしよし他の女に囲まれて辛かったわよねぇ」
「いんや...みんな酒臭くてもうオロロロロ...」
「「「「ぎゃあああああ」」」」
春が終わり、初夏の様相を呈してきた幻想郷。異変の足音が近づいてくる中、霊夢とユキオはますます親密?な関係になっていた。
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