インフィニット・クラウドブレイカー   作:サバ缶みそ味

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MF文庫版のキャラデザ、オーバーラップ版のキャラデザ、どっちというとオーバーラップ版派です。


とくにブルマ(オイ


12、地雷踏破

 突然現れた一夏の第二の幼馴染、凰鈴音。箒の時といい一夏の幼馴染はみんなアグレッシブなのだろうか。

 

「なっ、幼馴染だと!?私が幼馴染ではないか!」

 

「さー戦いのゴングが鳴りました!先手、モッピーの攻撃。しかし一夏氏には響いていない‼実況はアンジー・ミグラント、解説はレックス・ロスチャイルドさんでお送りいたします」

 

 いつの間に復帰したアンジーがこの状況を楽しそうに眺める。

 

「あぁ、箒は小4の終わり頃に引っ越したから知らないんだよな。小5の始め頃に転校してきて中2の中頃に国に帰ってたんだ」

 

 

「あーっと!!ややこしいぞこれは!一夏氏によるややこしい関係が露見したーっ!これはどう思われますかセシリアさん」

「えっ私!?えーと……入れ違い、ということですわね。それよりも!私を放っておくなんて許せませんわ!そうですよね、レックスさん!!」

「俺にキラーパスしないで」

 

 

「しっかし鈴、何格好つけてんだ?すげえ似合わないぞ?」

 

「んなっ!?なんてこと言うのよ、アンタは!」

 

「2組のパワーゴリラこと凰鈴音氏、照れ隠しだー!ツンデレは面倒くさいというが……これはちょっといい雰囲気だぞー!」

 

「ぐぬぬ……」

 

 箒、ここはぐぬぬと言ってる場合ではないのでは? 

 

「あ、あのー、凰鈴音さんだっけか?そろそろ教室に戻った方がいいと思うんだが……」

 

「はあ?アンタ誰よ?あぁー……あんたが2番目の男ね。私は一夏に用があるの、邪魔しないでくれる?」

 

 わあ、敵意むき出し。この人も一夏に夢中な人なんだな。一応忠告はしてやったが……もう遅いか。

 

 

「おい」

 

「今度は誰よ………あいたっ!?」

 

 振り向いた凰さんの頭に出席簿チョプの一撃が入った。彼女の後ろにギロリと見つめる織斑先生の姿が。

 

「もうSHRの時間だ。教室に戻れ」

「ち、千冬さん……」

 

 さっきまで威勢がよかった凰さんが血の気を引いたような表情に一変。まるで蛇に睨まれた蛙、虎に睨まれた子鹿のようだ。

 

「織斑先生と呼べ。さっさと教室に戻れ」

「は、はい……また来るわよ!逃げないでよ、一夏!」

 

 ギロリと織斑先生に睨まれ凰さんは猛ダッシュで2組の教室に向かっていった。

 

「あーっと、第1ラウンドはドローっ!!流石は泣く子も黙る鬼教官!一夏のお姉さんには敵わなかったかー!」

「ふ、ふん……おい一夏、鈴とはどう親しいのだ?」

「一夏さん!どういうことか説明してもらいますわよ!」

 

「なあレックス、なんであいつ格好つけたんだ?」

 

 

「……みんな、とりあえず席につこっか」

 

 

 その直後、織斑先生の出席簿チョプが5連続ヒットした。

 

 

________

 

 

「それで、一夏の特訓はどうなったんだろうな?」

 

 放課後、第2アリーナにてISを展開して共に射撃訓練をしているアンジーに尋ねる。

 

「あー……一応な、『相手のISは近接格闘が主流だから剣道で長けてるモッピーが特訓にはいいかも』って言ったんだけどな?」

 

 それを聞いて張り切りだした箒が直ぐ様訓練機『打鉄』の使用許可を得ようと猛ダッシュで職員室へ向かったのだが、その直後にセシリアが操縦を教えるとかで一夏を第3アリーナへと連れて行ったという。

 

 すぐには訓練機の使用許可が下りないだろうと考えていた一夏とセシリアだったが(山田先生の粋な計らいにより)使用許可を得た箒が合流。

 一夏に近接格闘戦を叩き込みたい箒、二人っきりで操縦訓練をしたいセシリア、お互い主張を譲らないこととどっちつかずの一夏が原因で混戦と化して特訓どころではないという。

 

「まだ時間があるんだから話し合ってスケジュールを組めばいいのにな……」

「あの修羅場じゃ無理だなー。ところでレックス、射撃精度いいじゃん」

「テキサスの射撃場でやり込んでた。あとはクレー射撃やサバゲの部活の助っ人とかやってたからな」

 

 しかしながらISのAIによる補助が効いてるとは云えどガトリングは撃ったことはないものだからブレが僅かに目立つ。アンジーが使っているアサルトライフルとは使い勝手が違うのでいち早くガトリングに馴染んでおかねば。

 

「っとアンジー、そろそろ相川さん達が来る時間だ」

「よっしゃ、次は整備か」

 

 

 ピットへと戻り更衣室で着替えてアリーナを後に。待ち合わせ時間に遅れないよう整備室へと向かう。整備室の前には既に相川さんが待っいた。

 

「二人共待ってたよ!」

「おまたー、今来たとこー」

「アンジーくん、それはこっちのセリフでしょうが」

「相川さん、手伝ってくれて助かるよ」

 

 俺のクラウドブレイカーとアンジーのAliciaは他のISと少し構造が異なる為整備はややクセ強の代物。Raven's Nestの社員やキャロルがいれば楽なのだがここは学園のため呼ぶのにも些か難色を示す。

 俺とアンジーが整備を出来るようになればいいが一人では時間がかかる。キャロルから『信頼できる人と協力して整備を学べ』と許可を得たので1組の整備科志望の生徒に声をかけてみたのだ。

 中でも入学してからフレンドリーに話しかけてくれた相川さんが協力してくれて幾人かのクラスメイトが名乗り出てくれた。

 

「いいのいいの!クラスメイトなんだから助け合いは大事だよ。それにRaven's Nest社のISって独特だから整備のしがいがあるって張り切っちゃってる人もいるんだから」

 

 整備室に入ると布仏さんをはじめ矢竹さん、谷本さん、鷹月さん、四十院さんと整備科志望以外の生徒も何人か来ていた。

 

 

「わあ……沢山いるなぁー」

 

「まあね、織斑くんのISの整備を手伝いたかった人もいたんだけど……」

 

 相川さん曰く、一夏に近づきたいが箒とセシリアの譲らぬ譲らせぬのせめぎ合いとどさくさに乱入する凰鈴音の誰にも近寄らせぬ威圧感という三つ巴の争いに誰しもが近寄り難い状況になっているという。

 

 

「はっきり言わない一夏が悪いな。クラスで力を合わせる行事なんだから後で話し合って決めさせよう」

 

「よっ、さすが1組のママ!心強いよー!」

 

「だからママじゃないって。ちゃちゃっと整備の練習するぞ」

 

「待ってました~!あんじぃの『Alicia』はやく見せて見せて〜」

 

 ノリノリではしゃぐ布仏さん。整備のお誘いにいの一番に乗り出したのは言わずもがな布仏さんだった。

 

 待機形態から展開、少し屈んだ状態で装着解除させる。アンジーも同じように装着解除させると布仏さんが『Alicia』へトテトテと駆け寄り逆関節の脚に頬擦りをした。

 

 

「うへー、生の逆関節だ〜♪」

 

 

「あ、あのー布仏さん?」

 

 布仏さん、ちょっとどこかのおじさんみたいになってますよ?相川さん達も珍しい反応をしている布仏さんに驚いているし……

 

 

「レっくん、逆関節のISはねー、めったに見られない激レアなんだよ~!逆関節の脚は見た目が変わってるけど操縦者の足は直立のまま内部装甲で守られてるんだー。それ故に逆関節のISは他のISより脚が長くて少し大きめに造られているんだよー!あんじぃが言っていたとおり、エネルギー消費量が良くて空中戦にも長けてるんだけど逆関節の感覚って普段の足と違うから馴染むには長い時間を費やさないといけないの。それが原因で逆関節のIS操縦者はかなり少ないんだよ。だからあんじぃはと~ってもすごい操縦者なのがよく分かるんだ〜。はあ〜逆関節を入学早々に拝めれるなんてラッキーだな〜!」

 

 

「す、すごい…!のほほんさんが早口で語っている!」

「いつもにこやかなのほほんさんがこんなにも興奮してるなんて……激レアだわ!」

 

 

「あの、俺じゃなくてAliciaを褒めているのかな?」

 

「まあよかったんじゃないか?ほらほら、さっそく整備に取り掛かろう」

 

 まずは各パーツのデータを見るためにタブレットで確認する。うん、難しそうな数字やらなんやらが沢山あって目が眩みそうだ。

 

「電装系は……ふむふむ、ここのパーツはこないだの授業の応用をすればいけるねー……装甲は……ほほー……他社のパーツを転換転用も可能、と……」

 

 布仏さん、クラウドブレイカーとAliciaの全体のデータを見ながら直ぐに理解したかのように頷いている……しかもあっという間にデータを見終わってしまった。

 

「すごいな、布仏さん」

「えっへん、整備は大得意なんだ〜」

「俺もこうしちゃいられない。しっかり覚えないと……教えてくれないか?」

「もちろんだよ〜、他のISと少し仕組みが違ってるけど応用すれば問題ないよ。まずは基本的なところからやっていこっか!」

 

 布仏さんのアドバイスを聞きながら皆と協力して学んでいった。

 

「あんじぃ、またAliciaを見せてね〜♪うへへー、今度は逆関節の写真を撮りたいんだ〜♪」

「のほほんさん?ちょっと息が荒いっすよ?」

 

 時折布仏さんがおじさんみたいなるのは見なかったことにしておこう。

 

_____

 

 

 一夏から『助けてくれ!』とのメールが届いたのは整備の勉強を終えてアンジーと夕食を食べながら明日のトレーニングの打ち合わせをしている最中だった。内容はなんとなく分かるのだが、頼まれたからにはやってあげないと。

 

「一夏のやつ、今度は何をやらかしたんだか……」

「いやははは、生粋のトラブルメーカーってやつ?見てて楽しいがな」

 

 

 食事を済ませてトラブルが起きた場所である一夏の部屋へと向かう。ああ、ドア越しから騒がしい声が丸聞こえである。面倒くさいなー……

 

 

「おーい一夏、入るぞー」

 

 ノックをしてからドアを開けると………

 

 

「だから、あたしも一夏と幼馴染なんだから部屋を替わってって言ってるでしょ?」

「ふ、ふざけるな!そんな理由で私と換わる必要があるのか!」

 

 

 ボストンバッグを持ってる凰さんと声を荒らげてカンカンに怒っている箒が口論しており、一夏はどうしたらいいか狼狽えていた。

 

「れ、レックス!アンジー!助けてくれ!」

「一夏、これどういう状況なんだ?」

 

 一夏が言うには、いきなり部屋に凰さんが押しかけてきて箒に部屋の相手を替われと言ってきたとのこと。いきなりのことで箒が怒り荒ぶり今の状況に至ったという。

 

 

「あのなぁ、こういうのはちゃんと言ってやらないと」

「だけどさ……」

「だけどと言ってる場合ではないぞ?一触即発の事態になりかねん」

 

 まああの修羅場の中に割り込むのは勇気がいるけどなぁ……

 

 

「まあまあ2人共落ち着いて」

「む、またあんた?私と一夏の邪魔をしないでくれる?」

「レックス!お前も言ってやれ!ここは私の部屋なんだぞ!」

 

 おうふ、もう圧で怖い。しかしここで退いては喧嘩を止めることはできない。

 

「二人共さー、いっそのこと3人で部屋使えば?」

 

「断る!」

「絶対に嫌!」

 

 アンジー、火に油を注がないで。

 

「部屋割は先生が決めたことなんだからさ、一応先生にも声をかけた方がいいんじゃないか?」

 

「うっ……た、確かにそうだけど……」

 

 凰さんが顔を青ざめてたじろぐ。ここの寮長は織斑先生だからな。

 

 

「それに部屋を替えるにはその部屋の生徒の同意と寮長の許可が必要だろ?勝手に押し付けたら誰だって嫌がるぞ?」

「ああもう!わ、悪かったわよ…!」

 

 凰さんはしょぼくれて折れた。一応は理解してくれたようだ。箒といいどうして一夏のことになると躍起になるのだろうか。もしや凰さんも一夏にホの字か。

 

 

「一夏、ここはパワーゴリラを煽てて機嫌をとれ」

「あ、アンジー?どうすればいいんだ?」

「いいから、何かこう適当に褒めりゃいい。チョロそうだからな」

 

「わ、わかった……な、なあ鈴。あの約束を覚えてるか?」

「約束…!一夏、覚えてたの?」

 

 

 落ち込んでいた凰さんが一転して上目遣いでもじもじしながら一夏を見つめる。

 

「ああもちろん覚えてるぜ!」

 

「ほんとに……!」

 

 

「よーし、機嫌が良くなってきてるぞ。モッピーといい、チョロいなー」

 

アンジー、あとで話がある

 

 

 箒がアンジーの頭を鷲掴みしてるのは見なかったことにしよう。

 

 

「あれだろ?鈴の料理の腕が上がったら毎日酢豚を――」

 

「そ、そう。それっ!」

 

「―――おごってくれるやつか?」

 

「――――――は?

 

 

 もじもじと照れていた凰さんの表情が眉間にシワを寄せて怒気溢れ怒りの表情へと豹変する。あ、こいつ選択肢を間違えやがったわ。

 

「だから、鈴が料理出来るようになったら、俺にメシをご馳走してくれるって約束だろ?」

 

 ニコニコと話す一夏は更に怒りが込み上がりぷるぷると震えている凰さんに気づいていない。

 

「いやしかし、自分の記憶力には感心するなー」

 

 

「おーっと、一夏のやつ地雷を更に踏みまくったぞ」

 

 

 そして案の定、怒りが爆発した凰さんは一夏を引っ叩いた。

 

 

「え……り、鈴?」

 

 

 いきなりビンタされ目をぱちくりする一夏。一方の小刻みに体を震わせている凰さんは怒りの眼差しで一夏を睨み、その瞳には涙が浮かんでいた。

 

「最っっっ低!!女の子との約束を覚えていないなんて!男の風上にも置けないヤツ!犬に噛まれて死ね!」

 

 凰さんはボストンバッグをひったくるように持っていきドアを蹴破る勢いで出ていった。部屋は静まり返っている。

 

「……ま、まずい。鈴を怒らせちまったか」

 

「一夏、馬に蹴られて死ね」

 

「ほ、箒っ!?なんで⁉」

 

 

 そりゃあ箒も怒るなこれは。一夏の地雷を踏みまくるその悪いクセを治さないと………治るかこれ?

 

 

 

_______

 

 

 その翌日、クラス対抗戦の日程が決まり一回戦は1組対2組という結果になった。対戦相手も決まり、各クラスの対戦相手の攻略の研究や練習もより綿密になりクラス全体の士気も上がっていった。

 

 無論、俺達1組も他のクラスに負けないようやる気まんまんに整備やら作戦会議やらとやり込んでいる。しかしながら一夏はセシリアと箒に振り回されっぱなしである。

 

 特訓のスケジュールを組んだり、俺とアンジーと一緒に特訓して喧嘩がないように抑えてはいるのだが俺達がいない時はどちらかが割り込んで特訓どころではなくなってしまう。そして今日も一夏は二人に追い回されていた。

 

 

「いやー、見てて面白いな。これ特訓になるか?」

 

「いやどう見ても一夏が必死に逃げ回ってるだけだが」

 

 俺とアンジーは観客席で逃げ回ってる一夏を眺めていた。

 

「アンジー、相手の情報は?」

「もちのろん、バッチリ集めたぜ」

「じゃあ俺達で一夏に教えてやるか」

 

 とりあえずセシリアと箒がいない時に対策を立てた特訓をしよう。そうでなければ一夏は身につかないからな。

 

「ところでレックス、クラウドブレイカーが形態移行する前に無人機が襲撃してきたんだってな?」

 

 あの時のことか……いきなり襲撃された時は本当に焦った。未だにどこから来たのかはわかってはいない。

 

「その話を知ってるってことはアンジーのところにも出たのか?」

 

「ああ、Aliciaのテスト操縦をしている最中にな。あの時はイタリアにいる世界大会第2位の人がいたからなんとか対処できたが死ぬかと思ったぜ」

 

 アンジーのところにも謎の無人機が襲撃してきたのか。まさか……男のIS操縦者を始末しようと誰が企んでいるのだろうか。

 

「アンジーも襲撃された…ということはまさか一夏も狙われてる?」

 

 この流れで行くと次の狙いは一夏となる。まさかまた無人機が襲撃してくるのか?

 

「「いやいやいやいや」」

 

 俺とアンジーは首を横に振る。ここはあらゆる手から法律で守られてる学園だ。セキュリティも万全だし、なんならシールドも貼られているとか。

 

「まさか、まさか学園に襲撃するわけないよな!」

 

「学園に襲撃するなんて……それやらかしたら相当頭イカれてる奴だな!」

 

「「あはははははは!」」

 

 

 俺とアンジーはしばらく笑いあったが次第に笑いが失せて不安になってきた。

 

「い、いないよな?流石にいないよな?」

「あ、ああ……そうであってほしい。マジでそうであってほしい」

 

 何事も起きないであってくれ。俺達はそう願った。

 

 

 





メインヒロインだけでなく、オーバーラップ版の矢竹さんと四十院さんのキャラデザがささる

とくにブルマ
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