血塗られた世界で、生きる私は。 作:ワリバシ
原作で明かされている部分は調べて書き、原作でも分からない部分は妄想して書きます。そのため、原作キャラの口調や言動が違う!と思った方は指摘していただけると嬉しいです。
暗い…暗い…暗い…
どこまでも暗く、どこまでも深い。
少し、温かい、全身がぬるま湯に使っているような、そんな感覚。落ちているのか、上がっているのか、それすらも分からない。
そういえば、どうしてこんな所に居るんだっけ
──分からない。
どうしてこんなにも飢えて居るんだっけ
───分からない。
どうしてこんなに……苦しいんだっけ。
分からない。けど嫌だ。
奪われたくない!
傷つきたくない!
逃げたくない!
死にたくない!
なら……奪わなきゃ、傷つけなきゃ、戦わなきゃ、殺さなきゃ。
────どうやって?。
私には知恵は無いけど知識はあった。ここが流星街と呼ばれていたのは知っていた。クロロと言う少年を見かけた事もあった。
──じゃあ、できる。
私にはできる、私は知っている。常識を理屈を世界を。全てをひっくり返せる、そんな力の源を。
できなきゃ死ぬ、それでも良いと思える。なら失うものは何もない!
私は!この世界のモブとしてすら存在しない私が!数千万人に一人と言われていた主人公達の才能を。
今ここで─────凌駕する。
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目が覚めた、体は動く…否、動かす。
まずは、飢えをどうにかしなくちゃいけない。私の手には緊急時用の食べかけのカビパンが握られている。
これだけじゃお腹は満たせない。
周囲を見渡す、少しだけ人がいる。隠れている人とこちらに向かって来ている人がいる。私の方に向かってくる男は大柄で筋肉質、この場所でこれだけの筋肉量なら生まれつきなのか、相当強いかのどちらかだ。まぁ、両方だろうな。
羨ましい、持って生まれたその力。今も4人の手下っぽいのを引き連れて、軽蔑の目をしながら近づいてくる。
私の前に立つとそのデカさが良く分かる。おそらく180cm以上はあるその男とその腰程度の大きさしかない私。旗から見ればどちらが勝つかは一目瞭然。
しかし私には視えている、あの男は
「よう、嬢ちゃんそのパンくれや」
その男は私の手に持っているパンを欲しているらしい。この男にとってこの程度のパンは重要では無いのだろう。恐らく、見せしめ、もしくは加虐趣味とか?。まぁ、どちらにしろこの男が私に喧嘩を売ってきているのは一目瞭然だ。じゃあ、奪われても文句ないよね?。
私は自分で作ったズボンのポッケに入れていた硝子の破片を左手に持ち、思い切り握った。痛みは感じない、そういう
「なっ、!何やってんだッこいつ!」
男達は私の突然の奇行に目を白黒させる。しかし、そんな事は構わずに、私は右手を銃の形にし男の前に突き出す。
その瞬間、空中の血は凄まじい速度で男達に向かう。
「ヒッ!」
と声をあげようとしたそばからグシャッ.ᐟ グシャッ.ᐟと音を立て5人の男がその場に倒れ込む。確認すると全員の脳天にはしっかりと穴が開いていた。
コントロールもバッチリ、初めて扱ったにしては上出来かな。なんて思う。もう、私には人を殺した罪悪感など殆ど無い。そういう
さて、命は奪った。次は何を奪おう。とりあえず所持品でも漁ろう。そう考え、この男達が持つ持ち物を全て剥ぎ取り、使えそうなナイフや手軽な干し肉等を手に入れた。他にもパンや草を持っていたがそれはその場で全て食べた。持ち運べる物が無かったし何よりお腹が空いていたから。
戦利品の整理か終わり、次はどこに行こうかと思考しようとすると、男の声が聞こえてきた。
「凄まじいな、これは君がやったのか。」
その男はいかにも少年と言う風貌ではありながら風格が少年のそれではない、なんともチグハグな男であった。
「私がやった…だからどうしたの?」
私はこの男を知っている、でも恐怖は無い。
「俺の名前はクロロ=ルシルフル。君は?」
ただ平坦に名前を聞いてくる。恐らくこちらの情報が欲しいんだろう。
「アヤメ、アヤメ=ブルート。」
私は答える。聞かれたことだけを正確に。
「アヤメ…ね。これ?どうやってやったの?」
「私の血で…殺した。」
そう答えるとクロロは男たちの方に向かい、調べ始める。
(これは…脳天を正確に一撃で仕留めている…。小さい何かが高速でぶつからなければここまで綺麗に貫通しないし、頭ももっとぐちゃぐちゃになっているはず。さっきの血で殺した。と言うことは恐らく、血を操る念能力で自身の血を操作し、男達にぶつけた、という感じか。死体はまだ暖かく死んだばかり、しかし彼女を見るに血を流した様子はない。その事から、血を操作し流血を止め、自身の消費を抑えることもできる……って所か。良いな、欲しい。まぁ、とりあえず本人に詳細を聞いてからだな。)
男は数分考え込んだあと、私の方に向き直る。
「その力の事を詳しく知りたくはないか?」
「知りたい。」
私は奪われる危険性を知っている。しかし、それでもついていくことにした。この提案をしてくるという事は、私の情報を知り、奪いたいと思うと同時に、知識を与える事で、役に立つと思ってのことだろう。それに、この力について私は然程詳しくない。何故なら、私の知識はとても中途半端で不完全。その知識の穴を埋めるのには丁度いいだろう。利用し利用され。奪われそうになったら殺せばいい。最悪殺されても良い。そのスタンスは変わらない。
「だったらついてきてくれ、力の事だけじゃなく、知りたい事も、できる限り教えよう。」
そう言って歩き出した男に私は付いていく。まだ足りない…全てを求めて。