レッドガンの死神   作:抜殻

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仕事が忙しく投稿が遅くなりました……。
地中探査の話に少しだけ追記があります。イグアスが戦闘中に行方不明になった、というだけなのでこちらにも書いておきます。上手いこと話に混ぜれなかったので……。


未踏領域調査阻止(1)

 ベイラムから、お前に指名の依頼が来ている。内容を説明しよう。

 先ほど、ベイラムの哨戒部隊が未踏深度へ降下していく機影を確認した。お前が破壊したレーザー障壁の奥だ。恐らくは、ヴェスパー所属のACだろう。アーキバスはいよいよ、コーラルを目指すつもりらしい。

 ベイラムからは、このアーキバスの調査を阻止するために、降下したACを追跡して撃破するように依頼が来ている。

 企業の監視がある中で、未踏深度に踏み込める絶好の機会だ。コーラルは近い。お前も、覚悟をしておけ。

 

 レイヴンが、第三深度に合ったレーザー障壁発生装置を越えて、降下していく。その先へ向かうのは、記録上はレイヴンが二人目だった。ベイラムからの依頼によれば、先行するアーキバス所属機が存在するはずだ。

 技研の無人機と交戦したジェネレーター区画を越え、その足場が伸びる巨大な穴へと、レイヴンは降りていく。灯りと言えば、機体に取り付けられた照明機器ぐらいなもので、レーダーが無ければ地形の把握も難しい。が、深度を増すにつれ、頼みのレーダーにもノイズが走り、最終的には何も観測できなくなった。

「レーダー障害が発生しています。活性コーラルによる干渉でしょう。あなたの目と耳が頼りです」

 レイヴンは、返事をしない。ただ無表情に、計器を確認して操縦に専念していた。レイヴンの機体は、先日のV.Ⅰとの交戦でひどく損傷していたが、緊急の依頼だったために応急的な修理を済ませただけだ。失った武装の代わりは、行方不明になっているG5の予備の武装を買い上げた。破損した右腕は、ベイラム社製の量産フレームに替えている。そのため、レイヴンの機体は左右の腕で規格が違う、非常にアンバランスな状態になっていた。

 機体が終点の地面に近づき、レイヴンがペダルを踏みこむ。ブースターを噴射し、機体が減速していく。噴き出る炎に、周囲の岩盤が照らされ、岩を覆うように結晶化したコーラルが張り付いているのが確認できる。

 着地したレイヴンは、ACが通れるような巨大な横穴へと入っていく。その穴は、さらに奥へと続いており、微弱ながら熱反応も残っていた。先行する機体も、ここを通って行ったのだろう。

 レイヴンが機体を走らせ進んでいると、何かが(うごめ)いた。機体のセンサー類には何の反応もなかった。金属反応も、熱反応も。レイヴンが、咄嗟に機体を向ける。そこに映し出されたのは、巨大な(ワーム)だった。

「それは……ミールワームか?異常成長している……」

 全長だけでいえば人間よりも巨大な虫の姿に、ウォルターも驚いた反応を見せる。レイヴンが周囲を見渡すと、そこかしこにミールワームが張り付いていた。

「害はないはずだ。無視して進め、621」

 レイヴンが再び機体を進める。レイヴンは、なるべくミールワームを避けるように進んでいたが、狭い空間を通り抜けようとした時、そこに張り付いていたミールワームが赤く光始めた。センサーが、急速な熱反応を感知する。

「生体内部からコーラル反応……!?危険です!」

直後、ミールワームが爆発した。その爆発は、ミサイルに匹敵するほどの衝撃で、流石のレイヴンも回避できずに機体が揺れる。幸いにも大きなダメージには至らなかったが、その爆発に呼応してか、洞窟の中にいたミールワームたちが一斉に光を放ち始める。

「まずい、すぐに突破しろ!」

 連鎖するように、ミールワームが爆発していく。レイヴンはブースターを吹かして一気に洞窟を抜けた。狭い道を抜けると、巨大な空間が広がる。そこには、ミールワームの養育ポッドがあり、破損したカプセルは空になっていた。恐らく、あそこから抜け出したミールワームが、コーラルを餌に繁殖していたのだろう。

 そして、ミールワームの養育ポッドに囲まれた空間の中に、エアは一つの反応を発見した。

「レイヴン、前方に機体反応。停止してこちらを待っています」

『追跡してくる敵機を迎撃しろ、という命令だったが……なるほど、君が来ることも想定済みか。ベイラム側で動かせる戦力は、もう君だけだからな』

 レイヴンが機体を停止させ、待ち構えていたACの前へ飛び込む。向かい合うのは、V.Ⅳのスティールヘイズだった。

『今後の調査に、独立傭兵は不要。あわよくば、不穏分子も共倒れ。上の連中の考えそうなことだ』

 レイヴンの顔つきが、わずかに変わる。虚ろだった目に、闘争心が灯るのを、エアは見逃さなかった。

『このラスティには……ルビコンで為すべきことがある』

 スティールヘイズも、武装を展開して戦闘態勢に入る。

『戦友、君はどうだ』

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