レッドガンの死神   作:抜殻

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チャプター3
補給拠点襲撃(1)


 G13レイヴンに伝達!これは、ベイラムグループによる軍事作戦である。

 先日、我が方は封鎖機構の拠点であるエンゲブレト坑道に対して、陽動作戦を行った。作戦は成功し、封鎖機構はバートラム旧宇宙港の戦力を坑道に分散させた。

 そこで、貴様にはバートラム旧宇宙港の滑走路区画を襲撃してもらいたい。ここには、惑星外から運び込まれた物資が集積されている。それを全て燃やすのが、今回の任務だ。

 物資の破壊に応じて、追加の報酬を用意している。ただし、旧宇宙港は封鎖機構の本丸だ。時間を掛け過ぎれば、増援が来ることを忘れるな。

 G13レイヴン!迅速な遂行を期待する!

 

 旧宇宙港の中心部からやや離れた位置に、滑走路区画は設けられている。元々は旧宇宙港に併設された空港の滑走路で、荷揚げされた物資や人員を運ぶ輸送機の発着場だった。現在では空港は放棄され、舗装された広大な空き地でしかない。

 その滑走路に、赤、青、黄といったとりどりの色で塗られたコンテナが、モザイクアートを描くように整然と並んでいた。

「こんな仕事で危険を冒す必要もない。無理はするな、621」

 621が、滑走路区画へ突入する。敵の戦力は、ベイラムの情報通り手薄だ。配備されているのも、狙撃用兵装のSGばかりで、LCは見当たらなかった。

『コード15!敵はAC単機!』

『燃料基地を襲った奴か』

 SGが、応戦を開始する。

『こちらケントゥリオン、哨戒を中断し現場に急行する』

 だが、一分も経たぬうちに、ウォルターが傍受していた通信から、強襲艦が増援として向かってくることが分かった。その対応の早さに、戦力分散の狙いが予測されていたのだろうと、ウォルターは推察した。

「どうやら、陽動が裏目に出たようだ。敵の増援が到着するまで、五分といったところか。そこがタイムリミットだ」

 621が、ウォルターの指示に応えるように加速する。SGが、なんとか621を足止めしようと果敢(かかん)に迎撃するが、そのほとんどは無意味に空気を焼くだけだった。蒼白いレーザーがいくつも伸び、621が回避した先でコンテナを溶かす。

『おい!コンテナを撃つな!』

『エクドロモイを倒すような相手に、そんなこと言ってられるかよ!』

 反撃も虚しく、射程を詰められたSGが、パルスブレードに裂かれ、アサルトライフルに撃ち抜かれる。そうして、あらかたのSGを片付けた後で、621が獲物をコンテナに移す。

 滑走路の至る所で爆発が起こる。右肩のミサイルによって、コンテナが吹き飛び、その中に満載されていた食料や医薬品が燃えていく。時折、弾薬を積んだコンテナが誘爆して、巨大な火柱が上がった。

 滑走路は、(またた)く間に火の海と化した。既に全体の半分近い物資を破壊した。依頼の最低量は、とうにこなしている。ウォルターが時間を確認し、そろそろ潮時だと伝えようとした時、巨大な何かが、滑走路にあった格納庫を飛び出してきた。

 無限軌道(キャタピラ)が、滑走路の地面を砕く。コンテナが小石のように見えるほどの巨体の中央には、コアであるMTが収まっている。格納庫から現れたのは、封鎖機構の特務機体、カタフラクトだった。

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