No side
「昨日、ネオドミノシティ西5地区を中心に、原因不明の火災が発生しました。現在、治安維持局による実況見分が行われていますが、現場付近に居住されていた約120名の人々が行方不明だという未確認の情報も入っております。なお、火災事故中心に位置する高層ビルから救出され、ドミノ病院に搬送された少女はいまだ意識不明のままとのことです。」
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ジャック side
「アキさん...」
「大丈夫かな、アキ姉ちゃん...」
「(3人のシグナーがここにそろった...あとは...)」
あの後、俺はビルで倒れていた十六夜と遊護を助け、病院へと連れていった。
十六夜はこの通り眠ったままだ。遊護の方は意識はなかったものの、重症ではないとのことで別室で眠っている。
「アキ....アキ....!」
そんなことを考えていると、二人の男女が現れた。
見たところ、あれは十六夜の両親といったところか。
「ああ、先生!」
「っ!」
「あの子の親です。」
「あの...娘の容態は...」
やはり両親だったか。
両親の言葉に、医者は少し考えるようなポーズをとって話し始めた。
「それが....手は尽くしているのですが...」
そう言って、再び病室へと入っていく。
「こちらへ。....いまだ、何の反応も見せず。正直申しまして、このまま意識を取り戻さないことも...」
「そんな、先生!」
「私たちのせいなんです....私たちがアキをここまで追い込んで...!アキ!お願い!起きてちょうだい!パパとママを許してちょうだい!」
「私たち、同じシグナーなのに何もできないのかな。アキさんの心に、話しかける何か...」
「俺たちには、ただ痣を持つという共通点しかない。互いのことは何もわからない。分かり合いたいとも思わんがな。」
俺の言葉に、双子も意気消沈したかのようにうつむく。
だが...だがあいつなら。俺がよく知るあいつなら、きっと....
俺はそう考え、病室に入っていく。
「ただ一人、この女の心を開きかけた男がいた。」
「それは...」
「誰です!」
そう...俺の心も救ってくれた奴ならば。
「白波遊護!」
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遊星 side
「ようやく復活ってところか?」
「ああ、Dホイールはな。」
「(Dホイールは、か。やはりお前自身は...)」
旧友である鬼柳がダークシグナーとなっていて、俺は鬼柳とのデュエルに敗れた。
ダークシグナー...恐るべき強さだった。だが、鬼柳を救うためにも、俺は再び鬼柳と戦わなければならない。
「それで...どうだった?」
「ああ、お前の読み通りだったよ。ダークシグナーがネオドミノシティに....このビルはアルカディアムーブメントの本部だ。」
「十六夜が奴らに襲われたのか!」
「ああ。それとこれは極秘情報だが....治安維持局のモーメント研究開発部門総責任者殿もこの事件に巻き込まれたようだ。」
「何っ!?遊護が...!」
「ああ。二人とも病院に運ばれたらしい。」
まさか、十六夜だけでなく遊護までもが...遊護はシグナーではないはずだが、どうして巻き込まれたんだ?
「気になるか?同じシグナーとして、仲間として。」
「仲間....だが、今の俺に十六夜や遊護の力になることなど...」
「....だが、それでもお前は行くべきだ遊星。たとえ力が足りなくても、お前は行くべきだよ。」
「雑賀...」
「お前が俺やいろんな奴を救ってくれたように...お前を待っている人がいる。俺はそう思うぜ。」
俺を待っている人...仲間....
『ジャックもきっと、君のことを待っているはずだ。だから...頑張れよ、遊星。』
『遊星!』『遊星!』
『あんちゃん!』
「....行ってくる!」
「ふっ...手のかかる奴だぜ。」
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遊護 side
「はい、大丈夫そうですね。気分が悪くなったら呼んでくださいね。」
「あ、はい...ありがとうございます。」
目が覚めると、病院のベッドだった。
どうやら俺はジャックに助けられて、この病院に運ばれたらしい。
氷室さんが説明してくれた。アキもこの病院に運ばれたらしいが、集中治療室に運ばれたとのことだ。
「それにしても...あの時、どうして決闘竜が...」
ダークシグナーの操る地縛神の生贄になるかと思ったが、決闘竜が俺を守ってくれた。確かにこのドラゴンたちは、シグナーの竜とつながりがあるだろう。
でもシグナーの竜ではない。なのになぜ、俺はシグナーと同じような力で守られたんだろう。
コンコン!
「...?どうぞ。」
「失礼するよ。」
ノックがあったので入室を促すと、一人の男性が入ってきた。
この人....確かアキの父親だったような....どうして俺のところに?
「私はネオドミノシティで議員をやらせてもらって.......いや!...十六夜アキの父親の十六夜英雄です。」
「アキの父......俺に一体何の用です?」
「娘を....アキを救ってほしい!」
「っ!」
「今アキは昏睡状態で意識がなく...っ....」
やはり原作通り....だがそれを助けるのは遊星の役目のはず...
どうして俺のところに.....っ!そうか...俺のせいでアキと遊星の接点はないのか...
「親なのに....親だというのに、私たちではダメなんだ!あの子を....救ってあげられない!私たちでは....」
「まあ落ち着きなさいよ。」
「っ!」
いつの間に病室に入っていたのか、柳のじいさんがアキの父にコーヒーを手渡した。
どうやら彼も氷室さんと一緒に俺が目覚めるのを見守ってくれていたらしい。
「ちゃんと事情を話さないと、あんちゃんも何もわかんないんじゃないのかい?」
「あ、ああ...」
そう言って、アキの父は事情を話し始めた。
子供のころの話...仕事が忙しく、アキにかまってやれなかったこと、アキに何かしてあげられないかいろいろやったこと...そして、ついにアキの力が目覚めてしまったこと。そして、それを拒絶してしまったこと...
「アキの心は固く閉ざされていて、私たちの声は届かない...!お願いです!私はあのジャック・アトラスから聞いた!フォーチュンカップで娘を救おうとしてくれた君なら、必ずアキを救い出してくれると!頼む、遊護くん!」
アキの父親の言葉はきっと、本心なんだろう。
アキを救いたい、その気持ちは本物だ。だけど、俺にはどうしても許せないことがある。
「いい加減にしろ!」
「っ!」
「さっきから聞いていれば、私たちもできるだけのことはした?アキには自分たちの言葉は届かない?ふざけるな!」
アキはずっと待っていたんだ。自分を認めてくれる存在を。
だからこそ、その心を利用したディヴァインに付け込まれ、ディヴァインに心酔した。
でもアキは最初から持っていたはずなんだ。両親という、かけがえのない存在を。
「アキはずっと...あんたたちを待っていたんじゃないのか?アキが待っていたのは、あんたたちじゃないのか!そんなアキから逃げて、できるだけのことはした?だったらアキはあんな風にはなっていないはずだ!」
「それは...」
「....アキのことについては手を貸す。でも、あんたたちが変わらなかったらアキも変わらないよ。」
俺はそう言ってベッドから起き上がり、そばに置いてあったデュエルディスクを取り付ける。俺にできること...それはただ、アキの想いを受け止めることだけだ。
俺はそのままアキの父親を通りすぎ、アキの元へと向かいだした。
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「っ...ここです...」
結局俺についてきたアキの父は、俺を病室へと案内した。
俺はそのままアキの病室に入り、アキの前に立つ。
「アキ...」
アキは泣いていた。きっと、恐ろしい夢でも見ているのだろう。
遊星...俺にできるかわからないけど、俺がアキを救って見せる。
「っ!」
俺がアキの涙を拭きとった瞬間、アキの腕にシグナーの痣が浮かび上がった。
「どうして...シグナーの痣が俺と共鳴した...?」
「っ....遊護.....?」
「っ!アキ...目を覚ましたか。」
「遊護....私はいったい.....っ!」
「アキ...」
「どうしてあなたがここに....!私にはもうあなたは必要ない!私にはディヴァインが......っ!」
そう言って父親を拒絶しようとした瞬間、アキの目は大きく見開いた。
多分、ディヴァインが落ちていったことを思い出したんだろう。
「あぁ...!ディヴァインは....ディヴァインはもう...いない!」
「っ...」
「あぁ....ディヴァインは言ったのよ....もう考えなくてもいいって!私の代わりに考えてくれるって!」
「落ち着け、アキ!」
「ディヴァインは....ディヴァインは...!パパが私から取り上げたものを与えてくれた!私の...私の居場所を!その居場所をなくした私を....あなたはまた笑いに来たのね!」
「っ!」
「だったらもう一度見せてあげるわよ!化け物の力を!」
そう言ってアキは俺を軽く突き飛ばし、そばに置いてあったデュエルディスクを手につけ俺に向き合った。
「アキ....!」
「やめろ、アキ!そんなことをしても、お前に居場所はできない!」
「うるさい!あなたならわかってくれる...そう思っていた....でもそれは違った!あなたも敵よ!私の!」
「っ...!」
「私から居場所を奪う敵...!」
そういいながらアキはデュエルディスクを展開する。
それだけでアキのサイコパワーが発動し、激しい突風が巻き起こった。
「きゃあああああ!」
「っ!」
その突風により、龍亜と龍可は吹き飛ばされてジャックに支えられていた。
アキの母親もその場に倒れこみ、父親がそれを支えている。
「アキ...!」
「っ...アキ....おまえの心に語り掛けるには、やはりデュエルしかない...!」
俺も持っていたデュエルディスクを展開し、アキに向かい合う。
今の俺にはやはり、これしかない。デュエルでアキの心を救う!
「そうよ....私たちは仲間なんかじゃない。私たちは戦う運命にあるのよ!」
「っ...違う!これは俺たちが仲間であると確かめるためのデュエルだ!お前の悲しみ、怒り、憎しみ....すべてを受け止めてやる!いつでも来い!」
「「デュエル!」」
「私のターン、ドロー!」
アキ 手札5→6
「『イービル・ソーン』を召喚!そして効果発動!このカードをリリースし、相手に300ポイントのダメージを与える!」
「ぐっ!」
遊護 LP4000 - 300 → 3700
「先行1ターン目でいきなり...」
「やっぱりアキさんは強い...!」
「それだけではない。」
「さらにデッキから『イービル・ソーン』を2体、特殊召喚!」
アキ 手札6→5
イービル・ソーン ★1 ATK:100
イービル・ソーン ★1 ATK:100
「しかし効果は失われる。」
「「良かった...」」
「さらに手札から魔法カード『クローズド・プラントゲート』を発動!同じ名の植物族モンスターが2体、自分フィールド上に存在する場合に発動でき、次のターン、相手プレイヤーは攻撃宣言ができなくなる。」
「っ...厄介なカードだ。」
「私はこれでターンを終了。」
アキ 手札5→4
イービル・ソーン ★1 ATK:100
イービル・ソーン ★1 ATK:100
「俺のターン、ドロー!」
遊護 手札5→6
攻撃宣言ができない以上、ここでシンクロモンスターを召喚しても意味はなさそうだ。
それにアキには『ブラック・ローズ・ドラゴン』がある。無理に展開しても一掃されるのがオチだろう。
「(ここは守備を固める。)『シールド・ウィング』を守備表示で召喚!カードを2枚セットし、ターンエンドだ!」
遊護 手札6→3
シールド・ウィング ★2 DEF:900
リバースカード ×2
「攻撃力がたった100しかないのに、攻撃できないなんて...」
「でも遊護兄ちゃんも、戦闘で2回まで破壊されない『シールド・ウィング』を出したよ!これで守りは完璧じゃん!」
「そう簡単にはいかないだろうな。」
「私のターン、ドロー。」
アキ 手札4→5
「私は『夜薔薇の騎士』を召喚!その効果により、手札からレベル4以下の植物族モンスター1体を特殊召喚できる。現れよ、『ダーク・ヴァージャー』!」
アキ 手札5→3
イービル・ソーン ★1 ATK:100
イービル・ソーン ★1 ATK:100
夜薔薇の騎士 ★3 ATK:1000
ダーク・ヴァージャー ★2 ATK:0
「私はレベル1の『イービル・ソーン』2体と、レベル2の『ダーク・ヴァージャー』に、レベル3の『夜薔薇の騎士』をチューニング!」
「っ...合計レベルは7...いきなり来るか!」
「冷たい炎が世界の全てを包み込む!漆黒の花よ…開け!シンクロ召喚!現れよ!『ブラック・ローズ・ドラゴン』!」
『ブラック・ローズ・ドラゴン』の登場により、アキのサイコパワーもさらに強力になっていく。
「さらに装備魔法『憎悪の棘』を『ブラック・ローズ・ドラゴン』に装備!これにより、装備モンスターの攻撃力を600ポイントアップする!」
アキ 手札3→2
ブラック・ローズ・ドラゴン ★7 ATK:2400 + 600 → 3000
憎悪の棘
「アキ...!」
「パパ...その目、あの時と同じだわ!化け物を見るようなその目!」
「アキ!」
「遊護...あなたにも味わわせてあげるわ!私が受けた痛みを!そして...ディヴァインがもういないなら....私の居場所がないというのなら...!私がこの世界からすべての居場所を奪ってあげる!」
「っ!」
「『ブラック・ローズ・ドラゴン』の効果発動!墓地の『イービル・ソーン』を除外し、『シールド・ウィング』の攻撃力を0にして強制的に攻撃表示にする!」
「くっ!」
『シールド・ウィング』の攻撃力は元々0...それに『憎悪の棘』の効果で貫通ダメージがある。だが効果を使った方が大ダメージになるから、効果を使ってきたか。
「バトル!『ブラック・ローズ・ドラゴン』で『シールド・ウィング』を攻撃!ヘイト・ローズ・ウィップ!」
「トラップ発動、『リアライズ・ディフェンス』!自分の場の元々の攻撃力よりも元々の守備力が高いモンスターを対象に発動できる!そのモンスターを守備表示に変更する!」
「よし!これで十六夜の攻撃をかわした!」
「さすがだぜ、遊護兄ちゃん!」
「無駄よ!『憎悪の棘』の効果により、守備モンスターの守備力を超えた分だけダメージを与える!」
ブラック・ローズ・ドラゴン ATK:3000 vs シールド・ウィング DEF:900
「ぐっ!ぐああああああああああああ!」
遊護 LP3700 - 2100 → 1600
「『シールド・ウィング』は破壊できない...だけど、『憎悪の棘』の効果により攻撃力と守備力が600ポイントダウンする!」
遊護
シールド・ウィング ★2 DEF:900 - 600 → 300
リバースカード ×1
「そんな...守備表示でもダメージが与えられるなんて...」
「これが十六夜の本気...ということか...!」
「遊護兄ちゃん、目が覚めたばっかりなのに...大丈夫かな...」
「簡単には終わらせない...もっと苦しませてあげる...!私はこれでターンエンド!」
アキ
ブラック・ローズ・ドラゴン ★7 ATK:3000
憎悪の棘
「アキ...」
「やはりこれは忌むべき印だった...何がシグナーだ...白波遊護...あなたも私を助けてはくれない。ディヴァイン....そう、彼だけが唯一、私に居場所を与えてくれた...!....っ....パパでも、お前でもない!そのディヴァインが...!もう、私に帰る場所はない!お前たちも同じ目にあわせてあげる!」
「っ!」
帰る場所がない....か。
十六夜アキ...お前の気持ち、やはり俺にはわかる。
俺だってそうだ....17年前のあの日、俺はたった一つを除いてすべてを失ったんだから。でも....それでも...!
「まだわからないのか、アキ!お前には帰る場所がある!ずっと前から....!」
「遊護くん...」
「...ないわ....ディヴァイン亡きあと、この世界はすべて忌むべきものに変わったのよ。だから...私はこの世界を壊してやる!」
そう言うと、アキのサイコパワーが再び俺たちを襲った。
そのパワーはアキの憎しみとともに増幅しているように見える。
「(このままではまずい...だが、まだ間に合う!お前にはまだ...両親がいるんだから!)俺のターン、ドロー!」
遊護 手札3→4
「俺は手札のモンスター1枚を墓地に送り、魔法カード『ワン・フォー・ワン』を発動!その効果により、デッキから『チューニング・サポーター』を特殊召喚!」
遊護 手札4→2
シールド・ウィング ★2 DEF:300
チューニング・サポーター ★1 DEF:300
リバースカード ×1
「さらに『ジャンク・シンクロン』を召喚!効果発動!今墓地に送った『ボルト・ヘッジホッグ』を特殊召喚!」
遊護 手札2→1
シールド・ウィング ★2 DEF:300
チューニング・サポーター ★1 DEF:300
ジャンク・シンクロン ★3 ATK:1300
ボルト・ヘッジホッグ ★2 DEF:800
リバースカード ×1
「(3体のモンスターのレベル合計は8...どれで来る、遊護!)」
「レベル1の『チューニング・サポーター』と、レベル2の『シールド・ウィング』、『ボルト・ヘッジホッグ』に、レベル3の『ジャンク・シンクロン』をチューニング!星海を切り裂く一筋の閃光よ!魂を震わし世界に轟け!シンクロ召喚!『閃珖竜 スターダスト』!」
「出た!遊星の『スターダスト・ドラゴン』と同じ、『スターダスト』!」
「でも、攻撃力は『ブラック・ローズ・ドラゴン』の方が高い...!」
「っ!(『スターダスト』が、私たちを守っている?)」
「『チューニング・サポーター』の効果により、俺はカードを1枚ドローする。これでターンエンドだ。」
遊護 手札1→2
閃珖竜 スターダスト ★8 ATK:2500
リバースカード ×1
「ふっ...仲間を守る?茶番よ!所詮あなたは口先だけ!誰も助けることなんてできないいわ!」
「そうかもしれない....だけど、それでも俺は....」
「私のターン、ドロー!」
アキ 手札2→3
「バトルよ!『ブラック・ローズ・ドラゴン』!『スターダスト』を切り裂け!ヘイト・ローズ・ウィップ!」
ブラック・ローズ・ドラゴン ATK:3000 vs 閃珖竜 スターダスト ATK:2500
「っ...!ぐあっ!」
遊護 LP1600 - 500 → 1100
「『憎悪の棘』の効果により、『閃珖竜 スターダスト』は破壊されない。だけど、その攻撃力と守備力は600ポイントダウンする!」
遊護
閃珖竜 スターダスト ★8 ATK:2500 - 600 → 1900
リバースカード ×1
「終わることのない永遠の痛みが、『スターダスト』を襲うのよ!」
その言葉通り、アキの『ブラック・ローズ・ドラゴン』の攻撃によって、『閃珖竜 スターダスト』は傷ついていく。その余波が俺の後ろにいるみんなを襲おうとするが、『閃珖竜 スターダスト』がそれを防いでいる。
「アキ...もうやめるんだ!やめてくれ!」
「ターンを終了!」
アキ
ブラック・ローズ・ドラゴン ★7 ATK:3000
憎悪の棘
「っ...俺のターン、ドロー!」
遊護 手札2→3
「俺は魔法カード『ハーフ・シャット』を発動!モンスター1体の攻撃力を、戦闘破壊から守る代わりにエンドフェイズまで半分にする!『ブラック・ローズ・ドラゴン』!」
「っ!」
アキ
ブラック・ローズ・ドラゴン ★7 ATK;3000 / 2 → 1500
憎悪の棘
「バトルだ、アキ!『スターダスト』の魂の叫びをくらえ!シューティング・ソニック!」
閃珖竜 スターダスト ATK:1900 vs ブラック・ローズ・ドラゴン ATK:1500
「っ...」
アキ LP4000 - 400 → 3600
「だが、戦闘では破壊されない。」
「っ...カードを2枚セットして、ターンエンドだ。」
遊護 手札0
閃珖竜 スターダスト ★8 ATK:1900
リバースカード ×3
「このエンドフェイズ、『ブラック・ローズ・ドラゴン』の攻撃力はもとに戻る。」
アキ
ブラック・ローズ・ドラゴン ★7 ATK:3000
憎悪の棘
「私のターン、ドロー!」
アキ 手札3→4
「『ブラック・ローズ・ドラゴン』で攻撃!ヘイト・ローズ・ウィップ!」
「やばいよ!この攻撃が通ったら遊護兄ちゃんは!」
「ダメ..!」
「トラップ発動、『ガード・ブロック』!戦闘ダメージを0にし、1枚ドローする!」
ブラック・ローズ・ドラゴン ATK:3000 vs 閃珖竜 スターダスト ATK:1900
「っ...!」
遊護 手札0→1
「『憎悪の棘』の効果により、『閃珖竜 スターダスト』の攻撃力と守備力は600ポイントダウンする!」
遊護
閃珖竜 スターダスト ★8 ATK:1900 - 600 → 1300
リバースカード ×2
「(このモンスターは....遊護くんは我々を守ろうとしている....傷つきながら、アキに向き合おうとしている。だが...私は恐ろしい...!いくら取り繕っても、そのことから逃れることはできない。私はそこで思いを閉ざしてしまったんだ。その先に、本当の気持ちがあったはずなのに。)...っ...」
「カードを1枚セットし、ターンエンド。」
アキ 手札4→3
ブラック・ローズ・ドラゴン ★7 ATK:3000
憎悪の棘
リバースカード ×1
「俺のターン、ドロー!」
遊護 手札1→2
「っ...(来ないか...!)カードを1枚セットし、ターンエンド!」
遊護 手札2→1
閃珖竜 スターダスト ★8 ATK:1300
リバースカード ×3
「いよいよ手がなくなったようね。そうよ...それが本来のあなた。人を救うことなんて、助けることなんてできないのよ!」
「そうだ、俺には力などない!」
「っ!」
「17年前のあの日...俺に力があれば、あんなことにはならなかった...俺があの人を止めることができていれば....」
「一体...何を...」
「........俺に誰かを救う力なんてない...ただ...俺は!傷ついていく仲間から目をそらすことはできない!」
「「「「っ!」」」」
「ふっ...(そうだ...それこそが白波遊護...そしてこの俺が認める数少ない存在。だがどうしてだろうな。やはりお前からは奴の面影を感じる。そう思わないか、遊星。)」
「仲間....?」
「仲間が救われることを...願うことしかできない。」
「結局、何もしないってことじゃない!ディヴァインは私を抱きとめてくれた!安心させてくれた!居場所を与えてくれたんだ!」
俺にはだれかを救う力なんてない。そんなものがあったら今頃、あいつらは幸せに暮らしていたはずなんだからな。だけど、それでも...俺は信じている!
「私のターン、ドロー!」
アキ 手札3→4
「私は手札のレベル4以下の植物族モンスターを墓地に送り、『ワンダー・クローバー』を発動!これにより、『ブラック・ローズ・ドラゴン』はこのターン、2回攻撃ができる!」
「っ!」
「バトル!『ブラック・ローズ・ドラゴン』で『閃珖竜 スターダスト』を攻撃!ヘイト・ローズ・ウィップ!」
ブラック・ローズ・ドラゴン ATK:3000 vs 閃珖竜 スターダスト ATK:1300
「私のこの力を、ディヴァインは認めてくれたのよ!」
「っ!」
「そして、どんなにつらくても、戻ってこられる居場所を与えてくれた!」
「っ......っ....!やめろアキ!これ以上、人を傷つけることはやめるんだ!」
「っ!危ない!」
突然、アキの父が俺の前に飛び出して俺をかばうように両手を広げた。
このままではアキのサイコパワーが父親を傷つけてしまう!
「トラップ発動、『スピリット・フォース』!戦闘ダメージを0にし、墓地の攻撃力1500以下の戦士族チューナーモンスターを手札に加える!俺は『ジャンク・シンクロン』を手札に加える!」
発動した『スピリット・フォース』により、アキの父の周りに透明の壁が出現して『ブラック・ローズ・ドラゴン』の攻撃を防ぐ。
「うぅ...!...すまなかった、アキ!私がいけなかったんだ...」
「やめて!今更何を言ったって...!」
「私は、お前の力が...お前が怖かった。」
「っ!」
「ごまかしは無しだ。正直に言う。ただ、私はお前を恐れた。」
「わかっていたわ....だから、あなたは私を捨てた!私が、化け物だから!」
「確かに...私はあの一言で考えることをやめてしまったんだ。だが...そうじゃない。その先にある当たり前の気持ちに気付くべきだったんだ。私は...私たちは、お前を愛している。」
「そんなこと...信じるとでも!?」
「信じてくれとは言わない...いや、信じなければいけないのは、私の方だったんだ。お前を愛しているということを...」
「っ...うるさい!そんなこと私は....絶対に信じない!」
「アキ!」
「『憎悪の棘』の効果により、『閃珖竜 スターダスト』の攻撃力はさらに600ポイントダウンする!」
遊護 手札1→2
閃珖竜 スターダスト ★8 ATK:1300 - 600 → 700
リバースカード ×2
「まだ攻撃は残っている!」
「っ、もうやめてくれ!アキ!」
「『ブラック・ローズ・ドラゴン』よ!再び『閃珖竜 スターダスト』を攻撃!今度こそ、パパを叩き潰して!」
「トラップ発動、『アイアン・リゾルヴ』!ライフを半分支払うことで、戦闘ダメージを0にする!」
遊護 LP1100 / 2 → 550
「何っ!?...だが、『閃珖竜 スターダスト』の攻撃力はさらにダウン!」
遊護
閃珖竜 スターダスト ★8 ATK:700 - 600 → 100
リバースカード ×1
本当は使いたくなかったが、もうこれ以上防ぐ手段はない。
あとはもう、次のドローにかかっている。
「永続トラップ『デス・ペタル・カウントダウン』を発動!私のエンドフェイズ毎に墓地の植物族モンスターを除外することで、相手に300ポイントのダメージを与える。そして墓地に植物族モンスターが存在しなくなったとき、除外した数×300ポイントのダメージを相手に与える!」
「っ!」
「まず1枚目!『イービル・ソーン』を除外し、300ポイントのダメージ!」
「っ...下がっていてくれ!」
「ぐああああああああああああ!」
遊護 LP550 - 300 → 250
「ああ!」
「遊護兄ちゃんのライフがたった250に...」
「これで次のターン、再び植物族モンスターを除外すれば、私の勝ち。ターンを終了。」
アキ 手札2
ブラック・ローズ・ドラゴン ★7 ATK:3000
憎悪の棘
デス・ペタル・カウントダウン
「ぐうううううう!」
「っ!(アキのターンが終わったのに、サイコパワーが収まっていない!?)」
「ふぅ...!ふぅ...!」
「(まさか、力をコントロールできていないのか!?)」
「アキ....戻ってきてくれ...私たちの元に....アキ.....ぐっ!」
「来るな....来るな!」
「ダメだ!それ以上は危険だ!」
「いいんです!」
「っ!」
「あなたのおかげで目が覚めました....それに決めたんです。アキがいくら私を傷つけようと、私はアキから目をそらさない。アキのささやきを聞き逃さない。」
「信じない.....信じない!そんな言葉!」
「アキ!」
「っ!」
「そこに...お前の目の前にあるだろ!お前を見つめる目が...お前の悲しみを聞き入れてくれるその耳が!お前の父と母こそが、お前の居場所じゃないのか!」
「目の前に....?.......っ!...嫌....嫌!」
アキは父と母を見つめる。だが、それでもまだ、アキの心は溶かせない。
だがあともう少しで....だから俺が、そのあともう一歩を踏み出させる!
「俺のターン、ドロー!」
遊護 手札2→3
「...っ!来たか!俺は装備魔法『白銀の翼』を『閃珖竜 スターダスト』に装備!」
遊護 手札3→2
閃珖竜 スターダスト ★8 ATK:100
白銀の翼
リバースカード ×1
「そして魔法カード『拘束解放波』を発動!」
「っ!そのカードは...!」
「俺の場の装備魔法を破壊し、相手の場の魔法・罠カードをすべて破壊する!」
「っ!『憎悪の棘』が!」
「これにより、『ブラック・ローズ・ドラゴン』の攻撃力はもとに戻る!」
アキ
ブラック・ローズ・ドラゴン ★7 ATK:2400
「くっ!だが『閃珖竜 スターダスト』の攻撃力はもとには戻らない!」
「ああ...だからこそ、これが最後の賭けだ!俺は『ジャンク・シンクロン』を召喚!そして効果により、墓地から『チューニング・サポーター』を特殊召喚!」
応えてくれ、俺のデッキ!そして俺に、アキを救う力を与えてくれ!
「レベル1の『チューニング・サポーター』に、レベル3の『ジャンク・シンクロン』をチューニング!シンクロ召喚!『アームズ・エイド』!そしてシンクロ素材となった『チューニング・サポーター』の効果で1枚ドロー!」
遊護 手札0→1
閃珖竜 スターダスト ★8 ATK:100
アームズ・エイド ★4 ATK:1800
リバースカード ×1
「...来た!俺は装備魔法『魂を刻む右』を『閃珖竜 スターダスト』に装備!そして効果を発動する!1ターンに1度、相手フィールドのすべてのモンスターの攻撃力は、装備モンスターと同じになる!」
「何っ!?」
「よって、『ブラック・ローズ・ドラゴン』の攻撃力は100になる!さらに俺は『アームズ・エイド』の効果により『閃珖竜 スターダスト』に装備し、攻撃力を1000ポイントアップ!」
アキ
ブラック・ローズ・ドラゴン ★7 ATK:100
遊護 手札1→0
閃珖竜 スターダスト ★8 ATK:100 + 1000 → 1100
アームズ・エイド(装備)
魂を刻む右
リバースカード ×1
「バトル!『閃珖竜 スターダスト』で『ブラック・ローズ・ドラゴン』を攻撃!この瞬間、『魂を刻む右』の効果発動!相手の墓地のモンスター1体を除外し、その攻撃力分だけ、装備モンスターの攻撃力をターン終了時までアップする!俺は『夜薔薇の騎士』を除外!よって、攻撃力が1000ポイントアップ!」
遊護
閃珖竜 スターダスト ★8 ATK:1100 + 1000 → 2100
アームズ・エイド(装備)
魂を刻む右
リバースカード ×1
「っ!手札の『ガード・ヘッジ』を墓地に送り、効果発動!私のモンスターはこのターン、戦闘では破壊されず攻撃力が半分になる!」
アキ 手札2→1
ブラック・ローズ・ドラゴン ★7 ATK:100 / 2 → 50
閃珖竜 スターダスト ATK:2100 vs ブラック・ローズ・ドラゴン ATK:50
「っ!」
アキ LP3700 - 2050 → 1650
「いかん!これでは『アームズ・エイド』の効果でダメージを与えられん!」
「そんな...これじゃあ次のターン、遊護さんのライフを削るチャンスが...!」
「遊護兄ちゃん!」
「アキ...!」
「っ!パパ.......力が....いうことを聞いてくれない!」
「ぐおおおお!」
「やめて....パパを傷つけたくない!」
その瞬間だった。アキの力によって宙を舞っていた医療器材が、アキの父の上に落ちてきたのだ。
「パパ!」
「っ!」
だが、アキは父親を助けるため、力を何とか止めようと試みた。
そのときだった....アキの力が止まり、宙を舞っていた医療器材は父親にぶつかる手前で落ちていった。
「っ!」
「っ...初めて、力を制御できた...」
「アキ....うっ...」
「パパ!」
アキの父親はサイコパワーの傷が深いのか、その場に倒れこんでしまった。
アキはそれを見て、すぐさま父親のもとへと走り寄る。
「アキ...」
「っ......遊護....終わらせて。この戦いを。」
「...ああ。」
アキの言葉に応えるため、俺はデュエルディスクに触れる。
「トラップ発動、『シンクロ・ヘイロー』。シンクロモンスターが相手モンスターと戦闘を行い破壊できなかった場合、そのシンクロモンスターの攻撃力は倍となり、もう一度攻撃ができる。」
遊護
閃珖竜 スターダスト ★8 ATK:2100 * 2 → 4200
アームズ・エイド(装備)
魂を刻む右
「今こそ魔女の呪縛を打ち破る!『閃珖竜 スターダスト』で『ブラック・ローズ・ドラゴン』を攻撃!シューティング・ソニック!」
閃珖竜 スターダスト ATK:4200 vs ブラック・ローズ・ドラゴン ATK:50
「.....(ありがとう....遊護...)」
アキ LP1650 - 4150 → 0
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「っ....パパ....」
デュエルが終わり、 少しの間意識を失っていたアキが目を覚ました。
「すまなかったな....お前がどんな力を持っていたとしても、私がそれを恐れていたとしても、こうやって抱きしめていればよかったんだ...お前を愛していたんだから。」
「パパ...私だって...愛していた、好きだった!.....でも、いいの?私はこんなにもパパを傷つけてしまった。」
「アキ.....お前の父は受け入れると言っているんだ。お前が望めば、そこが居場所になる。お前自身が考えて、結論を出せばいい。」
「っ....うん......私の居場所は...ここ...!」
「アキ!」
「....お前の持つその痣は、忌むべき印なんかじゃない。きっと...それもお前の居場所になるはずだ。」
「っ...でも....私にはかつて信じた仲間がいた。その思いは、まだ私の心にある。」
「...俺にもかつて、そんな仲間がいたよ。もう絶対に会えない、大切な仲間が。」
「もう...会えない...?」
「それでも俺は、あいつらの分まで生きていくって決めた。その思いをつないでいくと、覚悟を決めたんだ。まだ先は見えないけど...アキ、お前もその仲間の想いに決着をつけるんだ。お前自身の手で、な。」
「遊護....」
俺が生き残った意味....仲間の想いをつないで、モーメント研究を完成させる。
そして...遊星は必ず俺が守って見せるさ。なあ、そうだろ...父さん、母さん。
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