遊戯王5D's 紡がれしもう一つの絆   作:遊~YOU~

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デュエルなし回。オリキャラが出ます。


サテライトでの出会い

 

 

「おーい、マーサ!」

 

「戻ったよ!」

 

「ああ、あんたたち!無事だったのかい!」

 

 

あれからクロウと別れ、俺は子供たちの案内でマーサのところへとやってきた。

子供たちが帰ってきて安心したのか、マーサは子供たちを抱きしめていた。

 

 

「まったく心配かけるんだから....ところで、あんたはいったい....」

 

「初めまして。俺は白波遊護って言います。」

 

「あらあら....なんだか遊星に似てるわね。でも遊星よりは明るい子みたいね。」

 

「アハハ...」

 

「それで...あんたが子供たちを?」

 

「ええ...ただ他の子たちはクロウが探しに行きました。」

 

「クロウが....とにかく、あんたもありがとね。」

 

「いえ、困ったときはお互い様ですよ。」

 

「あらあら!本当に良い子ね!」

 

 

そんなこんなで俺はマーサに気に入られたのか、マーサが管理している家に案内されることになった。どうやら最近はダークシグナーの影響か、サテライトの人間が行方不明になる事件が多発しているらしい。

 

サテライトの人間がどうなってもいいと思っているのか、セキュリティも真剣に取り合ってくれないとマーサも嘆いていた。

 

 

「それで...あんたはどうしてこんなところに?その身なり、Dホイールも持ってるし...シティの人間だろう?」

 

「俺は、俺自身にできることを探すためにここに来ました。サテライトは今、ダークシグナーによって恐ろしい場所へと変貌している。俺はダークシグナーを倒すために、ここに来たんです。」

 

「ダークシグナーを.....じゃあ、遊星たちとは仲間なんだね。」

 

「ええ。遊星たちとも約束しました。必ずダークシグナーを倒そうって。」

 

 

 

「そいつはありがたい話だね。」

 

 

 

俺とマーサが話していると、突然扉が開いて誰かが入ってきた。

白衣を着ているあたり、何かの科学者...か?

 

 

 

「っ!茜......い、いや...別人か。それに男だ...茜のはずがない。」

 

「神崎さん、突然どうしたんだい!」

 

「神崎?」

 

 

そんな人、原作にいたか...?

いや、心当たりがない...それにこんな見た目の人、見たことがない。

 

 

「マーサさん....ちょっとね。それで君....名前は。」

 

「白波遊護です。」

 

「遊護......いや、まさか....そんなはずは....あの子たちは17年前にゼロ・リバースで...」

 

「あの...一体どうしたんです?」

 

「そうだよ、神崎さん。顔色が悪いよ?いつもの発作かい?」

 

「い、いや....大丈夫....今日はもう薬を飲んでいるからね......それより遊護くん。君はダークシグナーを倒して、このサテライトを救ってくれるのかね?」

 

「はい、必ず。」

 

「そうか.....」

 

 

俺の言葉に頷いた神崎さんは、そのまま部屋を出ていった。

一体何だったんだろうか...年齢はそれなりにいってそうだが、俺を誰かと見間違えていた...?茜...心当たりはある。だが....いや、そんなはずは...

 

 

「気を悪くしないでおくれ。神崎さんは17年前のあの日、大切な娘さんを亡くしてるんだよ。」

 

「17年....ゼロ・リバースの日ですよね。」

 

「ええ...それからは無気力になっちまって、持病も悪化して...ほとんど1日中部屋にこもりっぱなしなのさ。」

 

「そうなんですか.....」

 

 

もし、17年前のあの日...俺が記憶を取り戻していたとしたら、あの人の娘さんも救えていたんだろうか。俺が記憶を取り戻していれば、あの人の凶行を止めることができたかもしれない。

 

 

「(そう考えると....むしろ俺の方が罪悪感を感じてしまう....)」

 

「ん?この音.....クロウが戻ってきたかもしれないね。」

 

「.....っ!確かに...子供たちの声が聞こえますね。」

 

「無事でよかった....とにかく、今日はもう遅いしあんたは泊まっていきなさい。」

 

「いいんですか?」

 

「もちろんだよ。困ったときはお互い様、だろ?」

 

「ふっ...じゃあ、お世話になります。」

 

 

こうして俺はクロウと子供たちを出迎え、ともに一夜を過ごした。

神崎さんのことは気になるが、俺はダークシグナーを倒す....そのためにサテライトへ来たんだ。今はそっちを優先しなくちゃな...

 

 

--------------------------------

 

その日の夜

 

 

 

「ふぅ.....風が気持ちいいな。」

 

 

普段と違う場所だからか、寝付けなかった俺は外へと出ていた。

この辺は黒い霧が届いていないからか、比較的明るい雰囲気を保てている。

 

 

「お前さん......まだ寝てなかったのか。」

 

「っ!...神崎さん。あなたこそ、こんな時間にどうしたんです?」

 

「うむ.....ちょっと休憩でな。」

 

「休憩.....何か作ってるんですか?」

 

「ああ....」

 

 

神崎さんは俺の隣に腰を掛け、空を見上げていた。

 

 

「ここは私のお気に入りの場所でな.....星が良く見えるんだ。」

 

「そうですね.....確かに、キレイに星が見える。」

 

「......17年前、私はこの地で科学者として働いていた。」

 

「....」

 

「娘と、義理の息子と一緒にな。孫もいた。だがとある理由で研究は中止となり、私は娘たちとともに研究の後始末を行おうとしていた。だが....私はそのころから病を患っていってな。私は娘たちを残して一人、研究所を離れたのだ。」

 

「....」

 

「そして、ゼロ・リバースが起きた.....私一人だけが助かってしまったんだ。あの時、私が無理にでもあの子たちを連れていけていれば...!娘も、息子も、孫も...私は失わずに済んだのかもしれん...」

 

「生き残った....」

 

「...?」

 

「生き残った意味が、必ずあると思います。17年前のあの日...俺もあのゼロ・リバースから運よく生き残りました。」

 

「なんだと?」

 

「俺もあの日、旧モーメントのところにいたんです。まだ子供だったけど、両親が二人とも科学者で、俺は二人と一緒にあの地にいた。生まれたばかりの弟もね。」

 

「....」

 

「旧モーメントの研究チームにいた人たちは、みんな良い人たちだった。関わりのなかった人たちもいたけど...みんなが俺にいろんなことを教えてくれた。」

 

 

 

前世の記憶を取り戻す前、俺はただの子供だった。

ただ純粋に、モーメント研究に夢中だったんだ。

そんな俺をみんなはかわいがってくれた。

"あの人たち"だって、そうだったんだ。

 

 

「だからこそ、俺はこう考えるんです。生き残った意味がきっとあるんだって。」

 

「生き残った意味...」

 

「俺は、あの日散ってしまったみんなのためにも...必ずモーメントの研究を続けてみせます。みんなが夢見た世界を実現するために....それが俺の生き残った理由....生きていく理由です。あなたにもきっと、生き残った理由があるはずです。」

 

「私が生き残った理由...か.....ありがとうな、遊護くん。私も少し考えてみるよ。」

 

 

そう言って、神崎さんは再び部屋へと戻っていった。

暗くてあまり表情は見えなかったけど、なんだかうれしそうにしていたような気がする。

 

 

「さて....俺も寝るか....」

 

 

 

 

「(ありがとうな....お前はきっと、私の........)」

 

 

 

 

--------------------------------

 

翌日....

 

 

 

「遊護兄ちゃん!起きて!」

 

「っ...う...うぅん.....もう朝か。」

 

「最近は曇っててわかりにくいよね。マーサが呼んでたよ!」

 

「ああ...ありがとな。」

 

「うん!」

 

 

子供はそう返事をすると、走って去っていった。

俺は起き上がって身だしなみを整え、マーサが待つ部屋へと歩いていく。

 

 

「(あれは....神崎さん?何かの機械をいじってるみたいだが....何をしてるんだろ。)」

 

 

歩いている途中、外で神崎さんが機械をいじっているのが見えた。

それが何なのかはわからなかったが、すごく真剣な表情をしている神崎さんを見て、それがとても大切なものなんだろうってのがわかった。

 

 

「おはよう、マーサ。」

 

「あら、起きたんだね。よく眠れたかい?」

 

「ああ。飯まで用意してもらって...本当にありがとう。」

 

「気にすることないよ。それに子供たちの相手や、部屋の修繕なんかもやってもらって...こっちこそ助かったよ。」

 

「当たり前のことをしただけさ。」

 

「ほんと、良い男だねえ!私がもう少し若かったら、あんたに唾つけてたのに。」

 

「アハハ...マーサは十分若いよ。」

 

「あら~!」

 

「ところで...話があるって?」

 

「あら、そうだった!どうやって調べたかわからないけど、あんたに手紙が届いてたわよ。ほら、これ。」

 

「手紙...?」

 

 

確かに妙だな...俺がここにいるなんて、ここにいる人たちくらいしか知らないはずだ。その人たちが手紙を用意する必要もない。一体誰が....

 

 

「っ!」

 

 

俺がそう思いながら手紙の確認すると、そこにはこう書かれていた。

 

 

『17年前の真実を知りたければ、今日の夜、この手紙に記された場所へ来い。』

 

 

「17年前の真実....これはいったい....」

 

「どういうことだい!?17年前って言ったら、ゼロ・リバースの...」

 

「わからない...もしかしたら、17年の生き残りが...いや...そんなはずは...」

 

「それで...どこに呼び出されてるんだい?」

 

「あ、ああ....どうやら、旧モーメント跡地の近くみたいだ。」

 

 

ガタッ!

 

 

「っ!誰かいるのか!」

 

 

俺とマーサが話していると、廊下から物音が聞こえたので急いで扉を開けた。

だがそこには誰もおらず、近くの窓が無造作に開けられているだけだった。

 

 

「逃げられた...?」

 

「一体誰だったんだろうね....もしかして、この手紙を送った人かしら。」

 

「いや...それは違うはず。俺の行動が筒抜けなんだ。わざわざ俺が手紙を受け取ったことなど、確認に来るはずがない。」

 

「う~ん....ま、考えても仕方ないね。」

 

「ああ.....(一体誰が....いや、まさかな....)」

 

 

あれから俺は念のためデッキの準備を行った。

これからの戦いは正真正銘、命がけの戦いだ。

憧れた世界に来て、憧れの人たちとデュエルして、俺は楽しかった。

だがこの世界を救うためには、楽しいデュエルだけではダメだ。

 

 

「(クロウとのデュエルの時も思わず使ってしまったが...もう出し惜しみしてるような次元ではなさそうだな。)」

 

 

俺は持っている複数のデッキをしっかりと懐にしまう。

そして数枚のカードを手に取り、それもケースにしまった。

 

 

「(お前らも使うことになるかもな.....)」

 

「遊護、行くのかい?」

 

「マーサ....ああ、行ってくる。」

 

「そうかい....気を付けていくんだよ。帰ってこないと怒るからね!」

 

「うん。わかってるよ。」

 

 

マーサは俺を抱きしめてくれた。なんだか母さんを思い出す。

17年前...8歳の俺を優しく抱きしめてくれた母さん...そして、厳しくも暖かい目で見守ってくれた父さん...今もきっと、俺を見守っていてくれている。

 

 

「ありがとう、マーサ。」

 

「いいんだよ。なんだかあんたは遊星に似てるからね...思わず抱きしめちゃったよ。」

 

「ああ.......じゃあ、行ってくる。」

 

「ええ。行っといで!」

 

 

俺はマーサと離れ、Dホイールにまたがる。

何者かはわからないが....17年前の真実とやらを聞かせてもらおうじゃないか。

 

 

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No side

 

 

 

「くくく...一人威勢よくやってきたかと思えば....久しぶりだな。」

 

「ぐっ....なぜだ....なぜ君がこんなことを...!」

 

「なぜと問うか。ならば答えてやろう。私がダークシグナーだからだ!」

 

「ダークシグナー....お前が.....!」

 

「あの男を始末する前に、とんだ邪魔が入ったと思ったが....くくく....これも一興だな。」

 

「ぐっ....あの子に手を出すな!」

 

「くくく....その口ぶり、どうやら気付いたようだな。あの男の正体に。」

 

「黙れ!」

 

「安心しろ。あの男はシグナーではない....私が手を下すまでもないのだからな!」

 

「っ....一体何を.......ぐ、ぐああああああああああああ!」

 

「さあ、早く来い....白波遊護......!17年前の因縁に、決着をつけようではないか!フフフ......フハハハハハハハハハハハ!」

 

 

 

 

.

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