アキ side
「つまり、ここでこの公式を使うことで...」
「そういうことね。....これで正解?」
「うん、そうだね。アキは飲み込みが早くて、教えていて楽しいよ。」
「ふふ...そうかしら。」
今日はいつものように、遊護に勉強を教えてもらっていた。
最初は迷惑をかけているんじゃないかって思ったんだけど、遊護自身が私を気にかけてくれているし、パパとママは遊護のことを気に入っていて、いつも遊護のことを聞いてくる。それに、私自身も遊護と一緒にいたいと思っている。
だからこうして、遊護の家にお邪魔して勉強を教えてもらっているのだ。
「ねえ、遊護兄ちゃん。こっちも教えてよ!」
「もう...龍亜ったら....まずは自分でやりなさいよ。(それにアキさんの邪魔しちゃダメでしょ...)」
「わかったよ、龍亜。ほら、龍可もわからないところがあったら言いなさい。」
「う、うん....(あ、アキさん怒ってないかな....)」
ハァ...と言っても、今日は龍亜と龍可も一緒なのよね。
龍可は私が気にしていないかとびくびくしているみたいだし。
まったく...子供相手に嫉妬して、馬鹿みたいだわ私。
「ねえ聞いてよ遊護兄ちゃん。最近アカデミアでひどい人がいるんだよ。」
「ひどい人?」
「高等部の人で、いろんな人にデュエルを仕掛けてはデュエルが終わってからアンティールールだって騒いで、カードを奪うの。」
「そうなのか、アキ。」
「ええ、そうね....二人が言ってるのは、九頭竜という生徒ね。」
九頭竜くん...私がアルカディアムーブメントに所属していて、アカデミアには通わなくなっていたころに入学してきた生徒らしい。しかも父親がアカデミアの教師で、かなりの地位にいるらしく、アカデミアも問題を大きくしたくない状態だ。
私は被害にあってないけど、復帰した私を受け入れてくれた友達は何人か被害を受けている。
「九頭竜....そうか、そういうことか。」
「どうしたの?」
「いや。...それで、龍亜はその人に何かされたのか?」
「ううん。俺は大丈夫だけど、前に俺や龍可に親切にしてくれた高等部の人が、その人にすごい怒鳴られて泣いてたんだ。あの人、すごく優しい人で良い人なのに...ねえ遊護兄ちゃん。何とかならないかな?」
「そうね...私も、あの人のやってることはどうかと思う。」
「二人とも...遊護に無茶を言ってはいけないわ。遊護はアカデミアとは無関係なんだから。」
「「でも....」」
「まあ、落ち着きなよ。その九頭竜って人、そのうちでかい態度も取れなくなるはずさ。」
「「「???」」」
---------------------
そんなことがあった数日後、アカデミア校内を歩いていると怒鳴り声が聞こえてきた。
「調子に乗ってんじゃんねえぞ!」
「っ...いい加減にしなさい!青葉さんはアンティーなんて承諾していないわ!」
「いいや、俺は最初に言ったぜ。約束に従わないなんて、ふざけんじゃねえぞ!」
「っ、あなたねえ...!」
「おい、騒がしいぞ!」
人ごみの中から様子を見ていると、原さんが青葉さんをかばって、九頭竜くんと対立していた。どうやらまた九頭竜くんがアンティーだって騒いでいるのね。
そんなことを考えていると、先生がやってきた。でもあの人は...
「あ、親父!」
「こら拓也。アカデミアでは先生と呼びなさい。...それで、一体何事かね。」
「っ、九頭竜先生。九頭竜くんがデュエルが終わってから、急にアンティだと騒いでいるんです!」
「ほう....本当か、拓也。」
「いや、こいつらが嘘をついてるんだよ。俺は最初から約束してたぜ?そいつら、人数が多いからって意見を押し通そうとしてるんだよ。」
「ふむ...原さん、青葉さん。約束は守らなくちゃいかんなぁ。」
「「なっ!?」」
やっぱり...噂通り、父親も...こうなっては原さんたちに危険が及んでしまう。
「ちょっと待ってください。」
「うん...?」
「十六夜じゃねえか。」
「「アキさん...」」
「彼女たちは嘘をついていません。その証拠に、九頭竜くんはいつもデュエルの後にアンティだと言い張って...」
「ふん...十六夜アキ、入学後に問題を起こしてしばらく休学、最近復学した生徒だったな。」
「っ...それが何か。」
「君のような不良が、拓也のような優等生を貶めようというのかね。」
「なんですって...!」
この男...自分たちのことを棚に上げて、私を悪者に仕立て上げるつもりね。
「ふん...だがそうだな、チャンスを与えてやってもいい。」
「お、おい親父...!」
「まあ待て、拓也。...十六夜アキ。もし君が私と拓也のタッグにデュエルで勝つことができれば、君の話を聞いてやろう。だが君が敗北したとき、君には退学してもらう。」
「っ!」
「もちろん、君がもう一人のデュエリストを見つけて、二人で私たちに挑むことも可能だ。だが、退学は当然連帯責任として扱う。君に協力した者は、敗北した場合に君と一緒に退学だ。」
「くっ...」
今のこの状況、しかも退学がかかっている状況で私に味方してくれる人なんて...
でも、この状況を放っておくわけにはいかない。何とかして、原さんたちを助けないと...!
「なら、俺がタッグを組もうかな。」
「「「っ!」」」
私が一人で戦おうと考えていた時、突然九頭竜親子の後ろから声が聞こえてきた。
聞きなれた声、私の心を優しく包み込んでくれるその声は...
「遊護!」
「よう、アキ。」
「なんだね、君は。部外者は黙っていてもらおうか。」
「部外者...ね。俺は一応、関係者だよ。ある人物の依頼で、このアカデミアの内部調査をしにやってきたんだから。」
「なんだと?」
「九頭竜拓馬先生。そして、九頭竜拓也くん。あなたたちにはいろいろ聞きたいことがあったんでね。探していたんが...まさか、アキにまで手をだそうとは...」
な、なんだか遊護の声色が低いような...いつもの遊護じゃない?
もしかして、私のために怒ってくれているの...?
「俺は仲間を傷つけられて、黙っているほどやさしくないんでね。さあ、俺とアキのタッグだ。あんたらとのデュエル、受けてたってやるよ!」
「ぐぅ...いいだろう!我ら親子の力で、貴様ら悪を滅ぼしてくれる!」
こうして、私と遊護の2度目のタッグデュエルが決まった。
遊護とこうしてタッグを組むのは、アルカディアムーブメントに遊護が乗り込んできたとき以来ね。
「アキ、このデュエル...絶対勝つぞ。」
「っ!...ええ、もちろん!」
遊護が私の隣に立ち、そう言う。
このデュエル、負ける気がしない。
だって隣には、遊護がいるのだから!
「ルールは簡単だ。互いにライフは共有し、4000ポイントとする。そしてフィールド、墓地、除外ゾーンを共有するが、手札は各々の手札とする。互いの手札は確認できず、相談は禁止する。お互いに1ターン目は攻撃できず、最初のターンを行ったプレイヤーのタッグデュエリストのターンから攻撃が可能となる。いいな?」
「ああ、かまわない。」
「ええ。」
「わかったぜ、親父。(へへ...ま、俺達親子のデュエルディスクには、改造された機能があって相談できるし、手札も確認可能だけどな。)」
「さあ、悪を成敗する!」
「「「「デュエル!」」」」
「私が先攻をもらおう。私のターン、ドロー!」
九頭竜父 手札5→6
「私は『古代の機械猟犬』を召喚!このカードの召喚に成功したとき、相手に600ポイントのダメージを与える!」
「ぐっ!」
「っ!」
遊護&アキ LP4000 - 600 → 3400
いきなり効果ダメージを...それに『アンティーク・ギア』デッキは、アカデミアの由緒正しきデッキで、選ばれた教師しか扱えない。今はハイトマン先生が持っていたはず。
「どうして、九頭竜先生が『アンティーク・ギア』デッキを...」
「ククク...先日、ハイトマン先生が外部の人間と問題を起こしたのだ。その結果、ハイトマン先生の手を離れ、私の手に渡った。ただそれだけのこと。」
「(遊星との話ね...そんなことになっていたのね。)」
「さあ、デュエルを続けるぞ。私はさらに『古代の機械猟犬』の効果を発動!1ターンに1度、メインフェイズに発動できる。手札、フィールドのモンスターを融合素材とし、『アンティーク・ギア』融合モンスターを融合召喚する!私は『古代の機械猟犬』と、手札の『古代の機械兵士』で融合する!」
融合召喚...シンクロ召喚が基本となった今の時代には珍しい召喚方法!
『アンティーク・ギア』2体で、一体どんな融合モンスターが現れるというの...?
「いでよ、『古代の機械魔神』!」
「『古代の機械魔神』か...」
「遊護、知っているの?」
「ああ。厄介なモンスターだぞ。」
「ククク...『古代の機械魔神』の効果発動!1ターンに1度、相手に1000ポイントのダメージを与える!くらえ!」
「ぐっ!」
「きゃあ!」
遊護&アキ LP3400 - 1000 → 2400
「さらに私はカードを1枚セットし、ターンエンドだ。」
九頭竜父 手札6→3
古代の機械魔神 ★8 DEF:1800
リバースカード ×1
「(へへ...さすがだぜ、親父。最初のターンで攻撃できないのに、これだけ効果ダメージを与えるなんてよ。そして次のターン、俺があらかじめ仕込んでおいた『黒炎弾』と『伝説の黒石』のコンボで2400のダメージ...俺たちの勝ちだ!)」
「...アキ、俺から行くよ。」
「遊護....ええ、任せるわ。」
「おう。...俺のターン、ドロー!」
遊護 手札5→6
「さて、今日はこのデッキの出番だ。俺は永続魔法『アロマガーデニング』を発動!このカードが存在する限り、俺の『アロマ』モンスターが召喚、特殊召喚されたとき、1ターンに1度、ライフを1000ポイント回復できる。さらに相手よりライフが少ないとき、相手モンスターの攻撃宣言時に発動でき、デッキから『アロマ』モンスターを特殊召喚できる効果もある。」
「『アロマ』モンスター...(遊護、もしかして私に合わせて、植物族デッキを選んでくれたのかしら。)」
「さらに魔法カード『手札抹殺』を発動。」
「な、なにっ!?」
「...?」
遊護が『手札抹殺』を発動したとき、九頭竜くんが突然叫びだした。
その表情には焦りが現れていたけど、一体どうして...それほど手札が良かったのかしら。
「どうした、そんなに焦って。まるで次のターンで決着がつけられそうだったのに...って表情だな。」
「なっ...ぐっ...き、貴様...!」
「悪いことはするもんじゃないな。『手札抹殺』の効果により、すべてのプレイヤーが手札をすべて墓地に送り、墓地に送った分、ドローする!」
その言葉に、私と遊護、九頭竜先生は手札を墓地に送り、ドローする。
でも、九頭竜くんだけはなかなか手札を墓地に送らない。
「どうした。さっさとしろ。」
「ぐっ...貴様ぁ....!」
「拓也、早くしなさい。」
「っ!お、親父.....分かったよ!」
九頭竜くんはようやく、悔しそうな表情を浮かべながら、手札を墓地に送り、ドローする。
遊護 手札4→0, 0→4
アキ 手札5→0, 0→5
九頭竜父 手札3→0, 0→3
九頭竜子 手札5→0, 0→5
「さらに俺は『アロマリリス-ロザリーナ』を召喚!この瞬間、『アロマガーデニング』の効果が発動!さらにチェーンして、『ロザリーナ』の効果を発動!『ロザリーナ』の効果により、デッキから『アロマージ-ジャスミン』を特殊召喚!さらに『アロマガーデニング』の効果により、ライフを1000ポイント回復!」
遊護&アキ LP2400 + 1000 → 3400
「さらにライフが回復したことで、『ジャスミン』の効果が発動。カードを1枚ドロー!」
遊護 手札3→4
「よし...墓地の『薔薇恋人』の効果発動。このカードを除外し、手札の植物族モンスター1体を特殊召喚する。来い、『アロマージ-ローズマリー』!そして俺はレベル4の『ローズマリー』に、レベル1の『ロザリーナ』をチューニング!甘美なる風よ、今ここに芽吹き新たな命とならん!シンクロ召喚!『アロマセラフィ-ローズマリー』!」
「攻撃力2000...『古代の機械魔神』を上回った!」
「バトルだ!『ローズマリー』で『古代の機械魔神』を攻撃!」
『ローズマリー』の持つ杖から魔法が放たれ、『古代の機械魔神』へと直撃する。
『古代の機械魔神』はその攻撃に苦しみ、そのまま爆発する。
「ぐっ...だがこの瞬間、『古代の機械魔神』の効果が発動!このカードが戦闘で破壊され墓地に送られたとき、デッキから『アンティーク・ギア』モンスターを、召喚条件を無視して特殊召喚できる!出でよ、『古代の機械巨人』!」
「出たか、『古代の機械巨人』...想像以上の大きさだな。」
「遊護、何を笑って...」
「おいおい、アキ。いつも教えてるだろ?デュエルは楽しめってさ。....俺はカードを2枚セットし、ターンエンド!」
遊護 手札3→1
アロマージ・ジャスミン ★2 DEF:1900
アロマセラフィ・ローズマリー ★5 ATK:2000
アロマガーデニング
リバースカード ×2
「(デュエルを楽しむ...でも、あんな相手にデュエルを楽しむなんて...)」
「くっ...俺のターン、ドロー!」
九頭竜子 手札5→6
「(くそ...コンボ前提でデッキの順番を仕込んだから、『手札抹殺』のせいで狂ったぜ....!)俺は『真紅眼の飛竜』を召喚!これでバトルに入るぜ!」
「その前にトラップを発動させてもらう。『アロマヒーリング』。その効果により、自分の場の『アロマ』モンスター1種類につき、1000ポイントライフを回復する。よって2000ポイント回復!」
遊護&アキ LP3400 + 2000 → 5400
「さらにライフが回復したことで、『ローズマリー』と『ジャスミン』の効果が発動。『ローズマリー』の効果で『古代の機械巨人』の効果をターン終了時まで無効化する。さらに『ジャスミン』の効果で1枚ドロー。」
遊護 手札1→2
「くっ...それがどうした!『古代の機械巨人』で『ローズマリー』を攻撃!」
「効果が無効になっていることで、攻撃時もカードの効果が発動できる。トラップ発動、『植物連鎖』!発動後、このカードは装備カードとなり、自分の植物族モンスター1体に装備される。そして、装備されたモンスターの攻撃力を500ポイントアップする!」
「だがそれでも攻撃力は2500だ!『古代の機械巨人』の攻撃力には及ばない!」
「それはどうかな。さっきのライフ回復で、俺達のライフがお前たちより上回った。これにより、『ローズマリー』の効果が適用される!俺の場の植物族モンスターの攻撃力、守備力は常に500ポイントアップする!」
「なっ!?」
遊護
アロマージ-ジャスミン ★2 DEF:2400
アロマセラフィ-ローズマリー ★5 ATK:3000
アロマガーデニング
植物連鎖
『古代の機械巨人』がその巨大な腕を『ローズマリー』へと振るうが、対抗するように『ローズマリー』も自身の持つ杖から魔法を放つ。2体のモンスターの攻撃はぶつかり合い、激しい爆発を起こす。
「くっ...!」
「ち、ちくしょう...!」
爆発による煙が消えると、そこには2体のモンスターの姿は無くなっていた。
攻撃力が互角となり、同士討ちとなったのだ。
「くそ!(『真紅眼の飛竜』の攻撃力じゃ、『ジャスミン』を超えられない...)お、俺はカードを1枚セットして、ターンエンド!」
九頭竜子 手札5→4
真紅眼の飛竜 ★4 ATK:1800
リバースカード ×2
「私のターン、ドロー!」
アキ 手札5→6
遊護が整えてくれたこのチャンス、活かさないわけにはいかないわね。
「私は『夜薔薇の騎士』を召喚!さらにこのカードの召喚に成功したとき、手札からレベル4以下の植物族モンスター1体を特殊召喚できる。いでよ、『返り咲く薔薇の大輪』!」
「いけ、アキ!お前の力を見せてやれ!」
「ええ!私はレベル4の『返り咲く薔薇の大輪』に、レベル3の『夜薔薇の騎士』をチューニング!冷たい炎が、世界のすべてを包み込む。漆黒の花よ、開け!シンクロ召喚!現れよ、『ブラック・ローズ・ドラゴン』!」
「くっ...!」
「これが『ブラック・ローズ・ドラゴン』か...!なんという威圧感!」
「まだよ。『ジャスミン』の効果により、私たちのライフが相手を上回っているため、私たちは通常召喚に加え、もう一度召喚が可能となる。『ジャスミン』をリリースして、『ローズ・テンタクルス』をアドバンス召喚!」
アキ 手札6→3
ブラック・ローズ・ドラゴン ★7 ATK:2400
ローズ・テンタクルス ★6 ATK:2200
アロマガーデニング
「バトルよ!『ローズ・テンタクルス』で『真紅眼の飛竜』を攻撃!」
「ぐっ!」
九頭竜親子 LP4000 - 400 → 3600
「さらに、『ブラック・ローズ・ドラゴン』でダイレクトアタック!ブラック・ローズ・フレア!」
「させるか!トラップ発動、『レッドアイズ・スピリッツ』!墓地の『レッドアイズ』モンスター1体を特殊召喚する!戻ってこい、『真紅眼の飛竜』!」
「っ、ならば攻撃は『真紅眼の飛竜』へ!」
墓地から復活し飛び出してきた『真紅眼の飛竜』に、『ブラック・ローズ・ドラゴン』
が狙いを定めると、その紫炎が『真紅眼の飛竜』を焼き尽くす。
守備表示のため、ダメージは与えられなかったけど...これで相手の場はほぼがら空きね。
「私はカードを1枚セットし、ターンエンドよ。」
アキ 手札3→2
ブラック・ローズ・ドラゴン ★7 ATK:2400
ローズ・テンタクルス ★6 ATK:2200
アロマガーデニング
リバースカード ×1
「私のターン、ドロー!」
九頭竜父 手札3→4
「ふっ...白波遊護といったな。貴様の『手札抹殺』のおかげで、私の手札には最強の切り札が来てしまったようだ。」
「へえ...最強の切り札、ね。」
「ああ、それを見せてやろう!まずは魔法カード『古代の整備場』を発動!墓地の『アンティーク・ギア』モンスター1体を手札に加える。私は『古代の機械巨人』を手札に加える!そして手札から魔法カード『融合』を発動!」
っ!『古代の機械巨人』を手札に加えたうえでの『融合』!
それはつまり、『古代の機械巨人』を素材とした超大型の融合...!
「私は手札の『古代の機械巨人』と『古代の機械騎士』、『古代の機械合成獣』を素材に融合召喚!現れよ、私の最強のモンスター!『古代の機械究極巨人』!」
九頭竜父 手札4→0
古代の機械究極巨人 ★10 ATK:4400
リバースカード ×1
「攻撃力4400....!」
「フハハハハ!力とはこういうことだ!お前たちは私たち親子の前に敗れ去り、このアカデミアを去ることになる!」
「へへ....そうだ親父。退学するのは十六夜だけだ。あの男は負けた時のリスクがねえぜ!」
「ほう...そうだったな。ならば貴様、負けた暁には私たちに土下座し、靴を舐めてもらおうか。ああ、それと貴様のデッキも私たちに渡したまえ。」
「っ!なんてことを...!」
「......へえ、そんなこと言うからには、それなりの覚悟があるんだろうな。」
っ...この空気、遊護が本気で怒っている...!
でも当然かもしれない...デュエリストにとって、デッキとは命そのもの。
そのデッキを奪うだなんて、デュエリストを名乗る資格がないわ。
「ふん...減らず口を。ならばこの一撃を喰らうがいい!『古代の機械究極巨人』で『ブラック・ローズ・ドラゴン』を攻撃!」
「っ!私は...」
「無駄だ!『古代の機械究極巨人』が攻撃するとき、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠の効果を発動できない!」
「くっ!」
『古代の機械究極巨人』の腕が振り下ろされ、一瞬にして『ブラック・ローズ・ドラゴン』を叩き潰してしまう。その衝撃が私と遊護を襲い、私たちは立っていたところから少し吹き飛ばされてしまう。
「ぐっ!」
「きゃあああああ!」
遊護&アキ LP5400 - 2000 → 3400
「ククク...これで私はターンエンドだ。」
九頭竜父
古代の機械究極巨人 ★10 ATK:4400
リバースカード ×1
「っ...ごめんなさい、遊護...この状況であなたにターンを回してしまうなんて...」
「大丈夫だ、アキ。君のおかげで勝利への道は見えた。」
「えっ...?」
「俺のターン、ドロー!」
遊護 手札2→3
「『古代の機械究極巨人』...確かに強力なモンスターだ。だが、どんなモンスターも突破できないなんてことはない。」
「ククク...無駄だ!攻撃力4400はかの偉大な『青眼の白龍』の3体融合、『青眼の究極竜』と100ポイント差で並ぶモンスター!歴代モンスターでも最上位となる攻撃力だ!たかが植物ごときが超えられる攻撃力じゃない!」
「ふっ...攻撃力だけが、デュエルのすべてじゃないさ。俺は墓地の『アロマヒーリング』の効果を発動!このカードを除外し、墓地の『アロマージ-ローズマリー』を特殊召喚!」
「ぼ、墓地からトラップだと!?」
「その後、俺はライフを500ポイント回復する。ただし、この効果で特殊召喚したモンスターはフィールドから離れた時、除外される。」
遊護&アキ LP3400 + 500 → 3900
「そして、俺のライフが回復したことで、『ローズマリー』の効果が発動!さらに『アロマ』モンスターが登場したことで、『アロマガーデニング』の効果も発動する!ライフを1000ポイント回復!」
遊護&アキ LP3900 + 1000 → 4900
「『ローズマリー』の効果で、『古代の機械究極巨人』を守備表示に変更する!」
「何っ!?」
「さらに俺は手札を1枚捨て、『アロマブレンド』を発動!手札、デッキから『潤いの風』、『渇きの風』、『恵みの風』のいずれか1枚を表側表示で場に置くことができる。俺は『恵みの風』を選択!」
遊護 手札3→1
ローズ・テンタクルス ★6 ATK:2200
アロマージ-ローズマリー ★4 ATK:1800
アロマガーデニング
恵みの風
リバースカード ×1
「そして俺はライフを1000ポイント払い、『恵みの風』の効果を発動!墓地の『アロマ』モンスター1体を特殊召喚する。来い、『アロマリリス-ロザリーナ』!」
「っ!これは...」
「『ロザリーナ』の効果は発動しない。アキ、君の力を借りるぞ!」
「ええ、任せるわ遊護!」
「俺はレベル6の『ローズ・テンタクルス』に、レベル1の『アロマリリス-ロザリーナ』をチューニング!冷たい炎が、世界のすべてを包み込む。漆黒の花よ、開け!シンクロ召喚!現れよ、『ブラック・ローズ・ドラゴン』!」
「な、なんだと!?」
「ここで再び『ブラック・ローズ・ドラゴン』...!」
「さあ、悪者退治と行こうか。俺は『ブラック・ローズ・ドラゴン』の効果発動!墓地の植物族モンスター1体を除外し、相手の守備表示モンスター1体を強制的に攻撃表示に変更し、その攻撃力を0にする!」
「ば、馬鹿な!攻撃力を0にするだと!?」
どんなに強力なモンスターでも、こうして突破することができる。
様々なカードを駆使して、強大な敵にも立ち向かっていける。
遊護、あなたがいれば私は恐れることはない。
「さらに、墓地の『アロマブレンド』の効果を発動!このカードを除外し、自分の手札、フィールドから融合素材を除外して植物族の融合モンスターを融合召喚できる!この時、俺達のライフが相手を上回っていれば、墓地の植物族モンスターも素材とすることができる!」
私たちのライフは3900に対し、相手のライフは3600!
こちらの方がライフを上回っているわ!
「俺は墓地の『アロマリリス-ロザリーナ』と『アロマージ-ジャスミン』を除外!優美なる花よ、癒しをもたらす花と一つとなりて、今ここに芽吹き新たな命とならん!融合召喚!『アロマリリス-マグノリア』!」
「ぐっ...!」
「『マグノリア』の効果発動!ライフを2000ポイント支払うことで、場の『潤いの風』、『渇きの風』、『恵みの風』の数だけ、フィールドのカードを除外する!俺はそのセットカードを除外!」
「な、なんだと!?」
「う、嘘だろ親父!」
セットされていたのは、『古代の機械蘇生』。場にモンスターが存在しないとき、墓地の『アンティーク・ギア』を蘇生させ、攻撃力を200ポイントアップさせるカード。
あれで逆転のチャンスを狙っていたのかしらね。
でも、それも遊護がしっかり対処している!
「さあ、終わりにしようか。バトル!まずは『ブラック・ローズ・ドラゴン』で『古代の機械究極巨人』を攻撃!ブラック・ローズ・フレア!」
『ブラック・ローズ・ドラゴン』から放たれた紫炎は、効果によってボロボロになった『古代の機械究極巨人』を包み込む。『古代の機械究極巨人』は断末魔を上げながら、ボロボロと崩れ落ち、最後は大爆発でその姿を跡形もなく吹き飛ばした。
「ぐおおおおおおおおおおお!」
「ぐあああああああああああ!」
九頭竜親子 LP3600 - 2400 → 1200
「ぐっ...だ、だが破壊された『古代の機械究極巨人』の効果!墓地の『古代の機械巨人』を召喚条件を無視して特殊召喚する!」
その言葉に、彼らのフィールドには地面を突き破って『古代の機械巨人』が姿を現した。その攻撃力は3000、今の私たちの場のモンスターでは突破できない。
「ククク...どうだ!確かに『究極巨人』を破壊したのは驚いたが、それでもこいつがいる!貴様らは我々には勝てない!」
「ふっ...このターンは、な。俺はカードを1枚セットし、ターンエンド。」
遊護 手札1→0
アロマージ-ローズマリー ★4 ATK:1800
ブラック・ローズ・ドラゴン ★7 ATK:2400
アロマリリス-マグノリア ★8 ATK:2600
アロマガーデニング
恵みの風
リバースカード ×2
「お、俺のターン、ドロー!」
九頭竜子 手札4→5
「...くひっ...ひゃは...ヒャハハハハハ!」
「っ...何...なんだというの。」
九頭竜くんが引いたカードを見た瞬間、不気味に笑い始めた。
その表情は狂気に満ちているような表情で、とても正気とは思えなかった。
「良いカードを引いたぜ!これでお前らの負けは確定だ!俺は魔法カード『真紅眼融合』を発動!このカードを発動するターン、このカード以外の効果でモンスターを召喚、特殊召喚できなくなる。が、これにより手札、デッキ、フィールドのモンスターを素材に『レッドアイズ』を素材とする融合モンスターを融合召喚できる!」
「なっ!?デッキから融合!?」
「....」
「行くぜ!俺はデッキの『真紅眼の黒竜』と『メテオ・ドラゴン』で融合召喚!出でよ、『流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン』!」
九頭竜子 手札5→4
古代の機械巨人 ★8 ATK:3000
流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン ★8 ATK:3500
「融合召喚したこのカードの効果発動!手札、デッキから『レッドアイズ』モンスター1体を墓地に送り、その攻撃力の半分のダメージを相手に与える!俺はデッキから『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』を墓地に送り、その攻撃力2800の半分、1400ポイントのダメージを与える!」
「ぐあああああああああああ!」
「きゃああああああああああ!」
遊護&アキ LP1900 - 1400 → 500
「ヒャハハハハハ!これで終わりだ!バトル!」
「バトルフェイズに入る前に、『恵みの風』の効果発動!」
「だが貴様のライフは500!墓地からモンスターは特殊召喚できないぜ!」
「『恵みの風』の効果はそれだけじゃない。俺は墓地の植物族モンスター『ローズ・テンタクルス』をデッキに戻し、ライフを500ポイント回復する。」
遊護&アキ LP500 + 500 → 1000
「無駄なあがきを...!」
「無駄なんかじゃないさ。俺たちのライフが回復したことで、『マグノリア』と『ローズマリー』の効果が発動する。まず『ローズマリー』の効果により、『流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン』を守備表示にする。さらに『マグノリア』の効果により、回復した数値分、植物族モンスターの攻撃力をアップする!」
遊護
アロマージ-ローズマリー ★4 ATK:2300
ブラック・ローズ・ドラゴン ★7 ATK:2400
アロマリリス-マグノリア ★8 ATK:3000
アロマガーデニング
恵みの風
リバースカード ×2
「チッ...ならば俺は『古代の機械巨人』で『ブラック・ローズ・ドラゴン』を攻撃!」
「ぐっ!」
「っ!」
遊護&アキ LP1000 - 600 → 400
一気にライフが削られて、今はたったの400。
このままではまずい...でも、このデュエルに勝たないと...!
「俺はカードを1枚セットして、ターンエンドだ!」
九頭竜子 手札4→3
古代の機械巨人 ★8 ATK:3000
流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン ★8 DEF:2000
リバースカード ×1
「(へへ...今伏せたカードは『重力解除』。親父とのタッグデュエルのために入れてるカードだ。これで万が一、攻撃力を超えられても守備表示にしてやれば攻撃は通らねえ!)」
「っ...私のターン....」
このターンにこのデュエルの命運がかかっている。
私が何としても、逆転しなくちゃ...!
「アキ!」
「っ!」
「君は君のできることをすればいい。そして何より...デュエルを楽しもう!」
「遊護......」
「おい!相談は禁止だぞ!」
「何、相談じゃなくて激励さ。それにさっきあんたらも普通にしゃべってただろ。」
「ぐっ...」
「さあ、アキ。君の力を見せてやれ。」
遊護....やっぱり、あなたは不思議な人。
あなたといると、優しい光に包まれているような感覚になる。
そしてその光に包まれていると、なぜだかなんでもできるような気になる!
「私のターン、ドロー!」
アキ 手札2→3
「私は装備魔法『憎悪の棘』を『マグノリア』に装備!これにより、『マグノリア』
の攻撃力は600ポイントアップ!装備モンスターが守備モンスターを攻撃したとき、攻撃力が守備力を超えていれば、その分だけ貫通ダメージを与えることができる!」
アキ 手札3→2
アロマージ-ローズマリー ★4 ATK:1800
アロマリリス-マグノリア ★8 ATK:2600 + 600 → 3200
アロマガーデニング
恵みの風
リバースカード ×2
これで『マグノリア』が『流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン』を攻撃すれば、貫通ダメージにより1200ポイントのダメージを与え、私たちの勝ち!
「バトル!『マグノリア』で『メテオ・ブラック・ドラゴン』を攻撃!」
「ヒャハハハハ!この瞬間、トラップ発動!『重力解除』!これにより、互いの場のモンスターはすべて表示形式が変更される!」
「っ!」
突然、九頭竜くんが発動したカードから波動が飛び出し、場のモンスターの表示形式が変更されてしまった。
「これでお前のモンスターたちは守備表示!攻撃はできない!」
「っ...まさか、ここまでとはね。」
「あん...?」
「遊護、あなたが託してくれたこのカードで、私は勝つ!トラップ発動、『アロマヒーリング』!」
「ば、馬鹿な...このデュエルで2枚目の『アロマヒーリング』だと...!」
「お、親父!どうなるんだこれ!」
「その効果により、場の『アロマ』モンスターの種類につき、ライフを1000ポイント回復。よって2000ポイントのライフを回復!」
遊護&アキ LP400 + 2000 → 2400
「さらにライフが回復したことで、『ローズマリー』と『マグノリア』の効果が発動!まず、『マグノリア』の効果で回復した数値分、植物族モンスターの攻撃力がアップ!さらに『ローズマリー』の効果でモンスター1体の表示形式を変更できる。これは私のモンスターも対象!」
このターン、攻撃がなかったことになったとはいえ、『マグノリア』の攻撃宣言は終わっている。だから攻撃はできない。なら、この効果の対象にすべきは...
「私は『ローズマリー』の効果で、『ローズマリー』自身の表示形式を変更!」
アキ
アロマージ-ローズマリー ★4 ATK:1800 + 2000 → 3800
アロマリリス-マグノリア ★8 DEF:1800 + 2000 → 3800
アロマガーデニング
恵みの風
リバースカード ×1
「さあ、これでバトルができるわ!『ローズマリー』で『古代の機械巨人』を攻撃!」
私の宣言により、『ローズマリー』が手に持った杖から魔法を唱える。
水の魔法が『古代の機械巨人』へと襲い掛かり、その勢いで『古代の機械巨人』の体は崩れ去っていく。
「ぐああああああああああ!」
「ぐおおおおおおおおおお!」
九頭竜親子 LP1200 - 800 → 400
「ぐぅ...まさか、ここまで追い詰められるとは...だが、このターンの攻撃はこれで終わり!」
「次の私のターン、貴様らに地獄を...」
「あなたたちに次のターンは回ってこない!トラップ発動、『ブロッサム・ボンバー』
!植物族モンスターが相手モンスターを戦闘で破壊したとき、その破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える!」
「な、なんだと!?」
「ば、馬鹿な...!」
そううろたえる二人の間に、『古代の機械巨人』のパーツと思われる機械が転がってくる。その機械はまるで爆弾のような形状をしており、二人の間でぴたりと止まると、そのまま光りだす。
「う、うわあああああああああああああ!」
「この私が....馬鹿なああああああああ!」
機械は大きな光を放ちながら、二人を爆破する。
九頭竜親子 LP400 - 3000 → 0
これにより、私たちの勝利が決定したのであった。
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「相手の許可なくアンティーするのは窃盗罪。それにそれを強要した時点で強要罪、脅した時点で恐喝罪だ。犯罪のバーゲンセールだな、こりゃ。」
「う、嘘だ...俺は捕まるのか....お、親父!助けてくれ!」
「馬鹿言うな。お前の親父も捕まるんだ。観念するんだな。」
「終わった....すべて....私の輝かしき生活もすべて....終わりだああああああああああああああ!」
あの後すぐ、遊護が呼んでいたのか牛尾さんと御影さんがセキュリティ隊員とともに現れ、九頭竜親子を取り押さえてくれた。
どうやら証拠も遊護が押さえていたらしく、二人はセキュリティのお世話になることになった。
「ハァ....勝ててよかったわ、遊護。」
「ああ、そうだな。」
「「アキさん!」」
私が遊護と話していると、原さんと青葉さんが話しかけてきた。
どうやらデュエルを見守ってくれていたようね。
「アキさん...その、ありがとう!」
「それと、ごめんなさい!」
「えっと...感謝されるのは嬉しいけど、それは何の謝罪?」
「だって、アキさんは私たちをかばってくれたのに、私たちは退学になるかもって怖くて、アキさんのパートナーに名乗り出ることができなかった...」
「せっかく助けてもらったのに、これではただの臆病者です。」
二人はそう言って、泣きそうな顔をしながら後悔していた。
でも、それは仕方のないことだわ。誰だって自分に危険が及ぶなら、行動を躊躇してしまうもの。
「私は気にしてないわ。それに、二人が無事でよかった。」
「「アキさん....!」」
「良かったな、アキ。」
「遊護....」
「あ、あの!お兄さんもありがとうございました!」
「アキさんを助けてくれて、ありがとうございます!」
「いや、いいんだ。アキは俺の大切な仲間だからな。...じゃ、俺は牛尾さんたちと話があるから行くよ。」
「ええ。今日はありがとう、遊護。」
「おう。どういたしまして。」
そう言って、遊護は軽く手を振りながら去っていった。
また遊護に助けられてしまったわね。私が彼に何か返せる日は来るのかしら。
「ねえ、アキさん!」
「あの男性、アキさんの彼氏ですか!?」
「え、ええ!?」
「颯爽と現れて、アキさんのピンチを救う....まるで白馬の王子様です!」
「それに何事もなかったかのように去るあの姿.....ハァ....かっこよすぎます...!」
「ちょ、ちょっと...原さん!?青葉さん!?落ち着いて!」
「落ち着けません!」
「さあ、教えてください!アキさん!」
「ち、違うわ....まだ、彼氏でもなんでも....」
「「まだ!?」」
「あっ...」
そのあと、ヒートアップした二人の相手でひどく疲れてしまったわ。
二人とも結局、遊護が私の彼だと誤解したままになってしまったけど....でも、悪い気はしないわね......なんてね。でも、いつか.....
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