『レディース&ジェントルマン!本日はフォーチュンカップ2日目!準決勝、そして決勝を行っていくぞ!まずはこの二人!昨日のデュエルで黒薔薇の魔女と判明!その恐ろしい力ですべてを破壊する!十六夜アキ!』
「ひっこめええええ!」
「巣に戻ってろ!」
「魔女が人間のフリしてんじゃねえ!」
MCの紹介により、十六夜アキがステージへと登場する。
しかし観客からはブーイングの嵐となっていて、とてもじゃないが彼女は歓迎されていない。
だが彼女自身はそんなこと何も気にしていないように、真顔でこちらを見ている。
『続いて、シティの希望!若き天才科学者がデュエルでも魅せる!君の力で魔女を打ち倒してくれ!白波遊護!』
「きゃあああああああ!遊護様!」
「勝ってくれ、遊護!」
「魔女をぶっ倒してくれええええ!」
MCに紹介されながら、俺もステージへと登場する。
周りからはすごい声援を受けるが、正直どうでもいい。
俺は十六夜アキと視線を交差する。
「白波遊護...今度こそあなたを倒すわ。」
「俺も負けるつもりはないよ。」
「この痣が疼く...あなたを倒せと!」
「痣.....(シグナーの痣か?)」
『さあ!デュエル開始のゴングだあああああ!』
「デュエル!」
「っ...デュエル!」
「私のターン、ドロー。」
アキ 手札5→6
「私は『イービル・ソーン』を召喚。そしてそのまま効果を発動する。『イービル・ソーン』をリリースして、相手に300ポイントのダメージを与える!」
十六夜アキがそう宣言すると、『イービル・ソーン』が葉のつぶてとなって俺に襲い掛かる。
ソリッドビジョン...そのはずなのにその衝撃は俺の体にリアルにぶつかってくる。
「ぐっ!」
遊護 LP4000 → 3700
「さらにデッキから『イービル・ソーン』を2枚、特殊召喚する。この効果で特殊召喚した『イービル・ソーン』は効果を発動できない。」
アキ 手札6→5
イービル・ソーン ★1 DEF:300
イービル・ソーン ★1 DEF:300
「っ...」
痛みを感じる肩に目を向けると、葉で切り裂かれたのか服は裂け、血が滲んでいた。
この前デュエルしたときにも思ったが、彼女のサイコパワーはかなり強力だ。
このデュエル、心してかからないとやばいかもな。
「私はカードを2枚セットし、ターンエンド。」
アキ 手札5→3
イービル・ソーン ★1 DEF:300
イービル・ソーン ★1 DEF:300
リバースカード ×2
「...俺のターン、ドロー。」
遊護 手札5→6
「俺は魔法カード『ワン・フォー・ワン』を発動。手札の『ボルト・ヘッジホッグ』をコストにする。そして俺はデッキから『チューニング・サポーター』を特殊召喚!」
遊護 手札6→4
チューニング・サポーター ★1 DEF:300
「さらに『スチーム・シンクロン』を通常召喚!『チューニング・サポーター』はシンクロ召喚する際、レベル2として扱える!俺はレベル2の『チューニング・サポーター』に、レベル3の『スチーム・シンクロン』をチューニング!」
『遊護、いきなりのシンクロ召喚!果たして何を見せてくるのか!』
「集いし想いが、歴戦の英雄を呼び覚ます!光差す道となれ!シンクロ召喚!『スカー・ウォリアー』!」
遊護 手札4→3
スカー・ウォリアー ★5 ATK:2100
「シンクロ素材になった『チューニング・サポーター』の効果により、1枚ドロー!」
遊護 手札3→4
「バトルだ!『スカー・ウォリアー』で『イービル・ソーン』を攻撃!」
スカー・ウォリアー ATK:2100 vs イービル・ソーン DEF:300
『スカー・ウォリアー』の攻撃により、『イービル・ソーン』が破壊される。
守備表示のためダメージは発生せず、十六夜アキは表情を変えずにこちらを見ている。
「俺はカードを2枚セットし、ターンエンド。」
遊護 手札4→2
スカー・ウォリアー ★5 ATK:2100
リバースカード ×2
「私のターン、ドロー。」
アキ 手札3→4
「私は『イービル・ソーン』をリリースし、『ローズ・テンタクルス』をアドバンス召喚!」
アキ 手札4→3
ローズ・テンタクルス ★6 ATK:2200
リバースカード ×2
「これであなたの場のモンスターより攻撃力は上回った。」
「さあ、それはどうだろうね。」
「強がりを....バトル!『ローズ・テンタクルス』で『スカー・ウォリアー』を攻撃!」
「トラップ発動!『くず鉄のかかし』!攻撃を1度だけ無効にし、このカードを再びセットする!」
「っ!」
よし、これで攻撃は無効...次のターンで新たなシンクロにつなげて、『ローズ・テンタクルス』を突破する!
「...私は手札から速攻魔法『偽りの種』を発動。手札から『コピー・プラント』を特殊召喚する。」
アキ 手札3→1
ローズ・テンタクルス ★6 ATK:2200
コピー・プラント ★1 DEF:0
リバースカード ×2
ここで攻撃力も守備力も0の『コピー・プラント』を特殊召喚...?
一体何を狙って...っ、まさかあのリバースカードは...!
「そしてトラップ発動『緊急同調』。その効果により、この場でシンクロ召喚を行う。」
「くっ...やはりか!」
「私はレベル6の『ローズ・テンタクルス』に、レベル1の『コピー・プラント』をチューニング。冷たい炎が世界のすべてを包み込む。漆黒の花よ、開け!シンクロ召喚!現れよ、『ブラック・ローズ・ドラゴン』!」
「きゃああああああああああ!」
「うわああああああああああ!」
『で、で、で、出たあああああああああああ!十六夜アキのエースモンスター、『ブラック・ローズ・ドラゴン』!召喚されただけで風が吹き荒れている!観客の皆さん!自分の身の安全を考えて行動するよう注意してください!』
「(ここで『ブラック・ローズ・ドラゴン』か...!)」
「くっ...!」
「(あれは....シグナーの痣....どうして関係ない俺とのデュエルで、痣が...)」
「うぅ....やはり、貴様は忌むべき敵...!バトル!『ブラック・ローズ・ドラゴン』で『スカー・ウォリアー』を攻撃!ブラック・ローズ・フレア!」
「くっ!『スカー・ウォリアー』は1ターンに1度、戦闘では破壊されない!」
「だがダメージは受けてもらう!」
ブラック・ローズ・ドラゴン ATK:2400 vs スカー・ウォリアー ATK:2100
「ぐあああああああ!」
遊護 LP3700 - 300 → 3400
『ブラック・ローズ・ドラゴン』から放たれた紫色の炎が『スカー・ウォリアー』を包みこみ、その衝撃が俺にも伝わってくる。シグナーの竜の力...サイコパワーも相まって強力な一撃だ...!
「ぐっ...!」
「私はカードを1枚セットし、ターンエンド!」
アキ 手札1→0
ブラック・ローズ・ドラゴン ★7 ATK:2400
リバースカード ×2
ここまでは互角...だが彼女のデュエルタクティクスもなかなかのものだ。
しかもこちらはダメージを受けるとサイコパワーでリアルダメージを食らい、体力が消耗される。
今は何とか持ちこたえているが、何とかしなくては俺の体が持たない。
「俺のターン、ドロー!」
遊護 手札2→3
「俺は『チェンジ・シンクロン』を召喚!そしてレベル5の『スカー・ウォリアー』に、レベル1の『チェンジ・シンクロン』をチューニング!集いし力が、大地を砕く剛腕となる!光差す道となれ!シンクロ召喚!打ち砕け!『マイティ・ウォリアー』!」
遊護 手札3→2
マイティ・ウォリアー ★6 ATK:2200
リバースカード(くず鉄のかかし)
リバースカード ×1
「シンクロ素材となった『チェンジ・シンクロン』の効果発動!相手モンスターの表示形式を変更する!」
「何っ!?」
「俺は『ブラック・ローズ・ドラゴン』を守備表示に変更!」
アキ
ブラック・ローズ・ドラゴン ★7 DEF:1800
リバースカード ×2
「これでバトルだ!『マイティ・ウォリアー』で『ブラック・ローズ・ドラゴン』に攻撃!」
これが通れば彼女の切り札を破壊したうえで、さらに追加でダメージも与えられる!
いけ!『マイティ・ウォリアー』!
「トラップ発動!『ローズ・ブリザード』!攻撃を無効にし、攻撃してきたモンスターを守備表示にする!」
「なっ!?」
遊護
マイティ・ウォリアー ★6 DEF:2000
リバースカード(くず鉄のかかし)
リバースカード ×1
「くっ...カードを1枚セットし、ターンエンド...!」
遊護 手札2→1
マイティ・ウォリアー ★6 DEF:2000
リバースカード(くず鉄のかかし)
リバースカード ×2
「私のターン、ドロー。」
アキ 手札0→1
「私は『返り咲く薔薇の大輪』を召喚!さらに『ブラック・ローズ・ドラゴン』を攻撃表示に変更!」
アキ 手札1→0
ブラック・ローズ・ドラゴン ★7 DEF:1800
返り咲く薔薇の大輪 ★4 ATK:1300
リバースカード ×1
「『ブラック・ローズ・ドラゴン』の効果発動!墓地の『イービル・ソーン』を除外し、『マイティ・ウォリアー』の攻撃力をターン終了時まで0にし、強制的に攻撃表示にする!」
「くっ!」
ほんと、この効果が厄介すぎる!
守備に徹しようとしても、墓地に植物族がいれば守りが意味をなくすからな...!
遊護
マイティ・ウォリアー ★6 ATK:0
リバースカード(くず鉄のかかし)
リバースカード ×2
「バトル!『返り咲く薔薇の大輪』で『マイティ・ウォリアー』を攻撃!」
「っ!」
返り咲く薔薇の大輪 ATK:1300 vs マイティ・ウォリアー ATK:0
「ぐああああああああああ!」
『返り咲く薔薇の大輪』が放った薔薇の棘が、『マイティ・ウォリアー』を苦しめ破壊する。薔薇の棘はそのまま俺にも飛んできて、俺は体を切り裂かれる。
遊護 LP3400 - 1300 → 2100
「『ブラック・ローズ・ドラゴン』でダイレクトアタック!ブラック・ローズ・フレア!」
『まずいぞ!遊護のライフは残り2100!対するブラック・ローズ・ドラゴンの攻撃力は2400!この攻撃を食らえば、遊護の敗北だ!』
「ハァ...ハァ....それは通さない!トラップ発動、『くず鉄のかかし』!攻撃を無効にし、このカードをセットしなおす!」
『耐えたあああああああああ!遊護、くず鉄のかかしで攻撃を防いで耐えます!』
「エンドフェイズ前にトラップ発動。永続トラップ『デス・ペタル・カウントダウン』。この効果により、私のエンドフェイズに墓地の植物族モンスターを除外することで、相手に300ポイントのダメージを与える。この効果によって墓地に植物族モンスターが存在しなくなったとき、除外されている植物族モンスター1枚につき300ポイントのダメージを与え、このカードを破壊する。」
今、彼女の墓地に植物族モンスターは『イービル・ソーン』が2枚、『ローズ・テンタクルス』と『コピー・プラント』が1枚ずつの計4枚か...
「まず1枚目。『イービル・ソーン』を除外し、300ポイントのダメージを与える!」
「ぐぅ...!」
遊護 LP2100 - 300 → 1800
『デス・ペタル・カウントダウン』から光の玉が放たれ、俺にぶつかる。
このままあのカードを使われ続けるのはまずい...!
「これでターンエンド。」
アキ
ブラック・ローズ・ドラゴン ★7 ATK:2400
返り咲く薔薇の大輪 ★4 ATK:1300
デス・ペタル・カウントダウン
「俺のターン、ドロー!」
遊護 手札1→2
「っ!(このカードがあれば...いける!)俺は『ジャンク・シンクロン』を召喚!その効果により墓地の『チューニング・サポーター』を、効果を無効にして守備表示で特殊召喚する!」
遊護 手札2→1
ジャンク・シンクロン ★3 ATK:1300
チューニング・サポーター ★1 DEF:300
リバースカード(くず鉄のかかし)
リバースカード ×2
「さらに墓地の『ボルト・ヘッジホッグ』の効果発動!場にチューナーが存在する場合、このカードは墓地から特殊召喚できる!」
「これは....(場にモンスターがどんどん出てくる...なんて展開力...!)」
「俺はレベル1の『チューニング・サポーター』と、レベル2の『ボルト・ヘッジホッグ』に、レベル3の『ジャンク・シンクロン』をチューニング!集いし咆哮が、重力すらも歪ませる!光差す道となれ!シンクロ召喚!叩き潰せ!『グラヴィティ・ウォリアー』!」
遊護
グラヴィティ・ウォリアー ★6 ATK:2100
リバースカード(くず鉄のかかし)
リバースカード ×2
「『ボルト・ヘッジホッグ』は効果により除外される。さらに『チューニング・サポーター』と『グラヴィティ・ウォリアー』の効果が発動する!1枚ドロー!さらに『グラヴィティ・ウォリアー』は相手の表側表示のモンスターの数だけ、攻撃力を300ポイントアップする!」
遊護 手札1→2
グラヴィティ・ウォリアー ★6 ATK:2100 + 300 * 2 → 2100 + 600 → 2700
リバースカード(くず鉄のかかし)
リバースカード ×2
「バトル!『グラヴィティ・ウォリアー』で『ブラック・ローズ・ドラゴン』を攻撃!」
グラヴィティ・ウォリアー ATK:2700 vs ブラック・ローズ・ドラゴン ATK:2400
彼女の場にも墓地にも攻撃を防ぐカードはない。
『グラヴィティ・ウォリアー』の攻撃に、『ブラック・ローズ・ドラゴン』は雄たけびを上げながら破壊される。
「くっ...!」
アキ LP4000 - 300 → 3700
「ようやくダメージを与えられたか....俺はカードを1枚セットし、ターンエンド!」
遊護 手札2→1
グラヴィティ・ウォリアー ★6 ATK:2700
リバースカード(くず鉄のかかし)
リバースカード ×3
『ここで十六夜アキに初めてのダメージ!遊護の場にはグラヴィティ・ウォリアーと4枚のリバースカード、対する十六夜アキの場には返り咲く薔薇の大輪とデス・ペタル・カウントダウン!攻撃力が心もとないが、エンドフェイズに確実にダメージを与える状況...果たしてどちらに軍配が上がるのか!』
「勝てえええええ!白波遊護!」
「魔女をうちたおせ!」
「魔女に正義の鉄槌を!」
「っ...あいつら、好き勝手言いやがって...」
「ふっ...所詮人間なんてそういうものよ。」
「っ!」
俺のつぶやきが聞こえたのか、十六夜アキは俺にそう発した。
その言葉に様々な思いを感じた。憎しみ、怒り....そして、悲しみ。
望んだ力ではないのに、周りから疎まれ、傷つけられ、そんな世界を憎み、すべてを破壊したいと願った。
だけど破壊すればするほど、さらに周りから離れていく。そんな矛盾した状況への怒り。
誰からも理解されず、理解されたいと願ってしまう悲しみ。
初めてできた居場所がすべてだと思い込んでしまう....俺にはそれがよくわかる。
かつて、この世界に来る前の俺がそうだったから。
「だから私は破壊する....すべてを...ディヴァインの望みのままに!」
「破壊する必要なんてない!ディヴァインの望みじゃない...君の望みはなんだ!」
「私に望みなどない...私のすべてはディヴァインのもの!私はもう...何も望みたくない...!」
「違う!君は自分を閉じ込めているだけだ!君にだってあったはずだ!心の底から望んだ未来が!」
「うるさい!私に...私に希望はない!私のターン、ドロー!」
アキ 手札0→1
「魔法カード『フレグランス・ストーム』発動!『返り咲く薔薇の大輪』を破壊し、1枚ドロー!...引いたカードは『フェニキシアン・シード』、植物族!よってもう1枚ドロー!」
アキ 手札1→0 , 0→2
「そして『フェニキシアン・シード』を召喚!効果発動!このカードを墓地に送り、手札から『フェニキシアン・クラスター・アマリリス』を特殊召喚する!」
「なっ!?」
あの状況で、『フェニキシアン・シード』と『フェニキシアン・クラスター・アマリリス』を同時に引いたってのか!?
なんて幸運だよ...さすがにこの状況はやばいぞ...!
アキ 手札2→0
フェニキシアン・シード・アマリリス ★8 ATK:2200
デス・ペタル・カウントダウン
「バトル!『アマリリス』で『グラヴィティ・ウォリアー』を攻撃!」
「っ...(まずい!)トラップ発動、『くず鉄のかかし』!攻撃を無効にする!」
『これはどうしたことか!十六夜アキ、攻撃力の低いアマリリスでグラヴィティ・ウォリアーを攻撃!しかしそれを遊護も無効にした!』
いや、これで正解だ...なぜなら!
「『アマリリス』は破壊された場合、相手に800ポイントのダメージを与える。さらに『アマリリス』が攻撃したダメージ計算後にこのカードは破壊される。...攻撃を無効にして正解だったわ。」
「カードの効果は把握しておくものだからね...そのカードもよく知っている。」
「そう....でも、エンドフェイズ、『デス・ペタル・カウントダウン』の効果で『フェニキシアン・シード』を除外し、300ポイントのダメージ!」
「ぐあああああああああ!」
遊護 LP1800 - 300 → 1500
「ターンエンド!」
アキ
フェニキシアン・クラスター・アマリリス ★8 ATK:2200
デス・ペタル・カウントダウン
くそ...最悪な状況だ...『フェニキシアン・クラスター・アマリリス』を破壊すれば、俺に800ポイントのダメージが飛んでくる。だが放置していれば『デス・ペタル・カウントダウン』の効果でライフを削られ、結局は俺の負け...
「もう貴様に勝ち目はない。もう立っているのもやっとのはず...サレンダーするなら今の内よ。」
「っ...」
確かに、さっきからサイコパワーを食らいすぎたのか足が震えてやがる。
今にもぶっ倒れて意識を失えば、さぞ楽になれるんだろうよ。
だけど....そんなことできるはずがない!
「俺のターン、ドロー!」
遊護 手札1→2
「っ....どうして...どうして立ち向かってくる!どうして貴様は倒れない!」
「決まってるだろ...負けたくない...デュエルに勝ちたい....ただそれだけのために、俺は立ち上がる!俺にとってデュエルは人生そのものだ!サレンダーなんて人生を投げ出すような真似....してたまるか!」
「っ...」
「俺は『ジェット・シンクロン』を召喚!さらにトラップ発動!『ギブ&テイク』!俺の墓地の『スチーム・シンクロン』を君の場に守備表示で特殊召喚し、俺の『グラヴィティ・ウォリアー』のレベルを『スチーム・シンクロン』のレベル分だけ上げる!」
遊護 手札2→1
グラヴィティ・ウォリアー ★9 ATK:2700
ジェット・シンクロン ★1 ATK:500
リバースカード(くず鉄のかかし)
リバースカード ×2
アキ
フェニキシアン・クラスター・アマリリス ★8 ATK:2200
スチーム・シンクロン ★3 DEF:800
デス・ペタル・カウントダウン
「俺はレベル9となった『グラヴィティ・ウォリアー』に、レベル1の『ジェット・シンクロン』をチューニング!集いし魂が、夜空に輝く星となる!光差す道となれ!シンクロ召喚!きらめけ!『サテライト・ウォリアー』!」
『これはあああああああああ!龍可ちゃんとのデュエルでも使った、レベル10の大型シンクロモンスターだ!』
「『サテライト・ウォリアー』の効果発動!俺の墓地に存在するシンクロモンスターの数だけ相手の場のカードを破壊する!俺の墓地には『スカー・ウォリアー』、『マイティ・ウォリアー』、『グラヴィティ・ウォリアー』の3枚!よって君の場のカードをすべて破壊!」
「くっ!」
「3枚破壊したので、攻撃力が3000ポイントアップ!」
遊護
サテライト・ウォリアー ★10 ATK:2500 + 1000 * 3 → 2500 + 3000 → 5500
リバースカード(くず鉄のかかし)
リバースカード ×1
「破壊された『フェニキシアン・クラスター・アマリリス』の効果発動!800ポイントのダメージを与える!」
「ぐあああああああああ!」
遊護 LP1500 - 800 → 700
ぐっ...痛っ....だがこれで終わりだ!
もう彼女にこの攻撃を防ぐ手立ては残されていない!
「とどめだ!『サテライト・ウォリアー』でダイレクトアタック!」
「っ....(これが、白波遊護の実力....また、勝てなかった....!)」
アキ LP3700 - 5500 → 0
『サテライト・ウォリアー』の放った攻撃を食らい、アキのライフが0となる。
これで....何とか俺の勝ちだ....!意識が薄れてきているが、何とかごまかしてこの場に立ち続ける。
『き、き、決まったああああああああああ!勝者、白波遊護!黒薔薇の魔女を倒し、決勝戦に進出!よくやってくれたぞ、白波遊護!君こそが我々の救世主だ!』
「いいぞ!よくやった!」
「すごいぞおおおおおおおお!」
「魔女はとっととくたばれえええええええええ!」
「ハァ...ハァ....」
「どうして....どうして私はあなたに勝てないの...」
「っ...」
デュエルの緊張が解けたのと、サイコパワーのダメージによる消耗のせいか膝をついてしまう。
正直、観客席の罵声も聞くに堪えないが、今はどうでもいい。
「十六夜...アキ....」
「っ....私は....」
「お疲れ様、アキ。」
俺が彼女に声をかけようとすると、彼女の後ろからディヴァインが現れた。
ディヴァインは彼女に自身のコートをかぶせると、そのまま膝をついていた彼女をたたせる。
「待て!」
「...なんだい、白波遊護。勝者が敗者にかける言葉などないはずだが?」
「.....あんたのやっていること、俺は許すことはできない。」
「さて、何のことだか?」
俺は震える足を何とか抑えて、立ち上がる。
やはりディヴァイン...こいつだけは許すことができない!
たとえ彼が救った人間がいるとしても...それでも...!
「ディヴァイン!俺はお前の悪事を必ず白日の下にさらす!」
「くくく...言いがかりは醜いな。...さあ行こう、アキ。」
「....」
「....十六夜アキ!」
「...アキ、聞く必要はない。もうここから帰ろう。」
「待って....ディヴァイン....」
「何...?(アキが私の言葉に逆らった?しかも敵であるあの男の言葉に耳を傾けているだと...?)」
俺が彼女の名を叫ぶと、彼女は俺の方へと振り向いた。
ディヴァインは止めていたようだが、彼女はそれに逆らって一歩だけ、俺に近寄る。
一言も発さないが、俺の方を真剣に見つめてきている。
「............また、デュエルしよう。」
「えっ....?」
「君とのデュエル、最高に楽しかった。あれほど追い詰められたのは久しぶりだし...それをどうやって逆転するか考えさせられて...最高に楽しかったんだ。だから.....またデュエルしよう。」
「っ............約束はしない。でも......今度は私が勝つ...!」
そう言って、彼女は再び振り向いて歩き始める。
ディヴァインはそれを満足そうに見て、先に会場を後にする。
彼女もそれを追うように会場を出ようとするが、最後に一度立ち止まって、俺を見た。
「.....ありがとう.......さようなら...」
確かにそう言って、彼女は去っていった。
「ありがとう、か....まあ少しは....彼女の心を....救えた....の....か.....」
ドサッ
『た、担架を!大至急、担架を持ってきてくれええええええええええ!』
薄れゆく意識の中で、最後に聞いたのはMCのそんな叫びだった。
.