俺はギャンブルなんてしないぞ!絶対に!(フラグ)   作:カリ梅

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国語力も語彙力も文章力もない人間がノリと勢いだけで書いてる駄文。

もっと丁寧に描写を書きたいとは思ってるけど……もっと面白く書きたいなあ。


第4話

 

 

 

「──今日は軽くババ抜きにしましょう」

 

もはや見慣れた光景。

屋上での会長とのゲーム。

 

関わりを持ってから幾月の時間が流れていた。

 

昼休み、放課後……とにかく暇な時に連行されてはこうして半ば強制的な遊びに付き合わされる流れ。

 

頭と胃を痛める日々。

解放されたい……切実に……。

 

「とはいえ、2人でしかやらないのにデックを全て配るなんてことはしない、エース2枚とジョーカーの計3枚だけ使うわ」

「……会長と読み合い勝負とか自信ねぇ……」

 

表情も態度もなにもかもおくびにも出さない相手とどう読み合いしろと?

 

まだ5m離れたところから糸を投げて針の穴に通せって言われた方が出来る気がするぞ。

……うーん、やっぱり無理かも。無理だな、ごめん。

 

「先攻後攻決めましょうか」

「ジャンケン……」

 

 

 

──ポン

 

 

 

「……あ、勝った」

「……珍しいわね」

 

「あの、こういう時に分かりやすく驚いた表情するのやめてもらえません?」

 

いやまあたしかに珍しいけどさ。いつもジャンケン勝ててないもんね。

でもなんかこう、カチンと来るじゃん。

 

「じゃあ、俺から引きますね……」

「……ええ、どうぞ」

 

差し出される2枚のカード。

どっちかがジョーカー、どっちかがエース。

 

……わっかんねぇ。

目を合わせてくるけどカードに一切目を向けないし、指差し確認しても何も反応無し。

 

微動だにしない姿はまさにマネキン。

……いや人形か?いや確かに人形のように整った顔立ちしてますけどね?

 

……あとはその不気味で怪しくて怖い視線をどうにかすれば完璧超人美女だね。是非とも治していただきたい。

 

「……早くなさい?」

「……じゃあこっちで」

 

引いたカードを裏向きのまま持ってくる。

クルッと裏返して確認すれば……ジョーカーだ。

 

「〜〜〜っ!……ふぅ」

 

まあまあ落ち着け。この人相手にしたら運ゲーだ運ゲー。運ゲーは俺弱いだろ?そうさ。これは必然なんだ。

 

俺もエースを引かれないようにジョーカーを引かせればいい。

それを何度か繰り返してるうちに会長を見極めれるようにすればいいだけさ。そうだろ?

 

……クソ難易度たけーなおい。

 

「それにしても……あなたとこうして遊ぶのももう終わりが近いと思うと寂しくなるわね」

「………」

 

出会いと別れのシーズン。

 

──卒業

 

既に月日は二月末。一ヶ月後には会長たちはいない。

 

……そう!つまりは俺が解放される日も近いということ!テンション上がるなひゃっふぅ⤴︎︎⤴︎

 

……まあでも──

 

「ここ一応中高一貫なんで会おうと思えば会えるんでしょう?どうせ」

 

校舎は離れてると言っても敷地は同じ。

昼休みに会うには距離はあるが放課後は別にそんなに困らない。

 

憂鬱だ。すごく憂鬱。

まあ昼休み分が無くなると考えればいい事なんだけどね。うん…。

 

「あら、そういえば言ってなかったわね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高校は別のところに編入するのよ」

 

「は……?」

 

時が止まった。

今なんと言った?別のところに編入?

つまりここから居なくなる?

 

つまりそれは魔王が消え去り平和な世が訪れ、全ての人間が幸福に暮らせる世の中になるということか?

 

「面白そうな学校を見つけ──」

 

「ッシャッ!!オラァ!!」

 

「…………」

 

渾身のガッツポーズ。

俺は解放される。この苦難に満ちた日々から。

 

ああ、世界とはこんなに鮮やかなものだったっけな…。

 

「……少し腹が立つわね」

 

「ちなみにどこの高校なんです?」

「あら、それを聞いてどうするの?もしかして追いかけてきてくれるのかしら」

 

「いや、やっぱり高校側に電話で化け物が参るので用心してと伝えとかないと──」

 

「少し腹が立つわね」

 

「ひぃ…!副会長!俺を助けろ下さい!」

「…………」

 

返事がない。ただの屍のようだ。

 

「とりあえず、引くわね」

「え……あ」

 

「あら、当たり……"ラッキー"ね」

 

エースを引かれた。

なんてこったい。油断した隙に引いてくるとは、卑怯者め。抗議してやる…!

 

「罰ゲームで飲み物買ってきてくれるかしら?千円渡すから私とリリカの。あなたの分も買っていいわよ」

「わーい」

 

お札を受け取りいざ自販機へ。

俺はコーラだけど会長たちは……そういや、自販機の飲み物飲んでるの見た事ないな。いつもティーポットで紅茶飲んでたし。

 

……ふむ、紅茶か。午後ティーでいいや。美味いし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

卒業式当日。

 

式も終わり、もはややることも無くなった在校生の一人である俺はイツメンと教室にいた。

 

「やっと終わったなー」

「眠い……」

「お前式の最中ずっと寝てたじゃねーか」

 

3人の会話が耳に入る。

そんな中俺は窓の外から見える卒業生たちを眺めていた。

 

泣く人に清々しい気分の人。

それぞれがそれぞれの感情を表に出す時間。

 

そんな中、目を引くのはやはりあの人物。

 

異様な雰囲気を纏った2人。

艶のある銀髪が風になびくその2人の人物はこんな日でも……やはり感情の起伏は無い。

 

会長と副会長……いや、もう"元"がつくのか。

桃喰綺羅莉と桃喰リリカ。

 

興味がなさそうな、どうでも良さそうな、淡々とした冷たい印象。

 

そんな2人を視界に収めていたら……彼女らは唐突にこちらに顔を向けてきた。

いつものように不気味な目がこちらを射抜く。

この距離でも感じる恐怖。

 

……でもこうして2人を見下ろすというのはなかなか新鮮で──

 

 

 

 

 

 

 

 

──私を見下ろすなんていい身分ね。

 

 

 

 

 

 

 

「………っ」

 

笑みを浮かべた桃喰綺羅莉の目を見ているとそんなことを言われてるような気がした。

 

てか、心を読まないで欲しい。ゲーム中は読まれないようにポーカーフェイスを心掛けてるがこんな日常からしてるわけが無いんですよね。疲れるし。

 

 

──卒業なんですからもう少し泣いたりとかしたらどうなんですか。

 

──それになんの意味が?

 

──そんなこと言ってるから友達がいないんですよ。

 

 

「…………」

 

やっべ、視線鋭くなった。こっわ。

でも図星なんでしょー?そうなんでしょー?

 

……あ、すみません。謝るからその餌を見つけたライオンみたいな笑顔やめて。怖いから。

 

笑顔って本来威嚇の顔って言われてるけど……あの人見てると納得だわほんとに。

 

 

──まあ、お元気で。

 

 

「…………」

 

あ、顔逸らした。

向かっていくのは校門。

 

お別れか。嬉しいことではあるが……やはり少し寂しさがある。

いやまあ歓喜の方がでかいけどね?当然ね?

 

でも、俺はあの二人と違って人の心がありますから、それ相応の感情もあるんですよ。

あの二人と違ってね!へっ!

 

……あ、こっち向いた。

いやだからあの、なんでこの距離でしかも目を合わせてないのに心読むの?怖いって。

 

……今度こそ行ったか。さっさと行け!どっか行ってしまえ!

へっへっへのへーんだ。

 

「──カケル?」

 

「おん?」

 

「いやだから今からゲーセン行かね?って話」

「おお、行こ行こ」

 

「よっしゃ」

「とりあえず腹減ったー」

「近くにラーメン屋新しく出来たしそこ行かね?その後ゲーセンで」

 

さて、この1年で無駄にしたアオハル生活を取り戻していきますか。

 

ああ、気が楽だなー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校から出て乗り込んだ車。

桃喰綺羅莉と桃喰リリカは座席に腰をかけ、走り出す車から先程までいた校舎に目を向けた。

 

彼女らにとって中学校最後の年の1年間は人生で最も充実した日々だったと言えるだろう。

 

普段は普通の男子学生。強者を前にすれば脅え、アワアワするくせにいざ勝負事が始まると一変。その目、その雰囲気は桃喰綺羅莉と同類のものを纏う男。

 

これほど面白い人間は見た事がなかった彼女の好奇心を擽るには十分なものだった。

 

チェスに始まり、将棋、リバーシといった戦略的な知恵較べにおいて、引き分けというつまらない結果を嫌う故、勝つために負けるリスクがある戦い方をしていた彼女だが、とはいえ、ついぞ最後まであの男に白星を上げられていない。

 

逆に運と読み合いのトランプやサイコロのゲームでは一度も黒星を上げていない。が、彼女と戦う毎にその技術、戦略をスポンジが水を吸うように吸収し、急成長していくあの日々。

最終的には桃喰綺羅莉を以てしてもあの男の心を読むことは困難になるほどまでに鍛え上げられたポーカーフェイスと感情管理。

 

故にババ抜きの勝負で出た、"ラッキー"という言葉。

 

天才的な天性のゲームセンス……いや、ギャンブルセンス

そんな彼を思い浮かべ……桃喰綺羅莉は隣に控える桃喰リリカへと声をかけた。

 

「……ねえ、私の考えてる事は分かるかしら?"私は"」

「"私は貴方"だもの。当然よ」

 

「そう……彼が百喰一族の一人だったら」

「どれだけ面白かったでしょうね」

 

 

 

 

 

 

 

「「……欲しいわね」」

 

 

 

 

 

 

 

重なる声に背筋を震わせる車を運転する運転手。

バックミラーで後ろを見てみれば……そこに居たのは得体の知れない存在が2人。

 

すぐさま視線を外し運転手は前だけに集中した。

 

 

 

──また、会いましょ……カケル。

 

 

 

桃喰綺羅莉は窓越しに見えるその男に目を向け、舌なめずりをひとつ。

気味の悪い視線を向けながら口に三日月を浮かべ不気味な笑みをもらした。




催促するのは好きじゃないんだけどモチベ維持のためにお気に入りとかしてくれたら嬉しいな(チラチラ
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