汀渚のアーカイブ   作:buridish

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現在ナギサ様ピックアップが始まっております。

書けば出ると聞いたので…。

一応ハーメルンでは初作品です。よろしくお願いします。


原作前
汀の始まり


 ブルーアーカイブ、というアプリゲームを知っているだろうか?

 

 透き通るような世界観と紹介され、美少女生徒達と主人公でありプレイヤーの現身である「先生」の笑いあり涙ありの青春の物語。巷では美少女GTAなどと呼ばれてもいるが…今は割愛する。

 

 私はそのゲームのユーザーでありかつては先生であったモノ。それ以外の記憶が抜け落ちているために前世の私については性別も名前も不明瞭ではあるのだが、私がブルーアーカイブのプレイヤーであったという記憶はハッキリとしていた。

 

 そう、前世。私はブルーアーカイブのプレイヤーだった前世を持ち、その青春の物語に生まれ変わった異物だ。

 

 転生、今では創作物の中でも溢れるほどに存在するジャンルの一つ。そのありふれた、だけれど現実ではありえない現象が我が身に起こった。

 

 そう、私はよりにもよって「原作」に登場する人物に生まれ変わった。

 

 名前は桐藤ナギサ。

 

 原作の本編では2大マンモス校と呼ばれる内の一つトリニティ総合学園のティーパーティー、分かりやすく言えば生徒会、そのトップの生徒会長に位置する少女。この学校の形態は特殊であり他にも似たポジションの少女がいるのだが、今は置いておこう。

 

 その本編、メインストーリーのVol.3…それがトリニティがメインの舞台になるエデン条約編であり、そのストーリーの重要な役割を担う存在。

 

 そんな子に生まれ変わった私はそれはもう動揺した。名前の同じ別人じゃないかとすら感じたが自身に天使の翼のようなものと天使の輪のようなものがあった為即座に否定された。

 

 将来の自分がそれほどの重要人物に生まれ変わった事、将来なさねばならない大役。それに対して多大なプレッシャーを感じた。

 

 何せトリニティの上位陣「桐藤ナギサ」以外はあまり乗り気ではないのだ。つまりは将来の自分が動かなければエデン条約は成りえない、形にすらならない可能性がある。

 

 

 

 それほどの大役をさせられることに対するプレッシャーで体調を悪くしながら私はすくすくと成長していった。

 

 それはもう原作に向け、勉学には精を出し良家であった桐藤家に泥を塗らぬよう淑女として努力は怠らず。その結果、家族や使用人には天才と言われ、6歳ながら完璧な淑女と称された。

 

 それ故にその話が我が家に来たのだろう。

 

 桐藤家に聖園家のパーティーに参加して欲しいと招待を受けたのだ。

 

 それに対し、両親は大いに喜んだ。桐藤家も良家ではあるものの聖園家は更に上。そして娘と同年代の子供が聖園家には居ると言う。

 

 子供同士で友誼を結び家同士のつながりが出来れば上々、そこまでいかなくても印象付けられるだけでOK。

 

 両親からは気負わずにいつも通りでいいと言われたし、無理に友達にならなくても大丈夫だと言われたが。

 

 私は知っている。

 

 おそらく私と同年代の子供とはブルーアーカイブにおいて桐藤ナギサの幼馴染の聖園ミカであろうと。

 

 ブルーアーカイブ以外の記憶が吹っ飛んでいる私ではあるけれど、彼女の事はよく覚えている。どうやら前世では相当お気に入りだったようで他の生徒と比べても情報が多い。

 

 だから私も彼女と仲良くなることが少々楽しみだった。

 

 そう、友人になることが当たり前と考えていたのだ。

 

 だからこそ、それは起こってしまった。

 

 聖園家パーティー当日、パーティー会場で両親と離れ子供たちが集まる所に私は案内された。

 

 そこには可憐なお姫様がいた。

 

 幼いながら将来は絶世と言われるだろう美貌がすでに完成されていた。

 

 これからそんな彼女と友になるのだと期待に胸を膨らませながら私は彼女に声をかけた。

 

 彼女は私の声にこちらを振り向いた。

 

「初めまして、聖園様。私は桐藤家の娘、桐藤ナギサと申します。よろしくお願い致します。」

 

 初めは当たり障りのない挨拶から、私は笑顔を向けながら彼女に挨拶をした。

 

「…え、うん…初めまして。」

 

 あれ…?思っていた反応じゃなかった。いやしかし、彼女は先ほどまで同年代の子達と笑っていたじゃないか、なんで彼女がこちらを怖がっているような顔をする?

 

 私は焦っていたのだろう、そもそもまだ幼い子供同士で硬い挨拶をするべきじゃなかったのかもしれない。いやでも私は桐藤家として恥ずかしくないように…。

 

 思った通りに行かなかったことに少しパニックになった私は、取り合えず友達になろう、親友とかそのレベルにならずともとりあえずはそこからだと。

 

 焦りながらも表情には出さず、完璧な淑女の笑顔のまま、口を開いた。

 

「それで…なのですが、どうか私も聖園様のお友達になりたいと思いまして…。」

 

 未来ではどうせ親友になるのだと、だからとりあえずはここを乗り切ろうと、そんな欲望を彼女は感じ取ったのかもしれない。聖園ミカという少女は勘の鋭い少女だった。

 

「え…?…やだ。」

 

「…は?」

 

 思わず淑女らしくない声が出る。え?どうしてこうなった?

 

 彼女の周りにいた取り巻きからの視線も冷たく感じる、あ、これはまずいと思って引きつりながらもなんとか笑顔を維持し、そうですか、申し訳ありません。とだけ口にしてその場から逃げ出した。

 

 どうしてこうなった!どうしてこうなった!?

 

 桐藤ナギサと聖園ミカが幼馴染の親友とならねば未来はどうなる、ティーパーティーは?エデン条約は?

 

 そう、私はそもそも桐藤ナギサと聖園ミカがどのように仲良くなったのかを知らなかったのだ。

 

 私が純粋な桐藤ナギサなら仲良くなれただろうか?私という異物が入り込んだからこんな結果になったのか。

 

 …私がいたから「原作」が壊れてしまうのか。

 

「…私は…これからどうすれば…。」

 

 私は自分が犯した大罪に絶望しながらその場に立ち尽くした。




誰か続きかいてくだしあ。
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