汀渚のアーカイブ   作:buridish

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アビドス改造計画、をするとどっかの企業が黙ってなさそうですねぇ…。


アビドスの未来の為に

 アビドス中等部生徒会は今日も暇…。ではなく、最近始まったミレニアムから招致した技師+ネフティスの共同事業によって、都市部のエネルギー供給+インフラ整備が行われ、結構な経済効果が出ている。

 

 何が起こったかというと、簡単に言えばソーラーパネルの設置だ。アビドスは土地だけは広いため、大量のソーラーパネルの設置によりエネルギー問題が改善。他所に供給できるレベルまでに向上した。

 

 なんでいきなりそんな大量のソーラーパネルが設置できたか。それはアビドスはシリカ、つまりは石英がすさまじく豊富に存在しているからだ。アビドスにそんな資源存在しなくない?と思うかもしれないが…あるのだ。腐るほどに。

 

 そう、アビドスの砂漠の砂、その成分を調べた時に判明したのは、ほとんどが石英だったことだ。砂を持ち込んで調べた時にはホシノに何やってんだこいつという目で見られていたが。結果を出してみれば。驚きの表情を見せてくれた。

 

 大変だったのが大規模事業を行う企業と技師探し。アビドスの企業もほぼ死んでいたし、それを実行する技術者もアビドスには存在しない。故に外から協力してもらうしかなかったのだ。計画自体は我々アビドス生徒会(中等部高等部両方)が考え、技師の招致にはユメ先輩と私が直接ミレニアムに向かい交渉した。

 

 そして最大の難問であった、事業を起こす企業が見つからずに頭を抱えていたところ、ネフティスが動いてくれた。ネフティスはとっくに撤退していたと思っていたのだが。どうやらまだご息女がネフティス中学校に通っているようでその卒業とともに完全撤退という形となるようだった。

 

 この事業を、アビドスにおける最後の事業とし、運営できる最低人数のみを出してくれるとの事だった。しかし地域住民のネフティスの印象が最悪だった為、そこでも私達が頭を下げることになったのだが。

 

 そしてミレニアム側には、半導体の素材にもなるシリコンをこちらで製造し、ミレニアムに優先販売権を与えることで、OKを貰った。

 

 それで始まった事業は今のところ成功しており、アビドス経済は現在右肩上がり、都市部も閑散としていた場所も今はだいぶ賑やかになってきた。移住者が減ったことで人口の低下もなくなってきている。

 

 そして、ミレニアム側で来てくれた技師、それがまさかの調月リオだった。格安で大量の電子部品を融通することで契約を結んだのだ。調月リオ曰く未来に必要になるから、との事。この頃から無名の司祭の遺物についての情報持ってたのだろうかこの人。

 

 そして私が廃墟の情報を持っていたことからも興味を引いたらしい。というか一緒に行くことになった。念の為ホシノも同行し万全の状態で行ったのだがケテルは現れず若干肩透かしを食らったが。

 

 それによりいいデータが手に入ったとご満悦だった様子。もしもまた行くときはと同行をお願いするわと言われた、信頼を勝ち取れたらしい。

 

 そして彼女が原作でどうしてああだったのかもわかる気がした。

 

 調月リオという少女は凄まじいレベルで優秀だった。流石は将来のセミナー(ミレニアムで言う生徒会)の会長になる予定の人物、現状のアビドスの状態を把握し、データ化。それをネフティスから派遣されてきた社員と共有し、製造用の機械まで自作した。

 

 正直言って彼女だけでいいんじゃないかなというレベル。ユメ先輩は凄い凄いと喜んでいたが、私とホシノとしては外部の人間にアレコレやって貰うのは少々悩みどころだった。

 

 調月さんは私がデカグラマトンの預言者と遭遇し生存している事を知って私に対して興味を持った。もちろんデカグラマトンなんて単語を使わなかったし、廃墟にこういうのがいた、こういう戦い方をしてきた程度だったのだが、そこから調月リオと共に言った廃墟探索のデータも含めて推理。デカグラマトンの存在をうっすらと感じ取っているようだった。天才というのは怖い。

 

 私はそんな彼女と話をする機会が多い。そもそも彼女を招いたのは私とユメ先輩だし、ユメ先輩とは話が合わないようで、こちらに来ることが多い。

 

 まぁ、基本的には業務連絡程度だが。もう軌道には乗ってきたし、そろそろミレニアムに戻るとも言っている。ユメ先輩は感謝を込めてパーティーをしよう!と言ってきたので恒例の簡略パーティーを行っている。そして、いつの間にかミカさんもいるのだが…なんで?ホシノとユメ先輩は臨時出張柴関ラーメンを二人仲良く食べていた。

 

「やっほー!ナギちゃん!トリニティの有名店のお菓子いっぱい持ってきたよ!」

 

 いや、とてもありがたいがなぜ彼女がここにいるのか、最近モモトークで悪女になることにしましたとかよくわからない事を言ってきたので詳細を聞いたところ、流石に聖園派の行動が目に余ってきたため釘を刺すという事も含めて圧をかけることにしたらしい。

 

 慣れない事をしている自覚がある為、心労も多いようでアビドスに遊びに来る頻度も増えた。沈黙の女王の異名が、ミカさんが黙っている事ではなく気に入らない相手を黙らせるというような形に変わったと言って本人は笑っていた。いや…それは、ミカさんが笑い話に出来ているのならいいのだが。

 

 と、そこで件の少女、調月リオがこちらに歩いてくるのが見える。私に話があるのだろうか。

 

「結先さん。少々頼み事があるのだけれど。」

 

「はい、なんでしょうか。」

 

 調月さんからの頼み事は珍しい、色々してもらった恩もある為、私に出来る事なら叶えよう。

 

「小鳥遊さんから結先さんはとても強いと聞いて、私が今作っている戦闘用ロボットのプロトタイプなのだけど…それと戦って欲しいのよ。」

 

 調月さんの戦闘用ロボットというと…何だったか…正直もう転生してから長いので記憶があいまいなところがある。重要な部分はメモを取っていて忘れないようにしているのだが。

 

「構いませんが、私でいいのですか?ホシノの方が私より強いですけれど。」

 

「戦績ではあなたが勝ち越してると聞いたわ、アビドスでも最強格と聞いたし学校の最高クラスの生徒とどこまでやれるのか確かめておきたくて。」

 

 成程、私と戦わせてみてデータ取りをしたいという事か、こちらとしてもホシノと模擬戦ばかりであまり新鮮味が無くなってきたのでちょうどいいかもしれない。

 

「え?ナギちゃんって強いの?夢の中では戦ってるイメージ全くなかったけど…。」

 

 ミカさんが私が戦えることに驚いた様子、夢の中と言うと原作のナギサか、いや…こちらは鍛えているしそもそも”例の力”を扱える私と”私”が居るのだからもはや別物と考えた方が良い、何かあった時のために戦えた方が良いだろうし。

 

 模擬戦に関しては了承、ミカさんは私が戦ってるところを見たい!と瞳をキラキラさせている、失望されなければいいのだが。

 

 

 

 

 

 場所を変えてアビドスのグラウンド、遮蔽物も特にない場所だ。

 

 折角なので最近習得した能力を試しに使いながら戦おうと思う、その為”私”に準備は良いかの確認を取る。どうやら問題ないらしい。

 

 調月さんが出してきたのはやはり例のアレ、その見た目のせいかミカさんはええ…。という顔をしていた。口に出さない所に優しさを感じる。

 

 何故か観戦者が集まっているのだが、先輩方もなんでいるのか。

 

「それじゃあ起動するわ。申し訳ないのだけど、データが欲しいから時間をかけて戦ってもらってもいいかしら?」

 

「問題ありません、いつでもどうぞ。」

 

 私が口に出すと、調月さんがアバンギャルド君プロト!起動!と口にしながら起動させる。そうだアバンギャルド君、原作と違うのは腕が3本なところ。

 

 起動と同時に私は”私”に切り替わる、”私”はアバンギャルドの君に向けて発砲、まぁ小手調べな上距離もあるので装甲に弾かれる。

 

 アバンギャルド君はお返しとばかりにガトリングガンを撃ってくる。銃口の向きから計算し最低限の動きで躱す。私が回避したのを見てか、三本目の腕がロケットランチャーを構え、発射した。

 

 それに対して”私”は弾頭に向かって発砲、こちらに届く前に爆破させる。似たようなことをケテル相手にやったのだから簡単なものだ。

 

 しばらくこのような応酬が続き、”私”はパターンを理解したとの事だったので、私に交代する。そう、この切り替えが私の、いや私達の新たな能力だ。実質誰も切り替わってることがわからないだろう、ほぼタイムラグなしで切り替わっているのだから。

 

 私に戻ると、今度は先程の静の状態から動に変わる。初速から全力で私の銃の適正範囲まで走り銃を発砲、アバンギャルド君の装甲にダメージを与える。

 

 先ほどと違いダメージが入った為、たまらずシールドを構えるアバンギャルド君。だが私に対してそれはあまり機能しない。

 

 盾を構えながら別の腕でロケットランチャーを発射する。”私”が軌道を計算し先程と同じように迎撃、弾をリロードしながら走りガトリングを回避しながらガトリングを持った腕の関節狙い撃つ。

 

 何度か撃つと機能不良を起こしたのか動きがおかしくなったので、一気に接近、ロケットランチャーを撃ち込まれる前に跳躍しダメージを与えた腕を例の力を籠め全力で蹴り飛ばした。

 

 するとガトリングの腕が吹き飛び観戦していたミカさんの目の前に落ちる。それを見たミカさんはわーお…と驚いた様子だった。いやあなたも同じようなこと出来そうだけど。

 

 その後はロケットランチャーだけだと私とは勝負にならずシールドを避けながらロケットランチャーの腕に集中攻撃。もう1挺の銃も取り出し腕を破壊する。

 

 武装を解除され、残りシールドのみとなったアバンギャルド君を見て私は調月さんを見る。

 

 調月さんは手元で何か操作すると、アバンギャルド君の目から光が消え機能を停止した。

 

 私は調月さんのもとに近付きどうでしたか?と声をかける。

 

「…想定以上に結先さんが強かったわ。序盤は十分戦えると思ったのだけど、結先さんが動き始めてからは一方的だったわね。」

 

 そう言いながら、調月さんは何か考え事を始めた。ミカさんは私に感激したかのような表情を見せる。

 

「ナギちゃん凄い!あんなに強いだなんて思わなかったよー。最初の攻撃を見切って最低限で躱してたのも凄かったし、蹴って腕をもぎ取る所も凄かった!それにすっごい速いんだね!」

 

 テンションぶち上がりのミカさん、大変満足な結果だったようでよかった。

 

 調月さんは、関節部分の補強、とか手数を増やす。全体的な装甲強化。と口に出しながら考え事のようだ。

 

「調月さん、このようなお手伝いであればいつでも協力しますよ。あなたにはそれだけの御恩がありますし、その他にだって頼まれれば何かの依頼だって受けましょう。一人で色々やるよりも協力した方が効率的ですからね。」

 

 私がそう言うと調月さんは、そうね、その時はよろしくお願いするわ。とほんの少しだけ小さく笑みを浮かべる。これを機に誰かを頼ることを覚えてくれればいいのだが。

 

 その後、お開きになるまで私達はパーティーを楽しんだ。




リオ会長を描写するのむずい!天才系キャラ書くのって難しいですねえ…。

ミカは暇だったので来ました。
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