汀渚のアーカイブ   作:buridish

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内容がぶっ飛んでいます。自己解釈、設定の極みなので注意。

まだ完全復活とはいきませんので若干雑になってるかも。


決戦ともう一つの何か

 反撃に移った私達の攻撃は流石に煩わしいものだったのか、ビナーの攻撃は苛烈になる。

 

 しかし、その攻撃も私が予測し行動を妨害し、その行動さえ起こさせなければこちらが有利な状況は変わらない。

 

 攻めきれはしないものの、着実にダメージは入っている。私達の勝利条件は全員生存の撤退だ。ビナーをここで倒すことではない。

 

「かったいなぁ!もうっ…!」

 

 ミカさんも全力で攻勢に出てくれている、というか隕石?のような光の塊がぶつけられる度にビナーの表面装甲が破壊されているのは驚異の一言。流石はブルアカで散々パワー系と言われている子だ、味方であればかなり頼りになる。

 

 それ故に脅威だと思われてるのか、ビナーの攻撃はミカさんに集中している気がする。ミサイル等は私とアバンギャルド君が対処している為問題はないが、もしもあの光線でミカさんを狙われるのは良くない。

 

 思い立ったら即行動、私はビナーに向かって走る。背後からえ、ナギちゃん!?と驚いたようなミカさんの声が聞こえるが近付いた方が私の場合火力が出せるので仕方がない。この為に持ってきた切り札もある。

 

 どうやらビナーは私が近付いてもミカさんの方を警戒しているらしい。そこまで脅威として見られていないようなので逆にチャンスではある。

 

 私は近付きながら切り札を出す。それに拳銃に使うようなものではない大きさの弾を入れる。

 

 ここまで近付けばいいだろう、先程戦車に撃たれた上、その場所にミカさんに光の塊を当てられ内部が露出している顔の部分を狙う。

 

 この切り札の装弾数は1つ、それだけに威力はあるしホシノとの訓練の時に使ったら吹っ飛んだホシノに馬鹿なの?二度と使わないでって言われたものでもある。それを直撃してふらふらとしていたが立ち上がるホシノも大概な気もするが。

 

 ビナーはどうやら私の援護が無くなったミカさんに突撃しようとしているらしい。体勢を低くし狙いをつけているように見える。

 

 ここが狙い目だ、低くしている顔部分に両手で握った切り札のトリガーを引く。バカみたいな弾頭に相応しい反動が私の手の伝わるも、衝撃を完全に殺し銃口はブレさせない。

 

 その銃弾が狙い通りの場所に命中した瞬間、ビナーの前面が衝撃で仰け反り顔の部分が地面に叩き付けられる。

 

「ミカさん!リオさん!集中攻撃をお願いします!」

 

 私は声を張り上げ二人に指示を出す。その瞬間弾幕がビナーに集中する。損傷が激しい部分に集中しダメージを与える。私も続いて攻撃に参加した。

 

 流石に無視出来ないほどのダメージを受けたからか、ビナーがぐらつきながらも顔を上げると雄叫びを上げる。怒りを堪えるかのように目の部分が明暗を繰り返す。

 

 ビナーはそのまま砂の中に潜り姿を消す。

 

 …退いた?いや、油断は禁物だ。リオさんに状況を報告して聞いてみる。

 

「リオさん、ビナーの反応、追えますか?」

 

『…目標はまだ健在、位置もそれ程変わっていないわ。こちらの様子をうかがっているのかも。』

 

 という事はまだ追ってくる可能性があるという事、なら迎え撃たないといけないか。そう思い意識を集中させて周囲の変化に気を配る。小さな揺れを感じた。

 

 どこから来る?私は警戒しながら様子を伺うと大きくなった揺れと共にビナーが出現する。

 

 砂嵐、いや砂の雪崩と共に。

 

「なっ!?」

 

 馬鹿げた質量の砂と共に足元も揺れて回避もままならず砂に飲み込まれる。必死にもがいて埋もれた身体を砂から出す。まずい、隙を見せた。

 

 周囲を見回して状況を確認する。アバンギャルド君は砂に埋もれ折角の機動性が生かせない状況、ミカさんは何とか砂から身体は出しているもののへたり込んでいた。

 

 そしてビナーはミカさんに向かって口を開いた。

 

「ミカさんっ!」

 

 私はミカさんの方に向かおうとするがこの距離では間に合わない。

 

 ビナーの口から光線が吐き出される。その瞬間戦車の防衛をしていたはずのホシノが見覚えのある盾を構えながらミカさんの前に立った。

 

 しばらくの間放射された光線を盾で受け切ったホシノは余裕が見える様子で口を開いた。

 

「うっへぇ…流石に痛いね…。ユメ先輩から盾借りてなかったら厳しかったかも。」

 

「あ…、小鳥遊さん…。ありがとう…。」

 

 自分を庇ってくれたホシノに対し礼を言ったミカさんにホシノは視線をビナーに向けたまま言葉を返す。

 

「別に、ナギサの援護は私がするから、お嬢様は休んでても良いよ?」

 

 あまり砂を全身に浴びた経験ないでしょ?と煽るようなことを言う、ここでそういう言い方をしなくてもいいのではないだろうか?もしかして一緒に戦ってくれと頼まなかったことに対して怒ってる?

 

 ミカさんはちょっとムッとしながら大丈夫だよ!と言って立ち上がる。一時はどうなるかと思ったがまだ戦えそうだ。

 

 アバンギャルド君は砂に埋もれてしまっている為固定砲台としてしか使えなくなった。戦力自体は増えたもののアバンギャルド君が動けなくなったのは少々痛い。

 

『まだ攻撃は出来るけど最悪この機体を盾に使って構わないわ。それよりも今みたいな行動をこれ以上されればあちらに有利になる、状況を変えたいところね。』

 

 相手にも大分損傷は与えているものの決定打が欲しい。ミカさんの攻撃はかなり有効だが、あの光の塊は集中しないと出せないらしく、連続して撃てるものでもないらしい。

 

 今の所お互いダメージと疲労はあるため戦況は五分か、疲労が無い分長期戦はあちらの方が有利か。戦車も距離を取っている為大きな援護は期待できない。

 

 折角ユメ先輩を救えると思ったのに、このままじゃ私の為に来てくれたミカさんもリオさんもホシノまでも危険に晒してしまう。

 

 不甲斐ない、不幸な結末を乗り越えるために力をつけてきたのに。これでも足りないのか。頼りになる味方も協力してくれたのに。

 

 ホシノを加えた私達は有利な状況に戻そうと戦闘を再開する。正直もう一度さっきの攻撃をされるとまずい。

 

 間違いなくさっきの攻撃が有効である事は、先程のこちらの状態を見て理解しているだろう。こちらは誰かが戦闘不能になれば勝利条件を満たすのが難しくなる。

 

 私の指示でホシノとミカさんは即席で協力関係を結び。ミカさんが今まで攻撃以外にも回避やミサイルの相殺などに割いていた部分を攻撃に集中させ。防御面はホシノがカバーする形を取る、もちろん隙があればホシノも攻撃に参加する。

 

 そうしてビナーの前面装甲、顔の部分の大部分が剥がれ落ち、機械部分が露出までしている。

 

 心の中ではいい加減退いてはくれないか、と思っているのだが油断はしない。先程の事もあるからか私も警戒され容易に近付けなかった。

 

 しかし、唐突にビナーの動きが鈍る。それと同時に戦車の主砲が剝き出しになった目の部分に当たり機械部分が砂漠に落ちていく。

 

『……この戦車のジャミングが効いているようね。これが最後の機会かもしれないわ、全力で攻撃しましょう。』

 

 通信越しのリオさんの声、ビナーにも通用するジャミングとか流石リオさんと言ったところか。その声に応えるように私達は全力で持ちうる火力を叩きこむ。

 

 流石のビナーもこれには対応できず、かなりの損傷をうけて雄叫びのような音を発した。そして、こちらから逃げるかのように地中に潜り込んでいった。

 

 先程の二の舞にならないように私は声を上げた。

 

「リオさんっ!ビナーの反応は!?」

 

『…ビナーの反応はその場から離れている。先程の攻撃は来ないと思うわ、だけれど。』

 

 その言葉にホッと一息するも続いた言葉に私は凍り付いた。

 

『ビナーはこちらの戦車…私達の方に向かっている。』

 

 …ここに来て対象を変えた。どうあってもこの世界の運命はユメ先輩を殺したいのだろうか?

 

 間に合わないと分かっていても私の足は戦車の方向に向けて駆け出していた。いくら自分の足が速いと自負していてもビナーの地中移動の方が速い、それでも。

 

 視界の向こうで砂が盛り上がり戦車を覆う、そして、戦車に向けてボロボロのビナーの巨大な口が開く。嫌だ、やめてくれ。そこにはリオさんとユメ先輩(大切な人たちが)が。

 

 時間が遅く感じる、胸が灼熱のように熱くなる。私にもっと力があれば。

 

 胸の熱さが異常に感じる。この熱さは何?いや…この力は?

 

 気が付けば私はビナーの真上に跳んでいた。単発式の例の切り札を構えた状態で。

 

 ああ、思い出した。

 

 あの時、ケテルにやられた時も感じたこの感覚。

 

 やはり私の中にはもう一人、いや…もう一つの何かが存在していた。

 

 それは人格があるわけでなく、その在り方は自然現象のようななにか、普通は混ざる事が出来ないはずの二つの魂はこの何かが存在することで混ざる事が出来た。

 

 私はその力の権能を使う、この銃を弓としすべての力を解き放つ。

 

 トリガーを引く、その瞬間私の持っていた銃は自壊し神秘と恐怖が混ざり合い、別のものとなった弾丸は、ビナーの下顎部分から射線上にあった胴体の一部を抉り取りながらビナーが空けた穴に着弾すると爆発を起こし大きな穴が出来た。

 

 ビナーは巨体を穴に埋めながら沈んでいく、ビナーがまだ死んではいない確信はあったもののこちらも限界のようだ。

 

 私はビナーが消えていった穴の傍で膝をつき、先程の力とは違う胸から上る熱を吐き出した。

 

「ごふっ…げほっ…。」

 

 咳き込むと口から溢れる大量の血、これはあの力の代償だろうか?明らかに人の身には過ぎた力ではあったが。

 

 砂から這い出る戦車を見た私は安心してその場に倒れ込んだ。

 

 気を失った少女の()()()()()()はそのまま少女の意識と共に消えていった。




強い力には代償が付き物。一つの肉体にいっぱい入ってたらそりゃおかしくなることでしょう。

次回は周りの反応中心になると思います。
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