汀渚のアーカイブ   作:buridish

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そろそろアビドス3章の続きが来ますねぇ…恐らく今作とは全く違う結末となりそうですが…この世界軸ではそうだった程度の認識でいて貰えたらなと思います。

それと本来感動的なシーンであった部分が原作崩壊しております。申し訳ねぇ…。


来るアビドス高等部(未来)

 あの日、ノノミさんがアビドス高等学校に訪問してからしばらくの時間が過ぎた。

 

 学校の活動や休みの日など、ノノミさんの予定が合う時に我々アビドス生徒会はあちこちに彼女を連れまわした。

 

 お気に入りのカフェ、景色の良い場所、柴関ラーメンなどなど。色々なところに行きユメ先輩がハプニングを起こし私とホシノが解決する。そんな流れを何度も繰り返しているうちに最初は驚いていたノノミさんもだんだんと慣れていき笑顔が増えていった。

 

 楽しいと思ってくれているのなら連れまわしている甲斐があるというもの、高位の令嬢というのは対等の友人というのを作るのが難しい。それがわかるために彼女の気持ちも理解出来た。

 

 私達はあえて彼女をネフティスの令嬢ではなくただの十六夜ノノミという少女として、対等の友人として接した。そして今彼女は友人と遊びに出かける事が楽しい事を知った。そして友人と作った思い出の尊さ。思い出を作った場所が好きになっていった。

 

 今の彼女なら以前の質問の答えが出せるだろう。そう思っていたのだが。

 

 今日もアビドス遊楽をした帰り、寒い季節となってきて雪も降り始める頃、またユメ先輩が厄介事を起こしユメ先輩から正式に盾を譲られたホシノが最近現れるのが珍しい不良たちを吹き飛ばしている。私はユメ先輩とホシノの応援をしていた。ノノミはあわあわしていたが私達が慌てていないのを見ると、いつもの事なんだと納得していた。

 

 数の多い不良達はホシノに向かって銃を向け集中砲火をかける。盾を構えたホシノは弾幕を通さず、そのまま突進、一番前にいた不良に対し勢いをつけ盾をぶつけて吹き飛ばす。そのまま手が止まった不良に愛用の銃を向け各個撃破。相変わらずの戦車っぷりだ。

 

「あっ!」

 

 ホシノに向かって投げられたはずの手榴弾がこちらに向かって飛んでくるのを見てノノミさんが声を上げる。おそらく焦って目測を誤ったか。

 

 相手の距離と投擲速度から爆発までの時間を”私”が計算し間に合うと判断した私は、即座に動く、手榴弾に向かって跳び、空中でそれを掴み投げた相手に向かって投げ返した。

 

 手榴弾は投げた本人の腹部に直撃しその場から吹き飛ばした、そして、周囲にいた不良は手榴弾の爆発に巻き込んだのだが、手榴弾を投げた不良本人は吹き飛んだ影響で爆発に巻き込まれなかった様だ、気を失ってはいたが。

 

「相変わらずのゴ…パワーだね。ナギサ。」

 

「今何を言おうとしました?ホシノ。」

 

 咄嗟だったし爆発物だから危ないと思って力加減を誤っただけだ。最近こうしてホシノは私をからかう事が増えた、まったく。

 

「あの、やはり私も強くなった方がいいのでしょうか?以前よりは相当に良くなったとはいえ、未だに先程のような方が現れるみたいですし。」

 

 ノノミさんが私達の戦いっぷりを見て思う事があったのか聞いてきた。

 

 戦う力はあって損はないのでそれには賛成する。というか今のノノミさんが持っている銃が拳銃だ、記憶通りなら違う武器を持っていた気がするのだが。

 

「うーん…ノノミちゃんはさ、どういう風に戦いたいっていうのはある?」

 

 車椅子に座るユメ先輩は今はほぼ戦う手段を持たない。だから最近は常に護衛として私かホシノがついているが正直卒業後が心配になる。

 

「分からないです…。この拳銃も取り合えず持たされているもので向き不向きも良く分からず…。」

 

「後方でも使える銃っていうのはどう?」

 

 どうやら不良を殲滅し終えたらしいホシノが会話に混ざる。そう言えば原作でも大きめの銃を持っていた気がする。それはそうと暴れて乱れてしまったホシノの髪を整えながらポニーテールに纏めてやる。だんだんと長くなってきたなホシノの髪も。

 

「後方でも使える銃…、ですか?」

 

「そ、ノノミちゃんは体格がいいし意外と力もあるし反動強い武器でも行けそうじゃない?前は足の速い私やナギサが出ればいいし。足を止めてでも火力を出せる武器の方がいいんじゃない?」

 

 数か月の付き合いになり結構仲が良くなったホシノとノノミさん。根は真面目だがノリがいいところもある二人は意外と意気投合することも多く、初めのあの態度を考えればかなり距離が近くなったと言える。

 

 それとホシノの言いたい事が何となく分かった。一応十六夜ノノミ個人として見てはいるものの相手は令嬢、気を使っているのだろう。なので後方で使う武器、スナイパーライフルなどを推しているのだろう。

 

「成程…。足を止めても火力…後方でも使える…。」

 

 今のアビドスで後方から火力を出せる子はいない。なのでホシノのこのアドバイスはかなり的を射ていると思った。

 

 それがこの後しばらくしてミニガンを選ぶとは私もホシノも思わなかったのだが…。まぁ制圧力もあるから不足分を補うって意味ではあっているのだろうか?

 

 流石のノノミさんも、ミニガンを走りながら扱うのは大変だったようで筋力を鍛え始め、それが趣味の一つになったのは…まぁいいのだろうか?

 

不良を倒した帰り道、何故かビナーとの決戦以降砂嵐の影響が減り、計算上、本来この頃は砂に埋まる予定だった校舎へと戻る。ノノミさんも一緒に来ているが、もう実質アビドス高等学校の生徒扱いなので誰も気にしていない。

 

「…こんなに楽しくていいんでしょうか?私は、アビドスの復興のお手伝いがしたくてここに来たのに…。」

 

 先を行くユメ先輩の車椅子を押すホシノ達には聞こえないほどの声でノノミさんが呟く。まだその悩みを抱えてたのか、まぁ仕方がないことだとは思うのだが。

 

「…楽しんでいいと思いますよ、ノノミさん。ここでの思い出が出来れば出来る程、ここを残したいと、復興させたいという気持ちが強くなります。」

 

「でも…私には…。」

 

 ノノミさんは家を…ネフティスを背負ってここに来ているのだろう。本当に立派だと思う。

 

「使命も役割も大事だとは思います。ですが、楽しんじゃダメって事は絶対にないですよ。なんだったら使命を全うしながら楽しんじゃいましょう。」

 

 少々無茶苦茶なことを言ってることは分かっているがアビドスの復興なんて途方もないことだ、これくらい緩い方が精神的にも余裕ができる。

 

「ナギサ先輩…。」

 

 心に溜めていたことを吐き出したからか、少し気が楽になり笑みが浮かぶノノミさん。良かった、気が楽になったのなら言った甲斐があった。

 

 そして、談笑をしながら校門をくぐろうとしたその瞬間、視界の端に移った影がユメ先輩にとびかかろうとしていた。ホシノはユメ先輩と談笑していて反応できていなかった。

 

 無意識に”私”と繋がり全力で跳び、飛び掛かった存在を片手で掴む。ユメ先輩はあっけにとられた顔、ホシノの視線は鋭くなり武器に手を忍ばせる。ノノミさんは驚いた表情をしていた。

 

 ユメ先輩に被害が無かったことにホッとしながら握った何かを見る。そこにあったのは。

 

 薄汚れた銀色の髪と獣のような耳、冬に着るものではないボロボロの薄い服、そんな少女が。

 

 所謂私にアイアンクローをされている状態で身体を吊り上げられ、腕もだらんとさせ気を失っていた。

 

 私は困った表情を浮かべ周りを見渡す。

 

 ホシノは溜息を吐きつつも口元が笑っている、ノノミさんは隣にいた人物が瞬間移動したかの現象に唖然としている。ユメ先輩は慌ててナギサちゃん!放してあげて!と腕をぶんぶん振っていた。

 

 手に掴んだ相手が誰かわかると共に、将来の後輩との出会いがこんな風になると思わなかった私はしばらくその場に呆然としていた。




なお、この後目を覚ました少女はおおよそ原作通りになる模様、ただナギサを目にするとユメ先輩の後ろに隠れてでガクブルします。

咄嗟に動くと力加減が出来ないアビドスセイトカイゴリラ、一人の少女にトラウマを作る。
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