汀渚のアーカイブ   作:buridish

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1年編これと後1話で終わる予定、終わるといいなぁ…。

3章続き見ました。一応本作の今後に影響しないことがわかったので少しホッとしました。ブルアカらしくてよかったとも思いますね。本作では3章の内容消える世界線になりそうですが…。


小さな祭り、そして継承

 推定砂狼シロコ、実際にシロコと名乗り本人だと確定したが…彼女との出会いからしばらくたった。

 

 私が彼女の頭を握って気を失わせた後の事を話すと、まず薄着で寒そうだったこと、そして私が気絶させたことを哀れに思ったホシノが巻いていたマフラーをシロコさんの首に巻いていると彼女が目を覚ました。

 

 ボーっとホシノを見つめる目は敵意などなく、ホシノ側も敵意を感じさせなかったからかお互いに無言で見つめ合う空間が生まれる。

 

 その後、周りを見回したシロコさんは私の姿を見つけた瞬間に、ひっ…、と言って恐怖に満ちた表情を浮かべ近くにいたホシノに抱き着いた。

 

 ホシノもそれには驚いたものの、シロコさんがそうなる理由も分かっていたので優しく宥めていた。

 

 少々心が痛かったが、私が近くにいるとトラウマを刺激してしまうようなのでその場からしばらく離れ、後で話を聞くことにした。

 

 結論、どうしてユメ先輩に飛びかかったのかという質問に対して。

 

「…あったかい感じがした。」

 

 との事だった。

 

 その言葉を聞いて全員が頭に疑問符を浮かべる、しかもシロコさん自身もよく分からず。拙い言葉を聞いて考えた結果、シロコさんにとってユメ先輩の傍はとても心地が良いとの事だった。

 

 その後、ユメ先輩はシロコを大変可愛がった。撫でたり抱き着いたりなどのスキンシップ、シロコさん側もまんざらでもない様子で身を任せていた。

 

 その後、記憶が無い事、所属校や自宅も分からず頼る所もない、との事で皆の頭を悩ませることになった。

 

 まずユメ先輩が一緒に住むという案を出しシロコさんもそれには賛成という雰囲気を出していたのだが。

 

「シロコちゃん、ユメ先輩ナギサと一緒に住んでるけど大丈夫?」

 

 とホシノが言った瞬間体を震わせ彼女の目から光が消えた。そこまで怖がられる…?こちらも少々傷ついた。

 

 その後しばらく余裕が出来るまでホシノが面倒を見ることになった。マフラーをプレゼントしたホシノには割と心を許しているようだった。

 

 現在の私とシロコさんの関係は…悪くはない。皆の取り成しと私自身の謝罪、そして餌付けしたことによりだいぶ良くなった。ただし、急に背後を取ったり髪に触れようと手を伸ばすと怖がられてしまうのだが。

 

 そして今、私達アビドス高等部+αは現在例の戦車に乗り、砂漠を渡っていた。何故か水着持参で。

 

 そろそろ私達も2年生になる。つまりはユメ先輩も卒業が近い、そろそろアビドス遊楽も終わりという事でお祭りしたい!と言い出したのだ。

 

 私達もそれには呆れ顔、今のアビドスに祭りをする余裕はまだない。生活も前より良くなったとはいえ住民もまだ自分たちの事で精一杯だ。

 

 そのことをユメ先輩に話すと残念そうな顔をしながらじゃあアビドス高等学校生徒でやろうと言った。

 

 残った少ない生徒を集めてユメ先輩はそのイベントを開催したいと告げたところ、ほぼ満場一致でOK、大がかりにはならないものの、水着持参の上で場所の指定をした。本当に何故水着?

 

 そして私達アビドス生徒会は目的地に到着。その場所とは。

 

「とうちゃーくっ!ここは最新の穴場!その名は生徒会長の私が命名しました。渚のオアシスです!」

 

 その言葉を聞いて私の顔に熱がこもる。なんで私の名前…?ユメ先輩?

 

「あの…。どうして私の名前…?」

 

「え?だって、このオアシスを作ったのはナギサちゃんだよ?だからナギサちゃんの名前を借りて渚のオアシスにしました!」

 

 えっへん、と言った表情をするユメ先輩。というか私が作ったってどういうことだろう。オアシスというよりは湖だ。結構広いしほんの少しだが植物も見える。

 

「…これを…ナギサ、さんが作った?…ん、やっぱりこの人はヤバい人。」

 

「…ええぇ…?いったいどうすればこんなものを…。」

 

 後輩達はこちらを見ながら引いていた。いや、そんな目で見られても私には何が何だか。

 

「…あー、ナギサはあの後意識失ってたからね。分からないのも仕方ないか。ここってビナーと戦った場所なんだよね。」

 

 ここがあの決戦場所?ということはまさか…。

 

 思い出した。ビナーに放った最後の一撃、確かにあの一撃は大きな穴を開けていたが。

 

「いや、それにしたって大きくありませんか?あの時の穴だったら精々池くらいの大きさですよね?」

 

 私がそう言うとホシノも不思議そうな顔をしていた。

 

「私もそう思うんだけどね、なんでか徐々に大きくなっていったみたいなんだよね。今は止まったみたいだけど。」

 

 砂漠化の次は水に覆われる事にならずに済んでよかったよ。とホシノは続けて言う、このオアシスはどうやら私があの時使った力の影響でできたものらしい。そしてこの近辺では何故か砂嵐もほとんど起きないとか。

 

「みんなー!お話もいいけど手伝ってー!」

 

 そう言いながらユメ先輩は持ってきたものを車椅子に乗りながら並べていた。いやこれはぶちまけていると言った方が良いか。

 

 そうして持ってきたもの、バーベキュー用の機材の準備をしていった。しばらくすると他の生徒も合流し、手伝ってくれた。

 

 今日は天気がいいからか中々のバーベキュー日和だとは思う、周りは砂漠だが。機材の準備が終わりユメ先輩が皆の前に移動して大きな声を出す。

 

「はーい!みんな集まってくれてありがとー!今からアビドス高等学校版アビドス砂祭りを始めまーす!今日は無礼講だよー、皆楽しんでいってねー!」

 

 そう言って祭りの開催宣言をするユメ先輩。そうだった、ユメ先輩アビドス砂祭りやりたいって言っていたのを今思い出した。

 

 もうじき卒業も近い、卒業後ユメ先輩が何をするかはまだ聞いていないがキヴォトスに残るのだろうか?

 

 いや、未来の事はまだわからないし今考える事ではないか、今はこの小さなお祭りを楽しませて貰おう。

 

 そう言って周りを見れば少し離れた場所でホシノとユメ先輩が話している。二人とも真面目な顔をしているし邪魔をするのも悪いか。だったら私は後輩たちの方に向かおう。

 

「はい、シロコちゃんお肉焼けましたよー。」

 

「ん、ありがとうノノミ、ん、あふっ…。」

 

 バーベキューを楽しんでいる後輩二人に近付き混ぜて貰う事にする。というかノノミさんも焼いてばかりであまり食べてない。

 

「ほら、私が焼きますからノノミさんも食べてください、シロコさんも火傷しないように食べてくださいね。」

 

 ノノミさんに変わり私が焼き役に回る、二人に分けながらも自分の分もほどほどに確保しておく。一応ユメ先輩とホシノの分も。

 

 そしてしばらく食事を楽しんでいるとユメ先輩とホシノの話も終わったのかこちらに向かってきたので、確保していたものを手渡した。ユメ先輩は満面の笑みで喜んでいた。ホシノは…何か雰囲気が変わった?なんというか大きくなったように見える、物理的にではなく存在が。

 

 バーベキューを終えると皆水着に着替えてオアシスで遊び始める、少女らしいその姿を見るとやっぱりみんな子供なんだなと実感する。ちなみに私は競泳水着である。急だったし派手なものを用意できなかった。

 

 ノノミさんとシロコさんも同じく、ノノミさんは準備できなかったことを悔しそうにしていた。

 

 ホシノはいつの間に用意していたのか可愛らしいフリルのついた白い水着、なんとなく敗北感を感じる。そして着替えを手伝ったユメ先輩の水着は、凄かった。

 

 いや、水着自体は普通のビキニタイプなのだがその体形が、いつもお風呂で見ているだろうというなかれ、水着はまた違った魅力があるのだ。

 

 その後は皆、思い思いに楽しんだ、みんな笑顔で少女らしい青春を楽しんでいた。

 

 アビドス高等学校全校生徒で楽しむ最後のお祭りを存分に。

 

 

 

 

 

 ナギサ達がバーベキューを楽しんでいた頃離れた場所でユメ先輩と私は話をしていた。

 

「それで、大事な話って何なんですか?ユメ先輩。」

 

「うん、それはね。」

 

 ユメ先輩は微笑みながら、私の手を握ってくる。

 

「ホシノちゃん、あなたに次の生徒会長になって欲しいんだ。」

 

「…え?」

 

 驚いた。私にその話が回ってくるとは思わなかったから。

 

「一応今の2年生にも話してあるんだ。生徒会に所属してるのは私達だけだからその後を継ぐのも生徒会の子が良いって言ってるの。」

 

 それだったらナギサにも当てはまるはず、それに生徒会長という役職はナギサの方が向いてると思う。

 

「だったらナギサでも…。」

 

「うん、それも考えたんだけど…なんでだろうね?なんとなくホシノちゃんに私の跡を継いでほしいってそう思うんだ。」

 

 そう言いながら笑うユメ先輩、だがナギサはどう思うだろう。私の大事な友人は私が生徒会長になることを認めてくれるだろうか?

 

「多分だけどね。ナギサちゃんもホシノちゃんが生徒会長になることは了承してくれると思う、ホシノちゃんのお手伝いをしてくれると思う。」

 

 叶えてあげたいとは思う、ユメ先輩からの先輩としての最後の願いを。

 

 ナギサの顔を思い浮かべる。彼女なら頷いてくれるとは思う、今まで通りサポートもしてくれると思う、ならもう私の心は決まっている。

 

「分かりました。でも一応ナギサに相談してからです。ナギサがOKと言ったら受けさせてもらいます。」

 

 そう言うとユメ先輩は嬉しそうに笑う、心残りをなくせたような、すっきりした表情で。

 

 握られた手から何かが流れ込んでくるかのように感じる。今なら何でもできるような、そんな気さえする。

 

「うん、ありがとう。これで私も安心かな。」

 

 車椅子をナギサ達の方に向け私に背を向けた状態でユメ先輩は言った。

 

「アビドスをお願い、ホシノちゃん。」

 

 ユメ先輩から手渡されたものを受け止め、私ははい、と一言だけ返した。

 

 

 

 

 アビドス高等学校砂祭りから更に時間が過ぎたある日、キヴォトスに激震が走った。

 

「速報です!トリニティ総合学園とゲヘナ学園の間で大抗争が発生しました!現在は連邦生徒会の介入で鎮静化しましたが、重軽傷者多数で…。」

 

 思わず携帯端末に手が伸びる。そして迷うことなく友人の名前を押して通話ボタンを押す。

 

 どうか、杞憂であってくれと願いながら相手が出てくれるのを待つ。

 

 しかし、無情にもそのまま相手は通話に出ることはなかった。




話が大きく動きます。この後の展開は賛否両論あると思いますが、ナギサという存在にとって切っては切れないものと向き合う事になります。

それはそうとパーフェクト生徒会ホシノ可愛いですよね?ガチャに来たら欲しいです。
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