汀渚のアーカイブ   作:buridish

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タイトルで分かる人は分かりそう…。

それと前話の最後の構図なんですが、かなり驚きました…更新時間見て貰えれば分かると思うのですがトレスしたわけでもなく偶然の合致です。ホシノとシロコの立場と状況は全く別のものですけれどね。


ペロロ is my life

 正義実現委員会での日々を終え、私は外部交流会の部室に向かっていた。

 

 イチカさんの鬱憤晴らしの後、色々な事があった、多くの事件の解決、そして連邦生徒会との接触。

 

 何故か私への好感度が異様に高かった「超人」さん、もう次期連邦生徒会長の座は内々で決定しているらしく会長と呼んでください!と言いながら握手を求めてきた。近くにいた子は不機嫌そうだったが。

 

 その子の誘拐事件もあり緊急でA・R隊と何故かSRTのFOX小隊の指揮を任される事に、いや、正直練度の高い彼女達との合同任務はA・R隊にとってかなり実になるものだったので、結果的には良かったのだが。

 

 問題は爆弾を救出対象の居る部屋に仕掛けられたこと、逃走した犯人はFOX小隊とA・R隊に任せて私自身が全力で彼女を救出。派手に動いたために結構な人の目に見られてしまった。

 

 そんなこともあったりもしたが、A・R隊に所属していた時も何度か時間のある時に部室には顔を出してはいたし、休みの日にハナコさんと出かける事もしたが、忙しかったとはいえ彼女を放置してしまったのは申し訳ないように思える。

 

 そう思い部室の扉をノックする、すると中からハナコさんの声とともに開かれる扉。

 

「ナギサ先輩、お待ちしておりましたよ?」

 

「な…は?…えぇ…?」

 

 目に移った光景に唖然とした。扉を開けたハナコさんの格好は何故か。

 

 学校指定の水着…だったからだ。

 

「あら?驚かせてしまいましたか?そろそろ夏も近付いてきましたし、暑いので今日は水着を着ていました。」

 

 ニコリというような笑顔ではあるものの、もしかして彼女を怒らせてしまっているのだろうか?ハナコさんも同意してくれていたとはいえ、彼女を放っておいたのは事実だから。

 

 慌てて部室内に入り扉を閉める、扉を開けたままでは彼女の姿を見られてしまう、ただでさえ私に関して妙な噂が広がっているのに火に油を注ぎたくはない。

 

「とっ…取り合えず着替えましょう!そんな恰好をしていたら誤解をされてしまいます!」

 

 こんな風になってしまうほどストレスを溜めさせてしまっただろうかと慌てる、やはり一人にさせ続けるのは良くない、部員を増やした方が良いだろうか?

 

「別に平気なのですけれど、授業以外でこんな格好はナギサ先輩以外見せるつもりもありませんし。」

 

 そんなことを言い出すハナコさん、彼女はいったいどうしてしまったのだろうか。

 

 そんなことをしているうちに背後の扉から鳴るノック音。

 

「ナギちゃーん、いるー?ナギちゃんに用事があるって子を連れてきたんだけどー?」

 

 まずい、この状況は良くない。せめて上着だけでも何か羽織ってもらわないと。

 

「は…ハナコさん?き…着替えはありますか?」

 

 そう言うとハナコさんはあらあら困りましたね?と言いながらまったく困っていない様子で口を開く。

 

「先程洗濯してしまいまして、今は着ているこれだけですねぇ…どうしましょうか?」

 

 扉の向こうからはナギちゃーん?いないのー?という声が聞こえた、嫌な汗が背中をつたう。

 

 私は即座に上着を脱いでハナコさんに手渡す。これで誤魔化すしかない。

 

「取り合えずこれを着てください、下は…何とか言葉で誤魔化しましょう!」

 

 上着を手渡すと何故か匂いを嗅ぎ始めるハナコさん、今日はそんなに動いてないからそこまで匂わないと思うのだが、というか恥ずかしいので匂いを嗅がないで欲しい。

 

 ハナコさんをとりあえず隠れさせて着替えさせる。その間扉の向こうにいるだろうミカさんの相手をしなければ。

 

 私が扉を開けるとそこにはミカさんと一人の少女、見覚えのある子だった。

 

「あ、ナギちゃん。なんだー、いないかと思ったよー。あれ?ハナコちゃんは?」

 

 そう言って中に入ろうとするミカさんの違和感の無いように静止する。もう少し時間を稼ぎたい。

 

「そ、それよりも…そちらの方を紹介して貰ってもよろしいですか…?」

 

 ちらりと少女に目を向ける。見覚えのある少女、以前ハナコさんと出かけたときに出会い、限定品のペロログッズを渡した少女。

 

 ミカさんを見ながらプルプルしている。ミカさんこの子に何かしたのだろうか。

 

 ちらりとハナコさんの様子を見ると私の上着をきちんと着ていたのでミカさんと少女を部室内に入れる事にした。

 

「取り合えず中にどうぞ、お茶の用意を…。」

 

 そこまで言うと私がやります。と言いながらやけに機嫌がよさそうなハナコさんが準備をしに行った。この短時間で機嫌が良くなることがあったのだろうか。

 

 部屋の中に二人を入れて、派手さはないが質のいいテーブルに案内する。

 

「それで…彼女は…。」

 

「この子は1年生の阿慈谷さん、ナギちゃんについて聞きまわってたから話を聞いて連れてきたんだよ。」

 

 ただ話を聞いただけにしてはミカさんを見てプルプルしていたが、今はぽかんとした顔をミカさんに向けているが。

 

「人の目があったからちょーっとだけ威圧的になっちゃってたかな、ごめんね?」

 

 てへ、というような表情を阿慈谷さんに向けるミカさん、ああ、あれか例の悪女ロールプレイ。

 

 ミカさんを見て気が緩んだのかホッとしたような様子を見せながら、阿慈谷さんは私に顔を向けて話し出した。

 

「あのっ…私、阿慈谷ヒフミと言います!以前貴重なものをいただきありがとうございます!それなのに自分の名前も名乗らず、恩人の名前も聞かず…。」

 

 しゅんとした様子の阿慈谷さん、私は彼女の事は知っていたし、性格もなんとなく覚えていたので特に気にしてはいないのだが。

 

「私は桐藤ナギサと言います。阿慈谷さん…でよろしいのですよね?」

 

 自己紹介をすると、俯いていた顔を上げて、はい!と素直に返事をしてくれた。トリニティ内では中々に珍しい真っ直ぐさ。

 

「どうぞ、お茶を淹れましたよー。」

 

「あ!ありがとう!ハナ…コ…ちゃん?」

 

 そこに現れたハナコさん、私の上着を羽織りながら下は水着である。流石のミカさんも驚きで目を見開いている、無論阿慈谷さんも。

 

「あ、この格好はですね。ナギサ先輩がどうしてもと…。」

 

「ちょ…!ハナコさん!?」

 

 淑女にあるまじき声を上げる私。驚いた表情を私に向ける阿慈谷さん、そんな…ナギちゃん…と言いながら両手を口に当てるミカさん。

 

 混沌の状況を作り上げたハナコさんは冗談です。と笑いながら本当のことを話す。それを聞いてホッとした様子の私達。

 

「…それでは話を戻しましょうか…阿慈谷さんは私にお礼を言いにここに来たのですか?」

 

 その言葉を聞いた阿慈谷さんは、はい、と一言。律儀な子だと思った。

 

「えっと、それで…ここは何の部活をしているのでしょうか?」

 

 当然の疑問である。ハナコさんはあんな格好をしているし誤解はして欲しくはない。

 

「外部交流会、私の立場が留学生という事で特別措置で作られた部活です。他校との文化交流が主な活動内容になりますね。」

 

 文化交流とは言うものの現状は他校に観光をしに行ったりしているだけだ、まぁ学校ごとの特色などはきちんと報告書に書いている、私にとって書類仕事は大した問題ではない。

 

「そうなんですか…、それって…他の学校で行われるイベントとかにも参加しても大丈夫だったりするのでしょうか?」

 

 なんだか阿慈谷さんの声に熱がこもってきた気がする。なんとなく先が読めた気がする。

 

「ええ、連邦生徒会が発行した交流許可証もありますから行政関連で止められることはないですね、ゲヘナですら。」

 

 ちらりとミカさんに目を向ける、彼女なら聞かれても大丈夫だと思ったが目を瞑ってお茶の味を楽しんでいるようだ。聞こえなかったふりをしているらしい。

 

 流石に直接的な介入は出来ない、こちらに何かあった場合の協力要請位は出来るかもしれないが…所謂劣化版連邦捜査部S.C.H.A.L.Eか。

 

 もう細かい部分は覚えていないが、この部活はトリニティというよりも連邦生徒会が置いた特殊な部活だ。少しだけ似ている所はあるだろう。

 

「そ…それなら!活動をきちんとしていたらテストも、その…時間を変更とかできないでしょうか!?」

 

 阿慈谷さんの普通じゃない所が出てきた、この子、基本的には良い子なのだがとんでもない事の中心人物とかになっていた気がする、今この時もそれがうっすらと見える。

 

「…うーん、ティーパーティーとしてはそう言う事はダメって言いたいかなぁ…。私自身も自分の都合だけでこの部活に迷惑をかけるのは良くないって思うし。」

 

 ミカさんは苦笑しながら軽く窘めるように言う、本当にミカさんも成長したものだ。

 

「でも基本的にはこの部活に所属していれば少しは他校で動きやすくなるのは間違いないね。ハナコちゃんも阿慈谷さんもトリニティの生徒だからナギちゃんほど自由には動けないけどね。」

 

 それを聞いた阿慈谷さんは俯いて何かを呟いている、ペロロ様とか聞こえる気がする。

 

 しばらく考え込んだ様子だった阿慈谷さんは、顔を上げると決意に満ちた表情を浮かべていた。

 

「あのっ!私をこの部活に入れてくれませんか?その…私自身特に取り柄なんてない普通の生徒ですけど…その、私に出来る事ならなんだってしますので!」

 

 それを聞いて私はハナコさんと目を合わせる。私自身は来るもの拒まずで構わないのだがハナコさん自身はどうか。

 

「私はいいと思いますよ?頼まれごとで留守にしてしまう方もいらっしゃいますし、一人でいるのも寂しい時もありますので、それに…阿慈谷さんは良い子だと思いますし。」

 

 阿慈谷さんが来てからずっと彼女の観察をしていたのだろう、そして、ハナコさん自身が良いというのなら私に断る理由はない。小さな嫌味が聞こえてきた気がしたがそれに関しては本当に申し訳ない。

 

「私もハナコさんが良いというなら。」

 

 私は阿慈谷さんと目を合わせる、自身を普通の少女と評する彼女の瞳は強い意志を感じる。

 

 私は阿慈谷さん…ヒフミさんに手を差し伸べながら口を開く。

 

「ようこそ、外部交流会へ、私達はあなたを歓迎します。ヒフミさん。」

 

 その言葉を聞いたヒフミさんは小さく目を見開き、笑顔を浮かべた。

 

「はい!よろしくお願いします!ナギサさん!」

 

 新たな部員を迎えて賑やかな未来に思いを馳せているとミカさんが口を開いた。

 

「そ、それで…ナギちゃんは学校指定の水着が好きなのかな?…私も今度ナギちゃんの前で着てあげようか?」

 

 色々台無しだ、このピンク脳お姫様。




ハナコの着替えはちゃんとありますし水着姿は単純にナギサを揶揄う為の格好です。得に不機嫌という事はありませんでした。ナギサ様の上着は洗って返しますね?とハナコが持ち帰りました。

原作との差異、原作のナギサ様はティーパーティーのお偉方でしたがここでは違うのでヒフミのナギサ様への呼び方は様付ではありません。ちょっと新鮮。
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